とあるロドスの日記帳   作:セニョール・大介

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 セニョールは激怒した。必ずかの見切り発車で計画性のない自分を直さねばと決意した。

 どう考えてもおかしい。何で他の作者様って複数作品を更新したりできるの? 私、一つの作品すらエタりそうなのに…


とある男の日記 その二

X月Y日

 

 

 

 防犯グッズを求めてロドスを飛び出したら一週間も経ってしまっていた…。何が、数千度の熱をだすアーツ? そんな物あるわけないじゃないか。無駄な心配だよ、だ。こっちはこの目で見てるんだぞ。巫山戯やがって!

 

 まあいい。それよりロドスについてようやく分かったことがある。それは…

 

 

 

 

 ロドスが超ブラック企業だ、てことだ。

 

 

 

 

 

 

 だってそうだろ? 記憶喪失で復帰したばっかのドクターがたった一人で書類の山と格闘してたんだぞ。アーミヤさんもケルシー先生も忙しいのは分かるけどさぁ。

 

 代わりに業務を少しやったら、すげえ感謝された。なんか、「ようやく理性を溶かさなくても済んだ」とか意味不明なこと言ってるけど…、頑張れドクター!

 

 

 

 

 

 

X月Y 日

 

 

 

 

 クソッ、ブラック企業はロドスだけじゃなかった。国際トランスポーターの方もブラックだ。

 

 なんで依頼が四つも来てんだよぉお。依頼内容はレユニオンの調査に、ロドスの調査に…ん?

 

 おい二つ目ぇ! 守秘義務ってものを知らないのかぁ?

 

 はあ。レユニオンはタルラがなぁ…。ん? 三つ目の依頼、龍門だ! なになに? チェルノボーグの顛末を聞きたい、か。報酬も結構良いしこれ受けよ。

 

 一応四つ目も見てみ─

 

「レユニオンより」

 

 却下だ、却下ぁあああああ!

 

 

 

 

 

X月Y日

 

 

 

 

 

 

 ドクターにちょっと出てくるというとすごい引き止められた。頼む、私を地獄に戻さないでくれ! だってさ。すごい良心が痛むけど、許せドクター。二日も手伝ったじゃないか。

 

 

 

 

 

 

X月Y日

 

 

 

 

 

 

 龍門についた。到着してすぐに龍門近衛局特別警察隊隊長(長過ぎ) のチェンさんがやってきたと思うと、有無を言わさずにウェイ執政者のところまで連れてこられた。

 嫌だよ、このおじいさん凄い怖いんだもん。まあ、ただただ業務的に質問を投げかけられてそれに返すだけで良かったのが唯一の幸いだ。…なんでこのおじいさんが来てるんだよ。

 

 俺がこのおじいさんを苦手とする理由の一つが、厳格な面に隠れている、内なる悪戯心。なぁんか俺の反応を見て楽しんでいる節がある。だって俺が他のやつと組んで会うときと明らかに雰囲気が異なるんだもん。

 

 まあいい。今回は貴重な情報をありがとう、ということで龍門でも人気なスイーツ屋さんの『数量限定! 龍門パフェDX』の引き換え券をくれたのだ。あのウェイさんがだ。

 

 なにか嫌な予感がするが、まさかこのおじいさんでも労いに見せかけて何かさせるなんてことはしないだろう。

 

 

 

 

 

 

 F*ck sake!!!!!!!

 

 

 あのジジイ騙しやがった。何が労いだよぉおおお。

 

 なんでパフェに舌鼓を打つ俺の前にフロストノヴァがいるんだよぉおおお。

 

 

 

──

 

 

「久しぶりだな、アレク」

「ああ…、そうだなフロストノヴァ」

 

 まずは状況整理だ。落ち着け、俺はまずスイーツ屋さんで引換券を使い、パフェを手に入れた。…うん、甘い。 いやいやそうじゃない。

 

 ええと、店を離れて、近くの通りのベンチに座って舌鼓を打っていたら…。

 

「ん? どうかしたか? 何か驚いているようだが…」

 

 こんな状況になっていましたとさ。…へ??

 

 まあいい、タルラじゃないんだ。そんな危険なことにはならないだろ。

 

「いや、懐かしい顔を見たんだ。びっくりもするさ」

「ああそうだな。アレク、お前がレユニオンの本拠地を飛び出してちょうど三年六ヶ月になる…」

 

 そういうとフロストノヴァが距離を詰めてくる。俺の隣に座り、肌と肌が触れそうな距離まで接近する。

 

「フロストノヴァ?」

「すまない。私の体質については分かっている。お前に触れでもしたら…」

 

 フロストノヴァは源石病のせいで体温が異常に冷たい。触れる者すべてを傷つけてしまうほどに、だ。

 

「だから…、そばに居させてくれ、頼む。お前の温もりをほんの少しだけ感じさせてくれ」

「…」

 

