蒸気機関ト青イ空   作:パラパラガス

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あれは、私がいつも通りに問題を起こしているヘルメット団を倒している時だった。

その日は特に日差しが熱く、頬を流れる汗が鬱陶しく思っていた。

順調にヘルメット団を倒していたのだが、最後の1人が私の目に砂をぶちまけた。咄嗟に目の前を撃つと相手の断末魔が聞こえ、気絶したのか風の音と私の呼吸だけが聞こえた。そして目の砂を取ろうとしていたら、

背後から砂を踏み締める音が聞こえた。





夢眠る砂漠に風が立つ
砂漠の学園都市『アビドス』


 

『アビドス』

 

かつてはトリニティやゲヘナに並ぶマンモス校として、他に引けを取らない巨大な学園都市を運用していた学校である、しかしそれはもう過去の出来事、砂嵐による自然災害により砂漠化が酷くなり、砂漠が街を徐々に呑み込んで行った。当時のアビドス生徒会長はこれをなんとかしようとあらゆる策を講じたが・・・結果は変わらなかった。そうしてこの街はあらゆる人に見捨てられ、生徒も他の学園へ転校して行き、残ったのは僅かな都市と広大な砂漠だけになってしまった。しかしまだ学園は残っているらしく、かろうじで自治区として機能している。と、そんな説明を聞いた俺は今。

 

『この体は凄いな・・・全く暑いと思わない…それにしても遠いなアビドス。』

 

いつも通り蒸気を吹きながら線路沿いに砂漠を移動していた・・・え?電車に乗れば良いじゃん?それには深い訳がありまして・・・・

 

 

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2日前 廃ビル

 

『それじゃあ行ってきます。昨日買ったお菓子皆んなで食べてね。』

 

『アニキィ…グスッ』

 

『アニキ!やっぱり別れるの辛いよぉ!!』

 

『うわーん!!アニギィ!!』

 

『いやそんな永遠の別れじゃないから、そんなに泣かれたら俺困るよ…』

 

俺はヘルメット団のアジトであり、俺が目を覚ました場所である廃ビルから旅立とうとしていた・・・困るくらい泣かれながら。

 

『お前達泣くな!!アニキが言った通り永遠の別れじゃないんだ!!だからアニキが帰って来るまで・・・胸を張って・・・生き・・・うわーん!私も寂しいよぉ!!』

 

『リーダー・・・・モモトークのフレンドになったでしょ…それで通話するんじゃダメなの?』

 

『・・・そうだった!!良し!寂しくないぞお前達!!アニキと通話するぞぉ!!』

 

『『『『『行ってらっしゃいアニキ!!』』』』』

 

『コペルニクス的回転かな?』

 

そんなこんなで俺は手を振られながらブラックマーケットを出て行った。行き先はD.U地区である、ここから電車に乗ってアビドスまで行きたかったのだが・・・

 

『すいませんお客様・・・電車にお乗りになりたいのですか?』

 

『はい…』

 

『すみませんがお客様の身長では電車に乗れません、ご了承ください。』

 

まぁ・・・こんな3メートルあるロボットを乗せられる程の客車なんか無いので断られました。

 

『やっぱり駄目か・・・すみません、ありがとうございました。』

 

そう言って駅から出ようとしたら…

 

()()()()()()?・・・今なんて言った?』

 

『えっ?』

 

『やっぱりって事は断られるだろうなぁって事を考えたうえで質問したって事だよなぁ?それが分かったうえで質問したって事はよぉ・・・

 

難癖クレーマーかゴラァ!?

 

『断固として違います!!』

 

すごい剣幕で難癖をつけられた・・・えぇ?飛躍しすぎ・・・

 

『嘘つけぇ!!知ってるぞ!!このまま穏便に引き下がったと見せかけて電話でクレーム入れるタイプだろ!!私は何回も被害にあった!!私だけ!!何回も!!』

 

『それは災難でしたけど本当に違います!!』

 

『HQ!HQ!難癖クレーマー出現!!増援求む!!』

 

『話を聞いてぇ!!』

 

 

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その後はゾロゾロ武装した駅員さんが走って来たので慌てて逃げ、仕方なく歩って移動中です・・・なんて日だよ・・・

 

まぁ、歩って旅をするのも悪くないななんて思いながら線路沿いを進んでいると、遠くの方に住宅街らしきものが見えて来た。

 

『やった!!多分アビドスに着いたぞ!!』

 

俺はウッキウッキしながら住宅街へと入って行った。

 

