それと、歌うものが星三評価で倒せるまではエタリます!
攻略サイト見ても全然行けません()
「私が憎悪の対象…ですか?」
「そう。これ見て」
「これは?」
クロージャさんが取り出したのはカセットテープのような四角い物体。そいつを映写機に差し込む。
「これは食堂付近で事の顛末を見ていたLancet-2の視覚情報を記録したもの何だけどね…」
「これは…」
映写機によって映された映像には必死にオペレーターたちを守るアーミヤさんの姿と、それを襲う醜悪な怪物の姿。
「こいつが今回の異変の原因。あの時、ロドス艦内にいたオペレーターは全員、もれなく例のアーツの影響を受けている」
「…」
クロージャさんの状況説明を聞きながら、俺は別のことを考えていた。
この怪物、国際トランスポーターとしてクルビアに訪れたときに一度見たことがある。
ライン生命での仕事を終えた後、新興企業のラボから実験体が逃げ出したとのことで討伐した事がある。だが─
「こんな意味不明なアーツなんかもってませんでしたよ?」
「…」
如何にクルビアと言ってもラインを踏み越えた実験に対しては凍結を命じていた。にも関わらず似たような実験体が進化している…。つまりは─
「あの企業が裏でこそこそ研究を進めてたってことだよ…」
「…」
──
「…」
あまりに衝撃的過ぎることがごく短期間で起こりすぎて何か言う気にもなれない。
ロドスのみんなが俺に対して憎悪を向けているだって? なんの冗談なのか神様に問い詰めたいくらいだ。まぁ─
『運良くロドス本艦から離れていたエリートオペレーターのAce、Stormeyeがクルビアに行って調査してくれはするけど─』
クルビアまでの移動で一週間、調査で三週間くらい。つまり一ヶ月、それだけ耐えることが出来たのなら希望も見えてくる。
「しかしまぁ、一ヶ月か〜」
どうやって暇をつぶそう。まず、俺が国際トランスポーターの仕事で時間潰すのは確定でしょ?
どれどれ、適当に一ヶ月くらい時間を潰せそうな依頼はないかな?
『レユニオンより─』
…。クソほど気まずいけどこれ受けるか。
流石に何回も出してくれてるし無下にするのは悪評が…。
まあ善は急げって言うし今から準備でも─
「─何が一ヶ月なのかな?」
「ッ!?」
びっくりした!? 声的にラップランドさん? いきなり声かけないでよ。心臓に悪いなぁ。
様子はどうなんだろうか…って─
「…聞くまでもなかったか」
「? 何を訳のわからないことを言っているんだい?」
流石に、艦内なのに両手に剣を持った完全武装ならアーツの影響を受けたことくらいわかるよ?
「…一応聞いておきますが─」
「…」
何かの間違えかも、そう期待していたけども言い終わる前に切りかかってきた。
わかってはいたけど話し合いは無理だな、これ。
まあラップランドさんがここで襲いかかって来てくれたのは都合がいい。直線的な、凹凸もなく死角の存在しない廊下。そしてそんなに広くもない。ここでなら─
「─グッ!? 何を…風?」
アーツで起こした風が嫌でも一方向に収束する。避けようにも通路の道幅、高さ目一杯を風が満たしているのだから避けられるはずもない。
真正面から風圧を受けたラップランドさんの体を廊下の突き当りまで吹き飛ばし、壁に貼り付けにする。ここまですれば後はすたこら─
廊下を吹き荒れる暴風のなか、かすかに足音が聞こえる。足音的に軽量級、彼我の距離を急速に詰めてくることから近接を得意とするのだろう。
軽量級の前衛。それならいくらでも候補がいるが俺の眼前にはラップランドさん。ならば─
「─ですよね、テキサスさん?」
「ふん」
剣を引き抜き、背後に振る。
