蒸気機関ト青イ空   作:パラパラガス

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お久しぶりです。ストーリーのスクショをミスって、萎えてロスサントスに旅行に行って、細かい設定を思いついたらメモにちょこちょこ書いたり、コーヒー飲んだり、色々謳歌していました。あと、次回予告はよく考えないとダメですね、こんなに長文を書く羽目になってしまいました。

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その後は店主にちょっと睨まれつつお会計を済ませ、それぞれの学校に帰る事になった。
 
『それじゃあまたねピンク頭!!』
 
『ピンク頭言うな、もっとほかに呼び方あるでしょう…』
 
『・・・ピンク髪…』
 
『まぁさっきよりはい『のチビ』一言余計だな?おっとちょうどポケットにスラッグ弾があるなぁ?』
 
『嘘ですごめんなさい、この体が頑丈でも衝撃は凄いんです。最悪吐きます。』
 
『・・・全く、気を付けて帰ってくださいよ…』
 
私が帰ろうとしたその時。
 
『あっ!ちょっと待って!聞きたい事がある!』
 
『なんなんですか…』
 
振り向いた先に居たのは、先程まで私を振り回していたとは思えない程真剣な顔をした彼女が居た。
 
『ピンク髪は、どんな『夢』と『浪漫』を持っている?』

『・・・なんですか急に?』

『あぁ特に深い意味は無いよ、私が良くやるインタビューみたいなもんだから、別に言わなくても良いよ。』

そう言って彼女は、手を横に振りながら笑う。

・・・浪漫はよく分からないけど…夢…かぁ・・・

『…浪漫は無いけど夢はありますよ。』

『おっ?教えてくれるの?やったぁ!』

私は呼吸を整え目を閉じる、思い浮かぶのは…『ドジで放っておけないあの人』





『・・・私は…



突撃!隣のゲヘナ風紀委員会!

 

アルside 柴関ラーメン

 

私は陸八魔アル、便利屋68の社長で、最高のアウトローを目指している・・・そんな私が・・・

 

『うぅ…アウトロー失格よ…』

 

『アルちゃん・・・ごめん』

 

『社長・・・』

 

『アル様・・・』

 

気分転換させる為にムツキ達に連れられた柴関ラーメンで、私は落ち込んでいた。

 

『相手の秘密を喋って仲間割れさせる三流の悪役の様な事はしちゃうし…クライアントからは襲撃の催促…挙げ句の果てにアビドスの生徒達にアウトローらしさを見せつけられるし…うぅ!』

 

『アルちゃん…元はと言えば私がアルちゃんにイタズラしようと黙ってたのが原因なんだから…悪いのは私なんだよ。』

 

『いいえ、ムツキは悪く無いわ…私が彼の事を調べていたら防げた事なんだから・・・』

 

『・・・ちょっと、いつまで暗い雰囲気のままでいる気?今はラーメンを食べに来たんだよ?』

 

『そ、そうですアル様!!ラーメンを食べましょう!!お腹がいっぱいになったら気分も落ち着きますよ!!』

 

『・・・皆んな…そうね、くよくよ悩むのは私らしく無い!それに!このままくよくよしていたら三船さんにも笑われてしまうわ!!だからムツキ!この事は水に流しましょう!!』

 

『アルちゃん!』

 

『社長よ!!』

 

そうよ陸八魔アル!こんな弱気でいたらいつになってもキヴォトスいちのアウトローなんて夢のまた夢よ!!今後の事はラーメンを食べてから決めれば良いのよ!!

 

『おまちどう、柴関ラーメン四つだよ』

 

『ありがとう大将…あら?煮卵のトッピングは頼んで無いわよ?』

 

『なーに、ちょっと手が滑って入っちまったからよ、サービスだよ!あと替え玉が欲しかったら言いな!』

 

『大将…ありがとう!!』

 

大将の心意気に少し目頭が熱くなりながらも、私は皆んなにお箸を配る、難しい事は後で考えましょう、今はラーメン!そう!お腹を満たしましょう!!

 

『『『『いただきます!!』』』』

 

まずはスープを楽しむ、スープの要となる醤油ダレが味で舌を楽しませ、これだけだと少ししょっぱいけど豚骨スープと合わせる事でコクが生まれてなんとも言えない味わいが舌に広がる、一口すすりゆっくりとスープと共に吸い込んだ口内の空気を鼻から出して香りを楽しむ。いい匂い…アビドスの生徒達も夢中になるのも納得ね。アビドス…蒸気の巨人…いけないいけない!!それは後で考えるのよ!!今はラーメンに集中!!

