異世界日本国召喚   作:丸太餅

9 / 17
注意:『フェン沖海戦』とありますが、内容は原作と異なる物になっております。


第8話「フェン沖海戦」

中央暦1640年 2月7日

パーパルディア皇国 第3外務局所有地フェン島沖 海上自衛隊フェン派遣艦隊旗艦『しなの』CIC

 

パーパルディア皇国政府第3外務局が所有する島、フェン島。この島には数ヶ月前まで、フェン王国と云う国家が存在していた。しかし、第3外務局傘下の組織である監察軍による懲罰的攻撃により王都アマノキを中心に各地が破壊され降伏。剣王『シハン』以下関係者は全員が処刑された。

結果、フェン王国は滅亡した。しかしフェンは特にめぼしい資源は無かった為、属領ではなく一組織である第3外務局が島と旧国民を管理することになった。

 

そんな皇国領フェン島の沖合では、やまと型打撃護衛艦『しなの』を旗艦とする海上自衛隊第2艦隊第6機動打撃群8隻と陸上戦闘用の陸自部隊を乗せた海上輸送群第2海上輸送隊4隻の計12隻によるフェン派遣艦隊がフェン島へ向け航行していた。

 

「司令!レーダーに多数の艦船を探知!数約10隻、距離約40km!」

「ほう。この方角は……フェン島からだな」

 

フェン派遣艦隊総司令の『多田 大輔』は電測員からの情報にふと呟く。

 

「しかし……これは我々を狙いに来た訳では無く、単に巡回中なだけなのか?」

「はっ。船数も少ないので、そう思われます」

 

多田の質問に電測員は返答する。それを聞いた多田は真面目な顔で頷き、無線機を手に取り指示を出す。

 

「全艦へ告ぐ。総員戦闘準備」

 

多田はそれだけを指示すると、艦橋へ戻って行った。

 

 


 

 

フェン島沖70km地点 パーパルディア皇国監察軍東洋艦隊第3警備隊旗艦『ベルア』

 

フェン派遣艦隊から40km離れた地点を航行している旧式魔導戦列艦『ベルア』を旗艦とする、パーパルディア皇国皇海軍第3警備隊10隻はフェン島沖を巡回していた。

 

「はぁ、暇だ」

 

『ベルア』に乗船している水夫はふと溜息を吐く。フェン島の警備隊は数ヶ月前に発足したばかりの部隊であるが、仕事と云う仕事は無かった。

それ故、水夫はこう呟いてしまう。

 

「はぁ……。ん?何だ?」

 

水夫は何か不思議な音が聴こえると思い、振り返る。

其処には……。

 

「……は?」

 

水夫は唖然とし、自身の目を疑う。其処には複数の島の様な鉄の塊(フェン派遣艦隊)が、此方へ向けて進行して行く姿があった。

 

「おいおいおい嘘だろ!」

 

水夫は顔を真っ青にし、船の奥へ逃げ出そうとした。

だがその直後、先頭を航行している1隻の船に搭載された5つの主砲が突然炎を上げ爆発した。

いや、爆発したのではなく、砲撃したのである。

 

此方へ向けて。

 

放たれた砲弾は一直線に『ベルア』の元へ急速に接近すると、船体に直撃する。

直撃した船体は木っ端微塵に破壊され、爆炎が上がり戦列艦内部に海水が侵入する。その後、数分も経たずに戦列艦『ベルア』は海の底へ沈んで行った。

それは他の艦も同様だった。護衛艦『しなの』による艦砲射撃で次々と戦列艦が破壊・轟沈して行く。

 

やがて海面は船の残骸で埋め尽くされ、第3警備隊は全滅した。

 

 

 

 

 

数分後

パーパルディア皇国 第3外務局所有地フェン島 ニシノミヤコ沖 監察軍東洋艦隊

 

突如第3警備隊からの魔信が途絶えたことに驚愕した監察軍総司令部は、監察軍ニシノミヤコ基地に停泊していた東洋艦隊計22隻に出航を命じた。

出航した東洋艦隊は第3警備隊が魔信が途絶える直前迄巡回していた海域へと進む。

 

