あなたの蒸気機関はどこから?
私は機関車○ーマスから。
私の名前は
最初通話していた時は、楽しい会話になる…そう考えていた。アビドスを旅しているアニキが触れたり聞いたものを共有して・・・笑いながら会話する…けどアニキの口から聞かされてたのは、懺悔だった。
私達を侮辱されて怒り、手を出しそうになり、ホシノという人が謝罪をしたおかげで正気になったまでは良かったが、その場から謝ったり、話し合うでも無く、アニキは逃げ出してしまったらしい。
それを聞いた私は・・・アニキを突き放した。解決するまでこの廃ビルの敷居を跨がせないって言ってしまった。アニキはここで生まれたのに。
心苦しいけど、アニキには後悔してほしく無い、
・・・湿っぽくなっちゃったね、明日も仕事があるから早く寝なきゃ。
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翌日 ノマside 粗大ゴミ集積所
ここはブラックマーケットの外れにある粗大ゴミ置き場、ここには様々な要らない物が流れ着く、家具、家電、型落ちの車から戦車など、本当に色々と流れ着く、ゴミの組合がここを管理しており、許可を取ればある程度の物を持っていっても問題は無い。
『はぁぁ…』
今日は団員と一緒に直せそうなジャンクを漁りに来た。いつも通りなら一喜一憂して楽しい作業だけど・・・昨日から積もった不安がため息になって空に昇っていく。
『おいおい、どうしたリーダーの嬢ちゃん、今日は元気がねぇな?』
今私に話しかけたのは、粗大ゴミ置き場の管理をしているゴミ組合のオートマタさん、先代のリーダーからお世話になっている人で、いつもは携帯ゲーム機を弄りながら仕事をサボっている、だけど今日は珍しく粗大ゴミの整理をしながら団員と会話していた。
『いえ、お構いなく…』
『・・・何に悩んでるか知らないが、そんな辛気臭い顔*1あんまり見せるな、昼飯の電気が不味くなる。』
『電気に美味い不味いあるんだ…』
『あるぞ、特に美味かったのは発電所近くで食った出来立て電気だな、あれ食ったら他の電気はカスだな。』
『えっ本当?』
『嘘だよ、味なんて分かる訳ない、そんな電気の味が分かる程の高級センサー俺なんかに付いてねーよ。』
『えー、気になったのに…』
『・・・ちょっとは気分が紛れたか?』
『・・・今の一言で思い出しちゃったよ…はぁ。』
『なんか悪いな、それじゃ、俺は仕事に戻るよ。』
そう組合員が言うと、スクラップ車のボンネットに腰掛け、携帯ゲーム機を弄り始めた。
『仕事は?』
『休憩も仕事の内って、だぁ!クソ!なんだよこのUZQueenって奴!反応速度バケモンかよ!?』
そう組合員が叫ぶとゲーム画面がチラリと見えた。その画面では完膚無きまでボロボロにされた組合員のキャラとは対照的に、一切のダメージを受けずに勝利のポーズを決めている相手のキャラクターが見えた。
『二度とやらんわこんなクソゲー!』
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粗大ゴミ集積所⇒廃ビル
十分な数のジャンク品が集まり、私達ゴーゴーヘルメット団はアジトである廃ビルに戻ってきた。これから仕分けをしてからすぐに直せる物から直していく。
『あちゃー…リーダー、このコンポ、外面は綺麗でしたけど結構中身にガタがきちゃってます。これじゃ費用ばかり掛かっちゃいます!』
『・・・』
『リーダー?』
『・・・あ、ごめん何?』
『お疲れでしたら休みます?』
『大丈夫だよ!さぁさぁ!仕分けしよう!』
そう気合を入れ直す…だけど言葉とは裏腹に手はあまり動かない、そんな時皆んなで持ってきたジャンク品の塊から何か小さい物が私の前に落ちてきた。拾い上げるとそれは古めかしいゼンマイ仕掛けロボットのおもちゃだった。それを見た瞬間…アニキの事を思い出しちゃって…
『・・・はぁぁ…』
『リーダー』
私が顔を上げると、そこには団員全員が心配そうな顔*2をしながら私を見つめていた。そのうちの1人が叫んだ。