 

・・・気を取り直して、丼の底から麺を持ち上げる、極太のうどんと見間違うほどの麺がスープと絡み合って、見ただけでも美味しい事が分かるわ。それじゃあ熱々の麺を思い切って!ススッr

 

 

 

 

 

 

ヒュウウウウウウウウウウ!!

 

 

 

『あら?なんのおt

 

 

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先生side アビドス廃校対策委員会部室

 

ブラックマーケットで真実を知る為銀行強盗をした翌日、ホシノを除いた対策委員会の皆んなと私達は部室のテーブルで銀行の明細書と睨めっこをしていた。これから『カイザーローン』にどう対策するか会議を始めようとしたその時、爆発音が響き渡った。

 

『なっ、何!?』

 

『爆発!?』

 

『皆さん!場所を特定するので少し待っていてください!』

 

そうアヤネが言うとパソコンを開き操作した。

 

『えぇ!?』

 

『どうしたのアヤネ?』

 

『爆発したのは柴関ラーメンです!!』

 

『なんですって!?』

 

アヤネの言葉を聞き、セリカは自分の銃をひったくる様に装備して走って行った。

 

『セリカちゃん!!待ってください!!』

 

『・・・え!?どうして!?』

 

セリカが飛び出したと同時にアヤネがパソコンの画面を見つめ、唖然としていた。

 

【どうしたのアヤネ!】

 

『なんで・・・

 

 

 

 

 

ゲヘナの風紀委員会がここに!?』

 

 

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柴関ラーメン跡地

 

柴関ラーメン、アビドスの都市部に店を構え、訪れた人達に最高の一杯と大将の人情溢れる接客でもてなしていた店は・・・瓦礫の山と化していた。

 

瓦礫の山と化した柴関ラーメンから少女と柴犬の獣人が這い出てお互いの無事を確認していた。

 

『嬢ちゃん達!大丈夫かい!?』

 

『私達は大丈夫、大将の方は?』

 

『心配しておいて情け無い話だが、足をやっちまったみたいで立てねぇ…』

 

『皆んな無事!?』

 

『大丈夫だよアルちゃん。』

 

『私も大丈夫。』

 

『・・・・』

 

『ハルカ?』

 

アルは返事の無いハルカを探すと、瓦礫の一角に気絶しているハルカを見つけた。当たりどころが悪かった様でしばらくは起きそうになかった。

 

『ハルカ!ハルカ!…駄目、完全に気絶している・・・』

 

『社長、今すぐハルカと大将を背負って奴らが来る前に逃げるよ!』

 

『や、奴らって?』

 

アルが言葉の意味をもう一度聞こうとした時、ハルカを背負ったカヨコの足が止まる。

 

『・・・遅かったみたい。』

 

砂漠側の大通りから、ビルの隙間から、まるで黒い水の様に軍服の様な制服を着た少女達が現れる。

 

『風紀委員会!』

 

『やっぱり、あの砲弾はゲヘナの迫撃砲ね。』

 

『構え!』

 

風紀委員会の少女達が銃を構え、便利屋達に狙いを定める。

 

『大将!隠れて!』

 

『ちょっと!私達はともかく、大将は何の関係もないラーメン屋の店長だよ!構わず銃を構えるなんて風紀委員会らしく無いよ!』

 

風紀委員の少女達が発砲しようとしたその瞬間。

 

『あんた達ぃぃぃ!!』

 

風紀委員会がやって来た砂漠側の反対、市街地の方角から1人の少女が走って来た。猫耳ツインテール、対策委員会のセリカである。

 

『またあんた達の仕業!?』

 

セリカは大勢いる風紀委員会に目もくれず便利屋に向かって叫ぶ。

 

『今回は違うわよ!!そこにいる風紀委員会の仕業よ!!』

 

そんな騒ぎの奥の奥、風紀委員会の部隊の中腹に、銀髪ツインテールの少女とチナツが、乱入者について話していた。

 

『・・・誰だあいつ…あぁそうだ、アビドスだ。』

 

『『イオリ』、どうしますか?』

 

