異世界日本国召喚   作:丸太餅

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えぇ……誠に遅れて申し訳御座いませんでした!!!!
理由はリアルで忙しく、中々随筆の時間を作ることが出来なかった為です。
次回からは早めに投稿していきたいと思います。

それでは、どうぞ。


第7話「ミペルバ攻略戦」

中央暦1640年 1月24日

日本国占領地域 ウンブル平野 作戦司令部

 

「松尾司令。進軍準備、完了しました」

「そうか」

 

日本国自治区保安隊と自治区領邦連合軍対パーパルディア皇国皇軍による『ウンブル平野の戦い』から2日後、占領下に置かれたウンブル平野では属領プバストに隣接する属領『カラーハ』の主要都市『ミペルバ』占領へ向け、進軍の準備を進めていた。

 

ミペルバ攻略軍司令官を務める松尾 弘道は設置されたテントの中に入り、置かれたパイプ椅子に座る。

 

「それでは、作戦の説明を始めます」

 

壁に設置されたスクリーンに、プロジェクターの光が投射される。其処に映されたのは、共に異世界から転移をして来た人工衛星により撮影された日本占領下にあるウンブル平野と、100km程南に位置している街だった。

 

説明を担当する三上が一度礼をし、スクリーンの横に立ち、説明を始める。

 

「えぇ、この街が属領カラーハの主都ミペルバです。此処からミペルバまで100km以上距離があり、本来ならかなりの時間が掛かりますが、加速魔法を使い僅か10分で到着させます。

続いてミペルバについてです。ミペルバは近世洋風の建築物が立ち並び、街の規模は少々大きい模様で、一般市民が約10,000人、パーパルディア皇国皇軍が約4,000人。そして、謎の集団が約300人程います」

 

「謎の集団……?」

「はい。探知魔法を発動しましたが、皇国兵の服装では無く、全身が『白いローブ』で覆われ、顔が確認出来ませんでした」

「ん?……『白いローブ』……?」

 

松尾は『白いローブ』と言う単語に、「まさか……」と胸中で呟く。だが「有り得ない」と自身の疑念を消し去る。

 

「……司令?」

「……いや、何でも無い。続けてくれ」

「は、はい。それでは続きを」

 

三上は松尾の言葉に気を取り直し、今度は部隊の編成表を映す。

 

 

———国連軍ミペルバ攻略部隊編成———

—日本国陸上自衛隊—

・第21旅団

 

—日本国航空宇宙自衛隊—

・第16航空団

・第4爆撃飛行隊

 

—江蘭自治区領邦連合軍—

・コエントロ子爵軍

・ライネン伯爵軍

・ルンド伯爵軍

・ミッテラー男爵軍

 

—新華共和国陸軍—

・第2戦車大隊

・第5歩兵中隊

 

—漢城民国空軍—

・第117飛行隊

・第119飛行隊

 

 

「以上の混成部隊により、ミペルバを攻略致します。続いて攻略作戦の概要です」

 

スクリーンの画像がまた切り替わり、矢印等が付いた先程の地図が映される。

 

「第21旅団と領邦連合軍の混成部隊を東と南に、新華陸軍を北と西に配置し包囲します。そして包囲したところを進軍し、敵軍を攻撃。場合によっては捕虜とします。その際、空自の第16航空団が航空支援を行います。それと並行し第4爆撃飛行隊と漢城の2個飛行隊により、ミペルバ郊外の基地と思わしき施設を攻撃します。そして追い詰める様進軍して行き、最終的にはカラーハ属領統治機構本部を占領。統治機構長官及びその他関係者を拘束します」

「市街地戦か。住民はどうする?巻き込まれるぞ」

「後に色々言われるのを避ける為、一応先に避難は促します。それでも避難をしなかった場合は、どうしようもありません。唯、巻き込まれないのを願うしかありませんね」

 

三上はそう言うが、実際は民間人共々殲滅されても仕方無いと思っていた。

現在の我々では最小限まで民間人への被害は抑えろと思うかもしれないが、彼等は異世界での戦争を経験して行く内に、民間人への被害を考慮すると戦争が長引き、余計な犠牲が発生することが多々あった為、一応注意はするが敵国民の人命は後回しの考えが浸透して行った。

 

「そうか。……わかった。この作戦を承認する。決行時刻は0500だ」

『了解』

 

松尾は作戦を承認すると、部下達を連れ直様準備をする為持ち場へ戻って行った。

 

 

 

 

 

作戦会議同時刻

パーパルディア皇国 属領カラーハ 主都ミペルバ カラーハ属領統治機構本部

 

