とあるロドスの日記帳   作:セニョール・大介

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 やはり低レアキャラ。低レアキャラクターはすべてを解決するのだ。歌うものの星三評価、龍門弊を30万近く溶かしてクリアしました。

 ムリナール? ウィシャデル? そんな強いキャラは弊ロドスにはいらっしゃいません。


番外編! ロドスの異変 その三  

 俺は今までの人生、傭兵だったりで学んだことがいくつかある。

 

 一つは命の大切さ。命は無限の可能性を秘めている。これはその日の食うにも困っていた見窄らしいガキが今では年に一千万龍門弊を稼ぐようになったことからもわかるだろう。

 

 もう一つは…傭兵はこの世で最底辺に位置する職業であるということ。

 

 

 まず傭兵っていうのは、人が賭けることができる、最も価値が高くて、けど最後の掛け金である命を質に入れて金を稼ぐギャンブラーたちのことだ。

 

 

 他の職業の人は社会的信用、経歴とかのいままでコツコツ積み重ねた軍資金を元手に稼いでいるのに対して、傭兵にはそういうのが一切ないから命を張るしかないバカばっか。

 

 

 大切な命を賭けなければ稼ぐことさえ出来ない。

 

 傭兵として一年もすりゃ、どんなお馬鹿さんでも頭を使うようになる。それはすぐとなりで命を散らす知り合いの姿を嫌と言うほど見続け、しくじって生死をさまよう窮地に何度も陥って初めて理解できた、自分の命という何よりも大切なものを掛け金にするのだから当然ではある。

 

 傭兵は他のどの職よりも命の大切さっていうもんを噛み締めて生きている。

 

 

 そんなもとは傭兵の俺だから理解の及ばないことがある。それは─

 

「ハハッ! どうしたの? 反撃もしないなんてさぁ、ヴィネ」

「…」

 

 命がけの闘争を楽しむ、ということ。

 

 解放してもらった身で言うのもあれだけど、技を試したいのなら、有り余る力を振るいたいのならサンドバックに、抵抗の出来ない状態の相手に試せばいい。

 

 なぜ武器を渡す、なぜ自由を与える。なんで自分の命を危険に晒すのか。俺なら絶対張りつけの状態で襲ってた。

 

 

 ラップランドさんが戦闘狂だから? そんな理由じゃないだろう。普段の態度から勘違いされがちだが、彼女は誠実な人だ。

 

『─何人か逃がしたのはボクの責任だね』

 

 リーダーを任された時、新人が失敗した際には隊長としての責任を取る。

 

『─なッ!? ラップランド?』

『ハハハッ、ごめんねテキサス。今は君にかまってあげられないよ?』

 

 テキサスさんに対する執着だって任務なら、仲間の命が懸かっている状態ならば後回し。

 

『こんなところにいたら危ないじゃないか。ほら、こっちにおいで』

『ありがと、お姉さん!!』

 

 作戦地域に迷い込んだ子どもは決して見捨てない。

 

 

 シラクーザのマフィアの信条。『一般人に手を出すな』『仲間を、ファミリーを尊べ』という二つの柱が彼女の骨子を形作っている。

 

 だからこそ謎なのだ。なぜ仲間の命は尊重できるのに自分の命は大切に出来ないのか。

 

「ヴィネ、どうしたんだい? 本当に反撃しないつもりかい?」

「…ラップランドさん。あなたは…どうしてそこまでして戦いたがるんですか?」

 

 だからだろうか。気づけば疑問が口に出ていた。

 

「─? どうしてだって? おかしなことを聞くね? だって─」

 

 突然ラップランドさんの動きが変わる。その動きからは相手の情報を知ろうとするクレバーさが抜け落ち、獣のようにただ迫る。

 

「戦ってる間だけはボクは戦いに集中できる! ラップランド・サルッツォじゃない、テキサスを羨んだ、追放されたボクじゃない、ただのラップランドでいられる!!」

「…なるほど」

 

 

 ようやく合点が行った。彼女は常に思い煩っていたのだ。

 

 自分の意志でファミリーを飛び出したテキサスさんへの羨望。どこか常に纏わりつくファミリー時代の自分の後悔。テキサスさんのように抜け出したいと思って尚、追放されて尚消えることのないマフィアとしての信条。

 

 自分の命という他の何にも替え難いものを危険にさらしている間だけはそれらすべてが後回しになる。命くらい重要なものを賭けないと心の安寧が訪れない。

 

 そして命のやり取りをするのには自分が相手の命を狙うのが手っ取り早い。

 

 

 …本当にいい迷惑だ。通常時ならともかく、嫌われてる状態でそこまで付き合う義理はない。

 

 それに現実逃避なんかやり続けられる訳が無いんだ。いつかは夢から覚めてしまうもの。ならさっさと現実に向き合うべきだろう。

 

 …よし決めた。このアーツの影響が抜けたらラップランドさんに説教だ。その後は一緒に買い物だったりして『現実も素敵だろ?』って教えてあげよう。

 

 フッフッフ、益々死ねなくなってきたぞ!

