あと、第四〜八話の後書きに滞っていた適当な用語説明を追加しました。
中央暦1640年 2月7日
パーパルディア皇国 第3外務局所有地フェン島 湾岸都市ニシノミヤコ
フェン島の主要な都市の一つ、ニシノミヤコ。フェン王国の滅亡後、第3外務局はニシノミヤコを島内でも重要な都市の一つと位置付け、旧式ではあるが様々な皇国技術と予算を都市開発事業に注ぎ込んだ。
しかし、この都市開発事業は中々進まなかった。その理由は第3外務局の様に大きな所有地を持っていない第1・第2外務局からの苦言と、「蛮族共の相手しか出来ない筈の第3外務局が皇帝陛下からの恩恵を受けている」と外3を一方的に妬み、フェン島の所有に反対しているレミール率いる過激派と都市計画局による妨害が原因であった。
その為、未だにフェン島内では木製の建築物が多く、それが悲劇となってしまった。
「か、火事だぁぁぁぁぁ!!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
フェン島攻略の為に派遣されたフェン派遣艦隊の護衛艦による艦砲射撃は、確かに監察軍東洋艦隊基地を徹底的に破壊した。しかし、その余波は基地付近の住宅街にも及んでしまい、周辺では大規模な火災が発生していた。
「な、何なんだ……これは」
ニシノミヤコを防衛する第38歩兵師団……ニシノミヤコ守備隊所属の兵士達は被害を止めようと、基地から出動し住民達と共に懸命に消火活動に勤しんでいた。その他にもニシノミヤコ外に駐屯していた第21歩兵師団や第35騎兵師団の兵士達もニシノミヤコに駆け付けて無我夢中で被害を食い止めていた。
それ故、誰一人気が付いていなかった。ニシノミヤコの海岸に4隻の
まさに、
キラッ……と、謎の閃光が出現する。
「……あ?何の音d」
海岸近くに消火用の水を汲みに来ていた分隊長の兵士は、光の正体を確かめようとその方向に振り向く。その瞬間、兵士の頭は吹き飛び頭を失くした胴体は炎の中へ飛び込んだ。
「!!?な、何がどうなって」
今度は連続で再び閃光が出現する。
「がっ!」
「ぎっ!」
「ひっ……がはっ!!」
兵士達が背負っていたマスケット銃を構える前に、次々とヘッドショットを決められ屍の山が増える。
やがて付近に動く者はいなくなった。
ニシノミヤコ海岸付近 隠れた丘
「付近の敵兵士、沈黙」
海岸付近に位置するニシノミヤコ全体がよく見える丘の上で、周りに溶け込む用に設計された緑の迷彩服を着た一人の自衛隊員の男が22式7.62mm対人狙撃銃から手を離し、草むらに姿を隠す様体をうつ伏せ、耳に装着したインカムを使い司令部に戦果報告をした。
『了解。暫く警戒せよ』
『
男は通信を切ると再び22式狙撃銃を構え辺りを警戒する。隣で双眼鏡を覗き、敵兵士を探していた相棒がふと呟く。
「……うつ伏せも楽じゃないな」
相棒は小さく肩を回し、リラックスする。
その様子に男は溜息をつき、相棒を窘める。
「今は任務中だ。リラックスなら後にしろ」
「わかってる。だが、余りこういう狙撃任務は慣れなくてな」
「ああ。そういえばお前、自治区の辺境出身だったな」
男は思い出す様に呟く。
相棒は自治区の辺境の山奥の村出身で狩りなどが得意だった。日江戦争から半年後に発生した『日沙戦争』直後に成人となり、当時
彼は自衛隊への入隊後、新たなことに挑戦したいと意気込み、器用な人物が必要な狙撃班に入ったが、前述した通り狩りなどが得意な彼には合わず後悔することとなってしまった。
「だが給料は高いだよなぁ」
「まぁそうなんだが……」
2人は同時に苦笑すると再び付近の警戒に戻る。と、その時……。
『司令部から各狙撃班へ。間もなく湾岸都市へ向け艦対地ミサイルを発射する。巻き込まれる前に撤退せよ』
「6班了解。撤退を開始する」
男は司令部からの撤退命令に了承の言葉を送ると、機材を片付け始める。
「もう撤退か?」
「ああ。ミサイルが来るらしい。輸送艦に戻るぞ」
男は相棒の質問に答えながら狙撃銃を背負う。
「よし、行くぞ」
男の言葉に相棒が頷くと、2人はそそくさと海岸の野営地へと帰還して行った。
その数分後、ニシノミヤコから離れた海域を航行していた『しなの』及びたかお型ミサイル護衛艦『なち』から12式改艦対地誘導弾10発が発射され、ニシノミヤコの統治機関、ニシノミヤコ守備隊基地、ニシノミヤコ近辺の基地や飛竜飛行場などに着弾、目標地点を破壊した。
その後、陸上自衛隊のフェン派遣軍がニシノミヤコ中に展開していたニシノミヤコ守備隊の兵士と戦闘しニシノミヤコを占領。
日本はフェン島攻略への足がかりを手に入れた。
適当な用語説明
・過激派
レミール率いる強硬派閥。皇帝ルディアスを言いくるめ、文明圏外国家や文明国は勿論、上位列強相手にも脅迫外交を行う政権樹立を目標としている。
穏健派からは『夢に囚われた無謀集団』と批判されている。
尚、パーパルディアが周辺諸国からの評判が悪いのは、大体此奴等の派閥の関係者が色々とやらかしているため。
・ニシノミヤコ守備隊
監察軍陸上部隊に編入された皇陸軍第21・38歩兵師団と第35騎兵師団で構成されているニシノミヤコ及び周辺地域の防衛部隊。
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