『そんなの当然、公務の執行を妨害する輩は全員敵だ。』

 

『ならばあちらには大人しくしてもらいたいものですね…しかし、それなら先にこちらの事情を説明する方が先では?』

 

チナツの提案に対して、イオリと呼ばれた少女は

 

『説明?()()()()()()()()()

 

イオリは大事な事を()()()()()()()()あっさり流した。その頃、セリカは風紀委員会に怒りの矛先を向けていた。

 

『あんた達!!よくも柴関ラーメンを!!』

 

『セリカちゃん!!』

 

セリカが振り返ると、古いSUVに乗ってアヤネと先輩であるノノミにシロコ、そして先生が追いついた。

 

『皆んな!』

 

『そんな!いくら便利屋を捕まえる為とはいえ自治区に砲撃をするなんて!』

 

『明らかに違反行為です!!』

 

【セリカ!柴大将は!】

 

『無事だったけど、さっき確認したら足を怪我していて身動きが取れない状況だった!』

 

『アヤネちゃん!ホシノ先輩とはまだ連絡が取れないですか!?』

 

『…はい。普段なら、ここまで連絡が取れない事なんて無いのに…』

 

『あぁもう!どこにいるのよホシノ先輩!!』

 

『別の自治区の治安維持部隊が犯罪者を捕まえる為とはいえ、別の自治区に砲撃をするなんて…初めてでどう対処して良いのか…』

 

悩むノノミに対して先生が提案する。

 

【・・・相手は便利屋を捕まえる為にここまで来たんだよね、なら便利屋を差し出す事で丸く収められないかな?】

 

先生の提案にノノミは悩み、セリカは怒った。

 

『それは…で、ですが、相手は風紀委員会、例え戦っても物量が…』

 

『じゃあどうすれば良いんですか!あいつらは無遠慮にヅカヅカ入ってきた挙句に柴関を破壊したんですよ!!』

 

その時、今まで沈黙していたシロコが口を開いた。

 

『ん、他に選択肢は無い、風紀委員会が便利屋を捕まえるのを阻止する。』

 

【シロコ!?】

 

『シロコちゃん!?』

 

シロコの徹底抗戦宣言に対して、車に乗っていたアヤネが怒りの感情を含みながら続いた。

 

『その通りです。風紀委員会が私達の自治区で既に戦術的行動したという事は、政治的紛争が起こるという事…』

 

アヤネは更に言葉を続け、その言葉には徐々に怒りの感情が上乗せされていった。

 

『きっと、便利屋の皆さんが何かしらの問題を起こして追いかけられていた事は事実です・・・ですが!!だからと言って!!他の学校の風紀委員会が私達の許可も無く!!事情の説明も無く!!こんな暴挙を行って良いという意味では無いです!!!!』

 

アヤネの怒りは爆発し、セリカも続く。

 

『その通りよ!!よくもこんな事をしたわね!!これは私達の学校の権利を無視する様な真似よ!!柴関ラーメンを壊した代償を払って貰わないと!!・・・ちょっと!そこの便利屋!』

 

急に声をかけられ、アルは肩をびくつかせながら返事をする。

 

『な、何よ!』

 

『大将がこれ以上怪我しない様に守りなさいよ!!』

 

『わ、分かったわよ!』

 

セリカの勢いに押されてアルは首を縦に振った。

 

風紀委員会の部隊の中腹にいたチナツは、アビドスの出方を伺い、部下である少女の報告により、アビドスが戦闘態勢に移った事を確認する。

 

『アビドスの生徒、戦闘態勢に突入しました。』

 

それを聞いたイオリは、まるで哀れな物を見るかの様な目で遠くにいるであろうアビドスに溜め息を吐きながらチナツに返事をする。

 

『はぁ…面倒だな、たかが4人だけで。こっちは一個中隊の兵力なのに。』

 

そう言うと、自身のライフルの安全装置を解除し、チナツに話しかける。

 

『だけど、売られた喧嘩を買わないなんて事は風紀委員会として出来ない。総員!戦闘準備!』

 

イオリが周りに号令をかけた瞬間、部下の1人がチナツに近寄り報告をした。

 

『!…ちょ、ちょっと待ってくださいイオリ!』

 

『ん?どうした?』

 