『しっかりしてください!!』
『えっ?』
『アニキを突き放したのはリーダーがアニキの事を信じているからでしょ!アニキがちゃんと問題を解決して帰ってくる、そう信じているからリーダーはアニキを突き放した。違うの!?』
『・・・違くないよ、アニキの事は信じている、でも、昨日の電話の後…少し不安になっちゃったんだ。私の言葉が…アニキを傷つけたんじゃないかって。』
『馬鹿ですかリーダー?』
『さらっと罵倒するね?』
『アニキがそんなミノムシメンタルだったら、最初撃たれた時に銃を奪って無力化するなんて選択肢出る訳無いじゃ無いですか。』
『確かに。』
団員の言葉に頷きながら、よくよく考えてみる…なんだ、心配していたのは私だけだったんだ…そっか、そっか。全く私は、信じるなら信じきらなくてどうすんの。
『いやぁ、ごめんね皆んな、リーダーである私が信じなくてどうするんだって話だよね、ごめんねアニキ!アニキの事を心の底から信じるよ!』
『『『『『リーダー!』』』』』
『よーし!仕分けるよ!!』
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翌日 廃ビル
『リーダー!ラッキーですよこのエンジン!洗ったら問題なく動きましたよ!』
『おっ!やったね!余計なパーツ注文しなくて助かったよ。』
昨日から一夜明け、私達は仕分けしたジャンクの修理に取り掛かった。時間が経つにつれてあれだけあったジャンクはみるみる減っていき、今、修理が終わったエンジンで最後だった。
『修理完了!皆んなご苦労様!』
『『『『『お疲れ様でしたリーダー!』』』』』
『それじゃあご飯にしよっか!皆んなは何か食べたい?』
『『『『『カレーライス!!』』』』』
『皆んな好きだねぇ、了解、食材に道具の準備手伝って!』
それぞれが食材や道具の準備をする中、私はまな板の前でスマホを操作する…言っておくけど、カレーで失敗する事は絶対に無い、スマホを操作しているのはラジオアプリを起動する為である。
[こんにちは、キヴォトスニュースの時間です。先週D.U地区で起こったスケバンの集団による大規模な暴動の復興が完了したと、連邦生徒会長代理である、七神リン氏より発表がありました。今回の暴動の裏には、矯正局より集団脱走した囚人の1人である、狐坂ワカモが関与しており、未だ逃走を続けています。これにより、ヴァルキューレ警察学校に対して一般市民、および生徒からは不安の声が聞かれます。]
『最近物騒なニュースが増えたなぁ。』
『いつものキヴォトスじゃないですかリーダー、あっ、ここに野菜置いておきますね。』
『それもそっか、ありがとうね。』
ニュースを聞きながら野菜を一口台に切っていく、にんじん、ジャガイモ、玉ねぎ、ピーマン、入れたら美味しそうな物をとことん刻む。
[次のニュースです。ありもしない効果を謳った詐欺商品が出回っています。たとえ友人や恋人から買う様に促されても、まずは落ち着き、疑いの目を持つことが大切です。まずはNOとはっきり言葉にする。これが大切です。ちなみに私も先日、同じラジオ局の先輩にゲルマニウム製のブレスレットを勧められまして、あまりにもしつこかったのでゲルマニウムブレスレットごとゴミ箱に叩き込んで収録に戻ってやりました。]
『詐欺商品ねぇ…私達にはそんな物買うお金はないんだけどねー。』
『『『『『ねー!』』』』』
『・・・なんだか言ってて悲しくなってきた…そう言えばお肉の用意出来た?』
『バッチリです!いつでも野菜と投入しても問題ないです!』
その言葉を聞き、鍋の中に切った野菜とお肉を入れていく、お肉に焼き目が付くまで炒める。
[午後の天気は晴れの予報です。今日は風が気持ちいいので外出にもってこいの午後になりそうです。たまにはサンドイッチや軽くつまめるお菓子などを持って、公園や広い草地でピクニックなどはいかがでしょうか?もちろん不良対策の手榴弾もお忘れなく。]
(そんな心休まらないピクニック嫌だよ!)
