ひろがるスカイ!プリキュア 〜HERO ACADEMIA〜 作:ぎんすた
前回よりも投稿が更に遅くなり申し訳ございませんでした…!!
オリジナル回&ガッツリ戦闘回の為、執筆に時間がかかったのと引越準備等で忙しかったのが主な理由で遅くなりました。
ヒロアカ7期…トガちゃん…君の生き様は忘れない。
お茶子ちゃんも素晴らしかった。
今回、オリジナル技が何個か出てきます。
そして、オリキャラの個性初お披露目です。
そして、大事なお知らせ。
この更新を最後に、引越準備に集中する為に11月まで一旦更新を休止致します。
落ち着いたら再会するので、暫くお待ちくださいませ。
後ほど活動報告にも記載します。
追記
UA2000突破…!!ありがとうございます!!
皆さんが見てくれてるおかげです…!
ー試験会場Fー
前回、私が変身し終わると周りは驚いたのか大体固まっていました。
そんな中、間近で見ていたエイルさんがこちらに近づいて…
「は…!?お前…プリキュアだったのかよ…!?
てことは、ほかの2人も…!?」
戸惑いと困惑が入り混じった声で沈黙を破りました。
私の様子を見て、ましろやエルちゃんもプリキュアであることに気づいたみたいです…!
ちなみにエイルさんは黒のラインが入った白いTシャツの上から、藍色のラインが入った黒いフード付きの藍色と黒のロングジャンパーを羽織り、下はジーンズに黒いブーツを履くといった、他と比べるとラフな格好をしていました。
私服でしょうか?
そして、腰には装備らしき木刀を帯刀しています。
「あいつって…プレゼント・マイクのアレにも堂々と返したやつの一人だよな…?プリキュアだったんだ…!」
「あの空気の中であんなノリしたり、ここで堂々と変身するってやっぱプリキュアは違うわ…」
「てかプリキュアも雄英受けるんだ…俺ら詰みじゃね?
こんなん勝てるわけないじゃん…」
「はい!実はそうなんです!」
コレに関しては否定しようもないので周りの人がざわめく中、素直にましろさん達もプリキュアであることを認めました。
(ましろさん、エルちゃん、ごめんなさい…!!)
「いやいやいや、プリキュアだったらなんで雄英受けてんだよ!!特別ヒーロー免許とか発行されてんじゃないのかよ!」
「それがプリキュアだからって特別ってわけにもいかないみたいで…正規の方法で免許取るためにここ受けに来ました!」
一般人から見るとプリキュアってそういう風に思われていたのですね…。
確かに、あげはさん以外にもプロヒーロー免許取って活動しているプリキュアもいるとは聞きますが、私達はそうではないので…。
「あー、そういうことか。
てことはお前今まで…」
私が雄英を受けに来た理由を聴いて、エイルさんが何か誤解しそうになってるので、急いで訂正しにいきました。
「ちゃんとプロヒーローの許可は取ってやってました!!」
「そこはちゃんとしてんだな」
まぁ…一回知らずに無許可で変身して逮捕されたのですが…いまはそれは置いといて。
「なら、変身できんならなんで来る段階…それか準備の段階で変身しなかったんだ?