 

 

──

 

 

 ラップランドという人間は世間一般ではおおよそ天才と呼ばれるような存在である。

 

 幼少の頃から頭の回転は速く、唐突な事態にもアドリブで対応できる。現在に至っては身体能力、戦闘技量もロドスの上位に位置する。

 

 しかし、内面はただの少女であった。

 

 マフィアの必要なら手を血まみれにするという考え方に忌避感を持ち、同じような出発点にいながらマフィア社会という檻から自力で抜け出したテキサスを羨望し、テキサスには出来たことを出来ない自分に対しては失望する。

 

 そんな状況から救われるための戦い。それが─

 

「ッ!? いったいいつまで反撃しないつもりだい?」

「いつまでも」

 

 虚仮にされる。

 

 いくら攻め立てても躱される。創意工夫を込めても、身体能力に任せてもまるで何も反応が帰ってこない。剣を抜くことすらしない。

 

 ヴィネの沈黙がマフィアで言うところの血の掟のように感じられることも苛立ちを促進させた。

 

 マフィアでは部外者に対しては沈黙することが忠誠の証だった。逆に一般市民も沈黙によって自分の身の安全を買った。

 

 血の掟による沈黙が蔓延るシラクザという街はとっても静かだった。自由になりたい、この苦しい世界から救われたい、そう思っていた熱情が霧散していくようで今でも好きにはなれていない。

 

 ただでさえ気に入らない、憎悪の対象なのに自分の嫌いな場所おも想起させてくる。

 苛立ちが募り、より攻撃を仕掛け、また虚仮にしてくる。楽になりたいと思って仕掛けた勝負でますます苦しくなる。

 

「君は─」

「?」

 

 何をしているのだとヴィネに面と向かって言おうとした時、ヴィネの目に決意が宿っているのが分かった。命を惜しんでいるのが分かった。それが─

 

 

「─テキサス?」

「??」

 

 あの日の、一家から抜け出したときのテキサスに見えてしょうがなかった。

 

「ッ、テキサスッッ!!!」

「!? なんて速さ─」

 

 羨ましい、妬ましい、格好いい…。

 

 胸中に渦巻く感情を振り払うため、ボロ負けしたあの日を払拭するためラップランドは渾身の踏み込みを見せる。そして、ここにきて初めてヴィネの目が驚きによって見開かれる。

 

「フフ、ようやくボクを見たね? さぁ…ここから…」

 

 

──

 

 

「…まじぃ?」

 

 精神的な疲労が祟ってラップランドさんが眠っちゃった。

 

 何度か揺すったりはしているけど起きる気配はない。

 

 本当に疲れていたんだろう。襲いかかってる最中もどこかつらそうな顔してたし。ただまぁ─

 

「友達無しで最高の人生はなし、シラクザとかでは結構有名な言葉だと思うんだけどなぁ」

 

 そんなに辛いならテキサスさんをその羨望し、背中を追い続けるのではなくて、肩を並べられる友になるべきだった。どっかの詩人が言ったように友だちがいれば人生に彩りが生まれ、不安を消し飛ばしてくれる。

 

 この騒動が終わったら友人づくりも手伝ってあげよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 …そういや、俺、自分から友人作ったことない。…まあなんとかなるか…?

 

 

──

 

 

「イテテ…」

 

 いやぁ、ムキになって回避ばっかしてたもんだから傷口がまた開いちゃったみたいだ。

 

 でも大丈夫。だって─

 

「…ヴィネ、気をつけていってきてね」

「はい! じゃあクロージャさん、しばらくレユニオンの方に行ってきます」

「寂しくなるね」

「ええ。でも一ヶ月の辛抱ですから」

 

 これから一ヶ月程度、レユニオンのほうでお世話になるからだ。

 

 たった一人でロドスに残るクロージャさんには悪いけど、俺だって不死身じゃないんだ。それにそこまで心も広くない。

 

 流石にナイフで刺してきた相手、いつ襲いかかってくるかわからない相手がいたり、俺に危害を加えようとする人たちが潜んでるかもわからない場所にいたら精神的にも肉体的にも死んでしまう。

 

 それじゃあ出発だ!

 

 

──

 

 

「…?」

 

 おかしい。なんか知らないけどレユニオンの本拠地付近まで来たらフロストノヴァのアーツで生まれた氷塊や、おそらくタルラがアーツを使ったんだろう。ところどころ雪のない部分が散見される。

 

 え? もしかして大変なときに来ちゃった? どうしよ、お手伝いする代わりに一ヶ月泊めてもらったりできるかな?

 

 

 

「─アレク…?」

 

 お、なんかタルラが本拠地の入口らへんで雪を溶かしたりしてる。復興作業中?

 

 

「タルラ、ごめんけど─」

「何をしに来た非感染者!!」

「─ほへ?」

 

 

 待って! まじで待って? なんで? タルラがいきなりアーツを俺の方にぶっ放してきたんだけど。いや、俺のアーツなら横に逸らしたりできるけどさ? 挨拶にしてはちょっと過激─

 

「…」

「…」

 

 冗談じゃないみたいだな。いつぞや良くしてもらった人たちも俺のことを無言で睨んでくる。

 

 あからさまに歓迎されてないね。依頼を何回も無視し続けたのが悪かったのか。ん? なになに、いきなり武器とか構えだしてさ。もしかしてだけど─

 

「総員、掛かれ! 侵入者を排除するぞ!!」

 

 待って無理無理。逃げるしかないってこれ。

 

 利刃の奴らこっちにも手ぇ出してやがったな、チクショー!!

 

 まあいい、唯一誇れる自慢のスピードでさっさと逃げ…? なんだ? 足が動かない─

 

「フロストノヴァのこと忘れてた…」

 

 いつの間にか左足が氷漬けになってたんだけど。

 




 いろいろなアークナイツ二次創作作品(嫌われ)を見てみて思いました。レユニオンの面々にまで影響が及んでる作品無くない?

 ロドスの人たちは何度も曇らせ喰らってるのに不公平だですよね。なので彼女らにも曇って貰いましょう。


 





…ネタが思い付きません。助けてください(;´д`)


 今までは百番煎じくらいのネタを擦りに擦って書いていたのですが、それももう手詰まりです。

曇らせたいキャラ募集! その他はちゃんとキャラ名書いてね!

  • ラップランド
  • ドクター
  • ケルシー
  • リード
  • その他
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