蒸気機関ト青イ空   作:パラパラガス

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ショットガンを撃つ

『ぐお!?・・・まだまだぁ!!』

ショットガンを撃つ

『ぐはっ!?・・・なんのぉ!!』

ショットガンを…

『いやなんで銃を撃たないで意地でも殴りに来るんですか?』

『そんなの決まってる!!拳で勝った方が浪漫がある!!』

『なんなんですかあなたは・・・』

『くくく、戦いの基本は近接戦闘だって第3話の敵キャラ灰狐さんが言っていた!』

『誰ですかその人!?』

『さぁ行くぞピンク頭!!』

『もういい加減にしてください!!』

結局彼女は手持ちのショットシェルを全弾命中させても倒れず、そのまま殴る蹴るの喧嘩になってしまった・・・うへぇ、今思うと頑丈すぎない?




68の悪魔

 

猫耳少女救出後の戦闘は、俺の高い防御力と先生の的確な指示のおかげで難なく終わり、先生達は猫耳少女を車に乗せて学校へ行くと言い、俺はそのまま帰ろうとしたが、ピンク髪の少女が一応怪我をしていないか見るから着いてきてと言い自分も同行する事になった。

 

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アビドス高等学校

 

学校に着いた途端猫耳少女が崩れ落ち、銀髪ケモ耳の少女が肩を貸して校舎の中に入って行った。

 

【アイオロス君!セリカを助けようとしてくれてありがとう!】

 

『いえ…結局最後に助けたのは先生達ですから、自分はただ考え無しに助けようとして装甲車吹っ飛ばしただけですし…』

 

『うへぇ、謙虚なのか自慢なのか分かんないよ〜…あっそう言えば自己紹介しないとね、おじさんはアビドス3年生の小鳥遊ホシノ、よろしくね〜アイオロス君?』

 

『私はアビドス2年生の十六夜ノノミです!本当に蒸気で動いているなんて凄いです☆』

 

『一年生の奥空アヤネです!セリカちゃんを助けようとしていただきありがとうございます!』

 

『そしてさっき君が助けようとしてくれた子が黒見セリカちゃん、セリカちゃんの肩を貸したのが砂狼シロコちゃんだよ〜。』

 

『自己紹介ありがとうございます。自分の名前はアイオロスで、今では骨董品の蒸気機関で動くロボットです。』

 

自己紹介が終わり、先生はセリカのお見舞いに行くと言い校舎へ入って行った。俺は先程ホシノさんに言われた通り怪我をしていないかどうかを、ホシノさんとアヤネさんがクルクルと俺の周りを回って調べてくれている・・・まぁ、おそらく結果は、

 

『怪我・・・していないですね…』

 

『うへぇ…どういう事なの?あれだけの装甲車に撃たれたなら傷や壊れている場所があっても不思議じゃないのにぃ…』

 

『うーん・・・頑丈だからとしか言えないですね。』

 

『これは頑丈だけで片付けても良いのかなぁ?』

 

『自分自身、なんでこんなに頑丈なのか分かんないんです。どれだけ撃たれてもこの装甲は歪んだり穴が空いたりしない、謎だらけの体なんですよ。』

 

『?、どういう事ですか?あなたは工場で産まれたオートマタでは無いんですか?』

 

ノノミさんが疑問を投げかける。

 

『いえ、自分は個人に作られたんです。目を覚ました時にはその作った人はいなかったんですが…近くに置かれていた製作記録から、自分を作った人がアビドスに来た事がある事がわかって、最初の旅はアビドスにしようと決めたんです。』

 

『へぇ、物好きな人だねぇ、名前はなんて言うの?』

 

 

 

『自分を作った人ですか?『三船イルカ』って言う人です。目を覚ました部屋には写真とか見た目が分かる物が無かったので見た目は分からないですけど。』

 

 

 

『・・・・えっ?』

 

 

 

『三船イルカさん・・・聞いた事が無いですね…』

 

『うーん…かなり昔の人なんでしょうか・・・』

 

『そうですか…知っている人がいたら聞きたい事があったんですけど。』

 

『・・・何を聞きたかったの?』

 

『えーと…例えば…イルカさんがどう言う人だったのかとか、どんな見た目だったのかとか、イルカさんについて何も分かっていないのでそこら辺を知りたいなって思いまして。』

 

『・・・うーん、おじさんもそんな人には会っていないなぁ。』

 

『成程・・・ありがとうございました。』

 

俺がイルカさんについての情報を集めていると、校舎の入り口から先程倒れたセリカさんと肩を貸したシロコさんが出てきた。

 

『セリカちゃん、もう大丈夫なんですか?』

 

『大丈夫よ、明日もバイトがあるし私家に帰るわね。』

 

『セリカちゃん、送っていきましょうか?』

 

『本当に大丈夫だから、あいつらもあれだけお灸を据えたなら問題ないでしょ、1人で行くわ。』

 

『うへぇ、そういう事言うとまた攫われちゃうよぉ?』

 

『うっ・・・分かったわよ…』

 

『ん、夜のサイクリングついでに送って行く。』

 

『いいの?シロコ先輩?』

 

『問題ない』

 

そう言って2人が校門に向かっていたが、急に方向転換してこっちに向かって来た。

 

『えーと…アイオロス…さん?』

 

『あっはい、なんでしょうかセリカさん?』

 

セリカは少し黙った後口を開いた。

 

『・・・なんで私を助けようとしたの?あんたにとっては、私はただぶつかって迷惑をかけた他人なのに…』

 

『うーん・・・理由は二つあります。一つは偶然見てしまって放って置けなかったのと…』

 

『と?』

 

『あれですね、よく言うじゃないですか一期一会って、たった一回の出会いでも大切にしよう、そう思ったからですかね?』

 