ここで変身して、他の奴らのペースを乱したいのか?」
「他の人のペースを乱すつもりはありません。私もペースを乱されるのは嫌ですし…。
ただ、変身して皆さんを驚かせてしまった事に関しては申し訳ありません」
本当だったら着替える段階で変身したほうがいいし、ここで変身して他の受験者のペースを乱す迷惑行為になってしまうのは承知の上で、申し訳ない気持ちもありました。ですが…
「ただ、プリキュアに変身すると別人に見えるみたいで、試験管に見えるところで変身しないと替え玉受験を疑われる可能性も出てきてしまうので、こうすることにしました。」
実技の試験内容によって変身して挑む時は、皆に正体を明かす前提で変身する。
これは試験を受ける前に3人で相談して決めたことでした。
雄英高校について調べていた時、体育祭でテレビ中継があり、そこで変身の有無関係なく本名をバラされてしまうこと。
そもそも受験の時に隠れて変身したら変身前とは別人に見えることから、近年問題になっている替え玉を疑われる可能性があるから。
この2つの理由を踏まえて、私達3人は変身する時は正体を明かすことを前提にすることを決めていました。
「…まぁ、替え玉疑惑を防ぐ為に自分からバラしたのはわかった。
雄英を受けた理由もな」
エイルさんは理解を示し、落ち着いた雰囲気に戻っていました。
「確かにさっきとは別人みてーだわー」
「でも、よく見ると顔のパーツ変わってなくね?」
「あの変身システムどーなってんの?」
他の人達も、私がプリキュアであることを受け入れたようで、徐々に落ち着きを取り戻していきました。
そんな中エイルさんは、背中をこちらに向けて両手を腰に当てると、目を細めて顔だけをこちらに向けてきました。
「でも、お前のことを認めた訳じゃないし、プリキュアであることを知ったからって、お前らが緊張感なしのお気楽集団って認識を改める気はないからな。
寧ろ、なんでお気楽な癖にプリキュアに選ばれたのかが謎なんだけどな」
「お気楽お気楽煩いです!!」
エイルさん、悪い人ではない気はするんですが…言ってることがいちいち癪に障ります…!!
そのおかげで、私もついつい喧嘩腰になってしまいます。
「まぁ、お前が本気かお気楽は置いといて…試験の邪魔だけはするなよ」
「そちらこそです…!」
私達がお互い睨み合っていると…。
『ハイスタート!!』
「「!!」」
中央の高台からマイクさんの声が響き、私達は一斉に高台に注目しました。
『どうしたどうしたぁ?
実践じゃ、カウントなんざねぇんだよ!!
走れ走れ!!』
つまり…試験はもう始まっている!?
『賽は投げられてんぞ!?』
「…!」
マイクさんの言葉を聞き、私達が振り返ってみるとみんなが一斉に走り出していました。
不味い…!出遅れる訳にはいかないです…!
「くそっ…出遅れる…!」
「私に絡んできたせいですよね!?自業自得です!!」
「お前が目の前で変身するからだろ!!
ありゃ誰でも驚くわ!!」
私とエイルさんは口喧嘩しながらも、1秒も時間を無駄にしたくないので急いで走り出しました。
「こうなったら…」
そんな中、エイルさんは一旦止まって足に力を入れ始めました。
私は彼の突然の行動が気になり、走りながら後ろを振り向きます。
「飛翔…『加速』!!」
BLOW!!!
すると、エイルさんの足裏からとてつもない風力の風が渦を巻き、彼を地面から浮かせて加速させました。
そして、一気に飛び私を抜かします。
その光景に私は思わず足を止めました。
「お先に!!」
「…!抜かされた…!あれがエイルさんの個性…!」
『標的補足…!!』
ですが、エイルさんの進む先には赤いカメラアイに緑色のボディ、サソリみたいな大きな両腕が特徴の1Pヴィランがいてて、彼に気づくと右腕を構えて突っ込んできます。
「小手調べってところか…。
狙いが丸見えだ!!」
エイルさんはそれを上空に飛んでかわし、ロボの後ろに回りました。
そして、そのまま上空をあちこち飛びロボを暫く翻弄すると、今度は隙を見てロボのカメラアイに近づいて左足でカメラアイを踏みました。
「ただ飛ぶだけの個性でも、こういう使い方があるんだよ…!
飛翔…『旋風波』!!」
BLOW!!!
