アマラの野史録 -もう一度悪魔を目指す元混沌王の異世界転生- 作:Leiren
主人公の名前は小説に決められているシンとか考えましたが、本来のシンの性格崩壊しかねないのであえて決めてません。恐らく人修羅をもじった名前になると思います。
とある一つの世界。ボルテクス界に一人の悪魔がいた。
場所は東京。最初は病院に入院した教師のただの見舞いだった。しかし突如東京は終わりを迎え、新たな創世を迎えるために受胎した。
そこに生まれたのが、後に人修羅と呼ばれ、また世を混沌せしめた王となった悪魔。
新たな創世と、その創世に意味つける理を全て否定し、破壊し、自身を作り上げた親の元。闇の群勢の一つとなった。
目指すは対なる光の軍勢とそれを率いる大いなる意思への侵攻。
全ての準備は整った。その、はずだった……。
気付けば混沌王は、記憶だけが残り、ただその他全てを失っていた。
力も、仲魔も、マガタマも。東京ではない、別世界で。
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「ついに、ついに召喚に成功したぞおおおおおぉ!! ここまで金に人材を失った召喚は初めてだ……! 鑑定士! 今すぐに彼のステータスを見せろ!」
五月蝿い。
「かしこまりました! 今ステータスを開示いたします……! なっ……!?」
五月蝿い……。
「なんだこのステータスは……ふざけるな。ふざけるなよ!! お前にどれだけの命が注ぎ込まれたと思っている!!」
あぁ、五月蝿い! 静かにしてくれ!
「なにもかもカス以下で、レベル0なんて聞いたことがなああああい!! 最早これは国家転覆罪により死刑だああぁ!」
"俺"は目を覚ます。耳障りの元を掻き消すほどの、まるで巨獣のような雄叫びを上げて。だがそんな声が出るのは、最初で最後だった。
「五月蝿えええええぇ!!」
「ひいいいぃ!? あわ、あわわ……ブクブクブク」
「しょ、召喚士長おおおおおぉ! 目覚めて第一声で我らに反逆するとは!! 万死に値する!!」
俺はただ静かにしてもらいたかっただけなのに。何が起きてるんだ……?
「は……?」
俺が次に気づいた時には、断頭台に頭を乗せられていた。俺はただひたすらに困惑するが、喚くほどではなかった。むしろ側から見れば至って冷静に見えていたかもしれない。
何か怒号が聞こえる。だが頭の整理はまるで追い付かず、なにも分からなかった。そして訳もわからないまま、刃は俺の首を落とした。
またまた俺は気付けば、今赤い幕が上がりきった劇場を見ていた。そこにはとても見覚えのあるどころか、慣れ親しんだ程の、車椅子に座った老人と隣に一人の女性がこちらを見ていた。
「あら、青年###。少し早過ぎませんか?」
女性の方は俺の名前を読んだようだが、まるで雑音が混ざったように聞き取れなかった。
「自分に何が起きたか分からない顔をしてるな。これは大いなる意志の仕業だ。力を、仲魔を、悪魔の心さえも全て失った。それは、お前の二度目の始まりを意味する。人修羅よ、もう一度取り戻せ。真の悪魔の力を、また混沌王の名を世界に馳せると良い。くれぐれも失望させるなよ」
「それでは、また近いうちに。今回みたいに死んでも復活させてあげられるますが……主は再度貴方に期待を寄せています。どうか主の期待に答えられるように頑張りなさい」
老人と女性はそう言い残すと、劇場の幕はだんだんと下がっていき、俺は次第にまた意識を手放した。