来客室の豪華なベッドに座り、みんなそれぞれの武器をマジマジと見つめながら説明に目を向けている。
窓の方を見ると何時の間にか日がとっぷりと沈んでいる。
それだけ集中して説明を読んでいる訳だ。
俺も未解放の剣を探して変化条件を確認したり、有用な専用効果や前回使っていた主戦力の剣の変化条件の確認に時間がかかってしまった。
確認した情報を元に今後の方針としてまず第一にLV上げだ。最後に使ってた剣はLV400は必要だった。四聖が四人いれば多分200前後で十分だろうけど、油断はできない。
第二に拠点を作りたい。生活するのはもちろん、職人を招いていろいろな作品を作ってもらいたい。前回はかなり文明崩壊していたから、既存の武器はほとんど無くてウェポンコピーが出来ないし、薬もないから薬系の剣は初級しかない。
第三に仲間作り。作らなくてもどうにかできるが、いた方が楽できる。
ひとまずはこの方針で動いていく。
そんなことを考えていると、ナオフミが
「なあ、これってゲームみたいだな」
と言った。
「っていうかゲームじゃね? 俺は知ってるぞ、こんな感じのゲーム」
元康が自慢げに言い放つ。
「え?」
「というか有名なオンラインゲームじゃないか、知らないのか?」
「いや、俺も結構なオタクだけど知らないぞ?」
「お前しらねえのか? これはエメラルドオンラインってんだ」
「何だそのゲーム、聞いたことも無いぞ」
「お前本当にネトゲやったことあるのか? 有名タイトルじゃねえか」
「俺が知ってるのはオーディンオンラインとかファンタジームーンオンラインとかだよ、有名じゃないか!」
「なんだよそのゲーム、初耳だぞ」
「え?」
「え?」
「皆さん何を言っているんですか、この世界はネットゲームではなくコンシューマーゲームの世界ですよ」
「違うぞネットゲームの世界だ。練はどう思う?」
…モトヤスがこっちに振ってきた。
さて、どう答えようか。この部屋は監視されてるし、迂闊なことは言えない。
しかし、モトヤスやイツキのゲームのような世界という言葉に嫌な予感がビンビン感じる。
かくいう俺も前回の召喚直後はVRMMOのブレイブスターオンラインだと思っていた。まあ、召喚した人間にすぐに殺されそうになったし、反撃したときに感じた命を奪う感覚で紛れもない現実だと感じた。それにゲームにはない要素がたくさんあって、むしろゲーム知識が邪魔なことが多かったからここはゲーム世界ではないと認識した。
けれども当時の他の勇者は頑なにゲームの世界だと認識し続けていた。その結果の果てが弓による盾と槍の殺害。
始まりは活性化した地域で魔物を槍に取られて盾がケンカしていたこと。ケンカしていた時に盾の仲間の
他の勇者たちは死んでも復活すると信じていて、本気でスキルを打っていて周囲が荒地になっていく。
本気で死ぬと思った俺が仲裁しようとしたら、突然弓が高火力スキルで盾を殺して、盾が死んで動揺した槍もすぐに殺した。
笑顔でこれで静かになりましたねと言った奴が、とても怖かった。
流石にこいつらは違うだろうと思いたいが、モトヤスとイツキから同じ気配を感じる。
だからナオフミの味方をするかな。こいつも浮かれていて怖いからべったりしないほどに。