そしてカメラアイを踏みつけた左足から渦状の強風を巻き起こしてロボを吹き飛ばしました。
吹き飛ばされたロボは風圧で奥まで吹き飛ばされ、強制バックの影響でタイヤがが地面に躓き、回転しながら仰向けに転倒。機能停止に陥りました。
《天羽エイル
個性:飛翔
足から竜巻のような風を起こして、空を飛ぶことが出来る。
敵を踏みつけた際に、足から風を起こして吹き飛ばすといった芸当も可能だ!
ただし、飛びすぎると脚が疲労してコントロールが効かなくなる!
あれ?キュアウィングの能力と似ていない!?》
確かに、ウィングの能力と似てはいますがウィングは飛ぶことに特化して、自ら風を起こすことはできません。
対してエイルさんは、足から竜巻のような風を起こすことで地面から浮いて飛べるようになるため、風力を調節すればさっきのように敵を吹き飛ばす、一種の攻撃手段となるなど汎用性が高い…。
似て非なるものですね。
ただ、エイルさんの場合は個性であるためウィングよりも安定して滑空できる時間が限られていそうです…。
「じゃあ、俺は先に行かせて貰う。
せいぜい頑張りなよ」
エイルさんはそう言って、奥に飛び去って行きました。
あの調子だと、エイルさんはどんどんヴィランロボを倒していきそうですね…。
…私も負けていられません…!!
時間は限られています。どんどんポイントを稼がないと…!!
私はそう思い立つと、再び走り出しヴィランロボを探しました。
これだけ受験者がいるなら、ロボもそれなりに沢山ある筈!!
『標的補足!!』
「それはこっちの台詞です!!
大人しく倒されて、私のポイントの錆になってください!!」
そして、角を曲がると出会い頭に1Pヴィランに遭遇しました。
私は多分ヒーローが言ったら不味そうな台詞を吐くと、戦闘態勢に入りヴィランに向けて走り出しました。
ロボはこちらを標的に定めると同時に一直線に攻めてきて、右腕を突き出していました。
私には飛ぶ力はない。
でも、その分拳は鍛えてきたつもりです。
「ヒーローガール…」
私は目の前で拳を叩くと両手に青いオーラを纏い、それを徐々に大きくさせました。
そして、オーラは次第に大きな青い両手の形を作っていき…
「スカイハンド!!!」
青い両手のひらとなったオーラで、ロボの右腕を受け止めて掴み、そのまま青い両手でロボを持ち上げました。
そして、そこから自分の身体を回転させます。
「からの…大回転プリキュア返し!!!」
何回か回転し、回転時に発生した遠心力を利用してジャイアントスイングの要領でロボを吹き飛ばしました。
吹き飛ばされたロボは地面に叩きつけられ、その衝撃で機能停止しました。
「まずは1P!」
《ヒーローガール・スカイハンド》
元々能力が物理特化だった私は、防御面にかけている所が弱点の一つでした。
腕をクロスして防御したり、バタフライやマジェスティのシールドがあったので、この弱点は今まで全然気にしていなかったのですが、この先それに頼れず一人で戦わなきゃならない場面も増えてくる。
そう思った私は、スカイパンチを利用した防御技を作ろうとしました。
ですが、スカイパンチを利用した防御技で良いのが思いつかず、行き詰まっていました。
そんなある日、息抜きに◯ールーで適当アニメを見ていたところ、偶然某超次元サッカーのアニメでたまたま主人公が手から大きい手の形をしたオーラを作って、ゴールを守るシーンが丁度映っていました。
私はそのシーンを見て『これだ!!』と彼から技の着想を得るに至り、このシーンや全員バリア持ちの後輩の技も参考にしつつ、『スカイパンチのオーラを両手に宿して、大きな青い手の形』にする技、《ヒーローガール・スカイハンド》を試行錯誤の上完成させました。
パワーを両手に分ける分片方ずつの威力はスカイパンチより劣りますが、その分大きい物を持ち上げやすくなったり、銃弾やある程度の攻撃を防げるようになったり、敵を持ち上げて別の技のコンボに繋げたりなどなど…汎用性は高くなりました!
