私は思い出から現実に戻り記録の続きを書こうとした
しかしそれはスマホから聞こえる警報により叶わぬ行動となった
あぁ奴らが来た手が震える
私の夢も浪漫も何もかもを喰らう為にやってきた
製作記録を裏返し私は心のままに最後の言葉を書き綴る
目から流れ出そうになる想いを押し殺し最後の一文字を書ききり
私は後ろを振り向かず一歩一歩扉へ歩いた
ごめんなさいロイ さようなら
タイラントを購入してから数日、俺はまた仕事に精を出していた。
『よぉアイオロス!今日も仕事かよ!』
『どうもガードさん!』
『・・・なあなあ、やっぱりマーケットガードにならない?』
『それ何回目ですか、やりませんよ、俺暴力沙汰嫌いですし。』
『そんな巨大な体なのに勿体無いなぁー・・・なる?』
『なりません』
『かぁ!意思が固いなぁ!邪魔して悪かったな!それじゃあ今日も頑張れよ!』
『そっちも!』
今挨拶を交わしたのは俺が配達の仕事をする時によくすれ違うマーケットガードの人である、マーケットガードは見た目の印象で堅苦しい人ばかりだと思っていたが彼の様な人もいる。まぁ何回も俺をマーケットガードに誘うのはしつこいが。
『よぉニイちゃん!今日は配達か?』
『そうだよ!』
『よぉデカロボ!配達頑張れよ!』
『ありがとう!』
『やいやい蒸気ロボ!今日こそはあのパンチのツケを払ってもらうぞ!!』
『悪いけどまた今度で頼む!!』
『こらー!!逃げるなぁ!!』
俺が武器屋の店主の紹介で様々な仕事をしてから、ここのブラックマーケットで俺はちょっとした名物になっている、巨大な見た目とこの世界では骨董品の蒸気機関で動くロボット住民の為結構目立っている。
ブラックマーケットに住む住人達と挨拶を交わしながら、俺は目的の建物の前で止まる。
『荷物のお届けに来ました!』
『開いてるから入っていいぞ!』
『それじゃあ失礼するよ店長!』
俺はそう言って、配達先であるあの武器屋の扉を潜った。
武器屋の中は以前と変わりは無く、しいて言うなら無愛想だった店主が笑顔で俺を迎えた所だ。
『はいよ、弾薬と爆発物関係と整備用品の荷物になります。サインお願いします!』
『はは!配達の仕事が板についてきたな!…ほいサイン。』
『はい確かに、いやぁいろんな仕事紹介されましたけどなんか配達の仕事が楽しくて。』
俺はこの配達の仕事が特に好きだった、色々な場所や人に会える為配達をする度に新たな発見があり飽きが来ないのである。
『にしても最近弾薬の注文が多いですけどなんかあったんですか?』
『ん?あぁ、なぁアイオロス、連邦生徒会長が失踪したって噂知ってるか?』
『あの噂ですか?流石にあれはデマなんじゃないですか?』
連邦生徒会長、またの名を『超人』、たった1人でどんな問題も解決する為そう呼ばれている。最近どこから広まったのかその会長がいなくなったという噂があちこちで流れている。
『俺もそうだと思うんだがなぁ、ただの噂に踊らされて弾薬を買い漁って暴れようとしている不良が後を絶たねぇ、俺の店の弾薬の減りが早いのはそういう奴らが買い漁っていくからだ。ただの噂でこっちは稼がせてもらって助かっているんだけどな…だがな、長年このキヴォトスで武器屋としてやってきた俺の勘が何かが起こるって言ってやがる。』
『何かが?』
そう言うと店主はデジタル表記の目を細める
『このキヴォトスで多少の銃撃戦は日常茶飯事だ、しかし最近はちょっと静かすぎる、大体こういうのを『嵐の前触れ』って言うんだろうな、さらには生徒会長失踪の噂に不良共の動き、何かデカい事が起きるぞ、もしも最悪の事態が起こってもいいように準備はしとけ。』
そう言って店主は俺の前に鉄製の弾薬箱を一つ置く
『・・・なんですか?これ?』
『何って、お前の銃の弾だよ。』
何言ってんだこいつみたいな顔でこちらを見つめる店主・・・って
『いやいや!?店長!!俺なんも払ってませんよ!!』
『いいから受け取れ、俺の勘がお前に弾を渡せって言ってやがるんだよ。』
『いやいや、勘!?勘で何も払ってない俺に弾を渡すんですか!?今日の店長なんかおかしいですよ!?』
『あぁ、俺もそう思う、俺は商売人だ、タダでこの量の弾丸をポイと渡そうなんて普通思わない、だがな俺の勘はよく当たるんだよ、そのよく当たる勘のお陰でいろんなピンチを回避して来たんだよ俺は。』
『でも・・・』
そう押し問答を続けていると入り口が開く
『ん?いらっしゃ』
店長が入店する人物に挨拶をしようと俺から目線を外すと、開いた扉から何かが投げ込まれる、それはデコボコしたまるでパイナップルの様な物体であり、その物体は重力に従い床にぶつかる。どこかで見た事がある…あぁ!!あれは!あの物体は!!
