異世界日本国召喚   作:丸太餅

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えぇ、皆様。2025年も宜しくお願いします。


第12話「ゴトク平野の戦い」

中央暦1640年 2月9日

パーパルディア皇国 第3外務局所有地フェン島 ゴトク平野

 

アマノキからニシノミヤコに至る途中にゴトク平野と呼ばれる平野がある。

平野部ではあるが、大地に栄養は無く、作物は育たぬばかりか水の吸収性が良く、雨は大地のはるか下層まで一気に落ちるため、水の確保が出来ない。

 

よって、此処は無人の平野であり、木も育たず短い草のみが生える草原となっていた。

 

そんなゴトク平野で、1つの巨大な集団がこの先に位置する湾岸都市(ニシノミヤコ)へ向け、行進を進めていた。

それは、アマノキとその周辺を守備する部隊、皇国皇陸軍第31騎兵師団である。

 

「間も無くだ……間も無くニシノミヤコに到着する……」

「えぇ……しかし、やはり人も動物も見当たらないですね」

 

ガゼーエフの呟きに、平野周辺を見渡しているライセンが質問をする。

 

「それはそうだ。環境が適していないからな。それに、侵攻時に陸戦隊の連中が粗方片付け廻ったんだろ」

 

ガゼーエフは前方に目を向けながらライセンの質問に答える。ライセンは「もう少し残してくれなかったかなぁ」と呟く。

 

「仕方無い。現に、俺達だってそうしてたさ」

 

ガゼーエフは目を鋭く光らせながら空を見上げる。辺り一面青い空に白い雲。そして上空を飛翔するワイバーンロード38騎とパタパタと音を鳴らし此方に接近して来る8騎の緑の羽虫……ん?

 

「な、何だあれは?」

 

ガゼーエフは上空の緑の羽虫(AH-64D)に目が釘付けとなる。

 

「さぁ……何でしょうか……まさか、敵?」

 

ガゼーエフ含む地上の部隊員は、突如出現したAH-64Dに唖然とするが、ライセンの呟きによって我に返る。

 

「わ、ワイバーンロード部隊に連絡!奴等を撃墜しろとな!!」

「りょ、了解!!」

 

ガゼーエフは側に控えていた通信兵へ命令し、攻撃開始の魔信を送る様伝達する。

彼の命令を受けたワイバーンロード38騎はAH-64D8機へ照準を合わせ、口から火炎弾を形成する。

 

「……発射!!!』

 

ワイバーンロードの口から火炎弾が一直線にAH-64Dの元へ発射される。……が、AH-64Dをそれ等の攻撃を回避し、逆にワイバーンロードへ照準を向ける。

 

AH-64Dに搭載されたM230機関砲からワイバーンロード頭部へ向け、30×113mmB弾を連続で発射する。

発射された30×113mmB弾が直撃した1騎のワイバーンロードは血飛沫を上げると地上の部隊へと落下する。落下したワイバーンロードは地竜に直撃すると、地竜に積み込んでいた可燃性の魔石に誘導し大爆発を起こす。

爆発した地竜の体は粉々に砕け散り、破片が付近でこの状況に唖然としていた兵士や地竜に直撃し、体を押し潰す。更に別の地竜に積み込んでいた可燃性の魔石に誘爆し、二次被害を撒き散らした。

 

そんな地獄が、残りの37騎のワイバーンロードにも同様に起きる。

 

「ま、また爆発が……!!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!腕がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「い、今すぐ逃げ……」

 

次々と連続して大爆発が起こり、ワイバーンロードは撃墜され、墜落したワイバーンロードに直撃した地竜は爆発、付近の兵士を木っ端微塵に吹き飛ばす。

 

そんな惨状にガゼーエフは口から泡を吹き出し、ぶっ倒れる。

 

「ガゼーエフ師団長!!しっかり!!」

 

ライセンは倒れたガゼーエフの体を揺らし、無理矢理起こす。

 

「……くっ……残った地竜の数は?」

「……32頭です」

「……この攻撃で半分も地竜を失ったのか!?」

 

ガゼーエフはライセンからの報告に頭を抱える。

既にワイバーンロードは全騎AH-64Dにより叩き落とされ、兵士も3分の2程まで減ってしまっていた。

 

ガゼーエフは後方の兵士達を見るが、全員混乱し最早統率が取れる状況では無くなってしまっていた。

 

そんな第31騎兵師団に、再度地獄が襲い掛かる。

 

「!!!!何かが25騎、迫って来ます!」

 

目の良い者が叫ぶ。

ガゼーエフとライセンは叫んだ者が指した方向を見ると、遠くの方から20騎の土煙を上げ、角が付いた異物が25騎、此方に迫って来る。

 

「速い……!!一体何だ!!?」

 

ガゼーエフは迫る物体のことを、良く理解出来ず、驚愕する。

此方に迫り来る異物を見た地竜6頭は、口内に火球を形成する。

 

その時、20騎いた敵の角から爆裂魔法が投射された。

 

13輌の10式戦車から120mm滑腔砲、7輌の90式戦車から120mm滑腔砲Rh120は、全弾それぞれが狙った地竜に命中、竜の内部を引き裂き、砲の飛び出し口に大きな穴を開ける。弾は貫通し、その後方の歩兵密集地で爆発した。それに誘導する様に再び周辺の地竜や歩兵も巻き込まれ、更に数を減らす。

 

今度は第31騎兵師団が保有していた牽引式魔導砲も巻き込んで。

 

「んなっ!!?」

 

10式戦車と90式戦車に牽引式魔導砲をぶっ放そうと考えていたガゼーエフは、最終攻撃手段を失い、絶望する。

 

その間にも20輌の戦車地竜に向け戦車砲を放ちながら、グングンと此方へ接近して来る。

 

更に上空のAH-64Dからも機関砲が放たれ、更に兵士の数を減らす。

 

「……師団長!!師団長!!!」

「……何だ!!!」

 

ライセンはガゼーエフに必死に語りかける。

 

「早急に降伏を進言します!!我々は包囲されました!!!」

「何!!?」

 

ガゼーエフは周囲を見渡す。そう、彼が絶望している間に、第31騎兵師団は戦車とヘリに包囲されていた。

 

最早、彼等には降伏しか無かった。

 

「……仕方無い。これ以上、部下達を犠牲にする訳にはいかない。降伏の旗を揚」

 

その言葉は、続かなかった。

包囲していた戦車とヘリが、再度同時に攻撃を開始したためである。

ガゼーエフ、ライセン含む第31騎兵師団は逃げ道も無いまま、なす術も無く、自衛隊に殲滅された。

 

こうして、『ゴトク平野の戦い』と呼ばれた戦いは終結した。

 

 

 

 

 

同時刻

日本国占領都市ニシノミヤコ跡海岸 フェン派遣軍野営地

 

「総司令。ゴトク平野に迫っていた敵軍の殲滅が完了しました」

「……了解。次の目的地は?」

 

野営地のテントにて、天野は部下から戦果報告を聞き、次の目的地を問う。

その質問に、部下は答えた。

 

「……この島の敵軍の本拠地、数ヶ月前までフェン王国……と、呼ばれていた国の首都であった都市、アマノキです」

「……了解した。第一陣はそのまま待機、第二陣をゴトク平野へ送れ」

「了解」

 

天野は部下に司令を出すと、椅子に深く座る。

 

「……間も無く……か」

 

天野は深く息を吸い、吐いた。




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