とあるロドスの日記帳   作:セニョール・大介

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 本編? 知らない子ですね


番外編! ケルシー先生を弄ろう!

 …暇だな。

 

「そうだねヴィネ。こんなになにもないと困っちゃうよね〜」

 

 おっと、心の声が漏れていたようだ。ん? どうしたんだいアーミヤCEO。そんな信じられないものを見たような顔だけど。

 

 

「ド、ドクター? 本当にお暇なんですか?」

「ん? さてはアーミヤ、仕事を増やそうっていうのかい? それは勘弁してくれないかな」

「…どうしましょう。ドクターとヴィネさんが壊れてしまいました…」

「ハハハ、アーミヤCEOも変なことを言いますね。今日は書類の山が七つしかないんですよ? 定時一時間前には切り上げられますよ」

「…」

 

 ん? 何をそんなに驚いているんだろうか。電子機器で研究結果を確認するのと通常書類を片付けるのを同時並行しているだけじゃないか。

 

 …あ、この薬草はエフェドリンを持ってるのか。これは風邪薬にも使えるけど麻薬の成分なんだよな()。大方、頭オッパピーで源石病が治ったと勘違いしたんだろう。イェラグの民間療法も全滅か…。期待なんかこれっぽっちもないけど次はウルサス帝国の民間療法かな…。

 

「そうだ! ヴィネ─」

 

 ん? ドクターが思い至ったように声を上げだしたぞ? 書類の処理とは並行してるけど、これは理性が溶けてるな。

 

「─ケルシーで遊ぼう!」

 

 …何言ってるんだドクター。ケルシーってケルシー先生のことだよな? あのロドスが誇る才媛(Lv.300over)で、生きる百科事典のケルシー先生だよな?

 

 …たしかドクターとただならぬ関係だっていう話だけど。そんな人で遊ぶなんてそんな、そんな…

 

 

「最高すぎますね、ドクター!」

「でしょ!」

「ヴィネさん!?」

 

 

 アーミヤCEOがなんでか驚いているが当たり前だろ? ケルシー先生には感謝しているが、それでもさんざん規制してくるのにはうんざりしてたんだ。何が脳震盪を起こすから混ぜるパスタ口内バージョンはやめろ、だ。ドクターなんか口の中でインスタントラーメンだぞ?

 

 

「…でも、ドクター。ケルシー先生で遊ぶと言ってもどうするんですか? あまり過激なものだと私としても…」

「…爆発ドッキリとかは─」

「─絶対に駄目です!」

「…はい」

 

 ドクター…。そんなベタなドッキリをしようとしていたのか。しょうがないここは俺が一肌脱ごう。

 

 

「ドクター、私めに名案があるのですが…」

「よろしい、説明してみたまえ」

「ありがたく─

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜〜〜〜

 

 

 

─良いですか皆様方。ケルシー先生はいつも済ましたような顔をしていますが、それは膨大な知識量、高性能な頭脳によって大体のことを理解した気になっているからなのです!」

 

 そう、ロドス随一の才媛であるケルシー先生は歴史、文化、雑学など知識に隙がない。だって俺の受けてきた特殊依頼、指名依頼の内容(極秘)とかもなんでか知ってたくらいだもん。

 

 だからこそ、その鉄仮面は並大抵のことでは揺るがない。揺るがすには狂気に突き抜けなければならないのだ。

 

「ドクターに分野違いといえど匹敵する頭脳に知恵比べなど片腹痛い、我々はあの才媛の理解の外側へ突き抜けなくてはならないのです!」

「…で、ヴィネ。この人選に意味はあるのかい?」

「「…」」

「ふふーん〜」

 

 

 いま執務室には俺とドクター、アーミヤCEOの他にマウンテンさん、マッターホルンさん、カフカさんがいる。マウンテンさんは酒で釣り、マッターホルンさんはシルバーアッシュさんに話を通したら快諾してくれたので連れてきた。カフカさんは…

 

『フッフッフ、カフカに隠し事なんてできると思わないことだね』

 

 とのこと。まあいいや。

 

「大有りですとも。ドクター、数多の経験を持つケルシー先生が経験したことがないものなんて決まっているでしょう! ずばり─」

「ずばり?」

「お姫様プレイです!」

 

 

───

 

 

 

 なにはともあれ、ケルシー先生を釣り出さないと話は始まらない。なので─

 

 

「「乾杯!」」

 

 

 こんな真夜中(二十一時)に食堂の一角を占拠し、どんちゃん騒ぎをすれば─

 

 

「ドクター、これはどういうことだ?」

 

 

 やはり来た。これで第一段階はクリア。続いて第二段階─

 

 

「あ〜? ケルシー先生だ〜、どうです〜? 先生も参加しませんか〜」

 

 

 

 酔ったふりでケルシー先生を罠に引きずり込む。くっそ恥ずかしいけどやるしかない!

 

 

「ヴィネ…、かなり酔っているな。もうそろそろ切り上げたほうが─」

「─え〜、ケルシー先生駄目なんですか〜? 先生と仲良くなりたいのに〜」

 

 

 吐きそう! まじで吐きそう。自分が言ったけど何が仲良くなりたいのに〜、だ。俺は甘ったるい恋愛小説の登場人物じゃないんだぞ!

