嫌われにもかなりの票が入っていたので書きます。
アンチ・ヘイトのタグが仕事し始めるので気を付けてください。
X月Y日
好きの反対は無関心である。そう宣ったのは誰だっただろうか。
リターニアの芸術家? ヴィクトリアの、古典ターラー文学を代表する詩人か? それともそこいらの一般人が悟ったふりして語ったのか? はたまた精神科の学者さんが研究の末発表したのかも知れない。
今まではそういうものかと受け流していたけど、やっぱりそれは違うと思う。みんな小難しく考えすぎている。
好きの反対は嫌い。ただそれだけのことだと思う。
──
X月Y日
売店で新しく日記帳を買った。
前のものをなくして大体一ヶ月といったところか。ずいぶん遅くなってしまった。
クロージャさんが端末型の方を必死におすすめしてきてびっくりした。いやぁ、買っても良かったけど、最近クルビアでそういう機械のデーターが盗聴されていた事があったらしいので遠慮しておこう。不良在庫を手放したかったのだろうが…可哀想に。
まあ無駄話はこの辺にしておこう。
さっき緊急の放送があった。
『天災発生の予兆が確認されたため規定の航路を外れることになる。各員はそのことを留意しておくこと。また、安全のため明日からの三日間は甲板など、ロドス艦外に出ること無く、艦内で待機すること』
アーススピリットさんに聞いたところ、かなり規模の大きい天災が予測されるそうだ。
航路の変更は頻繁に起こる訳では無いが、珍しいことでもない。みんなまるで心配していないようだけど俺は一つの懸念がある。
今回の航路変更ではウルサス帝国の国境から一キロと離れていないところまで接近してしまう。場合によっては国境を越えてしまうかも知れない。
今の皇帝なら国境を踏んだとしても強硬的な態度は取らないだろうけど─
軍は怪しい。国際トランスポーター専用の掲示板にウルサス軍部とクルビアの新興企業が水面下で繋がりを持ったという情報が入った。
新興企業というのはロドスと同じく製薬会社。ただ、協力関係を築こうとしたロドスとの交渉の席でありえないくらい自分本位な条件を突きつけてきたような悪どいところ。
ちょっと良い予感はしない。
予想外が起きないことを祈る。
X月Y日
Oh my god!!!
予想外発生!! 想定でもかなり大きい天災だったけど、発生したのは更にでっかい。
ドクターらの機転のお陰でなんとか危険域は外れたけどロドス号の駆動部の一部が故障。天災が弱まった頃合いを見てエンジニアたちが外壁や駆動部のところに張り付いて突貫工事をしてるけど、ここはウルサス国内。何事もないことを祈ろう。
それと、外のエンジニアの人たちが暴風で事故りそうだからちょっとサポートすることにする。
──
「いやぁ。ありがとね、ヴィネ」
「いえいえ。クロージャさんこそこんな中でお疲れ様です」
「まあね。誰かがしないといけないことだし、私ってブラッドプルートでしょ? 他のエンジニアの子たちよりは頑丈だからさ」
クロージャさんかっこいい!! これだよこれ。ロドスの良いところはいい人ばっかっていうことだよ!! ただ─
「それでも一人の女性であることには変わりありません。自分の身のことも考えてくださいね」
「…ヴィネは優しいね。ダカラミンナガ─」
最後の方何やらぶつくさ言ってたけどまあいいや。なんか作業スピード上がったし早く終われればいいなぁ…。ん? 視界の端で今なにか黒い布みたいのがはためいたような…。ウルサスで黒い布…。
「─ッ!」
「そういやさぁ、ヴィネ─」
「すみませんクロージャさん。絶対にこの足場付近から離れないでください」
「…何かあったんだね?」
「…何かあったら私のことを置いていってください」
「そんなッ?」
「では─」
クロージャさんには悪いけど、こいつはかなりやばい状況だ。だってそうだろう? ウルサス最高戦力で─
「利刃が来ちゃったかぁ…」
「貴様は─」