『・・・そっか…助けようとしてくれてありがとう!皆んなおやすみ!』

 

セリカさんは笑顔でそう言い、シロコさんと共に校門へ歩いて行った。

 

『それでは長居してしまいすみませんでした。アヤネさん、ノノミさん、ホシノさん、失礼しました。』

 

『はい!今回はありがとうございました!』

 

『暗いので気をつけてくださいね☆』

 

『それじゃぁねぇ・・・ふぁ』

 

俺は残った3人に頭を下げ、手を振られながらフシュフシュと蒸気を吹き出しアビドス高等学校から出て行った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ホシノside

 

『・・・あっ!』

 

あのオートマタ、アイオロスの背中が見えなくなるまで見ていたその時、アヤネちゃんが何かを思い出したかのような声を出した。

 

『これの存在を忘れていました!』

 

そう言ってアヤネちゃんが車から取り出したのは、セリカちゃんを誘拐したヘルメット団が乗っていた装甲車のパーツだった。

 

『それは・・・装甲車のパーツですか?』

 

『うへぇ、ちゃっかりしているねアヤネちゃん。』

 

『違いますよホシノ先輩!戦闘中にあの装甲車が何処で造られた物なのか調べていたのですけど…キヴォトスでは使用が禁止されている物でした。』

 

『カタカタヘルメット団がそんな物を?』

 

『おかしいですよね、ですからこの装甲車が何処から流通した物なのか、それを知る事が出来れば私達の学校を執拗に襲撃している、()()が明らかになる筈です。この事を先生にも報告して協力してもらいましょう!』

 

『先生に協力して貰えば100人力ですね!』

 

そう言ってアヤネちゃんとノノミちゃんは『大人』の所へ行く為に足を進めた。

 

『・・・ホシノちゃん?どうしたんですか?』

 

『・・・うへぇ、何でもないよぉ…ただちょっと眠いだけだよぉ。』

 

嘘をつく、あいつのところに行きたく無いから、けどアヤネちゃんとノノミちゃん、大切な後輩を守る為に『私』も同行する。大人は信用出来ない、今は耳心地の良い言葉を吐いてもすぐに本性が現れる。あいつもそうだろう、いくら信用を稼ごうとしても私には無駄、あいつがいずれ顔の仮面を外した時は・・・皆んなも、この学校も、アビドスも、守ってみせる。

 

 

『それにしてもまだ蒸気機関で動くオートマタがいたんですね☆』

 

『凄いですよね!BD教材の画像でしか見た事がない存在が実際に動いている所を見れるなんて驚きです!』

 

『凄かったねぇ・・・あの走り。』

 

『そこなんですかホシノ先輩!?』

 

後輩の話題からあのオートマタを思い出す。

 

(アイオロス・・・皆んなも…本人さえも()()()()()()()()()()()()()()、けど違う…だって私はあのオートマタの開発者、()()()()()()()()()()()()()()()、あのオートマタは旧型なんかじゃ無い…)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

『ピンク髪はさ、どんな『』と『浪漫』を持ってるの?』

 

 

 

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アビドス 廃ビル

 

俺はアビドス学校から野宿している廃ビルまで戻ってきた。慌てて追いかけたからバックパックはずっとここに置いてあった。

 

『良かったぁ、中身は盗まれてないな…』

 

中身を見て安心した俺はシャッターを閉めようとした。しかし閉めようとした振動か、風圧か分からないが一枚の畳まれた紙が落ちてくる。俺はそれを手に持ち、広げた。

 

『・・・製作記録に書かれていた『ピンク髪のチビ』はホシノさんじゃなかった…ちょっと失礼だけど、特徴も一致していたから可能性があると思ったんだけどなぁ・・・』

 

俺は紙をバックパックの中に仕舞い、瓦礫に腰掛け星を見上げる。今日は少し雲が漂っていて、星が見え隠れしていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カタカタヘルメット団アジト

 

アビドス砂漠の廃墟、そこはカタカタヘルメット団のアジトであった。しかしそこに居たはずのカタカタヘルメット団はおらず、代わりに3人の少女が居た。

 

『・・・・』

 

『アルちゃーん、こっちにも居なーい。』

 

『こっちも、もぬけの殻だった。生活感が無いくらい片付けられてる。』

 

『・・・どういうことなのよぉぉぉぉお!?』

 

『アハハ!アルちゃんが白目になった!』

 

白髪の少女が笑いながら手を叩いた。

 

『クライアントから依頼が来て意気揚々とアジトに潜入したら人っこ一人いない!!何があったのよぉ!!』

 

その時、少女達が集まった部屋にもう1人の少女がやって来た。

 

『あっアル様!!こんな物が落ちていました!!』

 

そうオドオドした少女が渡したのは一枚の紙だった。

 

『・・・紙?』

 

紙には短い文章でこう書いてあった。

 

 

 

探さないでください…もうお湯を使った物が怖くて仕方ありません・・・あぁ…あぁぁぁぁぁああ!!汽笛が聞こえる!!こっちに近づいて来ている!!あぁ!!窓に!!窓にぃぃぃ!!

 

 

 

『な、何があったのよ・・・』

 

『よっぽどの事があったのは確かだね・・・どうする?』

 

『・・・どうする?ふふっ、その言葉は愚問よ、たとえどんな依頼であろうと、お金さえあればなんでもする・・・それが

 

 

 

 

 

 

 

   私達、便利屋68よ

 

 

 

 

 




次回予告

知りたかった情報は得られなかったが
アイオロスは旅を続ける
しかし再び訪れたアビドス高等学校により
アイオロスとアビドス組に亀裂が生まれる

次回『正しい誤解』

蒸気を絶やすな
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