剣は虚空を切ること無く、その途中でテキサスの源石剣によって止められる。
「さすがはお二人。良い連携ですね」
「クッ」
でもまだ対応できる。
「お二方、これは自慢ですが私はそれなりに戦えましてね。一対一ならほとんど負けません。一対ニだとしても余裕です─」
自分で言っといてなんだけど、一対一ならほとんど負けません、は言いすぎだったかも。だってスカジさんには最近一敗したし、パトリオットの旦那には勝てる気がそんなにしないし。
まあそれでも、二人がかりの攻撃を対応された二人にとっては信じざるを得ないことか…。
「一の矢だけじゃ届かない。二の矢があっても難しい。お二人、まさか二の矢で終わりではないでしょう。どこまで用意しました? 三の矢ですか? 四の矢? はたまた五の矢まで?」
「…」
ふたりとも何も喋らない。でもその顔が、済ました表情がほんの少し崩れた。決まりだ、まだなにかある。
「…」
「─おっ?」
無言で切りかかってくるテキサスさんの攻撃を躱して後ろに下がった瞬間─
「「せーのッ!!」」
突然真横の扉がこちらに向かって迫りだす。
「…バイソンさんにクロワッサンさんですか─」
声から考えるにペンギン急便の重装二人の仕業か。でも─
「ッ!?」
「なんやこれ!? うちが押し返される!?」
そんなにも空気抵抗の大きそうなものを使うなんて。俺のアーツを使ってくださいと言ってるようなものだろう。
二人には悪いけどもう一回部屋に戻ってもらって。
「…」
三の矢には驚かされたが、流石にこの人たちもネタ切れだろう。適当にテキサスさんをあしらって─
さっさと…おさらば…
あ…れ? おかしい…な? なんだか…眠い…。
「…ソラさん…ですか」
…油断した。まだ…あったのか…。
──
「助かったソラ」
「ごめんなさい…テキサスさんもみんな戦ってたのに私だけ…。みんなの力になれなかった…」
「そんなことないで、ソラ。ソラがおらんかったらウチらはこれを取り逃がしとった。ソラのおかげやで」
「…でも…」
「そんなふうに思い悩むな。少しずつ戦う力をつけていけば良いんだ」
「テキサスさん…」
どこか感動的な会話をするテキサス、ソラ、クロワッサンの三人。そして─
「テキ姉。完全に眠ってますよ」
「どうするんだい、テキサス?」
「そうだな…、ドクターやアーミヤからも許可を得たんだ。あの空き部屋に放り込め」
「フフッ、了解」
「わかりました」
ラップランドとバイソンの二人によってどこかへと運び込まれるヴィネ。
──
「起きろ」
「zzZ─!?」
…寒ぶッ!? なんなんだいきな…り…。
不味い不味い! ソラさんのアーツで眠ってしまっていたみたいだ。
というか誰だ? こんな寒い地域なのに冷水をぶっかけて起こした人は。マジで寒いじゃないか…。ってそれどころじゃないな、これ。
「ようやく起きたか」
「…テキサスさん。レディーがこんな粗暴な起こし方をしないでくださいよ。…というより、この首輪? はなんですか?」
首はバンド? みたいので最低限の気道確保しか出来ないくらいに締め付けられている。それに手首や足首も固定されている。
ちょっと…、逃げられないじゃんこれ…。
「無駄口を叩くな。お前には実験台になってもらう」
「実験台?」
え? テキサスさんってなにか研究してたっけ? まあ、地頭は悪くはないはずだけど…。
「あらかじめ言っておく。貴様が思っているような実験ではない。私は学者のように頭は良くないからな」
「いやいやそんな。テキサスさんだって─」
「─無駄口を叩くなと言ったはずだ!」
「…」
…もしかしてだけど…。本格的にやばい、これ?