そんな言葉を心の中で叫び、鍋に具材の少し上辺りまで水を入れ、沸騰するまで煮込む、沸騰したらいよいよカレールーの登場である。ここには辛いのが苦手な人が居ないので、メーカーの違う二種類の中辛ルーを割り入れる、おたまでルーを溶かす様に混ぜ合わせて煮込めば。
『カレー出来たよ!お米よそって!』
『『『『『了解!』』』』』
皆んながカレーの鍋に一列に並び、自分達のご飯がよせられた皿に流し込んでいく、最後に私が自分のカレーをよそい席に着く、今か今かとソワソワしている団員達が一斉にこちらを向き、顔の前で手を合わせる、私もそれに続いた。
『『『『『いただきます!!』』』』』
その声を合図に、皆んなが思い思いにカレーを食べ始める、ルーをかけてご飯を食べる団員、ご飯を掬いカレーに浸す団員、混ぜながら食べる団員、本当に多種多様だ、ちなみに私はご飯を浸す派である。
『美味しいよリーダー!』
『いつもありがとう!』
『ほら!感謝するのはいいけどご飯粒飛んだよ!』
[イェーイ!!ゲヘナレディオの時間だぁ!今日も気難しいニュースなんて後回しで音楽かけまくるぞー!!]
『そう言えば、『アネゴ』元気ですかね?』
『モモトークは返してくれるけど、通話は盛り上がって
『受かると良いですね、大型免許。』
・・・.あっ、ごめんごめん、アネゴって言うのはゴーゴーヘルメット団副リーダーの
[よーし!次の曲は!…あん?どうした?…ニュース?いやそんなの二の次だろ、どうせ温泉か美食が…えっ?マコト議長が依頼?今読めば追加報酬?・・・ここからは予定を変更してニュースをお届けするぜぇ!なんと!あの風紀委員会がたった一体のオートマタにコテンパンにされたそうだ!]
『『『『『嘘乙』』』』』
[そのオートマタは何と!!今のキヴォトスでは骨董品で性能も劣る
『『『『『・・・ん?』』』』』
『へぇ、珍しい事もあるんだね、アニキ以外にもまだ動く旧型オートマタがいたんだ?』
[風紀委員会はボロボロで、息も絶え絶えになりながら、やっとの思いで旧型のオートマタを捕縛したらしい!これに対してマコト議長は、『なんて様だ!旧型のオートマタたった一体に遅れを取るとは見るに耐えん!』と、風紀委員会に対して苦言を呈し、これを受けた風紀委員長空崎ヒナは、『すみませんマコト様、もうこの様な事が無いようにより一層訓練に励みます。』と回答した!]
[さて、この問題のオートマタだが、身長が3メe…えっ?デカすぎじゃね?ンンッ!!3メートル程!銃を装備せずに風紀委員会に戦いを挑んだらしい、銃を装備していないオートマタにコテンパンにされた風紀委員会はとても愚かとしか言いようがない!]
『『『『『んんん????』』』』』
『へぇ、身長まで同じなんだ?』
『いやリーダー、これ完全に…』
[そのオートマタだが、自分の事をアイオロスと名乗り、風紀委員会に戦いを挑んだ理由は、役に立たない風紀委員会を蹴散らし、自分の強さをアピールしたかったと語っている!]
『・・・は?』
『『『『『やっぱり…』』』』』
[マコト議長は、このオートマタをその海よりも広大な心で迎え入れ、しばらくゲヘナに滞在すると…]
さっきからニュースが頭に入らない、困惑と驚きが頭の中を駆け巡る、だけど、だけどこれだけは言いたい、いや、叫びたい!
『どう言う事なのアニキィィィィィィ!?』
なおこのゲヘナレディオを聞いているリスナーは、ノリノリで音楽を聞いている所にいきなりニュースをぶち込まれた事に腹を立て、ほとんどのリスナーが電源を切るかチャンネルを変えてしまいニュースの内容を聞かなかったらしい。