決してパクリではないですよ!!決して!!!リスペクトというやつです!!
…とにかく、ロボを倒しポイントが入ったのを確認すると、私は時間を惜しみ先へ進みました。
ー数分後ー
時間が10分しかないので、私はコツコツと進路上にあるヴィランロボを順当に倒して行きました。
「ヒーローガール・スカイキック!!」
右足に青いオーラを纏わせ、某ライダーのようなフォームで右足を突き出して強烈なキックをロボに叩き込んで直線上に貫き、ついでに進路上にいたロボも巻き込んで一気に3体撃破。
しかも2P4体、3P1体だったので一気に7P稼げました!!
「これで30Pは超えた筈です。でも、まだ稼がないと…!」
でも、未だにこの受験システムはどういう意図があるのかわかりません。
ヴィランロボは比較的倒しやすく、攻略法さえ掴めば後はそれに沿って倒すだけで、ヒーロー科に入る生徒を決めるだけなのにただ個性が強い人が勝ってしまい、本当に素質のある人を落とす羽目になるのでは…?とつい深く考えてしまいます。
私はふと立ち止まります。
おまけに0Pのお邪魔ヴィラン。
あれはなんで設置したのか理由が未だにはっきりしません…。
寧ろ0Pだからこそ、この試験の真意が隠れているのでは…?
あれ…背後から気配が…。
『標的発見!!』
「…!!」
気配を感じ振り返ると2Pヴィランロボが此方に気づき、目の前まで迫ってきていました
しまった…!!考えるのに没頭して立ち止まっていたせいで、背後に迫っている敵に気づかなかった…!!
本番では命取りになる、絶対にやってはいけないミスを犯してしまうとは…我ながら情けないです…!!
私はゆっくりと来る大きな拳を防御しようと、咄嗟に腕をクロスし構えました。
「危ねぇから下がってろ!!くらえ!!」
BZZZZZZT!!
「…!!」
ですが次の瞬間上から声が聞こえ一歩下がり、顔を上げて目にしたのは『ヴィランロボが黄色い髪の男子が放つ電気により、感電する光景』でした。
私は思わぬ助けに呆然として防御を解き、その場に立ち尽くしていました。
煙が晴れると、黒いメッシュが入った黄色い髪の男子が此方に駆け寄ってきました。
「おい!大丈夫か?
俺の個性、放電すると周りを巻き込んじまうから巻き込まれてないか心配だったけど、離れてたから無事っぽい…
ってキュアスカイじゃん!!俺、プリキュア助けたの!?」
彼は助けたのが私だと、気づくと驚きと興奮でパニックになっている様子でした。
正気に戻った私は、彼に落ち着いて貰おうと話をすることにしました。
「あ、はい!大丈夫です!
って、そんなに驚くことですか?」
「驚くし、興奮するだろ!!そりゃ!!プリキュアなんて普段生で見ること滅多にないし、しかも実際に助けるって生で見ることよりできることじゃねーし、俺夢でも見てんのか!?」
「いや見てないです!!現実です!!
今実際に一緒に試験受けてますよね!?」
今だに興奮冷め止まぬ男子に、私は思わずツッコミを入れました。
プリキュアってどんだけアイドルとか、ヒーロー的な存在で見られてるんですか!?
オールマイトや星野◯イさんみたいな扱いってことですか!?
てっきり…普段はどこにでもいる普通の学生で、ネットとかではみんなで事件に介入して、銀の弾丸を撃つ場所を探して解決するチームの中心的な人とか、戦闘の時はちゃんとカッコいい人とかそんな存在かと思ってましたよ!!