「ポクトアール提督。間も無く例の海域へ到着します」

「……うむ」

 

監察軍東洋艦隊司令官を務めるポクトアールは部下からの報告に静かに頷く。

上空ではワイバーンロード部隊20騎が飛翔しており、厳戒態勢と云うことが確認出来る。

 

だが、ポクトアールは内心では何処か不安を抱いていた。それは勿論、第3警備隊からの魔信が途絶えたことである。前例の無い警備隊からの連絡の途絶。それに対する疑問が彼の中で渦巻く。

 

「(一体何故途絶したのだろうか。事故?事件?……わからぬ。文明圏外国家からの攻撃でも受けたのか?いや、辺境の蛮族相手に負ける兵器はなかった筈だ)」

 

ポクトアールは考察するが一向に答えが思い浮かばない。

と、その時。突如爆音が鳴り響くと、何処からか出現した光の矢が上空を飛翔していた。

その光の矢はワイバーンロードの内1騎に直撃し大爆発を起こす。爆発したワイバーンロードは黒く焦げた肉塊となり、丁度真下を航行していた戦列艦の1隻に落下し甲板を貫通、数分後に同艦の弾薬庫が爆発すると船は海の藻屑となり、爆煙を上げながら沈没した。

 

ポクトアール以下東洋艦隊の戦列艦の乗組員達は全員が唖然とする。

だがその中で真っ先に我を取り戻したポクトアールは正体不明の敵からの攻撃だと判断する。

 

「総員戦闘準備!!敵からの攻撃に備えろ!!!」

 

ポクトアールは指示を出すと、唖然としていた乗組員達が我を取り戻し自身の持ち場へ向かって行く。

 

「(くそっ。本当に一体何者なんだ!?光の矢、爆発。誘導魔光弾?いや、まさか……いや、今はそんな場合じゃない……!)」

 

ポクトアールはこの状況に焦るが、自分を落ち着かせる。

 

「提督!前方に謎の巨大船団が!!」

「巨大船団だと!?」

 

彼は部下からの報告に驚愕し、前方を見据える。

其処には此方へと近付いて来る巨大船団(フェン派遣艦隊)の姿があった。

 

「んな!?きょ、巨大過ぎるぞ!?」

 

彼は再度驚愕する。と、前方の艦艇5隻の主砲が上空へ向けられる。

その空域にはワイバーンロード部隊19騎が飛翔しており、主砲は完全にワイバーンロードを狙っていた。

 

その時、5隻の主砲が砲撃を開始する。

主砲から炎が噴き出ると、砲弾がワイバーンロードに直撃し、相手を海へ叩き落とす。その砲撃が何度も続き、飛翔するワイバーンロードが肉塊となっていく。

やがてワイバーンロード部隊は全騎撃墜された。

 

その後前方の艦隊が爆発する様な爆音を上げると、光の矢(90式艦対艦誘導弾)が次々と発射され、同時に主砲からも砲撃が続行されると、周囲の戦列艦は爆発し轟沈して行く。

ポクトアールは残っている東洋艦隊各艦へ撤退の魔信を出そうとするが、その前に彼自身の乗る旗艦も艦対艦ミサイルにより撃沈され、船と運命を共にした。

 

監察軍東洋艦隊は海上自衛隊フェン派遣艦隊により全滅。

周囲の制海権を確保した艦隊は東洋艦隊基地まで航行すると『しなの』を中心とした艦艇による徹底的な艦砲射撃により基地を破壊。

 

その後、第2海上輸送隊所属であるにほんばれ型輸送艦計4隻の輸送艦が基地に接舷すると、陸自部隊が上陸を開始した。

 

これにより、後に『フェンの戦い』と呼ばれる戦いが始まった。




適当な用語説明
・護衛艦『しなの』
やまと型護衛艦3番目の艦艇。
同じ読みの艦艇としては、旧日本海軍の大和型戦艦/航空母艦『信濃』に続き2代目。護衛艦としては初代となる。


何故か早く書けた。

あと数話はフェン編になります。

誤字脱字報告ありがとうございます!

設定・用語集はいる?

  • いる
  • いらない
  • それより続きはよ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。