中央暦1640年 1月18日 夜中
日本国 灯原県 風幸島沖 豪華客船『いせかいII』
『灯原県』…この県は、日本転移後に発生した『日江戦争』終戦後、旧エラン帝国の海外領土であった『トーバラ諸島』に設置された52番目の県である。
その県を構成する島の一つである『風幸島』の港へ向かう自治区から灯原県行きの日本国籍の豪華客船『いせかいII』は、とある海域を通っていた。
「何か電波が悪いな。スマホも圏外になってるし」
「確かに。それに何か…さっきと星座の位置、違くね?」
「は?…本当だ、全然違うな…え?何で?」
『いせかいII』に宿泊していた男二人は夜空を見上げる。
と、先程と星座の位置が違うことに戸惑いを隠せずにいた。
「…これじゃあまるで9年前の事件と同じじゃあねぇか」
「9年前…『国家転移事件』か。確かにこんな感じだったな」
二人は9年前に経験した建国史上最大の事件とも言われている『国家転移事件』発生直後の出来事を思い出し、冷や汗をかく。
「お前…まさか…」
「…多分それなんじゃないかと思う」
「有り得るけど…まだそうと決まった訳じゃないだろ…多分」
二人はそんな会話を行いながら、部屋に戻ろうとした。
…その時。
ドォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!
「「!!?」」
突如謎の爆発音が響き渡り、二人は爆風で倒れる
「うわっ!?な、何だ!?海賊か!?」
「海賊!?海賊は日本の船舶は襲わない筈だろ!?」
二人はそう叫び、悲鳴を上げた。異世界での海賊と言うものも非常に脅威であり、様々な国家で被害が報告されている。
だが、基本的には海賊は日本の船舶は襲わない。
過去に日本の船舶を襲ったケースもあったのだが、それが運悪く護衛艦であり、返り討ちに合ってしまい、全滅してしまったと言う出来事が海賊内に広がってからは、軍民問わず日本船舶が襲われる事例は無くなったのだ。
「くそっ。一体何な…」
「は?…何だこの帆船…」
二人は『いせかいII』に攻撃を仕掛けて来た帆船を見上げる。
と、其処には二人が想像していた帆船ではなく、一国の軍が使う様な『戦列艦』があった。
「何だよこれ!?」
「…これは戦列艦だ!海賊がこんな物を持っているなんt」
ドォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!
二人は戦列艦から放たれ、直撃した砲弾により、絶命した。
中央暦1640年 1月18日
日本国 灯原県 風幸島沖 パーパルディア皇国領海 パーパルディア皇国皇海軍戦列艦『リバツェ』
ドォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!
「撃てぇ!偉大なる我が皇国の領海に侵犯した蛮族共の船を撃沈せよ!」
「了解!…しかし艦長。蛮族共がこんな大きな船を持っているなんて…」
戦列艦『リバツェ』に乗る乗組員は艦長『クザッダ』にそう呟く。
「確かにな。蛮族共の癖に生意気だな…。海に漂流している蛮族共を全員捕まえろ!本国に強制的に送る!」
クザッダは所々から煙を吹き出している『いせかいII』から脱出する乗客乗員を引き上げると、船の倉庫に全員を閉じ込める。
「艦長。蛮族計300体程を拘束、監禁しました」
「良くやった!貴官等には本国から褒美が出るだろう!では、帰還する!」
クザッダの言葉に乗員等は雄叫びを上げ、帰還の準備を行っていく。
そしてその背後に海に浮かんでいる『いせかいII』は轟音を立てながら、海の底へ沈んで行った。
これは後の『大東洋戦争』最大の原因となるのだった。
最後が適当な件。
〜超適当な用語説明〜
・いせかいII
異世界で建造された日本が誇る豪華客船の内の一隻。
名称は飛鳥IIを参考。
・トーバラ諸島
大陸南部に位置する50島程の島々で構成された島の総称。
この諸島は自治区に属さず、日本政府直轄の地域として併合された。
・国家転移事件
日本が異世界転移した異常事態の一般的な総称。
誤字脱字報告ありがとうございます!
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