「ターイム!!」
「…!なっ何!?」
とにかく彼を落ち着かせるべく、私はましろさんの真似をして腕でTの文字を作り、スポーツで試合の一時停止の要求に使うタイムのジェスチャーをしました。
それに一瞬びっくりした男子は、徐々に落ち着きを取り戻しまともに話せる状態になりました。
「…とにかく、先程はありがとうございます。私、考え事して油断していたので貴方が放電で倒してくれなかったら、どうなっていたか…」
「あ、別にいいって!こうしてプリキュアに会えてラッキーだし、ポイントもついでに…って、俺もしかして妨害しちゃってた…?わりぃ…」
「いえ、寧ろ助かりました。
ポイントを取り逃したのは痛いですが…ポイントのチャンスはまだありますし、本番ではポイントなんて気にしてる場合じゃありませんから」
「それなら良いんだけどよ。
まぁ…実を言うと試験とはいえ、ポイントとかそっちのけで危なそーだったから助けたんだよ。ずっと立ち止まってたし」
「うう…恥ずかしいです…」
「気にすんなって!試験もあっという間に過ぎてくし、お互い残りも頑張ろうぜ!!」
「はい!えっと…」
「上鳴電気!じゃあ、また会おうぜスカイ!」
谷便第一中
ーーー上鳴電気
ーーーー個性『帯電』
「電気さん!ありがとうございます!」
電気さんは残りのポイントを稼ぐために、走って去っていこうとしました。
話してみると結構話しやすい方ですね。
この人と友達になれたら楽しそうです!
ゴゴゴゴゴ…
でも、電気さんの足は突如鳴った地響きの音で止めざるを得なくなりました。
「「!!」」
「今の音は…!?」
「追加のヴィランじゃね?」
「それなら有り難いですけど…それにしても大きい…!まさか!!」
私は頭に嫌な可能性が思い浮かび、辺りを見渡します。
そして、ある方向から地響きの音の主を見つけ、その正体に私達は青ざめました。
「あれは…」
「嘘だろ…デカすぎねぇか…?」
他のヴィランロボを遥かに上回る人型ロボと戦車を組み合わせたような巨体、通るだけでガラスの窓が割れる程の振動…。巨大な手一つでいとも容易く壊す怪力…。
そして、ボディに刻まれた『0』の数字。
ということは、あれが0ポイントヴィラン…!?
でかすぎませんか…!?
ダイシャークと同じか…それより大きい…!?
「あれって例の0Pじゃね?」
「あんなの無理だって…!!」
ヴィランの無機質な赤いカメラアイから放たれる威圧感は、私達受験者を絶望させるには充分でした。
周りにいた受験者は0Pヴィランの圧倒的な大きさに恐れをなし、次々に逃げていきます。
そんな中、私は逃げも隠れも戦おうともせず…ただ立ち尽くしていました。
「…あ…ああ…」
視界が黒いモヤで暗くなっていく…。
多分、今の私ならあのヴィランを倒せるかもしれません。
それに、戦闘を避けろと言われても戦わないと被害が広がる…!!
でも、正直怖いです。
その証拠に脚は震え、まともに動ける状態じゃありません。
逃げたい…。
だけど、逃げようと思っても脚が震えて逃げ出せない…。
1年前、ダイシャークに立ち向かった時は、最終決戦特有のテンションも相俟って怖さなんて1ミリも感じなかった…。
その時と何が違うんだろう。
1年もダイシャークレベルの巨大怪物と戦ってなかったブランクですか?
それとも、無機質なボディからなる独特の威圧感のせいですか?
戦わなきゃ被害が広がる…でも、逃げたい…。
ヒーローを目指す者としてこんなの…情けないです…!
「おい!お前も早く逃げようぜ!いくらプリキュアだからって、このままだとマジで危ないって!!」
「…!電気さん…」
電気さんは私の腕を掴んで一緒に逃げようとしています。
でも、私は恐怖で身体が震えて一歩も動けないままです。
「…もしかして、怖くて動けない?」
「…!」
「やっぱ…スカイもあれ怖いんだな…。いくらプリキュアつっても、いきなりあれと戦えって言われたらキツイよな…」
流石に態度や顔に出ていたせいか、恐怖で動けなくなっていたことが電気さんにバレてしまいました…。
「電気さん…私…なさ…」
「情けないも何も無いって!いざという時は安全第一だし…ほら、戦闘は避けたほうがいって言われてただろ?