『部下の偵察ドローンがアビドス側に民間人が映ったみたいです。確認するのでお待ちください。』

 

チナツは部下と共にドローンの映像を見るが、次の瞬間驚愕に襲われる。その映り込んだ民間人に見覚えがありすぎるのだ。自分達よりも高い身長、すらりとした体型でキリッとしていながらも生徒に向ける笑顔が優しいその人物は…

 

『え!?あの方は!!まさかシャーレの先生!?』

 

驚愕の声を上げるチナツ、対するイオリは首を傾げ。

 

『ん?シャーレ?なんだそれ?』

 

イオリの言葉にチナツは答えず頭の中で考えを巡らせる、しかし、その考えが纏まれば纏まるほど、チナツの顔色は悪くなっていった。

 

『ちょ、ちょっと待ってください。シャーレの先生があっちにいるとしたら・・・!この戦闘!行ってはいけません!!

 

チナツの必死な忠告に対してイオリは疑問の声を上げる。

 

『どういう事だ?』

 

その時、部下達の報告が飛び込んでくる。

 

『アビドス!こちらに接近中!発砲します!』

 

その言葉を皮切りに交戦が始まった。

 

『ちっ!仕方がない!行くぞ!』

 

イオリは前線へと向かう為走り出した。

 

『あっ…』

 

チナツはイオリを止める事ができず、せめてイオリが怪我をしても良い様に救急セットの確認をしながら後を追いかけた。

 

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アイオロスside 少し前 崩壊した廃ビル

 

完全に崩壊した廃ビルの瓦礫が崩れ、一本の鉄錆色の腕が地表に現れる、そこから胴体が現れ、頭が現れ、全身を瓦礫から出す事が出来たアイオロス・・・しかしその背中にバックパックは無かった。

 

アイオロスが振り返ると、瓦礫に埋もれたバックパックがあった。バックパック本体は浅いへこみと擦り傷だらけで、ベルトも瓦礫により切れてしまい、修理しなければいけなくなった。

 

『・・・・』

 

アイオロスがバックパックを瓦礫から引っ張り出し、何とかシャッターを開けると、中は悲惨な状態であった。

 

右側の棚は中の物がぐちゃぐちゃになっていた。しかしアイオロスにとってもっと最悪な出来事があった。それはスマホ・・・では無い、キヴォトス産の電話は衝撃にも、水や泥などの汚れを被っても平気な程頑丈に作られている為その心配はない、問題は()()()()()であった。手に取ったお菓子の箱は、くの字に曲がり、軽く振ると中のお菓子が砕けている様でガサガサとかけら同士がぶつかり合う音がしている、これだけならまた買い直せば良いだろうと思うだろうが、()()()()()()のである。

 

何故ならばこのお菓子屋はアイオロスが買いに行った日に()()()()()()だったのだ。最後のお客様という事で一番高いお菓子を半額で売ってくれたのだ。

 

『・・・ハァァァ…』

 

ため息と共に、アイオロスに湧き上がる感情。

 

『ビルを崩したのはどこの誰だ?』

 

今、その感情をぶつける為に犯人を探した。すると、遠くの方で黒い軍服の様な制服を着た少女達が、迫撃砲を囲んで何かをしている光景を目撃する。次の瞬間、迫撃砲から弾が飛んでいき、飛んで行った弾がアイオロスの頭上を通りアビドスに着弾する様子を見てしまう。

 

『・・・はぁ!?なんでアビドスが攻撃されているんだよ!!』

 

あまりの事態に湧き上がった感情はどこかへと飛んでいき、急いでバックパックのシャッターを閉めると、迫撃砲の場所に向かい始めた。

 

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先生side 大通り

 

イオリが率いる風紀委員会の部隊を撃退する事ができた私達だったが、風紀委員会の行政官『アコ』が現れ、便利屋の身柄を要求する。しかし、風紀委員が行った事に対して怒り心頭のアヤネと、便利屋に襲撃を依頼したクライアントの正体を暴きたいノノミにより要求を退けた。

 

[これは困りましたね…うーん…こうなったら仕方ありませんね。本当は穏便に済ませなかったのですが。]

 

アコは心底残念だと言わんばかりの表情をしながら右手を上げる。すると周りで待機していた風紀委員の部隊が一斉に銃を構え始める。

 

[ヤるしかなさそうですね…]

 