 あいも変わらず儚げな少女だ。体質のせいで凍えるほどに寒いのに、火で暖を取る事もできず、人のぬくもりさえ感じられない。世界を巡り、様々なものを見るたびに思い知らされる。

 

 この世界はまるで優しくない。だから…

 

 

「へ?」

 

 フロストノヴァの肩を抱き寄せ、肌と肌とを触れさせる。

 

「な、何をしている! は、離れろ。でないと…」

「…」

 

 ひりつくような冷たさだ。だけど、どっかの愛国者さんは両腕の一部が壊死しながらもフロストノヴァに温もりを与えた。なら俺だって与えよう。

 

「大丈夫! 真冬のウルサスで裸一貫で一夜走り明かしたことだってあるんだぞ? これくらい寒さのうちに入らないよ」

「ア…アレク…」

 

 …涙を流しながら俺に縋るフロストノヴァを見て、どうして左半身の痛みに音を上げられようか。

 

 ただ彼女のすすり泣く音だけが周囲に残る。そんな状況が十秒…二十秒と過ぎていく。

 

 

「もう充分だ。ありがとうアレク」

「どういたしまして」

 

 彼女は心を切り替えれたのか、少しの名残惜しさも感じさせることなく距離を取る。

 

「お前は前と変わらず優しいな…」

「君も以前と変わらず美しいよ」

「ハハ、世辞だとは分かっているが嬉しいものだな」

 

 そうだ、デートではないけど男女が二人っきり、そして手元にはパフェ…。やるしかない、今ここで。

 

「フロストノヴァ」

「ん? どうしたん─」

 

 パフェをスプーンで取り、それをフロストノヴァの口に…。所謂、あーん、というやつだ。やってみたかったんだよねー、こういうの。

 

「どう?」

「…一般の日常に憧れ、こういうのにも焦がれていたが叶うまいと、そう思っていた」

 

 ん? なんか湿度っていうのかな? なんかジメジメし出したぞ…。

 

「なあアレク。お前は依然変わらず優しいままだ。なのにロドスに行ってしまった…。頼む、ロドスなんか辞めてくれ」

 

 おい、なんかタルラと似たような目をしだしたぞ! ふざけるな、タルラのときと違ってちゃんと受け入れたじゃないか!

 

「私にはお前が居ないと…」

「フロストノヴァ? おい、どうしたんだよ」

「頼む。私とともに来てくれ」

「…君にパトリオットやスノーデビルのみんながいるように、俺にも護りたいものがある。だからそれはしてやれない」

 

 そう言い終わると同時にアーツを起動し、空に舞い上がる。それに少し遅れてさっきまで座っていたベンチが氷漬けになる。

 

「アレクッ!」

「…じゃあな」

「頼むッ、私を一人にしないでくれ…。寒いのは嫌だ…。もう凍えたくないんだ…」

 

 

 彼女を突き放せば良かったのか? でもあんな儚げな姿を見捨てられるわけがない。

 

 

 やっぱり世界は優しくできていないのだと痛感した。

 

 

──

 

  フロストノヴァの元を離れ、再び近衛局の建物へと向かう。すると…

 

「ヴィネ」

「チェンさんか…」

  

 分かっていたかのようにチェンさんが建物の前に立っていた…、あのクソジジイを連れて。

 

 

「ウェイ執政者、多くは問いません。ただ一つ、何がしたかったのですか?」

「…ヴィネ君。私はね、感染者と非感染者の溝は到底埋められないものだと思っている。しかしロドスはその溝を乗り越えんとしているそうじゃないか」

 

 …たしかにそうだ。感染の有無で隔たれることのない理想郷、それがロドスだ。

 

「口先だけならなんとでも言えるさ。だからロドスに身を置き、かつ旧知の仲である君を通してロドスを見たかったのだよ」

 

 確かに、感染者の代弁者たるレユニオンとロドスに所属する俺。実態を見るにはちょうど良かったのかもしれない。

 

「…実を言うとロドスから協力の要請が来ている。だが、得体も知れない組織と手を取り合うほど龍門は落ちぶれちゃあいない。しかし君のお陰で色々見えたことがある」

「結論は簡潔に頼みます。長ったらしいのは苦手なので」

「フッ、ロドスと話し合いの場を設ける。そして、そこで私も歩み寄る姿勢を見せよう」

「そうですか。…龍門に紛れ込んでいるレユニオンはどうするんですか?」

 

 すると、ウェイ執政者はニヤリと笑みを浮かべる。

 

「事を起こさないのならロドスに任せるとも。新たな友人はそういうプロフェッショナルなんだろう?」

 

 




 …オリジナル展開ってムズすぎません? それに依存型のヤンデレ? って言うですかね。本当に難しいすぎるよぉ。
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