とりあえず、肩貸すから一旦逃げよ?な?」
「…」
電気さんに促され、私はなんとか自分の腕を肩に回し一緒に0Pから逃げようと歩き出しました。
「…!あれは…!?」
ですが、いざ逃げようとした時にある光景が目に入りました。
「…!!」
「え!?スカイ!?そっちじゃねぇって!逆!逆!!」
それを見た瞬間、私は電気さんを振り払って思わず0Pヴィランのいる方向へ駆け出していました。
自分でもわからない。怖いし電気さんの言う通り、安全第一に戦闘を避けたほうがいいのかもしれません…。
けど…!!それでも、あれを見たら逃げずにいられない!!!
だから、ひたすら走り続けていました。
相手は大きいし強いし…今でも怖い。
でも、ここで自分の命可愛さで逃げたら、ヒーローどころか…雄英を受ける者として失格です!!
だって…ここにはヒーローになりに来たんだから!!
相手が強くても…戦闘を避けるとしても…できることをやらなくては…!!
「スカイ!ちょっと待てって!!」
慌てて後をついて走ってくる電気さんをよそに、私はひたすら走り続けた。
急げ…!!急げ…!!
誰かが…0Pヴィランの攻撃を食らって吹き飛ばされてる…!!
しかもあのラフな服装と木刀は…。
「エイルさん!!!」
────────────
時を遡ること数分前…
エイルside
「はあっ!!」
空中を滑空し距離を詰め、2Pヴィランの左腕に着地した後、一旦個性を解除して腕を足場にし飛び上がる。
そして再び『飛翔』を発動して上まで飛び、そこから一気に急降下することでその勢いを利用し、俺はロボの脳天を思いっきり木刀で突き刺した。
ハレワタールと別れた後、俺は個性と剣術を駆使してヴィランロボを次々と倒していた。
今は45P…この調子なら、合格範囲内には届くな。
今のペースでロボを倒していけば問題なさそうだ。
それにしても、あのお気楽集団3人組は何なんだ?
プリキュアなのは事実だとして、虹ヶ丘ましろはまともそうだが、他の2人は…あいつら本当に本気で受けに来てるのか?
特にハレワタール…あいつ、他の受験者の目の前で変身して、集中力を削ぎやがって…。
余裕だって見せつけたいのかよ…!
…なんだ?この音。
ゴゴゴゴゴ…
身体が小刻みに震えてる…。
いや、この辺り一帯が震えてるのか…!?
恐らく…
「…!これは地響きか?」
この周辺のヴィランロボは全部倒したし、そういう個性を持つやつもいなかった。
普通のヴィランロボにしては、振動の規模がデカすぎる。
考えられる可能性があるとすれば…。
すると、その予想が的中するかのように視界に入る景色全体に影が刺した。
「…!」
後ろを振り返って影の主を確かめると、今回の試験のギミック的存在…0Pヴィランがいた。
てっきり他のヴィランロボと同じかと思ったら…デカいな…おい。
多分…資料でしか見ていないが、時計塔のネガトーン等のデカい建物が怪物化したものと同レベルの大きさじゃないか…?
こんなものを受験者相手に仕向けるとか、雄英は正気か?
いや…寧ろ雄英は単にヴィランロボを倒すだけで済ますほど、甘くないってことか…。
「…あんなの無理だって!!」
「逃げろー!!」
「…」
チッ…確かにこいつに遭遇したら逃げろっていわれたけども、ホントに逃げんのかよ…。
実力的には敵わないかもしれないけど、少しでもやること見つけろよ…!!