【皆んな!戦闘用意!】

 

『『『『はい!!』』』』

 

私は対策委員会の皆んなに戦闘の指揮を取ろうと、シッテムの箱を取り出したその時、包囲していた風紀委員会の一部で発砲音が響き渡り次々と風紀委員が気絶していく。

 

『なっ!?なんだ!!何が起きている!?』

 

イオリが状況を把握しようと周りを見渡そうとしたその時、イオリの背中に硬く冷たい銃身と怨念の籠った声が突きつけられた。

 

『許せない…!』

 

『いつの間に!?』

 

イオリが背後を確認した瞬間、突きつけられた銃身から火花が咲き、衝撃と痛みがイオリの体を襲った。

 

『許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!うああああああああああっ!!』

 

倒れたイオリに容赦無く、弾倉が空になるまで撃った者の正体は、先程まで気絶し、目が会った先生にいい笑顔を向けた生徒、ハルカであった。

 

『嘘をつかないで、天雨アコ。』

 

風紀委員会の包囲網の外にあるビル、その横にある路地から便利屋メンバーの1人、カヨコが大通りに出ながらホログラムのアコを睨みつけた。

 

[あら?何の事でしょう?]

 

『偶然なんかじゃ無いでしょう、最初からアンタが狙っていたのはまさにこの状況だったんでしょ?』

 

[・・・カヨコさん…]

 

アコの目が一瞬鋭くなるが、すぐに余裕の笑みに戻った。

 

『ハルカちゃんナーイス♪』

 

ムツキが路地から出てきてハルカを労う。その背後からアルが冷静に風紀委員会を見ている。

 

『ちょっと!あんた達!大将はどうしたのよ!?』

 

『安心して、今は安全な場所で応急処置をして待ってて貰ってる。』

 

大将の安否を心配するセリカが問い詰めるがカヨコは落ち着く様に促す。

 

『す!すみません!気絶をしてしまったせいで皆さんにご迷惑を掛けてしまって!せ、責任を取らないと…死んでも良いですか!?死にます!!』

 

『落ち着いてハルカちゃん、悪いのは風紀委員会だから。』

 

ハルカとムツキが話していると、アコに通信が入る。

 

[申し訳ございません、行政官…視線を逸らされた隙に突破されました。今からもう一度包囲を…]

 

謝罪をする部下に対して、アコはその顔の笑みを崩す事なく部下を宥める。

 

[いえ、大丈夫です。()()()()()()()()()()()()()…それより、面白い話をしますね?カヨコさん?]

 

アコはカヨコに話の続きを催促する。

 

『・・・最初はどうして風紀委員会がここに現れたのか、理解ができなかった。風紀委員会が他の自治区にまで出張って追ってくる理由、私達便利屋を追って?』

 

『こんな非効率的なやり方は、いつもの風紀委員会じゃ無い…だからこれはアコ、あなたの独断的な行動に違いないと思った。』

 

[・・・それで?]

 

カヨコは言葉を続ける。

 

『私達を相手にするにしても過剰すぎるこの兵力、他の集団との戦闘を想定していたとすれば説明がつく…とはいえ、いくらアビドスとの戦闘を想定していたとしても、アビドスは全校生徒を入れてもたったの5人だけ・・・だったら結論はひとつしかない。』

 

『アコ、あんたの目的はシャーレ、最初からあんたは()()()()()()()()()()()()()()。』

 

 

【・・・えっ?私?】

 

周りが驚きの声を上げる中、先生本人は唐突すぎる自分の登場に間抜けな返事をした。

 

[・・・ふふふっ、あぁ、そうでした。便利屋にカヨコさんがいる事をすっかり忘れていました。呑気に雑談なんてしている場合ではありませんね。・・・待機やめ、前進しなさい。]

 

アコがそう言うと砂漠側の大通りやビルの隙間、更には先程先生達がやって来た町の方からも、四方八方から風紀委員会が現れた。

 

『風紀委員会の更なる兵力が、四方から集結してきます!まだ居たなんて!それに、こんなにも数が!』

 

[うーん、少々やり過ぎたかもと思いましたが…シャーレを相手にするのならこれくらいあっても困らないでしょうし…まぁ、大は小を兼ねるとも言いますからね。]

 

『やけにあっさり抜けられたと思ったけど…二重包囲だったとはね…通りで焦りが無いはず。』

 

