「良かったです!間に合って!」
奥田さんの恰好は制服から魔法使いみたいなローブに帽子、胸元に紫色の宝石がつけられていた。
「な、なんなんだよテメーら!どこから現れた!てか降りろ!」
「あっれー?ゴメン、丁度いいクッションがあったから助かっちゃった」
対してカルマ君の恰好は黒いマントに紫のゲーム衣装みたいな服。あれがカルマ君の戦闘服ってことなのかな?
「さぁて・・・奥田さんの初陣、バケモン相手じゃなくてそこのクズ人間共になっちゃうけど・・・大丈夫?」
「・・・!はいっ!なんとか・・・!」
「緊張しなくていーよ。不意打ちしか勝ち目がない雑魚なんだし」
「んだとぉ・・・」
カルマ君の手にはトライデントっていう悪魔が持ってそうな槍、奥田さんの手には一般的な魔法の杖が握られていた。
「けッ・・・また頭かち割られてーみてーだなっ!」
不良の人たちがその辺にあった酒瓶を手に取ってカルマ君たちに詰め寄ってくる。大丈夫なのかと考えていると
『大丈夫か神崎さん、茅野』
杉野君と渚君がこっそりと背後に回って私たちを縛っていたガムテープを剝がしてくれた。
『あ、ありがとう』
『渚。みんな助けに来てくれたんだね』
『ねぇ、奥田さん契約したの?』
『あ、ああ。ちょっとな』
『詳しい話はあと。今2人が引き付けている間に僕らでこっそりと出よう』
不良の人たちは私たちの拘束が解かれている事に気が付いていないみたい。まだ身に着けて間もない忍び足でこっそりと進んでいると2人に動きがあった。
「俺らを舐めてんじゃねぇよ、眼鏡女がよぉ!」
丸刈りの太っちょな人が奥田さんに向かって突進してきた。奥田さんに酒瓶を振りかぶったその時、彼女の姿がフッと消えて、カルマ君のトライデントの背面を顔面に叩きつけられた。消えた奥田さんはというと、突如ひげ面の人の目の前の少し上に現れた。
「・・・は?」
ひげ面の人の利益が追いつく前に奥田さんは杖を振り上げてその人の頭頂部に叩きつけた。ひげ面の人はそのまま倒れ、頭を押さえつけたままのたうち回っていた。
その間にカルマ君は太っちょな人とオールバックの人二人相手にコテンパンに倒していた。
「・・・!!オメーらいつのまに!!」
ここでリーダー格の人に気付かれてしまった。急いで入り口の方へ走ると扉が開かれた。
「おやー?何逃げようとしてんのかなー?」
しまった。確かあの人は仲間呼ぶとか言っていたな・・・。その人がきてしまったんだ。こんな悪いタイミングで来てしまうだなんて・・・。
「そこの男ども、テメーらも可愛がってやんよ!」
その仲間が先導していた杉野君の襟首をつかんだその時、
「杉野君どけてください!!」
奥田さんの叫びに杉野君はとっさに脇の方へ寄った。その瞬間奥田さんの姿がまた消え、その仲間の人の目の前に現れると、今度は杖の柄の尖った部分を頭頂部に突き刺した。さっきから物理だな、奥田さん。
「あっ・・・だぁぁぁぁぁ!!!!」
その仲間の人が杉野君から手を放して頭を押さえたその隙を逃さずに、解放された杉野君が彼のみぞおちにエルボーを喰らわせた。仲間の人がお腹を押さえこんで倒れると渚君がその人のうなじにむかって組んだ手を思いっきり振り下ろした。
「がっ・・・はぁ・・・」
仲間の人は気絶したのかピクピクしたまま動かなくなってしまった。・・・大丈夫かしら?
「な、なんなんだよ、あのメガネ女」
『彼女、奥田愛美の固有魔法はテレポート。誰か人を指定しないといけない制約があるけど、その指定した人がどこにいてもどこへでもいける魔法だよ』
キュゥべえがこっそりと解説を入れてくれた。奥田さん・・・なんとなく察してはいたけど私たちのために・・・?
「さぁて、あとはアンタだけだ。こんだけのことのことをしてくれたんだ。アンタらの修学旅行はこの後全部入院だよ」
カルマ君はリーダー格の人の背後をとってトライデントを突き付けている。ほかの取り巻きの人は地面に寝っ転がされている。あとは彼一人なのになぜか余裕そうにしていた。
「・・・フン。中学生がイキがんな。オレだけだと思ったら大間違いだぜ。ツレ共を呼んでおいた。これでこっちは六人だ。おまえらみたいな良い子ちゃんは見たことのない不良らだ」
ぎぃぃと扉が開かれ、入ってきたのは・・・
丸刈りにぐるぐる眼鏡をかけ、何かに首を絞められた集団と、
「不良などいませんねぇ。先生が全員手入れしてしまったので」
殺せんせーだ!
