巴マミは暗殺者   作:百乃綾香

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一学期編
1時間目 暗殺の時間


山の上の木造校舎、そこの教室に26人の生徒が緊張した面持ちである者を待ち構えていた。

ガラッと教室の扉が開かれ何者かが教室へ入っていく。黒いアカデミックドレスに身を包み、三日月のマークが入ったネクタイを締め、黄色くて丸いニコチャンマークのような顔をしたタコのような怪物…魔女のような何かが教卓の上にこのクラスである3年E組の出席簿を置いた。

 

「HRを始めます。日直の人は号令を」

「き、起立!」

 

日直である潮田渚君の声と共に、私たちは立ち上がり、教卓の前にいる怪物に銃口を向けた。

 

「気を付け・・・礼!」

 

礼の掛け声とともにその怪物に向かって一斉射撃を行う。26人から放たれる弾丸をその怪物は素早く避け続けている。

 

「おはようございます。発砲したままで結構ですので出欠を取ります。磯貝君」

「・・・!」

「すみませんが銃声の中なのでもっと大きな声で。磯貝君」

「・・・はい!」

「岡島君」

「・・・はい!」

「岡野さん」

「・・・はい!」

 

発砲しながらもみんな一人一人大きな声で返事をする。

 

「千葉君」

「・・・はい!」

「寺坂君」

「・・・ああ!?」

「巴さん」

「・・・はい!」

 

私、巴マミは大きく返事をした。私たちは殺し屋。標的は先生。そして、これは私だけの秘密。魔法少女、この世に呪いを振りまく魔女を狩る者。全ての生徒の出席を確認した怪物は満足そうに笑った。

 

「遅刻なし・・・と、素晴らしい!先生とても嬉しいです!」

 

速すぎる・・・。私が戦ったどの魔女よりも速い・・・。そもそもクラス全員の一斉射撃ですら全く効果がないだなんて・・・。

 

「残念ですねぇ。今日も命中弾ゼロです。数に頼る戦術は個々の思考を疎かにする。目線、銃口の向き、一人一人が単純すぎます。約一名、慣れてる人がいますが・・・」

 

といって先生は私の方を一瞬だけ見たような気がした。

 

「先生の敵ではありません。もっと工夫をしましょう。でないとマッハ20の先生は殺せませんよ」

 

そういって先生は黄色い顔でニヤニヤと腹立つ顔で笑っていた。

 

「本当に全部避けてんのかよ先生!どう見てもただのBB弾だろ?当たってんのにガマンしてるだけじゃねーの!?」

「「「そうだそうだ!」」」

 

と、前原君が言を発したのを皮切りにクラス中でブーイングが巻き起こる。でもそれは私も薄々思っていた。こっそり魔力で強化して撃ってみてはいるけどどうにも効いてるようには感じなかった。

 

「では、弾をこめて渡しなさい」

 

そう先生に言われて岡野さんは少ししかめた顔をしながら銃を先生に渡した。

 

「言ったでしょう。この弾は君たちにとっては無害ですが・・・」

 

先生はそう言いながら自分の触手に向けて撃った。ブチュッと音を立てて、触手は千切れ、床にビチビチととかげのしっぽのように蠢いていた。似たような光景は魔女退治の時に見ているけどみんなにとっては衝撃なようで一様にドン引きしていた。

 

「これは国が開発した対先生特殊弾です。先生の細胞を豆腐のように破壊できる。ああ、もちろん数秒あれば再生しますが」

 

その言葉通り、先生の千切れた腕から新たな触手が生えてきた。…こういったタイプの魔女は正直厄介だし、少し苦手には思ってる。・・・この怪物は残念ながら魔女ではないのだけれども。

 

「殺せるといいですねぇ。卒業までに」

 

先生は顔をなめた表情の緑のしましまにしてそういったと同時にチャイムが鳴り、私たちは肩を落としながら、ある者は銃を回収し、ある者はほうきとちり取りで床に散らかったBB弾を集めていた。

 