「…ソラさん?」
「やめて。貴方なんかが私の名前を呼ばないで」
「…」
部屋に新しく入ってきたのはペンギン急便のアイドルのソラさん。やっぱりアーツの影響を受けているようだ。
…? ちょっと、テキサスさん。ソラさんだいぶ思い詰めた顔してますよ? ちゃんと見てあげたほうが─
「できるか?」
「はい…」
「ッ!?」
まってソラさん。なんですかその源石剣は? ちょ、なんで俺の方に突き刺そうと─
「─ッ」
「…全然入らない」
すごいチクってきたぁあ! まって、確かに人の体って微妙に頑丈だから初心者がいきなり突き刺しても刺さらないよ? でも何が『全然入らない』だ。ピュアなままのソラさんで良いから! そんなきれいな手を血に染めなくてもいいから。
「ソラさん! やめてください! そのきれいな手を見ればわかる。貴女は人を傷つけなれていない人だ! こんなことしても─」
「─こんなこと?」
戦場でわかったことがある。人を殺めれば殺めるほど人間の手というものは肉がつく、丸みを帯びる。少なくともソラさんみたいなスラッとした指先をしていない。
剣で殺すにしても、銃で殺すにしても相手の肉体の防御を貫くには相応の力がいる。刃物でやるとしたら手応えというものが返ってくる。初心者が皮膚を貫けるようになった頃にはもう別物になっている。
自分が疾っくの疾うに失ったものだからこそ、その貴重さは知っている。ただ─
「こんなことも出来ないから私はみんなの力になれないでいるの。この小綺麗な手は臆病の証なの。こんなもの、惜しくもないわ」
「ソラさん…」
「呼ぶなって言ってるでしょ!」
当の本人からしてみれば違うらしい。
何度も…。何度もソラさんが激情に身を任せて刃を突き刺そうとする。
たとえ初心者といえども何度も繰り返せばそれなりに様になってくる。
そして─
「─ッ!」
「やった! やったよテキサスさん。私、初めて突き刺せたよ!」
皮膚の壁を突破。骨でそんなに守られていない膵臓付近に突き刺さったので勢いよく血液が飛び出し、一部がソラさんの頬へとかかる。
どこか恍惚としているソラさんの表情、そして彼女に付着した己の血液。それを見て震える自分。
戦場で人殺しにはなれているはずなのになぜ? 人に刺されるのも、人を刺すのにも恐れはほとんどない。それなのに…。
「よくやった」
「はい!」
成長? を喜ぶ二人の姿を見てようやく気づいた。
俺は、人殺しが怖いんじゃない。大切な人が、それも純粋無垢、真っ白い手をしていた人の手が血に染まったという事実にどうしようもなく震えていたんだ。
──
あの後、ソラさんはテキサスさん、クロワッサンさんによって急所はどこなのか、どこを傷つければ相手が痛いのか、そういう対人戦闘に必要な要素を叩き込まれ、俺で実践し続けた。
最初はどこかぎこちなく、繊維がちぎれるような痛みを感じていたのが、段々と、無駄なく効率的に突き刺すような、あるいは切り裂くような、そんな洗練された痛みに変わっていくのは初めての感覚で、かなり怖かった。
ただ、俺としてもそういう洗練された痛みに関しては耐性がついていたのでニ、三回泣き叫びそうになるくらいですんだ。泣き叫んではいない、ここ重要。
痛みで声を上げたら戦場で生き残れないし、流石に可愛い女の子たちにそんな醜態見られたら羞恥心がやばい。
というか、俺はこのアーツの影響がなくなった後、以前と同じようにみんなと接する事ができるだろうか?
まあ今回はアーツで狂ってるだけだし、ソラさんのみんなのためにっていう思いに胸打たれたし、最低限の治療? はしてくれたからそこまで恨んだりはしないけど。
ただまあ─
「…ラップランドさん?」
「…」
ソラさん、テキサスさん、クロワッサンさんと入れ違いで入ってきたラップランドさんの前では危ういかも知れない。
「そんなに身構えないでよ。ボクはテキサスみたいなまどろっこしい真似はしないよ」
「…」
それって陰湿ないじめをしないだけで、どストレートにぶん殴るって意味ですよね? やめて!
「まあその前に…」
「? 何を─」
何をするのか、と思っているとラップランドさんがこっちに近づいてくる。そして─
「ラップランドさん?」
「…どうかな? これで大丈夫だと思うけど」
まさかまさか。なんか拘束具を外してくれたんだけど? ラッキー! まさかラップランドさん、正気に戻ったりしてる? ご丁寧に剣まで用意してくれちゃって─
「本当にありがとうございます。いやぁ、一時はどうなることかと─」
「うん、じゃあやろうか?」
「…oh」
…わかってたよ。そんなうまい話はないってことはさぁ。でも期待しちゃうじゃん。
「まさか断ったりなんかしないよね?」
「…」
はぁ…。仕方がない、今度こそ適当にあしらっておさらばさせてもらおう。
作者的にはシラクーザのファミリー出身、ペンギン急便の愉快なメンバーたちは仲間には優しいけどその外側にはその分…
それよりも次回はリクエストのあったラップランドさんがメインです!!
返信できていないときもありますが、コメント、感想などはすべて見させて貰っています。大変励みになります。
何度も言いますが、感想、コメントなどでリクエストして頂ければできる限り応えますのでどんどんください。
では、星三評価がとれる日まで去らば!!
曇らせたいキャラ募集! その他はちゃんとキャラ名書いてね!
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ラップランド
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ドクター
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ケルシー
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リード
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その他