我輩は呼ばれても無いのに来た奴である。物凄く傍迷惑である。   作:病みつきマグロ

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前回

貴様!本当にORTなのか!

古代の南米から徒歩で来た。(*ノω・*)テヘ

藤丸 激流に身を任せよう

どうなる人類史、どうなるカルデア!



我はORTである。原初の母何するものぞ

 

 

「ORT」

 

誰かそう呟く。

 

バビロニアの特異点。その中心とも言える賢王ギルガメッシュが治める都市国家ウルク。その城塞の外に現れた巨大な存在。

 

「来ちゃった。来ちゃったよ。何が華麗に推参だよ。どうしよう、マシュ」

 

「先輩。すみませんが私にもこれは・・・」

 

カルデアの時から更に禍々しく、地球外生命体らしいフォルムは彼等に等しく絶望を与えている。ウルクの市民たちも夜だと言うのに揃って家の外に出て、目の前に現れた存在を見上げている。当のORTはと言うと、

 

『・・・アレガティアマトカ。オモシロイ。ヤハリ、カルデアニ行ッタノハ正解デアッタナ』

 

ティアマトが進撃してくる方角を見て腕の先端や全身から伸びる触手をワキワキと動かしながら、この後の事を思案しているORTはジグラットの方に身体を向け直してそのまま進んでくる。とは言ってもORT自身宙に浮くことなど造作もない事なので街への被害はない。ただ、月の光を遮る様に巨大な物体が過ぎていくのを住民は固唾をのんで見守っている。ジグラットに到達すると、巨大なORTの姿が消えて、二頭身のORTへと姿を変えた。

 

『ヤア、皆丿衆。宇宙最強丿"メリーさん"コト、ORTデアル。チミタチガ楽シソウニシテイルノデ見物ニ来テヤッタゾ』

 

本日もエンジン全開、自由奔放なORTである。ORTは挨拶を済ませるとギルガメッシュの前に移動し、彼を不思議そうに見ている。

 

「事ここに至って何も言う事はないが・・・。何故、我を不思議そうに見る」

 

『イヤ。私ガ記録スル"ギルガメッシュ"ハ、「雑種」ヤラ、「フハハハッ!!」ト高笑イシタリ、暴君丿印象ダッタノデナ。貴様サテハ、影武者ダナ』

 

「何を言うかと思えば、それは若い頃の我だ!今の我ではない」

 

『ソウカ。ソレヨリモ藤丸クン』

 

ギルガメッシュの返答に既に興味を無くしたORTは隣にいる藤丸へと声を掛ける。それは一種の飴のような提案であった。

 

『アノティアマトトヤラ。私ガ倒シテヤロウカ?』

 

「それは・・・」

 

『何。コレマデ君達ハ数々丿死線ヲ潜リ抜ケテ来タ。ソノゴ褒美ダト思エバイイ。ドウカネ?』

 

ORTの提案は非常に魅力的だった。確かに彼の力を借りれば今すぐにでもこの特異点は解決に向かうだろう。しかし、本当にそれで良いのかと藤丸は自問する。これまで彼は失われた未来を、世界を取り戻す為に戦ってきた。今回も多くの仲間の活躍と犠牲の得てこの場にいる。ここでORTに助力を請うのは彼等への裏切りになるのではないか?

 

それにこれはこうも考える。

 

果たしてORTが此方への被害を考えて対処してくれるのかと、一周回り悟りを開きかけた藤丸はいつも以上に冷静な判断をする事が出来た。故に彼は、魅力的な提案にこう答えた。

 

 

「ごめん。確かに有難い申し出だけど、ここで君の助けを借りるのは違うと思う。それに・・・君がティアマトに対処した場合の二次被害が大きそう。いや、絶対にティアマト以上に大きな問題を残しそうで怖い。だから、ごめん」

 

『ソウカ。ツマランナ。折角、格好良クヤッテ来タト言ウニ・・・』

 

「良いぞ藤丸。良く言ってのけた。確かに此奴に任せてはウルクどころか、この特異点。いや、人類史に大きな穴を開ける事に成り得る。我は貴様の選択を褒めてやろう」

 

藤丸の言葉を聞いたORTは一言だけ言葉を発し、次の標的を見た。

 

「フォッ!?」

 

『ムフフ。デハ、我ハ事ガ進ムマデ見物ニ勤シムトシヨウ』

 

哀れ、フォウくんはORTの標的にされ、暫く一体と一匹で戯れ始める。その後、彼等の話し合いは冥界にティアマトを落とす作戦で決まり、一先ず足止めをする事で決着がついた。決行は翌日。それぞれ英気を養う為に休息に入るがORTはジグラットの上で無限に広がる夜空を見ていた。

 

 

 

『哀れだな。勝手に嘆き、怒り、いい迷惑だ。そうは思わないか?最古の王よ』

 

「ふん。まさかとは思っていたが、あの怪物に自らを喰わせる物好きがいたとはな」

 