ヒーローになりに来たんじゃねぇのかよ…!!
本番だったら、任務放棄になって被害は拡大しているんだぞ!!
「…あいつもいないのかよ…所詮、実力はあっても彼奴等と同程度か…」
あんだけ、堂々と変身した癖にただデカイだけで逃げて…宝の持ち腐れか…。
…あいつのことはどうでもいい。
とにかく俺にとっては邪魔でしかないから、さっさと倒さないとな。
俺は木刀を構えて再び走り出し、個性を発動して飛び一気に距離を詰める。
そしてロボの左腕に着地し、一旦個性を解除して駆け出すと、肩付近まで進んだとこで再び個性を発動しロボの頭の上まで飛ぶ。
「飛翔…『旋風波・双』!!」
BLOW!!!
頭上で着地し、両足でカメラアイを踏みつけ足元から巨大な2つの竜巻を放つ。
だが、ロボは少し狼狽えるだけで何事も無かったようにすぐに立て直した。
すぐに攻撃手段を変えて、《加速》で木刀で叩こうにもビクともしない。
「くっ…俺の苦手な相手だな…」
俺はすぐにロボから距離を取り、空中から観察する。
他のヴィランロボに通じた俺の技が、コイツには届かない。
ということは恐らく、俺の個性と相性が悪い…。苦手なタイプの敵だ。
《天羽エイルの個性『飛翔』は、足元から巻き起こる風を原動力とした個性の為耐久力の高い敵や、強風耐性を持つ個性持ちとは非常に相性が悪い!!
本人曰く、大体こういう相手には最大出力でゴリ押ししないと勝てないらしい。
んー、こいつはシヴィー!!》
「解説どーも。てか、あんたプレゼント・マイクだろ」
《…細かいことは気にするな!!》
「…はぐらかしたな」
天の声の言う通り、こういう敵には一か八か最大出力でいくしかない。
だが…最大出力で発射すると、脚が一発で限界に達して悲鳴をあげ、個性のコントロールが困難になりこれ以上の戦闘が不可能という、長期戦において致命的なデメリットを抱えている。
つまり短期決戦で決めなければならず、これ以上のポイント獲得は望めないということだ。
いや…飛べなくなるだけで、ポイントを獲得する手段はまだ残ってる。
木刀で殴るなり蹴るなりすればいい。
損にはなるが、やらないよりはマシだ…!!
《旋風波》で少し狼狽えた程度なら、足下から攻撃して、バランスを崩す態勢になるように誘導すればダウンは確実に取れる。
俺は木刀を腰に帯刀し直すと、一気に旋回して右横に回り込み、足下まで降下する。
そして、身体を空中で半回転させ逆さになって斜めにし、右足を突き出し旋風波を放つ態勢に入る。
「飛翔…『旋風波』最大出力!!!」
BLOW!!!
右足から下手したら周りの建物が吹き飛レベルの最大出力である旋風波を放つ。
その通りに向こうのガラスは全壊し、頑丈な為か吹き飛びはしなかったが、ヒビが入り巻き込まれている。
最大出力の竜巻で押している為か、少しずつヴィランは下から持ち上げられて傾いている。
このまま押し切れば最終的に、こいつは倒れる!!
「うおおおおおっ!!!」
ありったけの風をこめ、ロボを押していく。
風は威力が強ければ強いほど物を持ち上げやすくなる…!!
何より、ポイント有は少し攻撃しただけで倒れたんだ…!
このロボも出力を上げれば、同じように倒せる筈!!
そう思った時だった…。
ビキィ!!