「……本当に良いのか?こんな物を全員に渡して」

 

ウンブル平野での作戦会議と同時刻。属領カラーハに位置する都市ミペルバ。

 

この街の中心部にあるカラーハ属領統治機構本部の一室では、パーパルディア皇国兵の『バンフィ』が『白いローブ』を身に付けた異様に背が高い人物(?)と会話(?)をしていた。

 

「しかしこれが……ニホン軍の旧式兵器……だっけか?俺達が使っている銃とは大違いだな」

 

『白いローブ』の人物はバンフィが触っている『銃』に指を差しながら、不気味に体をくねらせる。

 

「しっかしあんた等……。本当に何者だ?一体何で援助をしてくれる?」

 

バンフィは男が所属している組織について質問をする。

だがその人物は体をくねらせるだけで、何も答えない。バンフィはそれに若干の恐怖を覚える。

 

「……言わねぇ……いや、言えねぇか。まぁ、良いさ。それより、これの使い方を教えてくれよ」

 

 

 

 

 

作戦開始時刻

パーパルディア皇国 属領カラーハ 主都ミペルバ 大型商店前

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「な、何だ!!!??」

「ば、爆発したぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

「に、逃げ……ぐはぁ!!!!」

「お母さぁぁぁぁぁぁんッ!!!」

 

国連軍による作戦開始と同時刻、ミペルバ市内にある大型商店の建物が突如として爆発。その直後連鎖的に周辺の建物も大型商店と同じ様に爆発し崩れて瓦礫と化し、大勢の人々が巻き込まれいった。

 

「!!?お、おい!何が起きた!!!??」

「わ、わから……ん?あれは誰……ぐはぁ!!!」

「!!?な、何が……がは!!!」

 

崩れた建物群の近くで偶然休憩をしていた2人のパーパルディア兵の頭が吹き飛び、頭部が地面に転がる。

 

「進め進め!!!」

 

聞こえて来たそんな掛け声と共に、突如出現した数両の鉄の地竜(10式戦車)が応戦するパーパルディア兵等を機関銃や戦車砲で返り討ちにする。

次第にレンガ造りの綺麗だった街道は、瓦礫と炎と死体と血で埋まっていく。

 

「……ひっ!!!な、何だあの飛龍は!!!!」

 

「はぁ!?飛龍もだと!?知るかよ!!!あんな化け……がはぁ!!!!!」

 

現場に駆け付けたパーパルディア兵等による怒号が響き渡るが、そんな声も戦車による轟音と機銃掃射、第16航空団のF-2A戦闘機による空対地ミサイルの航空支援のに掻き消され、付近の建物が崩れ瓦礫や住民等が炎に包まれていく。

 

「旅団長、ミペルバを包囲し攻撃。同地点にいたパーパルディア軍は建物や市民ごと壊滅しました」

「そうか」

 

ミペルバを攻撃した部隊……第21旅団の旅団長である川島は、82式指揮通信車に搭乗しながら部下からの報告を受ける。

 

「そろそろ第2段階に移る頃だろう。カラーハ属領統治機構本部は?」

「はっ、既に周囲を包囲しています」

「流石、スピードが早い。所で……」

 

川島は満足そうに頷くと、目の前に散りばめられた衛星写真に示された、ミペルバ郊外にある面積の広い建物を指し、部下に尋ねる。

 

「このパーパルディア軍の基地を攻撃したのか?」

「はっ。既に日漢混成飛行隊により火の海となっていると思われます」

 

 

 

 

 

パーパルディア皇国 属領カラーハ 主都ミペルバ郊外 パーパルディア皇軍ミペルバ基地

 

ミペルバ郊外に位置するパーパルディア皇軍ミペルバ基地。

 

普段ならば特に仕事が無い為、のんびりとし雑談ばかりのこの基地であるが、今日は違った。基地全体に警報が鳴り響き、怒号が飛び交っていたのだ。

 

「現在ミペルバ全域で謎の爆発が起こっています!!!」

「現場へ出動した兵士達とも随時連絡が途絶えており、混乱状態となっています!!!」

「現場からは『鉄の地竜が街を破壊している』『謎の轟音が鳴り響いたと思ったら付近の建物が一斉に崩れた』『地面が割れ、巨大な岩が飛び出した』『隣にいた同期が突然灰になった』などが報告されています!!!」

「くそっ!!!どうなっている!!?一体何者なのだ!!?」

 

基地司令を務めるスノーノルは突然始まった前例の無い謎の集団による攻撃に、パニックに陥っていた。

 