カヨコは包囲網を抜けてもアコが焦らない理由に納得し、アコはそんなカヨコに関心した。

 

[その通りです。さすがカヨコさんですね、先程のお話は正解…いえ、正確に言うのであれば半分正解ですかね?確かに私はシャーレと敵対すると言う最悪のシュミレーションをしていました…しかし、私はこの状況を意図して作り上げた訳では無いのですが…信じて頂けないご様子ですね。]

 

カヨコの疑惑の目線に対してアコが肩をすくめながら話を続ける。

 

[では、事の次第を説明しましょう・・・きっかけは()()()()()()()()でした…もちろんお茶会の事ではありません、ティーパーティは我々が長年敵対関係として対立している()()()()()()()()()の生徒会の事です。]

 

【あぁ、知っているよ。】

 

トリニティと聞いた先生は、共に戦ったハスミやスズミ、そしてヒフミの事を思い出した。

 

 

[そのティーパーティーが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()…と、そんな話がウチの情報部から上がってきましてね。]

 

『・・・・あっ』

 

『まさかですけど・・・』

 

【・・・ヒ、ヒフミ…】

 

アコの話を聞いたアビドス組と先生の頭の中にはとても良い笑顔でダブルピースを決めているヒフミの顔と、別れる際に放った言葉が頭に浮かび上がった。

 

[当初は私も『シャーレ』と言う組織が一体何なのか全く知りませんでしたが…敵対しているティーパーティーが知っている情報と言うのであるのならば、私達も知る権利があります。そこで、チナツさんが提出した『D.U地区』で行われた暴動鎮圧及び『シャーレ奪還』の報告書を確認しました。]

 

アコの後ろに控えているチナツの目が『確認するのが遅すぎないか』と言わんばかりにアコを睨み付けるが、アコはそんな視線に気づかず話を進める。

 

[あの連邦生徒会長が失踪前に残した正体不明の組織…しかもあらゆる生徒を際限なく取り込む事ができ、学園の敷居を気にせず戦闘ができると言う、しかも連邦生徒会長がキヴォトスの外から呼び込んだ大人が顧問を務める超法規的な部活・・・どう考えても怪しい匂いしかしませんね?]

 

【うっ!…そう言われると私って怪しさの塊…】

 

[シャーレという組織は、とても危険な不確定要素に見えます。これからの()()()()()()()()()にも、どの様な影響を及ぼすのかわかったものではありません。ですからせめて条約が締結するまでの間、先生を我々の加護下にてお迎えさせていただきたいのです・・・ついでにその場に居合わせた不良生徒を処理した上で…といった形で。]

 

そう言ったアコは便利屋を冷ややかな目で見下した。

 

『・・・ん、むしろ状況がわかりやすくなって良いかも。』

 

そんな声を聞いて、アコは声の出所であるシロコを睨みつける。

 

[・・・どういう事でしょうか?]

 

『先生は渡さない。』

 

『そうよ!先生を連れて行くですって!?それで私達が『はいどうぞ』って先生の事を差し出すと思った!?』

 

シロコとセリカは要求を退け、ノノミは不安そうな表情でアコを見つめていた。そんなアコは眉間を少し揉んだ後、険しい表情から笑顔になる、しかしその目は笑っておらずアビドスを明確な『敵』として認識していた。

 

[…ふふ、やはりこういう展開になりますか…では仕方ありませんね、奥空アヤネさん?]

 

アコの言葉の意味を飲み込めずアヤネは首を傾げる、そんなアヤネを嘲笑う様にアコは言葉を続ける。

 

[ゲヘナの風紀委員会は、必要でしたら戦力を行使する事もあります。私達は一度その判断を下して仕舞えば・・・一切の遠慮をしません。

 

『脅しですか・・・!?』

 

[失礼ですね、最終通告ですよ…まぁ、それでも応じない事は貴女の仲間が証明していますね?]