なんで私たちがこんな状況になったのか。まずは私がこの椚ヶ丘に来る経緯から語ることにしようかしら。

私、巴マミは元々見滝原というここから離れた新興地方都市に暮らしていた。両親と三人、何不自由ない暮らしだった。けれどそれはいきなり終わりを告げた。

家族で外食をしようと高速を走っていた時、私たちは交通事故に巻き込まれてしまった。車は横転し、私の体はひどく打ち付けられたのか動けなかった。鼻から何かが燃える不快な臭いが纏わりつく。私はこのまま死んでしまうのではないか…。そう思ったときに現れたのは

 

「巴マミだね」

 

白い不思議な猫みたいな動物だった。

 

「あなたは・・・誰?」

「僕の名前はキュゥべえ。君に僕と契約してほしいんだ」

「契約・・・?」

「そう、僕と契約して魔法少女になってほしんだ。契約の対価に君の願いをなんでも願いを一つだけ叶えてあげるよ?」

 

ぼんやりとしていく意識の中、そのキュゥべえは話を続けた。

 

「どんな願いでも構わない。もっともこの状況で君が願うことは一つしかないと思う。わかってはいると思うけど、君はもうすぐ死んでしまう。ひどい事故だね、周りは混乱している。救急車が到着するにはまだ時間がかかりそうだ」

「そんな・・・」

「それは君次第だ。君の願いは、起こしてほしい奇跡は何だい?」

 

願い・・・?私、死んじゃうの?このまま・・・?

い、嫌・・・。嫌だ。そんなの・・・

 

「た・・・けて・・・。たすけて・・・」

 

私は力のある限り叫んだ。

 

「助けて!!私、死にたくない…!!」

 

キュゥべえの表情はわからなかった。ただ、まっすぐに聞き届けた、という気はした。

 

「契約は成立だ巴マミ。きみのソウルジェムはどんな輝きを見つけてくれるのかな?」

 

その瞬間、私の体から光り輝く不思議な球が出てきて・・・。その時から私は魔法少女として生きていく運命を歩む事になった。

その後、私は奇跡的にも生還した。両親の葬式のすぐあと、私は椚ヶ丘に住む親戚に引き取られてることになり、住み慣れた見滝原を離れた。友達と別れるのは寂しかったけれど、この奇跡的に生きていられる今があるのならこの位の代償はしょうがない、と思うことにした。

 

その後私は親戚からの勧めで椚ヶ丘中学の編入試験を受けることになった。難しい試験だったけど見事合格し、椚ヶ丘中学校に通うことになった。進学校の生徒と魔法少女の生活を両立させつつの暮らしは大変だったけど、嬉しいことも悲しいこともあった。そんな事が過ぎていく中で大事件が三つ起きた。一つは私のクラスメイトたちが魔女の餌食にされかかったこと。魔女はさっさと退治したけど。二つ目は月が突然爆発て七割が蒸発し三日月のようになったこと。三つ目は始業式のすぐあとのことだった。

 

私たち3-Eはまだ来ない担任の先生を待っていた。始業式にもいなかったし転勤の話もなかったしどうしたのだろうかと周りがガヤガヤとしているとガラッと扉が開かれ、教室に入っていく大きな影があった。それは私たちのよく知る担任ではなく、黄色いタコのような怪物だった。こんなところに魔女が堂々と!?と焦って変身しかけたけど、ソウルジェムから一切の魔力の反応はなかった。・・・つまりはあの怪物は魔女じゃないってこと?魔女以外にもそういうのがいるの?そういった疑問が私の頭をいっぱいにした。周りを見てみると彼らにもあの怪物の存在が見えているらしく物凄い形相で見ていた。

 

その怪物はすぐあとから入ってきた黒ずくめの人たちに拳銃を突き付けられながら囲まれた。それを全く気にする様子もなくこう続けた。

 

「初めまして。私が月を爆った犯人です。来年には地球を爆る予定です。君たちの担任になったのでどうぞよろしく」

 

まず5,6ケ所ツッコませろ!!とクラス中が思っているのを感じた。正直私は追加で2,3か所ツッコみたい。

そんな空気を感じたのか黒づくめの一人は話を続けた。

 

「防衛省の烏間というものだ。まずはこの話は国家機密だと理解頂きたい。単刀直入にいう。この怪物を君たちに殺してほしい」

 

その現実離れした言葉にみんな目を丸くしていた。あの怪物を殺せって・・・。そもそもあの怪物、魔女じゃないのならなんだっていうのよ。エイリアンとか?