『逃げろぉ!!』
店主の叫び声と同時に俺は反射的に店主に覆い被さった
そしてあたり一面が光に包まれた。
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ブラックマーケット 武器屋から離れた路地
グレネードが爆発し、様々な爆弾と弾薬で連鎖爆発が起き、アイオロスがいた武器屋は火の海になっていた。その武器屋から離れた路地にセーラー服を着て口元を隠すマスクをしているスケバン達がいた。
『このバカ!!私はスタンを投げろって言ったんだよ!!なんでグレネードを投げるんだよ!!お前のせいで奪うはずだった弾薬に爆弾が全部パァになったじゃないか!!』
『でもアネキぃ・・・派手にやれって言ったのアネキじゃないですかぁ。』
『派手にやれとは言ったが一言もグレネード使えとは言ってない!!』
『あぅ、ごめんなさい・・・』
『このバカは置いといて、アネキどうしましょう!直ぐにでもマーケットガードが走ってきますよ!!』
『ちぃ!お前らずらかるぞ!!弾薬に爆弾は違う所で奪う!!』
スケバン達はブラックマーケットからずらかる為に路地の奥へ急ぐ、しかし、そんなスケバン達に不可解な音が聞こえてきた。
シュー ガシン シュー ガシン
『ん?なんの音だ?』
『おい!今はそんな音気にせず走れ!!』
フシューーー!ガシャン!!フシューーー!ガシャン!!
『近づいてきてる!アネキ!何かが近づいてきてる!!』
『ええい!もう追手が来たのか!全速力で逃げろ!!』
フシュュュュウウ!!ガシャンン!!フシュュュュウウ!!ガシャンン!!
『なんなんだよこの音!!何処から聞こえる!!』
『路地が入り組んでて分かりません!!』
スケバン達が音の原因から逃れる為必死に逃げる、そんなスケバン達の前にブラックマーケットの出口が見えてきた。これで逃げられる、そうスケバン達が安堵したその瞬間。
ドォォォォオオオオン!!
目の前のアスファルトが爆発した。
フシュュュュウウ!!フシュュュュウウ!!
『なんだ!!なんなんだよ!!』
『全員周りを警戒しろ!!』
『もうヤダァ!!弾薬奪うだけじゃ無かったのぉ!!!』
その時である、ブラックマーケット出口近くの路地から巨大な人型が現れた。
その人型は3メートルの大きさであり、手には未だ銃口から煙が立ち昇る大砲の様なリボルバーを握り締め、体のあちらこちらから凄まじい量の蒸気を吹き出しながらスケバン達を睨み付けるように現れたガスマスクのような顔をした巨大なロボット、
アイオロスがあらわれた
次回予告
燃える武器屋
悲しみに暮れる店主
理不尽に訪れた破壊により
アイオロスは怒りに燃える
次回『神の怒り』
蒸気を絶やすな