 

 

「…」

 

 

 ほら! ケルシー先生も黙り込んでるじゃん。やらかしたか─

 

 

「─ふふ、そうだなヴィネ。君と私はもっと理解を深めなくてはならない。君も同じ考えだったのだな。『多くの人が、話上手だから人との関係は得意だと思っている。対人関係のポイントが聞く力にあることを知らない』という言葉があるように聞く力というものが人間関係に占める割合はほとほと大きい。まず会話から人間関係が始まるという点については疑いの余地はないが──(ケルシー構文)」

 

 何か変なスイッチが入ったんだけど。それに対人関係のポイントが聞く力にあるとか言ってるけどケルシー先生自身相手に聞かせる気無いでしょ、これ。

 

 まあいい。食いついたのなら第三段階に移行だ。

 

 

「ケルシー先生〜、みんなで王様ゲームをするので一緒にしましょ〜」

「ん? ああそうだな。レクリエーションというのも悪くはないな」

 

 

 王様ゲームの参加者はアーミヤCEO、ドクター、マウンテンさん、マッターホルンさん、カフカさんに─

 

「ふむ、では私から引かせてもらおうか。良いかなヴィネ?」

「もちろんです〜」

 

 面白そうという理由で参戦してきたシルバーアッシュさん。さっきからマッターホルンさんが何処か緊張しているのはそのせいだ。

 

「「王様だ~れだ!」」

 

 当たりの赤を引いたのは─

 

 

「ほう、私のようだな。…盟友よ、命令とは適当なものでよいのだな?」

「うん。適当でいいよ、シルバーアッシュ」

 

 シルバーアッシュさん。

 

 

「では三番が四─いや、六番とハグをしろ」

 

 お? 結構普通な命令だ。ん?

 

「感謝するシルバーアッシュ卿。私が四番だった─」

「あ〜、私が三番だ〜」

「─ッ!?」

「やったー、カフカが六番だ!」

「前言撤回だ…」

「そう気を落とすなケルシー女史。次の機会があるだろう」

 

 

 なんかケルシー先生が気を落としてるけど、大丈夫かな? 

 

 

「ほらほら早く」

 

 

 急かされたのでさっさとハグをすることにしよう─

 

 

「ん〜♪ これはなかなか」

 

 あの〜、何か力は強いし、長いけど大丈夫?

 

「「…」」

 

 なんかケルシー先生やアーミヤCEOが凄い睨んでるよ? ドクターも顔は見えないけど不機嫌そうだよ?

 

「では次に行こうか」

「えー、あとちょっと─」

「もうそろそろ離れようか、カフカ」

「ちぇー」

 

 シルバーアッシュさんとドクターのお陰でなんとか離してもらえたぞ。やったね。

 

 まあいい、次が勝負どころだ!

 

 

 もう一度みんながくじを引き─

 

 

「「王様だ~れだ!」」

 

「─私だ」

 

 ついにケルシー先生が王様になった。ここで仕掛ける!

 

 

「では私と─」

「!? 女王陛下!! 何ゆえこのような場所に!!!」

「ここは下賎な庶民達の集まる卑俗な酒場、女王様にはふさわしくありませぬ!!!」

「早く宮殿にお戻りください!!!」

「…?」

 

 ここで俺とマッターホルンさんとマウンテンさんの出番。ロドスの誇るイケボ(主観を大いに含む)の二人と俺が恭しく、まるで臣下のように振る舞うことでケルシー先生の思考を止める。そして─

 

 

「─陛下、失礼を」

「ふえ?」

 

 お姫様抱っこでケルシー先生を運び食堂から先生の部屋へと…

 

 

「「ずるい…」」

 

 

 何か女性陣が言ってるけど気にしない。

 

 

「…フフ、ヴィネ。これは誘っているということだな。理解を深めるという段階を飛ばして入るがこれもなかなか─」

 

 

 ケルシー先生が上気した顔してなんか言ってるけど、気にしない。このまま部屋に運んだらゲームセットだ。

 

 

──

 

 

 

「私の部屋についたな」

「はい、そうですね」

「ではこれから─」

「じゃ、私はこのあたりで」

「─は?」

「お疲れ様でし─」

「まて、この後はなにをするんだ?」

「何って、お疲れでしょうしお休みになっていただければ…」

「…」

「じゃ、このあたりで」

 

 

──

 

 

 そうこうして食堂に戻るとドクターたちがわいわいがやがや騒いでいた。

 

 

「あ、ヴィネだ」

「やってきましたよドクター。どうでしたかケルシー先生の様子は?」

「パーフェクトだ、ヴィネ」

「感謝の極み」

「いや、ケルシーがあんなに顔を赤くして、恋する乙女みたいな顔するなんてね」

 

 

 そう、我々はついにあの鉄仮面を打ち崩すことに成功したのだ。あの驚いた顔! 普段とのギャップが大きくて素晴らしかった!

 

「やっぱり普段とギャップがある方が刺さりますね。また今度は─」

 

 ドクターと感想を伝え合っていたのだが、ふと背後に獣の気配を感じる。振り向くとそこには─

 

「…」

「…」

 

 ケルシー先生の使い魔『Mon3tr』が居るではありませんか。

 

 

 いやいや、やばいって。どう考えたって俺のこと狙ってるんだけど。やりすぎちゃった─

 

「へ?」

 

 何か肩を掴まれたかと思うと─

 

 

 

「ヴィネ、ずいぶんとお楽しみだったようだな。…ところで、私はウェイ長官の親族でそれなりのお嬢様というやつなのだが─」

 

 

 なんか凄い笑顔なチェンさんがいたんだけど。いつの間に…。え? 笑顔のはずなのに目が笑ってないよ? 怖いよ?

 

 

「私のことも部屋まで送ってくれないか?」

 

 

 前門の怪物、後門の龍…。俺は今日、一つ学んだことがある。

 

 

「畜生! 二度とちょっかいをかけたりするもんか!」

 

 




 自分の文才が無さ過ぎて辛い。もう無理そう。

 チェンさんが出てきたのは私がいつぞやのピックアップで引けなかったからですね。
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