住宅街はかなりの住宅が砂漠に呑まれていた・・・しかしどうやら住人はまだいるらしく、一部の家ではテレビの音が聞こえたりした。

 

『さてと、しばらくはアビドスに居るから雨風しのげる場所を探さないと。』

 

俺は旅をするにあたって、旅で訪れた街には3日間程滞在すると決めていた・・・前世で読んでいたキ○の旅の影響だなこれ…

 

そう苦笑*1しながら一歩を踏み出した時、後ろから何かがぶつかる感覚と肉が焼ける『ジュッ!』という音が聞こえた。

 

『熱いぃぃぃぃ!!』

 

後ろを振り返ると()()()()()()()()()()()()()()()()がぶつかったであろう額を抑えながらのたうち回っていた。

 

『だ、大丈夫ですか・・・!?』

 

『大丈夫な訳ないじゃない!!一体こんな所に突っ立って何・・・して・・・る?』

 

少女はこちらに視線を向けると驚いたように見上げている。

 

『額は大丈夫ですか!?少し待っていてください!!』

 

俺はバックパックを急いで下ろすとシャッターを開けて右の棚を探り長期保存水と救急箱を取り出した・・・入れたの誰だろう?でも役に立った!

 

救急箱からミニタオルを取り出し長期保存水をぶっかけて少女に手渡した。

 

『はい!温くなったらまた水を染み込ませるので言ってくださいね!』

 

『あっ…ありがとう…でも火傷していないから、これ返すわよ。』

 

『いや!そういう訳にはいかないです!たとえ火傷をしていなくても一応冷や・・・いやこれ常温だな・・・とりあえずこの水で濡らしながら額に当ててください!』

 

『そこまで言われたら・・・ありがとう…』

 

少女は渋々という感じで水とタオルを受け取った。

 

『それじゃあ急いでるから…タオルありがとう。』

 

少女は駆け足で住宅街の角を曲がって消えて行った。

 

『・・・さてと、俺もぼちぼち行くか。』

 

取り出した物を片付け、俺はバックパックを背負い直して歩き出した。

 

 

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side先生

 

やぁ皆んな先生だよ!私は今アビドス高等学校という学校からのSOSにより、武装したヘルメット団を無力化し、この学校が抱える借金問題をどうにかしようと頑張っているよ!でも『アビドス廃校対策委員会』の『セリカ』から嫌われてしまい…なんとか話そうとスtんんっ!!ラッキーな事に()()よく出会うから話しかけたけど更に嫌われちゃった…泣けるね!!

 

『ん、先生が泣いてる。』

 

『うへぇ、どうしたの?砂が目に入っちゃった?』

 

『だ、大丈夫ですか?』

 

『お水買って来ましょうか?』

 

【心配ないよ…ただの雨さ…】

 

『ん、清々しい程の快晴。』

 

セリカは今日の朝バイトがあると言っていて、どこのバイトをしているのか気になっていたところ、同じく廃校対策委員会の『ホシノ』に心当たりがあるらしく、ホシノ、『シロコ』、『ノノミ』、『アヤネ』、そして私の5人で、ホシノが言った心当たりの場所まで行く事に、そして着いたのが。

 

【柴関ラーメン?】

 

腕を組んだ犬の看板が目立つ、アビドスの都市部にひっそりとお店を構えていたラーメン屋だった。入り口の引き戸を開けるとそこには。

 

『いらっしゃいませ!柴関ラーメンで……わわ!?』

 

『あの〜☆5名なんですけど〜!』

 

『あはは……セリカちゃんお疲れ…』

 

『ん、お疲れ。』

 

『な、なんでみんながここに・・・』

 

『うへ〜やっぱりここだと思ったよ〜』

 

【やぁセリカ!】

 

『・・・やっぱりストーカー!?』

 

泣けるね!!

 

『また先生が泣いている。』

 

【雨だよ…】

 

『ここ店内なんですけど……』

 

『うへ〜セリカちゃん、先生は悪くないよー、セリカちゃんのバイト先と言えばやっぱここしかないじゃん?だから来てみたの。』

 

『ホシノ先輩が原因ですか・・・!!』

 

『アビドスの生徒さんか、セリカちゃん、お喋りはそれくらいにして注文受けてくれな。』

 

厨房から顔を覗かせたのは二足歩行の柴犬…この世界では当たり前な獣人の市民である・・・最初見た時は驚いて変な声出ちゃったな。今は大体慣れたけど。

 

『わ、分かりました大将…それでは、広いお席へご案内します…こちらへどうぞ…』

 

