機甲シン・ゼロ【Reboot】 作:PureFighter00
……なんて事書いてるが、一応生物学を志してたラララ科学の子である筆者は自由主義のフレームワークにはそぐわないものの、公衆衛生や防疫の観点からして政府方針は妥当だと考えてます。ファッショした方がいい時もあるんだよ! ファッショが如何なる状況においても許されざる悪であり、自由は民衆が命を掛けても守り抜くべき思想であるという前提がおかしいのだ。それぐらいは件の新聞社も判っとる。でもね……多分……きっと(願望)w
この科学的正当性と自由主義の持つ危うさにヒトが悶々としてる最中、ワクチン打つとアレだソレだと騒ぐただの馬鹿は気楽で良いよなぁと思いました(KONAMI)
「……こちらとしても別に事を荒立てるつもりはない。我が星のトップの命と等価交換でいこう」
それは奇妙な姿をしていた。全高160cm程の直立したウサギ……具体的に申せば等身大のピーターラビットだ。それがホワイトハウスのSPの生首を抱え、その生首が喋っている。ウサギはモキュっと小首を傾げているが、胸元は鮮血に染まっている。
「星のトップなら国連の事務総長なんかどうだ? 何なら連絡するが……」
コメ国の博打札に似た名前の巨漢は困惑した。「お前らの星が放ったボイジャー1号のせいでこちらの星のトップが死んだ」何をバカな事を。ボイジャーは誘導なんぞしていないのだから、そちらの前方不注意だろう……
「いや、我々はこの星のトップは君だと看做している、ドナルド君」
「そいつは光栄だがありがた迷惑だな。早く鏡の国なり不思議の国に帰りたまえ」
「帰りの船まで数ヶ月掛かるらしい。私個人の意見としてはこの星が焼かれるのは忍びない」
「いいかね、これは私が命乞いをしている訳じゃ無い。そんな難癖でこの星の住民を差し出す様な事は出来ない──ボイジャーには妹もいるんだ」
「仕方ない、実力行使をさせて貰おう」
「気が合うね、ちょうど私もそう考えていた」
トラン◯の影武者が右手を挙げるとトランプの兵隊がマテリアルライフルでウサギを狙撃した。ホワイトハウス襲撃から20分。悪くは無い対応だ。
「……大統領に繋げ、緊急事態だ」
【注意】
本作は新型コロナ流行直前から執筆した作品なので、トラさんとシンゾーは在職中だし存命です。まさかシンゾーが暗殺されてトラさんまで狙撃されるとは思わなんだ……
地球内に潜伏している異星人に動き有り……と言う冗談のような報告を耳にしたコメ国大統領のトラン◯は、前後策を協議する為に東京へ飛んだ。愛娘から「困った事があればシンゾーに相談するのよ!」と、キツくキツく詰められていたからだ。シンゾーはお忍びの来日と言う事で東武練馬のAEONに近い居酒屋を貸し切った。トラン◯氏は酒呑まない癖に居酒屋料理が好きでエイヒレにマヨネーズ付けて食べるのか殊の外お気に入りなのだ。
「なぁ、シンゾー。宇宙人が攻めて来たどうしたらいい?」
内閣総理大臣シンゾーは呆気に取られてグラスを落としそうになった。影武者まで立ててお忍びで来日していきなりこれか。流石ア◯リカ、発想が違う。
「……しゅ……集団的自衛権……?」シンゾーはそれをある種の比喩と考える事にした。つまり地球の危機が来ても日本は専守防衛を貫くのかと尋ねているのかと。
「そうとも言える。先程連絡が入ったが、ホワイトハウスが異星人に襲撃された」
深刻なトラン◯を前にシンゾーはあたりを見回した。何処かのテレビ局のバラエティで、絶対笑ってはいけない首脳会談でも企画したのか? しかしトラン◯はトラン◯本人で間違いない。シンゾーは日本で一番彼に詳しいと自負している。そして盟友のタローと同じくサービス精神から口を滑らす事が多い──サービスかな?──彼が変なところで妙に実直なのも十分以上に知っている。つまり、彼は本当に異星人が攻めて来たと「信じている」 酒呑みならベロベロに酔わせて退散させるところだが、彼は3杯目のコーラを美味そうに飲んでいる。酒タバコはおろかコーヒーも飲まんしな……シンゾーは途方に暮れた。
「えーー、つまり……地球より遥かに高度な文明やテクノロジーを有した異星人が、と言うことでアリマスカ?」
シンゾーの口調が国会答弁じみて来た。
「そうだ、君たちは勝ち目の無い先進国に喧嘩売るエキスパートだろう? 先の大戦の時はどんな気持ちで……」
シンゾーは途方にくれて天を仰ぐ。んなもん何処ぞのクォリティーペーパーが大衆煽動してイケイケGoGoになったからですよとしか言いようがない。
「貴国の将官は何と?」
「第二次朝鮮戦争や台湾有事のシナリオは有るが、異星人は想定外だそうだ。日本なら何かあるんじゃないか? Godziraが攻めて来た時のプランあるんだろ?」
それは防大で余興としてやった奴じゃ……大体、本物の防衛対策なら審議して予算組んでるはずじゃないか。むしろそれは庵野秀明に聞いてくれ!
シンゾーは身体を流れる父祖の血を怨んだ。いや、まぁ、当時ウチの父祖も国政やってましたよ、やってましたとも! だからって私にそんな事聞かれましてもですね!
「博士!」
「状況は最悪に近いな……」
アメ◯カの軍用回線を傍受し、ゼロで解析を掛けた所……地球が異星人に攻められつつあると言う結論に至った城南大学シキシマラボの面々は、冷や汗を滲ませていた。
「……恐竜帝国じゃなかったか……」
「……グレンダイザーとは思わなかったな……」
「恒星間航行が可能なテクノロジーは不味いな、レベルが違い過ぎる」
「……そう悲観したものでは無いぞ。むしろならば……」
「シキシマ博士、何か策が?」
「遠過ぎるんじゃよ。もし彼らがその様なテクノロジーを持っていたとしても、連発はできまい」
「何故言い切れるんですか?」
「我々人類だって月辺りまでは有人飛行してるだろ? だがしかし今は?」
「コスト、か……」
「そんな簡単に恒星間飛行できるなら、今頃ガミラスみたいに太陽系内に敵の宇宙艦が入り込んでいるだろうし、異星人が危険を犯してホワイトハウスに侵入したりはしない。我々は間に合ったと言う事だ」
地下格納庫に巨立する「機甲シン・ゼロ」
機甲シンシリーズの実証機ではあるが、シミュレーション上はこれでも戦えるし、アメ◯カ第七艦隊程度であれば完封できる。
「ゼロの兄弟までロールアウト出来たら良かったんだが……」
シキシマは当然の様に30機近く量産する気でいた。無論28号は自分で操る所存である。
「博士! AEONの近くに推定20m程の円盤がっ!」
「なにっ! ……え、いやなんでAEONに?」
「AEONも極秘裏にスーパーロボット開発してた?」
「トップバリューロボは流石に無いんじゃないかなぁ?」
AEON程の企業がロボ開発してたら、流石に会計監査でバレるだろ。少なくともシキシマラボの面々よりは遵法精神持ち合わせているだろうし。
次回、機甲シン・ゼロの意外な弱点が明らかに。
「飛ばせ! ロケットパン◯!」
──永井豪はやはり素晴らしい。