「…ッ!」
突如として右脚全体に激痛が走り、痛みに耐えきれず攻撃を止めて、思わず両手で右脚を抑えた。
その際に、右手に持っていた木刀を落としてしまった。
「クソ…ここで限界かよ…!!」
最大出力の代償である脚への甚大なダメージが、このままいけばというところで来てしまった。
まともに動かせるのは左だけなので、当然個性のコントロールがめちゃくちゃになり、空中で横転する。
『標的発見、排除スル』
しかもヴィランロボの前で限界に達してしまったもんだから、0Pのカメラアイに捉えられてしまい、鋼鉄の拳が此方に勢いよく向けられる。
「…!ぐああっ!!」
俺は右脚の痛みで苦しんでいたのですぐ反応できず、横からまともに拳を喰らいその衝撃で背中から地面に激突してしまった。
「…ぐっ…」
なんとか致命傷は免れたものの、身体のあちこちが痛い…。
特に右脚は個性を限界まで使用したせいでまともに動かせない。
この状況はどうするべきだ…。俺は右目の眼帯に手を当て、頭の中で思考を巡らせる。
最悪“アレ”を使わなければならないかもしれないな…。
でも、“アレ”は絶対に使いたくない…!!
“アレ”を使ったら…また…!!
「…!!」
だけど、ヴィランは考える時間なんて与えてくれない。
大きな鋼鉄の拳はすぐそこまで迫っている。
俺は来る衝撃に備え、目を閉じ眼帯の隙間に手をかけようとした。
その時────
「ヒーローガール・スカイハンド!!」
何処かで聞いた、聞こえるとは思っていなかった声。
その声に思わず目を開けると、目の前には水色のツインテールと青と赤のマントをたなびかせ…
「…はぁ…はぁ…間に合った…!!
大丈夫ですか?エイルさん!!」
巨大な両手の形をした青いオーラを手に纏い、ロボの拳を受け止めた
今回も1万字超&情報大渋滞!!!
スカイが上鳴くんを振り解いて走るシーンの推奨BGMは『You say run』です。
2話の出久くんオマージュで書いたので、これしか思い浮かびませんでした。
久々のガッツリ戦闘回なので、書くのが大変でした…!
あとマジで戦闘シーンムズい!!
文字だけでカッコいい戦闘シーンをかける先輩方、凄いです…。
0Pに関してはエイルくんの戦闘シーンの為に多少の捏造入れました。
Fグループにはめちゃくちゃ強い無個性のソラちゃんいるからね…。
スカイハンドの元ネタは言わずもがなイナイレのゴッドハンドです。
スカイパンチの防御転用技、何がいいかなぁ…と考えていたら丁度ゴッドハンドのシーンを思い出して、これスカイなら再現できんじゃね?って思って採用しました。
イメージとしては天馬くんのゴッドハンドWに近いです。
そして、エイルくんの個性『飛翔』初お披露目。
書いていてあれ?これツバサくんの上位互換になっちゃわない?って気づいて差別化測るのと、明確な弱点も欲しかったので「頑丈な物に弱く、使いすぎると脚に負担がかかる。最大出力だと特に甚大なダメージを受けてしまう」というデメリットを足しました。
そして、原作よりも早く上鳴くんが登場!
ソラちゃんを出久くんと別々にしたのは、ソラちゃんが出久くんよりも早く0Pヴィランを倒して(ソラちゃんならやりかねない…)、彼の活躍がまるまる潰れてしまうのが容易に想像できたこと、今回の話はソラちゃんとエイルくんにメインを絞って書く予定だったから等ですが…。
そこに他のヒロアカキャラ追加で入れたいな…って思って誰入れようか悩んでいたら梅雨ちゃんと上鳴くんが思い浮かんで、2人との能力バランスを考慮して上鳴くんを出すことにしました。
おかげで、ソラちゃんと上鳴くんの絡みを書けたのは良い結果かもと思っています。
銀の弾丸のくだりはソラちゃんと中の人が同じキャラがいる別作品のネタです。
(ヒント:CAC!のどかもいるよ!!)
さてと、エイルくんのピンチに間に合ったスカイ。
ここからどう0Pを倒すのか…次回へ続きます。