私達はセリカの案内で広い席に通されたのだが…皆んながゆったり座っている為、私が座るとどっちも狭くなってしまう・・・

 

『先生!私の隣空いてますよ!』

 

『ん、私の隣も空いている。』

 

私が2人のお誘いに迷っているとセリカがやって来た。

 

『何言ってるの2人とも!他にも空いてる席があるじゃん!ちゃんと座って!!』

 

皆んなが軽く謝罪をしながら席を座り直した事で私が座れるスペースが出来、そのスペースに私は座った。

 

『セリカちゃんのバイトユニフォームとっても可愛いです☆』

 

『いやぁー、セリカちゃんってそっち系か、ユニフォームでバイト決めちゃうタイプ・・・あれ?セリカちゃん?額が赤いけどどうしたの?』

 

そうホシノが指摘した通り、セリカの額は赤くなっていた。

 

『あぁこれ?バイトに向かう途中1人のオートマタにぶつかっちゃって…しかもアビドスじゃ見掛けないくらい大きくて、なんだか体から蒸気が出ていて珍しかったの。』

 

【・・・ん?それってアイオロス君?】

 

『うん?知ってる人なの先生?』

 

【うん、私の命の恩人なんだ。体が大きくて優しい子だよ、そっかぁ旅に出るって聞いてたけどアビドスに来てるのか。】

 

『うへぇ、大人の先生が大きいって言うくらいならどれくらい大きいんだろう?』

 

【確か三メートルくらいだね、あと蒸気が出ているのは彼が蒸気機関で動いているからなんだ。】

 

『蒸気機関のオートマタ!とっても珍しいですね☆』

 

『キヴォトスで蒸気機関のオートマタなんて今の時代見た事無いですね。』

 

『ん!超激レア!』

 

『シロコちゃん、目がお金になってるよ。』

 

【へぇ、そうだったんだ。】

 

『・・・あっ!ご、ご注文はお決まりですか!!』

 

この後皆んなのラーメンを私が奢って学校へ戻った・・・寒いね…

 

 

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アビドス 砂漠に埋もれた廃ビル

 

『ま、まさかこの体のせいで泊まれる場所が無いとは・・・初日から廃墟かぁ…あれ?このまま行くと俺って何処の都市でも野宿?』

 

真理に気づいてしまった俺は気を取り直して、廃墟の瓦礫に座り星を見る・・・すげぇなぁ。

 

『明かりが無いだけでこんなに星空ってしっかり見えるんだなぁ・・・写真撮ってリーダーに送っとくか。』

 

俺は壁掛け電話型スマ・・・もうスマホでいいか、のカメラアプリを開くと後ろのレンズに映った光景がホログラムに反映される・・・なんでレンズが二眼レフなの、どんだけこのスマホ作った人はレトロにこだわりたかったの?

 

『見た目が古いのに中身がハイテクだからなんか不思議な気分。』

 

俺はカメラを星空に向けてシャッターを切ろうとしたその時、何かの砲撃音が聞こえてきて驚いて写真がぶれてしまった。

 

『おお!?なんだ!?・・・砲撃?不良の撃ち合い?やっぱりここもキヴォトスなんだな・・・あっ、写真撮り直さないと。』

 

俺は改めて写真を撮り、リーダー達にモモトークで写真を送った・・・夜中だっていうのにめっちゃ既読付いてる・・・

 

『さてと、天体観測しますかぁ。』

 

星を見上げようとしたその時、市街地の方から装甲車が列を成して廃ビルに近づいて来ているのが見えた。

 

(なんだよこんな夜中に・・・ちょっとは人の迷惑とか考え・・・ここ廃墟だったな…ん?)

 

装甲車の列は廃ビルの側を通り過ぎ、どんどん市街地から離れて行く、その中に一台だけトラックがあり、ちょっと興味本位で目のカメラをズームして見たら・・・

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()がトラックの荷台でぐったりしているところを見てしまった。

 

 

 

『・・・ゆ…ゆ…

 

 

 

 

 

 

 

 

誘拐だぁぁぁぁぁあ!?

 

 

 

*1
顔は変わらずガスマスク顔




次回予告

アイオロスは走る、朝に手当した少女を救う為
ヘルメット団は逃げる、後ろから迫る砲弾が効かない化け物から
先生達は車で追う、セリカを助ける為に
セリカは涙する、目が覚めたら阿鼻叫喚のカオスな状況について

次回『走れ!アイオロス!』

蒸気を絶やすな
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