 

「何すか?そいつ、攻めてきた宇宙人か何かすか?」

 

三村くんも似たような事を思ったのか質問をした。

 

「失礼な!生まれも育ちも地球生まれですよ!」

 

・・・地球生まれなんだ。

烏間さんがいうには、月を壊したこの怪物は来年の三月、地球も破壊する。このことを知っているのは各国首脳だけ…。

 

「そして、我々は世界がパニックになる前に秘密裏にこいつを殺す努力をしている。つまり、暗殺だ」

 

そういって烏間さんはナイフを怪物に振りかざした。それを怪物はあっさりとかわし、素早く動き回りながら烏間さんの眉毛の手入れをしている。・・・なんで?

 

「満月を三日月に変えるほどのパワーを持つ超生物だ。最高速度はマッハ20!本気でにげれば我々は破滅の時まで手も足もでない」

「ま、それでは面白くないのでね。私から提案したのです。殺されるのはゴメンですが、椚ヶ丘中学校3年E組の担任ならやってもいいと」

 

・・・だからなんで?というか前の先生は?

 

「こいつの狙いはわからん。だがやむなく承諾した。君たち生徒に絶対に危害を加えない事が条件だ。理由は二つ。教師として毎日教室に来るなら監視ができるし、何よりも30人もの人間が至近距離からコイツを殺すチャンスを得る!」

 

魔女退治に加え、新たに怪物退治を請け負うのか・・・。ただ、クラスのみんなは少し納得のいってない様子だった。けどそれは、烏間さんの次の一言でかき消された。

 

「成功報酬は百億円!」

 

ひ、百億!?思わず私でも目の色を変えてしまうような話。

 

「当然の額だ。暗殺者の成功は冗談抜きで地球を救うことなのだから。幸いなことにこいつは君たちを舐め切ってる。その隙を君たちに突いてほしい。こいつにだけ効く弾とナイフを支給する。君たちの家族や友人には絶対に秘密だ。とにかく時間がない。地球が消えれば逃げる場所などどこにもない」

「そういうことです。さあ皆さん。残された一年を有意義に過ごしましょう!」

 

そんなことで私たちは暗殺者となり、さっきのように先生に向けて弾丸を放ったりしていた。・・・今日まで全くのダメージを与えられたことないけど。

 

「昼休みですね。先生ちょっと中国行って麻婆豆腐食べてきます」

 

そう言い残すと、先生は窓から飛び出して空のかなたへと行ってしまった。

 

「マッハ20だから…ええと…」

「四川省まで10分くらい」

「確かにあんなもんミサイルでも落とせんわな」

 

先生が去って行った後を見つめながら、磯貝君たちが改めて先生の脅威を語っていた。

 

けれど、あの先生はテストの採点も授業も全教科きっちりとわかりやすく授業できる。そのうえ個別授業も実施している。私も前より成績が上がったような気がする。それはみんなわかっているみたいで先生の事を褒めていた。

 

けれど・・・

 

「・・・ま、でもさ、所詮俺らE組だしな」

「頑張っても仕方ないけど」

 

その言葉と共にクラスのみんなは肩を落としながら、自分の席について項垂れた。

あの怪物は暗殺のターゲットなのになぜが普通に先生をしている。それは私たちも同じ。即席の殺し屋であるのを除けば普通の生徒。私を覗いてだけど…。けど、私たちE組は少しだけ普通とは違うところがある。

 

「・・・おい、渚。ちょっと来いよ。暗殺の計画進めようぜ」

 

私の隣の席である寺坂君が仲の良い吉田君と村松君を引き連れて渚君を呼び出した。そして引っ張り出すように四人は教室を出てどこかへと行ってしまった。わたしはそれを見届けながら、このE組に来たばかりの事を思い出していた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