皇帝直属の部隊。皇帝の利刃がロドスに迫ってるんだから。
「ロドスには何用で?」
「偉大なるウルサスの土地を土足で踏みにじった者共と交わす言葉はない。疾く─」
突如利刃の姿が掻き消える。ただ、一瞬だけ、この暴風の中でも聞こえた異様な風切り音。
「─消え去れぃ!」
「あっぶな!」
反射的に動かなかったらあの軍用サーベルで切り裂かれていた。不味いな、剣はクロージャさん守るための風の起点として置いちゃってるし、今持っているのはオンボロアーツユニットだけ。
剣があったらこんなやつ余裕で足止めれたんだけどなあ…。
まあ、無い物ねだりしてもしょうがない。ヤるしかないんだ。
「─ッ!?」
「素手でもいけるんだよなぁ、これが」
剣よりよっぽど酷いが斬撃の真似事はできる。
「風のアーツ…、悪鬼かッ」
「懐かしい呼び方だぁ」
改まって考えてみれば利刃が差し向けられたものの、俺でも対応できる範囲内。あのウルサス帝国がこんな手緩い手を打つだろうか…。
まあロドス本艦にはスカジさんを始めとした主戦力が張ってるはずだし、なんとかなるかな。それよりも─
「ここらへんは国境線が曖昧で、ウルサスに不法入国とは言えないのではッ?」
「屁理屈を並べるな。どこであろうと、私がこの両足で踏みしめているのならば、そこはすなわち偉大なるウルサスの国土だ」
「…」
まって? それじゃ国外旅行とか出来ないじゃん…。話がそれた。
俺が五体満足でなんとかできるかが問題だな…。
──
「ケルシー、ヴィネが皇帝の利刃と交戦中っていうのは本当?」
「ああ…。外のクロージャからの連絡があった。…不味いな、ここまで早く駆けつけてくるとは」
「はやく援護に何人かだそう」
「いや、まて。利刃連中は強力だ。下手な援護はしないほうがいい。それよりもさっさと修理を完了するのがいいだろう」
「でも─」
ロドス艦内にてケルシーとドクターが深刻そうな顔をしていた時、ロドス艦内に警報が鳴り響く。
「これは?」
「…」
困惑する二人。それをよそにドクターの端末にアーミヤからの連絡が走る。
『ドクターッ! 侵入者です。甲板を破壊して何かが入ってきました。現在は食堂付近で対応していますが─ッ!? 不味い─』
「アーミヤッ? 返事をしてアーミヤ!?」
「…ドクターどうやら大変な事態に陥ってしまったようだ」
「ともかく食堂付近でアーミヤたちと合流しよう」
──
「…これは」
「ドクター、下がっていろ。Mon3ter!」
食堂にたどり着いた二人の視界には何人もの倒れたオペレーターの姿とそれを必死に守るアーミヤの姿。そして…
「谿コ縺呎ョコ縺吮?ヲ譁ー縺励>迯イ迚ゥ縺?縺」
「なんて悪趣味な…」
かすかに人間の面影を残す異形の怪物がいた。
──
「…ケルシー。これは例の新興企業が研究していた…」
「ああ。感染者の生体実験の産物だ」
「こんな酷いことを…」
なんとか怪物を無効化したドクターたち。
怪物について色々話していたのだが─
「閾ェ辷??繝ュ繝医さ繝ォ縲∝ァ句虚」
「ッ!?」
突如、怪物の体が黒いモヤに包まれる。
周囲のオペレーターガ気づいたときにはもう遅く─
「─ッ!!」
怪物の体は爆ぜ、ドクターたちの体にその黒いモヤが降りかかる。
──
「─ッ! 頃合いか…」
「…何をした?」
もう少しで利刃をぶっ倒せる、そんなところでロドス艦内からかすかに爆発音が聞こえた。そして─
「答えろ利刃! この噎せ返るような、異様なアーツは何だ?」
「…直にわかる」
「おい待て─」
「悪鬼よ、ロドスを理想郷と思っているそうだな」
「…」
背中越しにビリビリと感じるモヤモヤとした気持ちの悪いアーツ。ドクターたちは大丈夫なのか、気が気でないのに利刃は変なことを聞いてくる。
「それが本当かも直にわかる」
「…」
すごい嫌な予感がする。でもまあ、利刃が手を引くって言うならさっさと戻るまでだ。クロージャさんやドクターの安全を確認しねえと!!