「あぁくそ!!!意味がわからん!!!……仕方無い。至急ワイバーンロードを上げろ!!!全騎だ!!!恐らく敵はこの基地も滑走路も破壊するだろう!!!その前に航空戦力を脱出させる!!!地上部隊も脱出させろ!!!」

 

スノーノルは基地の放棄と残った戦力のミペルバからの脱出を決断し、部下達に命令を出す。自身も脱出すべく、少ない荷物と重要な書類をトランクに詰め部屋を飛び出す。

 

命令が出された地上部隊は地竜を連れ次々と基地を離れる準備をする。ワイバーンロード部隊も滑走路から素早く離陸しようとした。

 

だが……遅かった。

 

 

『目標地点到達まで、後……』

『3……2……1……0』

『爆弾投下!!』

 

基地の上空に謎の巨大な飛竜集団6騎が到来すると、基地と滑走路に細長い爆弾を落とす。それは回転しながら急速に地面に落下した。

落下した爆弾は地面で大爆発を起こす。その直後、地面が吹き飛び、辺り一面が火の海となった。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「あ、熱いぃぃぃぃぃぃ!!!!」

「う、腕……腕が……溶けて………嫌だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

脱出の準備をしていたスノーノルや兵士達、地竜にワイバーンロードは爆発に巻き込まれ、即死或いは四肢の何れかが消滅し、体が炎に包まれ苦しみながら死んで行った。

 

……謎の白ローブの人物等を残して……。

 

 

 

 

 

パーパルディア皇軍ミペルバ基地跡上空

 

「……スレッド1から司令部。敵基地を爆撃。敵軍壊滅」

『本部了解、帰還せよ』

 

司令部の男は『スレッド1』含む第4爆撃飛行隊にそう指示をすると通信を切る。

 

巨大な鉄の飛龍………第4爆撃飛行隊所属であり、異世界転移後に日本が独自に開発した戦略爆撃機『B-60』の編隊6機から投下された魔導焼夷弾による広範囲爆撃後の地上を見下げる。

当然ながら基地は焼け野原になっており、僅かに原形を止めた建物もあるが到底建物と呼べる状態では無くなっていた。

 

と、突如前方に謎の影が出現する。その影は小さいが、翼の生えた生物の様に見えた。

その正体は、第4爆撃飛行隊が基地を爆撃する前に脱出に成功した残存ワイバーンロード隊21騎であった。

残存隊全騎は口に火炎弾を形成し標準を此方に向ける。B-60全機を撃ち落とすつもりである。

 

だが、第4爆撃飛行隊のパイロットは冷静に通信を行う。

 

『スレッド4から漢城機へ。敵騎を発見。応援を求む』

『漢城機了解。10秒後攻撃を開始する。スレッド1〜6は戦線を離脱し帰還せよ』

「スレッド1了解。これより帰還する。RTB」

 

B-60全機は右に旋回すると、拠点がある自治区の飛行場へ帰還する。

 

その様子を見ていた残存隊は愚かにも“ワイバーンロードに恐れを成して逃げ出した”と勘違いし互いに喜び合う。

 

その喜びが僅か数秒後には消え去ることを知らずに。

 

『接敵まで3……2……1……攻撃開始!!』

 

その合図と共に離れた場所を飛行中の漢城民国空軍第117・119飛行隊所属KF-26戦闘機計7機から空対空ミサイル14発が発射され、一直線に残存隊へ飛び去る。

飛び去った空対空ミサイルはマッハ4.0の速度で残存隊の内14騎へ命中する。命中した14騎のワイバーンロードとその竜騎士は肉片となり、基地だった焼け野原へ落下する。

更に追撃の空対空ミサイルが7発発射され、残りの7騎のワイバーンロードを肉片に変え、撃ち落とした。

 

『よっしゃ!!』

『グッドキル!!』

 

KF-26のパイロット達は互いに喜び合う。と、その時、誰もいない筈の焼け野原から一発の赤い巨弾が高速でKF-26へ向け飛び出す。

その巨弾はKF-26のレーダーに探知せず、目視でしか確認が出来なかった。

 

『ん?何だ……『巨炎弾(メガファイアボール)』だと……う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』

『!!?空矢5から司令部!!空矢2が撃墜された!!繰り返す!!空矢2が撃墜された!!!』

『う、嘘だろおい……ん?……ち、地上に十数人の人を発見!!!』

『人だと!?日本が基地ごと兵士を全滅させたんじゃないのか!?』

『おかしいぞ!!あれ程の爆撃で生き残っているなんて……』

 