 

アコの言葉を聞いてシロコ達は銃のグリップに力を込める。

 

『もちろん、考えは変わらない。』

 

『でも…どうしましょう、流石にこの人数を相手にするには分が悪いです…』

 

【それならあそこにいる便利屋に共闘を持ちかけてみない?利害は一致しているから乗ってくれる筈。】

 

『そんなに上手く行くんでしょうか?』

 

アヤネが疑問に思ったその時、セリカが便利屋に向かって口を開けた。

 

『ちょっと便利屋!挟み撃ちにするわよ!!この風紀委員をコテンパンにしてやらないと気が済まないのはあんた達もでしょ!?』

 

『ん、先生の盾になってもらうよ。』

 

『先生を皆んなで守りながら風紀委員会を倒します。いいですね?』

 

セリカの言葉に続く様にシロコとノノミが共闘を持ち掛けると、便利屋のアルは高らかに笑い宣言した。

 

『えぇ!もちろんよ!・・・あと言っておくけど!最初に襲撃した時に蒸気の巨人の事を色々言っちゃったのはわざとじゃないから!悪かったと思っているから!』

 

『うわぁ…蛇足。』

 

そんな便利屋のやり取りを聞いているとアコが話し始めた。

 

[うーん…まぁ、これはこれで想定していた状況ではありましたが、ここまで共同戦線の構築が早いとは、その点は想定外でしたね…まぁいいでしょう、それでは]

 

アコが言葉を続けようとした瞬間、アコに通信が入る。

 

[全くこんな時に!遅いですよ!()()()()()()()、しかもたった一体の無力化にどれだけ時間がk]

 

[あー、あー、マイクテスト、マイクテスト。]

 

新しく入ってきた通信の声に、アコは目を見開きギョッとする。部隊の通信兵の声ではなく、先生と同じ男性の声が聞こえてきたからである。

 

【あれ?この声って・・・】

 

『この声って・・・あいつよね?』

 

『ん、聞き間違えない。』

 

『アル様!この声は!』

 

『え、えぇ…間違い無いわね。』

 

『こ、この声は…まさかあの人がここに!?』

 

『あの人?誰なんだチナツ?』

 

[誰ですかアナタは!?姿を見せなさい!!]

 

アコに入った通信は、ホログラムが表示されず声だけであった。

 

[姿?・・・あぁ、そうだった。ホログラムが出せるんだっけ?慣れてないから疑問に思わなかった…えーと、このボタンだっけ?]

 

そんな言葉と同時にホログラムが表示される、だが表示されたホログラムには錆色の壁の様な物が映るばかりだった。

 

[おちょっくっているんですか!?姿を見せなさい!!]

 

[いや姿は今見せて・・・あっ、ちょっとしゃがみますね。]

 

そう言うと錆色の壁が下がっていき、その姿を現した。そこには鉄帽とガスマスクを装備した様な顔、夢と浪漫の蒸気の巨人、アイオロスであった。

 

[初めまして、自分はアイオロスと言います。貴女が通信兵の人が言っていたアコさんですね?]

 

[アイオロス…確かチナツの報告書に書かれていたオートマタ・・・それが何の目的で我々の迫撃砲部隊に接触を!]

 

[いや、ちょっと自分が泊まっていた()()()に砲弾をぶち込んだ理由が知りたいだけだったんですけど…返事は銃弾と砲弾の雨でした。]

 

[・・・廃ビル?]

 

廃ビルにアイオロスがいた。その言葉を聞いたアコは冷や汗を流す。チナツの報告書に書かれていた通りなら、彼を敵に回してはいけない。

 

[それは大変失礼しました。我々もわざとではなk]

 

じゃあアビドスに砲弾をぶち込んだのもわざとじゃ無い?

 

[いえ…そのぉ…]

 

アイオロスの言葉に更に冷や汗を流すアコ、するとアイオロスの通信から何かがバキバキ、メキメキと壊れる音が聞こえ始める。

 

[ちょ!ちょっと!何の音なんですか!?]

 

[何って・・・迫撃砲をスクラップに…]

 

更にアイオロスの通信から迫撃砲担当だと思われる生徒の悲痛な叫び声が聞こえて来る。

 

[な!?なんて事をしているんですか!?]