「・・・あれ?」

「おい、何立ち止まってんだよ」

「何か・・・変な白いネコ通らなかった?」

「あんなもんどうだっていいだろ。ほら、さっさといくぞ」

「うん・・・」

~~~~~~~~~~~~~~~

 

椚ヶ丘中学校は名立たる進学校。公立の見滝原中学校よりレベルの高い学力が求められる。この学校の勉強についていけなかった者が落とされ隔離されるの場所がここ、3年E組。通称“エンドのE組”毎日山の上の隔離校舎まで通わされてあらゆる面で差別される。

そんな環境なら人間の暗い感情を好む魔女が出現するのもおかしくはなく、私は何度かこのE組に出撃して先輩たちを助けたことが何度かある。けれど、だからといってE組制度は私に無関係という訳ではなかった。見滝原の時より速い授業ペースと難易度に苦しみながらも私は食らいついた。魔法少女との両立は厳しいものだったけれど、それでもE組に入らない成績は保てていた。

 

けれど、2年生の二学期の期末試験の日の朝、運が悪いことに朝から魔女の気配を察知してしまった。流石にほっておく事が出来ずに出撃。手早く倒すつもりが手間取ってしまい、テストに間に合わず無断欠席扱いになってしまった。結果、私はE組行き。しょうがないとは思いつつも…悲しかった。

 

「巴の奴もE組だってよ」

「うわー、アドレス知らなくてよかった~」

「あの子も終わりだよね~」

「ってかさ、巴さん付き合い悪くなかった?」

「そうそう、買い物誘っても断ってばっかだし」

「転校生だからちょっと気を使ったのに、生意気なのよ」

「E組落ちだんなんていい気味だわ」

 

E組に落ちなかったクラスの子たちの勝手な言葉は私の心を蝕んだ。魔法少女との二足のわらじで頑張って来たことなんてこの学校では無意味なんだって思い知らされた。

3月になって集まった今のクラスはどんよりとしていて、やる気のないクラスだった。それとは対照的に3月に初めて会った担任、怪物の現担任より前の先生は明るくて優しくてとても素敵な先生だった。ほんの少しだけ前を向けそうなとき、クラスのみんなを魔女が襲った。

 

と、物思いにふけっていたらチャイムが鳴り、昼休みが終わっていた。いつのまにか寺坂君たちも帰ってきていて、私は慌てて五時間目の国語の授業の準備をした。

 

「お題に沿って短歌を作ってみましょう。ラスト七文字を「触手なりけり」で締めてください。書けた人は先生のところへ持ってきなさい。出来たものから今日は帰ってよし!」

 

少し風変わりな課題も少し慣れてきた。

 

「触手って季語?」

「さぁ・・・」

 

速水さんと岡島君はまだ少し戸惑っているっぽいけど…。でもなんで触手に拘るのかしら・・・。

 

「先生しつもーん」

「なんですか?茅野さん」

「今更だけどさぁ、先生の名前なんて言うの?他の先生と区別するとき不便だよ」

 

名前・・・か。そういえば魔女にも名前があるのかしら。気にもしたことなかったけど。

 

「名前・・・ですか。名乗るような名前はありませんねぇ。なんなら皆さんでつけてください。今は課題に集中ですよ」

 

茅野さんは「はーい」と返事をして課題に取り掛かった。さて、私もやらないと。どんな短歌にしようかしら・・・。

ガタッと音がした方が見ると渚君が席を立ち、短冊を持って先生の方へと歩んでいく。遠くなので見えにくいけど彼が何をしようとしていくかがわかった。

 

暗殺だわ!

 

彼の行動を見守っていた時、隣からかすかに音がした。横目で見てみると寺坂君が何かを隠し持っているように見えた。隣を気にしていると殺気を教室の前から感じた。視線を戻すと、渚君がナイフを振りかざしていた。

左手にもったナイフは真っすぐに先生の方へと力強く差し向けられた。が、渚君の左手は触手で受け止められてしまった。

 