夜空を見ていたORTが振り返ると、そこにはギルガメッシュ王が腕を組んで立っていた。彼の目は今のORTを在り方を的確に見抜いている。

 

『物好き・・・か。確かにそうかもね』

 

流暢に話すORTの姿をとる者。それは遥かな昔に現在のORTを形成するに至った知性体だった。ORTに取り込まれて消えた筈であったが今、その身体を一時的に借りて表に出て来ている。

 

「それで?ここに来た理由は何だ?」

 

『ないよ。僕はある目的を達せれば後はどうでもいい。これまでのORTの行動に僕の意思は介在していない。彼が来たかったから来た。その理由までは僕は知らない。でも、彼はまだまだ純粋に好奇心で動いている。案外、ティアマトを見たかっただけかもしれないね』

 

「そんな事でやって来られては甚だ迷惑なのだがな」

 

ギルガメッシュは苦笑した。カルデアから来た藤丸たちの達観具合から薄々感じてはいたが、まさに嵐の様な存在だった。それを制御できるのであれば現在は対ティアマト戦への一手、いや主力にすら据えていただろう。

 

それからギルガメッシュは目の前の存在から感じる気配が変わるのを感じた。ORTが急に頭を降り出したからだ。

 

『厶!今、何カガ我丿中ニ居タ様ナ感覚ガアッタナ。マサカ、ヤツガイタカ?』

 

全身をくまなく確認して、憑き物が残っていないか確認するORT。その後、ギルガメッシュを見ると面倒そうに頬杖をつく。

 

『歳ヲ取ッタピンピカデハナイカ。我丿サインガ欲シイノカ?物好キメ』

 

ブチッ

 

ORTの煽りとも取れる言葉に、ギルガメッシュの中で何かが切れた音がする。作戦会議の折に聞いては居たが、言葉を選ぶ事を一切しない。そこに切れはしたがそこで吠えたりしないのは流石の耐久力である。それよりも彼は、ORTにある事を相談しに来ていたのだ。

 

「一度でいい。手を貸せ」

 

『無論。我ハ初メカラソノツモリデアルガ、当丿本人カラハ断ラレタゾ』

 

「そうではない。作戦が成功し、奴を冥界に落とした後の事だ。決定打はあるがそれをするに暫し時間がいる。藤丸にはああ言ったが、やはり貴様の存在はデカい」

 

『フム。話ヲ聞イテヤロウ』

 

もしもORTに目がついていたら、キランと光ったであろう。そして、王と怪物による密談が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言えば、ティアマト神は冥界の底へと落ちた。

 

ケツァルコアトルとアナ、キングゥ、ギルガメッシュによる足止め。エレシュキガルによる穴の移動。イシュタルの宝具によって穿たれた大穴。

 

かくして、生者の居ない領域へと落とされたティアマトは、何としても地上へ戻ろうとする。それを冥界のシステムで抑えようとするエレシュキガルだったが、あるモノを視界に収めてその手を一度止めた。それはティアマト神の背後に現れた一つの影。

 

『我ハORT。今、貴様丿背後ニ居ルゾッ!!』

 

耳に響く不気味な声。ティアマト神は後ろへ振り返った。

 

『アァアアア、ヴァッ!!』

 

ティアマトの声は、自身の顔面に叩き込まれた一撃で中断された。その一撃はティアマトの身体を宙に浮かせて冥界の空間を飛んだ。

 

ドォオオオオンッ!!

 

大きな衝撃音と共に冥界が揺れる。冥界の地でのたうち回るティアマトは痛む顔を押さえるが、その右半分は無惨に歪み、角が一本折れてしまう。その向こう正面。ティアマト神を吹き飛ばした下手人は、全身から触手と青い炎を吹き出し、複数本ある腕を震わせて立っていた。冥界の暗闇で怪しく青い光が不気味に蠢いている。その内の一つ。ティアマトの顔面を殴り付けた腕が僅かにひび割れていた。それは決してティアマトの耐久性が高いからではない。

 

『ヤハリ、偶ニハ動カネバダメダナ。一発殴ッタダケデ自壊シタ』

 

これは本人しか知らない事ではあるが、カルデアが普段見ているORTの肉体は本体から出て来た老廃物の塊。悪く言えば汚物である。

 

それでも地球上生命体やサーヴァントが太刀打ち出来ないのは流石である。因みに本体は現在頭の上に浮いている円盤や吹き出ている炎だと言われている。猫状態の身体にくっついているアレである。

 

なのでハリボテの肉体が破損しても直ぐにリペア出来る。ORTが腕を振るうと、ひび割れた箇所は修復され、直ぐに目の前で倒れるティアマトに向き直る。あちらも体勢を起こして、ORTに対して敵意を剥き出しにしている。そこから両者による激突、ORTによる一方的な蹂躙が始まった。

 

『ホレホレ』

 

ORTは肉体をくねらせて腕や脚部でティアマトを殴打する。対するティアマトは動作が遅く一方的に攻撃を受け続ける。ティアマトも負けじと足元から泥を発生させてORTを侵食しようとする。