残ったKF-26戦闘機6機のパイロットは混乱する。まさか近世程度の文明力しか無いと思っていたパーパルディア皇国に旧エラン帝国軍精鋭並みの魔法が使える、しかも耐久力が強い兵士がいたなんて……と。

 

だが、黙って見過ごす訳にはいかない。機体を右へ旋回し次々と地上から放たれる巨炎弾を避け、空対地ミサイルの標準を合わせる。

そして、先頭のKF-26が空対地ミサイルを発射した。それに続き、残りの5機も空対地ミサイルを発射する。

 

発射された空対地ミサイルは白ローブ達に直撃すると、大爆発を起こし地面を削り煙が巻き上がる。

煙が晴れた後、其処には誰一人としていなかった。

 

それを確認すると、第117・119飛行隊は任務完了とし、漢城本国へ帰還して行った。

 

……瓦礫の影でKF-26の編隊を見つめる直撃した筈の白ローブ等に気付かずに。

 

 

 

 

 

パーパルディア皇国 属領カラーハ 主都ミペルバ カラーハ属領統治機構本部 会議室

 

ミペルバ基地跡上空での漢城空軍による戦闘の数十分後、国連軍は属領カラーハを統治するカラーハ属領統治機構本部を包囲した。

カラーハ属領統治機構長官を務めるシーフィスは、幹部等を会議室に収集し対策案を考案するが、一向に纏まらなかった。

 

「……本土との魔信は?」

「駄目です、一向に繋がりません。恐らく、妨害されているかと……」

「ミペルバ基地は完全に破壊され、残る戦力は機構本部防衛隊しか……」

 

あまりの現状に、会議室に悲壮の空気が漂う。

一瞬で崩壊する戦線、謎の攻撃により消滅する兵士達。彼等は恐怖していた。

 

「……此処が陥落すれば皇国は2つの属領を連続で失うこととなる。それだけは避けなくてはならない」

 

シーフィスは焦りの混じった声でそう呟く。

 

「……此処にはとある『場所』から来られた偉大なる方々が戦いへの準備を備えて貰っている」

 

彼は視線を向けると、其処には先程までいなかった様な気がする白いローブが静かに立っていた。

幹部等は驚愕する。

 

「此方の方々は強力な魔法技術を保有している。そう、敵を打ち砕く希望なのだ!」

 

彼は先程とは打って変わり、力強く叫ぶ様に幹部等に熱演する。まるで神を崇める信者の様に。

 

「そ、そうですか……」

「なら……やりましょう……」

 

シーフィスの熱演に引きながら、幹部等は渋々と云った様子で頷く。こうして本部攻防戦が開始された。

 

 

 

 

 

カラーハ属領統治機構本部前 国連軍

 

「3……2……1……0」

「突入!!」

 

掛け声が響き渡ると、本部の玄関が丸ごと爆発音と熱風と共に木っ端微塵に弾け飛ぶ。

迎撃の為、機構本部防衛隊の兵士達の一部は丁度爆破範囲にいた。その為、爆発に巻き込まれ四肢や胴体が吹き飛ぶ。

巻き込まれなかった兵士達も爆発の影響で一時体の動きが止まる。その隙に国連軍側は施設内部に突入し、抵抗する兵士達を射殺する。

 

「ひ、ひぃぃぃぃ!」

「こ、殺さないで!!」

 

悲鳴が上がると、一部の兵士や近くで身を潜めていた職員達は一斉に両手を上げ、投降する。

一部の国連軍は彼等を拘束し、建物外へ連行する。

 

その間に国連軍兵士達は施設中の各部屋に突入する。

 

「クリア!」

「クリア!」

「オールクリア!」

 

国連軍は抵抗する者は射殺し、降伏する者は施設外へ連行して行く。

 

「此処が最後だ!行くぞ!!」

 

国連軍の小隊長は隊員達を率い、最後の階層に突入する。

これで漸く属領の責任者等を拘束出来る……と思われたが。

 

「敵部隊だ!!総員、撃てぇぇぇぇ!!!」

 

最後の階層に展開していたパーパルディアの兵士達は、マスケット銃では無く明らかに時代に合わない小銃を保有していた。

まさか連射すると思っていなかった国連軍側は動揺し、一部の兵士が撃たれる。

 

「ぐわっ!」

「くそ!治癒魔法使える奴は!?」

「私です!早く此方に!!」

 

国連軍側は若干の混乱が発生していたが、直ぐに立て直すとパーパルディアの兵士達に向け安全ピンを外した複数の手榴弾を投げる。

投げられた手榴弾はパーパルディアの兵士達の側で一斉に起爆すると、大爆発を起こし皇国の兵士達は爆殺される。

 