──
「これは…」
「…不味いね」
クロージャさんと合流してロドス艦内へと戻ると─
「ドクター!? ケルシー先生!?」
「起きてアーミヤ。何があったの?」
食堂にて何故か倒れ伏す幾人ものオペレーターの姿。
「…ん? いったい何が…?」
「ドクター!? クロージャさん、ドクターが─」
呼びかけてるとドクターが漸く目を覚ました。何があったのか聞こうとすると─
「ヴィネ?」
「はい、そうですドクター。いったい─」
「─ごめん、さっさと離れてくれない?」
「─何が…へ?」
「二度も言わないとわからないの?」
「あ、わかりました。すみません」
いきなりの拒絶。今まで聞いたこともないような、どこか怨嗟の混じった声色。
クロージャさんも目をパチクリさせている。
ドクターの変貌に驚いていると、他の人達も起き出す。でも─
「─ッ…ヴィネ? Mon3ter、排除しろ」
「ケルシー!? あんた何やってんの!?」
ケルシー先生も─
「…! 近づかないでください!!」
「…アーミヤCEO?」
アーミヤCEOも─
いや、三人以外のオペレーターも俺のことだけを拒絶していた。
「すいません、少し失礼します」
「ッ、ヴィネ!?」
ちょっと、いやかなり居づらい。大変だろうけどクロージャさんにこの場は押し付けさせてもらおう。
──
ヴィネの居なくなった食堂。いきなりのことに混乱していたクロージャが我に返り─
「─ドクターにケルシー、アーミヤ? 色々混乱しているんだろうけど酷すぎない?」
「クロージャか…」
三人に詰めかかるが─
「君は優しいな。あんなやつを庇うなんて」
「は?」
ロドスはヴィネやクロージャ等を除いて変わり果ててしまっていた。
──
食堂から逃げ出した俺は、誰もいないロドスの廊下を足早に進んでいた。
まるで、さっきまでの仲間たちの言葉が頭の中で何度も反響しているようだった。
「"あんなやつ"…?」
アーミヤの拒絶、ケルシー先生の、そしてドクターの冷酷な態度。
俺が何をした? 何をしたっていうんだ?
息苦しい。胸が詰まる。酸素が足りない気がする。
──やっぱり、利刃のやつらが何か仕掛けたのか?
性格が変わる? そんな細工されている。あの異様な雰囲気のアーツ──あれが全ての原因だとしか思えない。ロドスの中に異常が広がっているんだ。
けど、俺がそれを証明する術がない。そもそも、さっきみたいな拒絶を受けた状態じゃ、誰も俺の話をまともに聞いてくれないだろう。
どうする…?
そんなふうに考えているといつの間にか自室まで戻っていた。
ベッドに体を預け、さっき起きたことを詳しく思い出し、何があったのかを考えていると─
「─? あ、クロージャさんからメッセージだ」
今のところ唯一異常をきたしていない、信頼できる存在であるクロージャさん。彼女からのメッセージは─
『今から購買部に来てくれない?』
──
居ても立っても居られなくなって、購買部にすぐさま移動する。が、その道中─
「リードさん?」
「─ッ!」
リードさんに出会う。
そうだ、食堂にはリードさんは居なかった。流石に拒絶はされないだろう。そう思っていると─
「来ないで!」
「!?」
彼女のアーツが牙を剥く。
なんとか直撃こそ避けたが─
「あっちぃ!」
かすかに触れてしまった左腕の一部が火傷。いや、一部が炭化までしてる。
あんな優しかったリードさんまで…。いったい何がロドスで起こっているんだ?
──
「─あ、来た来た─!? 何があったのヴィネ? その腕は!?」
いきなりのことで驚いているクロージャさんに事の経緯を説明すると─
「まさか彼女まで…」
苦虫を噛んだような表情をする。
「いったい何があったんですか?」
「…ヴィネ、驚かないでね。今、ドクターたちは君のことを憎悪の対象にしているんだ」
「へ?」
一応、大枠は決めているのですが、登場人物については決めかねています。
要望がございましたら、○○を出して、といったコメントをお願いします。
曇らせたいキャラ募集! その他はちゃんとキャラ名書いてね!
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ラップランド
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ドクター
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ケルシー
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リード
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その他