 

だが、その面でもORTは勝っている。自身に迫る泥を自身にとって無害な水晶へと変換していく。泥から発生するラフム達もORTの全身から伸びる触手の餌食となり捕食されていく。

 

目の前で繰り広げられる怪獣バトルに目を覚ました藤丸やアヴァロンから走ってきたマーリンも、苦笑いをしながら眺めるに留まっている。

 

「いや〜、まさかORTが現れるなんて、マーリンお兄さんにも予測出来なかったよ。彼にとっても予想外だっただろうね」

 

「マーリン。"彼"って・・・」

 

「いや、そこは言わないでおこう。それに両者の戦いは長く続かないだろう」

 

マーリンは言う。初めからORTがティアマトを倒す気ならば決着はとうについている。それをしないのはORTが時間稼ぎをしているだけだから。ティアマトを倒すのはあくまでも、藤丸達の仕事だと。マーリンはそのまま、現在のティアマトに関して説明を続けた。

 

人類悪、ビーストとしてのティアマト。

 

現在は死の概念が無いが、それを付与する手立てがあるとも。

 

そして、怪物同士の戦いは静かに終わる。急にORTが攻撃の手を止めたのだ。全身から噴き出す炎も勢いが弱まり、頭部を掻いて一言呟いた。

 

『飽キタ』

 

そして言葉に続く様に両腕を薙ぎ払うと、ティアマトの翼が根本から断ち切れる。切られた翼が大地に落ちた。痛みに悶えるティアマトを無視して、冥界の丘の上に集まる藤丸達を一瞥する。すると彼が一歩前に出て、頭を下げた。

 

「ORT、ありがとう。お陰で助かった」

 

『・・・頑張ルコトダ。マダマダ戦イハ続クゾ』

 

そう言うと、それまでティアマトに猛威を振るった化け物の身体が割れるように消えた。ORTが消えると、先程まで大地を侵食していた水晶も次々に割れていき元の冥界の大地が姿を見せる。

 

マーリンが「さぁ、仕上げだ!」と彼等を鼓舞し、藤丸達は原初の母との決戦を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルデアの管制室で再起動する。身体を起こすと直ぐ目の前にいるロマニを見上げる。

 

「長い昼寝だったね」

 

『イヤ、ホンノ瞬キ程度丿一瞬ダヨ』

 

ロマニは言う。ティアマトは無事に藤丸立香達によって倒された。あの後、更に二人ほど助っ人が来た様で今は残り少ない時間をウルクで過ごしているそうだ。

 

「君の乱入。あれは意味があったのかい?」

 

『ナイ。アノ特異点ニオケル我丿行ッタ行為ニ意味ハナイ』

 

「そうかい。所で君の好奇心は満たせたのかい?」

 

我は肯定する。

 

我が星に来る以前に駆逐された獣。少しは楽しめたが脅威ではない。ラフムとか言う黒いのは良い補給となった。

 

「一つ聞いても?人類史は燃やされて何も無くなった筈なのに、どうして君は彼処に残っていたのか」

 

『我ハ星ノ生命ニ非。星ノ理ニ左右ハサレズニ只、在リ続ケル。ソシテ、我ノ領域モ星ノ理ノ外ニアル。故ニ燃エズ、不変デアル』

 

まあ、他の我は知らんがな。そして、我はこの男にある提案をする。

 

『魔術王ヲ騙ル獣ガ攻メテクルガ・・・喰ッテヤロウカ?』

 

我はこの男に提案する。どうせこの後は獣風情が攻めてくるのだ。来たところをこっちから仕掛けてやれば向こうも驚くし、何よりも我の次の興味はその獣だ。

 

「それは・・・」

 

だが、奴の反応は歯切れが悪い。まぁ、奴も自らの事だ。察しなど等についている。そして、問題解決の手段も・・・だから言ってやった。

 

『マァ、消エヨウトスル男ニ言ッテモ詮無キ事カ』

 

「っ!?」

 

我の持ち得る解析能力を動員して導き出した結果を伝えた。その反応は肯定と取るしかないぞ優男。

 

『ソウカ、我ハ帰ルゾ』

 

「待ってくれ!ORT、君は、君達(・・)の目的は一体・・・」

 

ふむ。君、()か。成る程、そうか。

 

残っていたか脆き者。我に何をさせたい。

 

 

『・・・・・』

 

え?無視。

 

そこは普通出てくる所じゃないのか。

 

あ、そうですか。

 

 

『我丿目的ナド知ラン!我ハ一瞬、一瞬ヲ楽シムノダ!』

 

 

 

 

 

 

 




謎の存在

一話で消えたはずの奴

なんか目的があるらしい。

ORT
普段見えている部分は大半が老廃物。なので幾らでも破棄、修復が出来る。飽きれば帰る。






はい。なんか色々感想を貰って嬉しい限りです。返信はしませんが全部目を通しています。

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