殺せんせーがおそらくは元は不良だった丸刈り集団を投げ捨て、私たちの元へかけよった。なぜか黒子姿で。
「遅くなってすみません。・・・というかどこに向かっているのかぐらい教えなさい!先生虱潰しに探したんですよ!!」
「アハハハハ、いてもたってもいられなかったから・・・すみません」
『電話の途中で奥田が契約してよ、少しごたついてよ』
『ああ、なるほどね』
『どうしてもいち早くお二人の元へ駆けつけたかったので・・・』
『いいよ、少し遅かったら危なかったんだし』
テレパシーでこそこそ話をしていると私と茅野さんの姿を確認して、安心したような顔をしていた。
「にしても渚君がしおりをもっていてくれたから先生にも迅速に連絡できたのです。この機会に全員分ちゃんと持ちましょう」
殺せんせーが私たちに一つずつ分厚いしおりを渡していると残りの一人のリーダー格の人がピクピクと青筋を立てていた。
「・・・せ、先公だとぃ!?ふざけんな!ナメたカッコしやがって!エリート共は先公まで特別製かよ!」
リーダー格の人がナイフをとりだして殺せんせーに突撃した。だけど彼は先生にマッハでビンタされてその場に崩れ落ちてしまった。
「ふざけるな?それはこっちのセリフです。ハエが止まるようなスピードと汚い手でうちの生徒に触れるなどふざけるんじゃない」
「ごちゃごちゃうるせーんだよ・・・」
リーダー格の人は膝を笑わせながらも立ち上がって、まだナイフを振りかざしていた。
「テメーも肩書で見下してんだろ?バカ高校だと思ってナメやがって」
「エリートではありません。確かに彼らは名門校の生徒ですが、学校内では落ちこぼれ呼ばわりされ、クラスの名前は差別の対象になってます。ですが、彼らはそこで様々な事に前向きに取り組んでいます。君たちのように他人を水の底に引っ張るようなマネはしません。学校や肩書など関係ない。清流に棲もうがドブ川に棲もうが前に泳げば魚は美しく育つのです」
先生の言葉は私の中に渦巻き続けていた闇を取っ払ってくれた。飛び降りて、生き残ってしまった時からこの闇から解放されることはないと思い込んでいたけど、そんなことはない。すべては私次第なんだ。・・・なら、私も先生に答えてあげないと。
「・・・さて、私の生徒たちよ、彼を手入れしてあげましょう。修学旅行の基礎知識を体に教えてあげるのです」
私と茅野さんはとっさに彼の背後を取り、初めに私が彼の脇腹目掛けてしおりの角を叩きつけた。彼がお腹を押さえてかがんだところを茅野さんが後頭部に角を叩きつけた。
「ガッハァ・・・狙う相手・・・間違えたかも・・・」
そうつぶやいて彼は倒されてしまった。
「よっしゃ!全部倒したぞ!」
「では全員急いで出ましょう!君たちは被害者とはいえ、これが第三者に知られたら良くて過剰防衛です!」
殺せんせーに促されるままにそくささと出ることにした。扉を閉じ、一息つくと、殺せんせーに心配そうに声をかけられた。
「何かありましたか神崎さん」
「え・・・?」
どちらかといえば聞かれそうなのは恰好が変わっている奥田さんとカルマ君だけど・・・そういえば二人ともいつのまにか元の制服姿に戻っていた。あれ?いつのまに・・・?
「ひどい災難に遭ったので混乱しててもおかしくないのに・・・なぜか逆に・・・迷いが吹っ切れた顔をしています」
・・・ああ、なんだそんな事か。というか気づいてないんだ。魔法少女のことバレてなくて良かったのかな?
「特にないも。ありがとうございました」
茅野さんと昔話をしたからか、少しだけ心が軽くなったし、殺せんせーの教えは私に向かわせてくれた。それに助けてくれたみんなにも感謝でいっぱいだ。
「いえいえ、ヌルフフフフ。それでは旅を続けますかね」
暗殺教室の先生はターゲットでありながら限りなく頼りになる先生だ。この先生にならいつかきっと・・・私たちの自殺未遂の件を話せる時がくるのかもしれない。魔女のせいかもしれないとはいえ、まだカルマ君にも茅野さんにも言えてない事だし・・・
と、ふと気になったことがあった。
「そういえば茅野さん、「手」ってなんだったの?」
茅野さんは私の質問にキョトンとしたあと
「うーん・・・殺せんせーの暗殺に回すからナイショ!」
と、屈託ない笑顔で笑っていた
FM神浜
「このラジオを聴くみなさん!はじめまして!」
「そして前回聞いてくれたみんな、感想ありがとうね。やっぱ感想貰うってのは嬉しくてしょうがないね。おねだりしたかいがあるわ」
「そういうこというのはやめましょうよ!みなさんご感想評価ありがとうございます。引き続き評価や感想、お待ちしております」
「にしてもいろはちゃん。まどドラ延期しちゃったね」
「はい、悲しいですよね」
「いや、わかってたことじゃない?いろはちゃんも見覚えあるでしょ?」
「うぐっ・・・そういうことはいいんですよ。いいもの作って貰えるのなら多少の延期はいいんですよ」
「ワルプルギスの廻天はもっと延期してるけどね」
「・・・公開を待ちましょうよ。お便り!お便り読みますね!
RN 最強魔法少女さん
いつもラジオを楽しく聞いています。質問ですが、まどマギのキャラクターってマミさんとキュゥべえの他にはでてこないの?」
「杏子ちゃんは確定ででてくるよ!」
「言っちゃっていいんですか!?」
「勿体ぶってもしゃーないって学んだしね」
「でも質問者の鶴【ピー】ちゃんは出てこないかもしれないなぁ。おまけでちょこっと出れればいかもね」
「あまり伏せ字になってないような・・・」
「ただ、外伝キャラは色々出す予定だからお楽しみにね」
「それではまた次回お会いしましょう」
「まったね~」