 

[自分は女性に暴力を振るいたくないので、銃を奪うか壊すかしか選択肢が無いんですよ。]

 

そう言いながら淡々とバキバキ、メキメキと迫撃砲を壊し続けるアイオロス、その音を聞くたびにアコの顔からどんどん血の気が引いていく。

 

『・・・おかしい。』

 

【どうしたのカヨコ?】

 

迫撃砲を壊されて顔面蒼白なアコを見ながらカヨコは疑問を口にする。

 

『これほどの部隊を投入しておいて、備品の一つや二つを壊されるのは承知の上の筈・・・けど、あのアコの慌てぶりを見ると…()()()()()()()()()っていう感じの焦り方をしている。』

 

『えーと?もしかして…()()()()()()にばれちゃまずい?』

 

ムツキの言葉を聞いて、アコの肩が跳ねる。そんなアコの反応を見たムツキは意地の悪い笑顔を浮かべた。

 

『あれ〜?・・・図星なの?』

 

[そ、そんな訳無いじゃないですか!?私達は『ヒナ』委員長からの直々の命令で先生の保護を!]

 

『じゃあ何で重要な作戦に、肝心の本人が居ないの?』

 

カヨコの疑問を聞いたアコは、不機嫌な顔を隠す気もなくアイオロスとの通信を切った。

 

[ヒナ委員長は多忙なのよ!!・・・あぁーもう!!イライラさせてくれますね!?攻撃を開始します!!対策委員会及び便利屋を鎮圧!!そして先生の保護を速やかに完了してください!!]

 

アコの怒鳴り声に反応して、風紀委員の部隊は素早く陣形を整える。

 

『先生!私達と便利屋68の指揮をお願いします!』

 

【任せて!皆んな!戦闘準備!】

 

『『『『『『『『了解!!』』』』』』』』

 

 

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アイオロスside 砂漠

 

『切れちゃった・・・』

 

アビドス砂漠のとある一角、そこには通信機の前でどうしたものだと悩むアイオロスと、その側でオロオロしている通信兵と、かつて迫撃砲だった物の前で涙を流す風紀委員会の迫撃砲部隊が居た。

 

『通信を繋いでいただきありがとうございます。』

 

『あっ…ど、どうも・・・』

 

アイオロスはお礼を言い、通信兵は戸惑いながらも通信機の電源を落とした。

 

『うぅ!お前は頑張った!頑張ったんだ!相手が悪かっただけなんだ…うぅ!!』

 

『その・・・なんかすみません、流石に迫撃砲を全部担ぐのは無理なので…』

 

『謝んな!このトイフェル!!』

 

『いや、本当にすみm』

 

アイオロスが言葉を紡ごうとしたその時、空からアイオロスに向かって()()()()()()()()()()。アイオロスは驚き、腕を盾にしながら光の雨を受ける。その光の雨を受けた両腕は、擦り傷が出来ていた。

 

『うぉ!?何!?何!?』

 

『こ!この攻撃はまさか!』

 

アイオロスが空を見上げると、そこには大きなコウモリの翼で空を飛びながら、紫と黒のカラーリングが特徴的な機関銃を構えた。ふわふわの白い髪とそこから伸びる黒い角を持った少女がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『あら、なかなか頑丈ね。』

 

 

 

『最強』が降り立った。

 

 

 

 

 





次回予告

アビドスに降り立った風紀委員長
その瞳にアイオロスはどう映る
そしてアイオロスは生き残れるか!?

次回『最強と蒸気機関』

蒸気を絶やすな



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ミニコーナー 教えて!ヘルメット!

『ゴーゴーヘルメット団リーダーでーす!』

『未登場だけど副リーダーでーす!』

『ここでは主にオリキャラの解説をしていきますよ!・・・まぁ少ないからすぐ終わる…って作者が言ってました!』

『メタいねノマ!』

『名前で呼ばないでよマサコちゃん!』

『えぇー…オホン、じゃあまずは、みなさんご存知のアニキ!!』

黒板に貼られるアイオロスの写真

『名前はアイオロス、3メートルの巨体と蒸気機関で動くオートマタ!』

『アニキのすごい所は戦車の砲撃を受けてもなんとも無いその頑丈さ!装甲には傷一つつかない!』

『今さっき装甲に傷がついたけど。』

『シィー!!』

『だけどアニキ自身もこの頑丈さには疑問をもっていて、どういう原理でこんな頑丈な体なのか分からないらしいね。』

『まぁいいじゃない、アニキはアニキ、私達の頼れるアニキ、たとえアニキが何者だとしても私達はアニキとして接するさぁ〜♪』

『あっノマ、もう終了の時間みたいだよ。』

『えぇ?もっと喋りたいんd


ー 指輪ノマ 鉄マサコ
kvt
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