X/Y
私は今日から日記をつけることにした。
初日ということでまずは軽く自分のことを紹介しよう。
私は□□□□、製薬会社ロドスアイランドでドクターとして働いているらしい。なぜ自分のことなのに人伝てに聞いたかのような書き方をするのかと言うと、日記をつけ始める理由にもなるのだが私は記憶を失ってしまっている。以前から勤めていたらしいのだがまるで思い出せない。幸いにも指揮能力自体は残っているらしく、ロドスのオペレーターたちに指示を出し作戦を遂行させることができた。
書き出して思ったが、製薬会社のドクターといえば白衣で研究室に籠もり製薬や病気の研究に励むものではないのか。現状、私は黒い防護服に包まれ、執務室に籠もり、ロドス全体の政務のレクチャーを受けているのだが…。
まあいい。今日は鉱石病やらレユニオンやらといろいろあった。イメージと違うのはそういうものだと考えることにする。
本題に戻ろう。今日は嬉しい事があった。ドクター歓迎会なるものが開かれ、私の復帰を皆が祝ってくれたのだ。ロドスの整備員や研究職の面々、そしてオペレーターたちが料理やなんやらで私に色々してくれた。
…ふと思ったのだが、オペレーターとは戦闘力を持って任務を遂行する人のことらしい。製薬会社がなぜそんな人材を雇っているのか…。
ただ一つ残念だったのが、私の救出作戦の際に現れたヴィネというオペレーターが歓迎会に見当たらなかったことだ。彼は風を操るアーツを使うらしくロドスでも貴重な優れた戦力とのこと。私の救出作戦のリーダーかつロドスのCEOのアーミヤ、医療部門の責任者のケルシーに話を聞くと
「数千度の熱に対応できる防犯器具を買いに行ってきます」
といって飛び出してしまったようだ。…ヴィネさんや、多分タルラさん対策だとは思うけどそんなものがあるとは思えないのだが…。
まあ、今日のところはこのあたりでやめにしよう。
X/Y
助けて…
ロドスの行動理念にはとても共感できる。感染者を救うためにできることをしたいというのも本当だ。だが、一メートルはある書類の山が一、二、三、四…。記憶喪失の次の日にこの量は…。何やらアーミヤが「これでも少ない方ですよ」なんて恐ろしいことを言っていたような気がするが大丈夫だろうか
今日は書類仕事Onlyで書く内容がこれしかない。私はもう寝る。
X/Y
もう心が折れそうだ。
なんとか書類の山を終わらして休憩に入ろうかと思ったら、「ドクター、まだ休んじゃだめですよ」と言いながらアーミヤが入ってきた。書類の山を抱えて…。
何が訓練施設の利用届けや壊れた設備の修繕費だ! そんなのコンピューターで申請すればいいじゃないか。なんでいちいち紙で出すんだよ。ケルシーやアーミヤに相談してみよう。
X/Y
今日、二人に機械化を訴えたのだが「ロドスは資金繰りに苦労しているんだ。機械化はきびしい」とのこと。もう知らない!
X/Y
書類仕事ばかりで頭が溶けそうだ。理性回復剤が売店にあったので飲んでみたら何故か気分が高揚し、頭がクリアになった。大丈夫だろうか、なにか違法なものでも入ってたりしないだろうか?
X/Y
もう理性回復剤なしじゃやってられない。十ダースくらい買っておいた。大丈夫、まだ舞える…。
X/Y
もうおしまいだぁああああああ
ケルシー、アーミヤに理性回復剤がバレた。「控えるように」って回収されちゃったよおおおおおおお
X/Y
神様が現れた。
防犯グッズ漁りから帰ってきたヴィネさんが顔を出してくれたが、執務室の惨状を見かねて手伝ってくれるらしい。「やっておくので、一時間くらい寝ていてください」って反抗する私をまたお姫様抱っこで仮眠室に運ばれてしまった。資金難で空調設備が充分に使えないからとアーツでそよ風まで出してくれた。
ただ、一眠りして起きると四時間も経ってしまっていた。ヴィネはその間ずっと書類を片付けてくれていたらしく、書類の山の大半が消えていた。謝るが「大丈夫です。それよりドクターの体のほうが大事です」とのこと。いい人過ぎる。