異世界日本国召喚   作:丸太餅

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アンケートは正月までとします。


第10話「焦土の街」

中央暦1640年 2月8日

パーパルディア皇国 第3外務局所有地フェン島 湾岸都市ニシノミヤコ 陸上自衛隊フェン派遣軍野営地

 

フェン沖海鮮で監察軍東洋艦隊を打ち破り、東洋艦隊基地を艦砲射撃で、ニシノミヤコ守備隊基地を艦対地ミサイルで破壊した海上自衛隊フェン派遣艦隊は、陸上自衛隊で構成されるフェン派遣軍を上陸させ、ニシノミヤコを制圧した。

 

部隊編成は以下の通り。

 

 

———日本国陸上自衛隊フェン派遣軍———

・陸上自衛隊員:1,100名(魔導師:570名)

・10式戦車:43輌

・90式戦車:19輌

・96式装輪装甲車:15輌

・24式機動120mm迫撃砲:8輌

・82式指揮通信車:1輌

・99式自走155mm榴弾砲:7輌

・MLRS:16輌

・偵察用オートバイ:18台

・73式大型トラック:7輌

・高機動車:15輌

・AH-64D:17機

 

 

以上の部隊により、フェン島全土を制圧する。

現在は、自衛隊員による輸送艦やエア・クッション型揚陸艇から戦車や装甲車などの戦闘車輌などを海岸への荷揚げ作業を行っていた。

 

フェン派遣軍司令の天野は20式小銃を構えた護衛の自衛隊員を2人連れ、野営地のテントを出て、数日前にフェン島攻略への足掛かりとして占領した湾岸都市ニシノミヤコの中心部へと足を運ぶ。

 

「……酷いな……」

 

天野は溜息をつくと、現在のニシノミヤコの街並みを一周する。

東洋艦隊基地跡や守備隊基地跡周辺の建物は焦土化しており、焦げた臭いが辺りを漂う。僅かに燃え尽きなかった黒い木片が建物があったことを認識させる。

 

「……流石にやり過ぎだ」

 

天野は再度溜息をつき立ち止まる。護衛艦『しなの』と『なち』から発射された改良型の艦対地ミサイルの攻撃により、ニシノミヤコ及び周辺に建築されていた全てのパーパルディア基地は住宅街と住民を巻き込みながら瓦礫の山と化した。

 

周りを見てみても住民達の姿はない。皆、突如出現し自身の家や財産を破壊した圧倒的な武力を持つ自衛隊(侵略者)を恐れているのだ。最も、彼等は一度侵略されパーパルディア皇国(祖国たるフェン王国を破壊した侵略国家)の属領ではなく、第3外務局(唯の一政府機関)の所有物となっているのが現状となっているのではあるが。

 

天野は肩を竦めると後ろを振り返り、野営地へ帰還するため来た道を引き返す。護衛2人も後ろをついて行く。

 

と、その時……。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

後ろから男の太い叫び声が聞こえ、3人は後ろを振り向く。

その正体は刀を構え、此方へ突撃して来る1人の男……ニシノミヤコの住民、フェン人だった。男は刀を頭上に振りかぶった状態の上段の構えで3人を斬らんとする。

 

だが、相手が斬るよりも護衛の自衛隊員が銃を構え発砲する方が早かった。自衛隊員は構えていた20式小銃の銃口を相手に向けると、正確な射撃技術で男の手首を吹き飛ばす。

手首を吹き飛ばされた男は刀を地面に落とし、あまりの痛みに血を吹きながら倒れる。

 

「よし、其奴を拘束しろ。……応援を呼べ。まだいるかもしれない」

「了解しました」

 

天野は、護衛の1人が拘束している男に銃口を向けているもう1人の護衛に、野営地へ応援を要請する命令を出す。

護衛は無線機で野営地に応援を要請する。その間に天野は持っていた9mm拳銃を取り出し、周囲の警戒をする。

 

「……いないか……?」

「……天野司令。間も無く応援の高機動車が到着するそうです」

「そうか」

 

天野は護衛の報告に頷きながら、警戒を続ける。護衛も20式小銃を周囲に向けながら警戒に加わる。

 

出来れば何も起こらない方が良い。そう思っていた。

 

「……行くぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

何処からか男の叫び声が聞こえると、何処からともなく十数人の刀を持ったフェン人の男が、先程拘束した男同様此方に突撃をして来る。

 

「射撃開始!!!」

 

天野は拳銃から9×19mmパラベラム弾を相手の脳天に放つ。放たれたパラベラム弾は相手の脳天に直撃し、血飛沫を上げながら後ろへ倒れる。

 

「ぐぎゃっ!」

「がへっ!!」

 

護衛の2人も20式小銃で周囲の敵を掃討する。だが、何処からか現れているのか背後には70人以上の敵が突撃をして来ていた。流石に現代火器相手でも、人数も弾薬量も足りない。

 

「くそっ、応援は未だか!?」

「もうすぐ、もうすぐですっ!!」

 

護衛は悲痛な声で天野の質問に答える。と、その時……。

 

「あ?何だこの音は……」

「……!!?て、鉄竜だ!!鉄竜が猛スピードでこっちに突っこ」

 

しかし、声は続かなかった。何故なら奥から鉄竜……自衛隊の高機動車が突っ込んで来たからである。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「や、やめ……」

 

男達は突如参戦した高機動車に恐れを無し、散り散りになりながら撤退を開始した。

 

「司令!大丈夫ですか!!?」

「あぁ……すまん。助かった」

「いえいえ。撤退した奴等は別隊により追撃します。それでは、戻りましょう」

 

高機動車から降りて来た部下は天野と護衛の2人、そして拘束した男と先程の襲撃で負傷した男4人を乗せると、野営地へ帰還して行った。

 

高機動車の野営地到着後、拘束した男達に襲撃の理由を尋問したものの、終始『覚えていない』と発言し、その後の魔導師による誘導魔法でも同様の結果を見せた為、尋問を中断し記憶魔法により拘束・尋問の記憶を削除し解放した。

 

この様な事件はあったが、翌日、ニシノミヤコ東部に位置するゴトク平野へ向け進軍を開始する。




適当な用語説明
・誘導魔法
上級レベルの魔導師のみが使用出来る。相手を自分の通りに誘導可能な魔法の一種。唯、これを悪用する犯罪者もおり、自治区政府は自衛隊関係者以外は使用を禁止している。

・記憶魔法
上級レベルの魔導師のみが使用出来る。相手の記憶を削除だけでなく、架空の記憶を植え付けたりその記憶を投影することが可能な魔法の一種。唯、これを悪用する犯罪者もおり、自治区政府は自衛隊関係者以外は使用を禁止している。

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