小隊長と数人の隊員は、銃を構え警戒しながら兵士の死体にゆっくりと近付く。

 

「隊長……これ……」

「……一〇〇式機関短銃……後期型の……か……。何故こんな所に?」

 

一〇〇式機関短銃とは地球での第二次世界大戦期に旧日本陸軍が使用した短機関銃である。装弾数の多さや本体の軽さという長所を持ちながらも、バランスの悪さや資源不足の影響による品質の低下という短所や欠点が存在した。

現在では殆どが廃棄処分され、あまり現存していないのであるが……。

 

「いや、今は良い」

 

疑問を抱くが、構っている暇はない。隊員達はささっと銃を回収すると、進軍を再開する。

 

「今だ!!」

 

パーパルディアの兵士達が通路の奥から続々と現れるが、一度被害を受けた国連軍は冷静に対処する。

 

「がっ!」

「ひ、ひぃぃぃぃぃ!!」

 

国連軍の弾丸の雨を前に、皇軍は悲鳴を上げバタバタと倒れる。

 

と、その時……。

 

「あ?誰だ?」

 

隊員達は銃を構え、突然出現した白いローブの集団を睨む。

だが、ローブは全く動じずに此方を見つめる。全く動かず、顔が存在するのかわからない黒い顔面に隊員達は恐怖を覚えた。

 

「……おい、両手を上げて投降しろ」

 

小隊長は厳つい目で睨み、投降を呼び掛けるが全く反応しない。

隊員達は後方で警戒しながら「小隊長の目は滅茶苦茶怖いからなぁ」と恐怖で動けないのでは、と内心考察する。

 

ローブは小隊長の呼び掛けに答えた。……巨大なエネルギー弾を放つ攻撃という形で。

 

「!?バリア!!」

 

後方で待機していた領邦連合軍の兵士達は魔法盾を展開し、連射されるエネルギー弾から他の兵士達を防御する。

 

「うわ!これ盾に魔力ごっそり持ってかれる!!」

「あのローブ共、体内の全魔力使ってんじゃねぇのか!?」

「いや死ぬぞ!!?」

 

領邦連合軍の兵士達はローブの圧倒的な魔力量に驚愕しながら、攻撃を防ぐ為盾を展開し続ける。

 

やがて理由はわからないが、弾の雨が止む。それと同時にローブ達は姿を消していた。

 

「え?何処行きました?」

「知らん。兎に角進むぞ。急げ」

 

小隊長は再度隊員達を率い、長官や幹部等のいる会議室へと進む。

やがてそれらしき部屋の扉が目の付いた。

 

「此処か……準備は良いな?」

「「「「勿論です/当然(勿論です)」」」」

 

小隊長は確認をすると、扉を蹴破り室内へ突入する。

 

「国連軍だ!手を上げろ!!」

 

兵士達は室内にいた幹部等に銃を向け、降伏を促す。

 

「は……あ……あの……あの方々が……?……う、嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「!!?落ち着け!!お、おい!此奴落ち着かせるぞ!!!」

 

国連軍兵士は突如発狂したシーフィスを拘束し、室外へ連行する。

他の兵士達も、抵抗を諦めた幹部等を拘束する。

 

「ほら、あんたも銃を捨てろ」

「……わかったよ。どうせ抵抗しても無駄だからな」

 

室内に唯一待機していた皇軍の兵士であるバンフィは銃を捨てると、拘束される。

 

これにてミペルバ攻略戦は国連軍の勝利で幕を閉じた。

 

しかし、謎のローブの存在やシーフィスの熱烈な信仰理由はわからなかった。




適当な用語説明
・漢城民国
日本の異世界転移前の西暦2017年に朝鮮半島で発生した『朝鮮内戦』時に、朝鮮半島の戦火の食い止めをする為に自衛隊や在日米軍、英連邦海外派遣軍などが占領した済州島や鬱陵島を始めとする韓国南部の島々に建国された国家。
その為、独自の軍を有するが、面積の狭さなどの影響で規模は小さい。

・白ローブ
【閲覧禁止】

・B-60
日本が開発した次世代型戦略爆撃機。
大量の爆弾を搭載し、絨毯爆撃により敵を一層出来る。

・KF-26
日本やアメリカなどの技術支援により開発され、西暦2026年度から配備を開始された、漢城民国海軍・空軍が保有する新型戦闘機。
速度はマッハ2。日本やアメリカ製の空対空ミサイルや空対地ミサイルを搭載している。


次回もお楽しみに。

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