「・・・言ったでしょう。もっと工夫を」

 

先生がアドバイスしてた時、渚君は隙を突いたように先生に抱き着いた。それと同時に寺坂君が隠していた何かを取り出し、スイッチを押した。・・・まさか!!

バァァン!と前で爆破し、BB弾が物凄い勢いで飛び散って行った。寺坂君が渚君に爆弾を持たせたんだわ。なんてひどいことをするの・・・。

 

「ッしゃあ!やったぜ!百億いただきィ!」

 

寺坂君達が興奮したかのように立ち上がって自爆現場の方に駆け出した。

 

「ざまぁ!まさかこいつも自爆テロは予想してなかっただろ!」

 

特に悪びれもせず計画を語る寺坂君に思わず、私は立ち上がりモノ申した。

 

「ちょっとあなた達!何したのか分かってるの!」

「そうだよ!巴さんの言うとおりだよ!渚に何もたせたのよ!」

 

茅野さんも同調して寺坂君に詰め寄った。

 

「あ?うるせーなオメーら。オモチャの手榴弾だよ。ただし火薬使って威力を上げてる。300発の対先生弾がすげぇ速さで飛び散るように」

「なっ・・・!」

「人間が死ぬ威力じゃねーよ。俺の百億で治療費ぐらい払ってやらぁ」

 

そんな事言ったって無事なわけがない。私は渚君の元へ駆けつけようとしたとき、何か様子がおかしいことに気が付いた。まず、遠目から見て、渚君に傷がひとつもついてなさそうな所、もう一つは寺坂君が何か膜みたいなものを持ち上げている所。そしてもうひとつ。天井からの気配。

 

「実は先生。月に一度ほど脱皮をします。脱いだ皮を爆弾に被せて威力を殺した。つまりは月一で使える奥の手です」

 

見上げると先生がそれこそタコのように天井に張り付いて私たちを見ていた。その先生の顔色は真っ黒に染まっていた、つまりはド怒りだ。

 

「寺坂、吉田、村松。首謀者は君らだな」

「えっ。いや、渚が勝手に」

 

寺坂君が言い訳がましい言葉が終わる前に先生はマッハで教室から飛び出し、すぐに戻ってきた。触手の腕には大量の表札が抱えられていた。当然「巴」と書かれた表札もある。その中から三つの表札、寺坂君たちの表札が彼らの目の前に置かれた。彼らはその異常事態に腰を抜かし、怯えていた。

 

「政府との契約ですから先生は決して君たちに危害は加えないが・・・次また、今の方法で暗殺に来たら君たち以外に何をするかわかりませんよ」

 

先生は他の表札をバラバラと落とし、鋭い歯が並んだ口を不気味に開け、笑った。

 

「家族や友人・・・いや、君たち以外を地球ごと消しますから」

 

五秒でみんな悟った。「地球の裏側でも逃げられない」と。どうしても逃げたければこの先生を殺すしかない・・・!攻撃はしてこないだけであって、この先生はどんな魔女よりも恐ろしい。下手したらあのワルプルギスの夜よりも・・・かもしれない。

 

「な、何なんだよテメェ・・・」

 

腰を抜かしながら寺坂君が涙を流しながら抗議した。

 

「迷惑なんだよぉ!いきなり来て地球爆破とか暗殺しろとか…迷惑な奴に迷惑な殺し方して何が悪いんだよ!!」

「迷惑?とんでもない。君たちのアイディア自体はすごくよかった」

 

先生は怒るどころか顔色を正解の明るい朱色に変え、褒めていた。

 

「特に渚君。君の肉迫までの自然な体運びは百点です。先生は見事に隙を突かれました」

 

触手で頭を撫でられる渚君は少しだけ嬉しそうな顔で先生を見つめていた。その直後、先生は不正解の暗い紫の顔色になって

 

「ただし!寺坂君たちは渚君を、渚君は自分を大切にしなかった。そんな生徒に暗殺をする資格はありません!」

 

そう叱られ、寺坂君たちは泣きながらそっぽを向いた。

 

「人に笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう。君たち全員それが出来る力を秘めた有能な暗殺者だ!ターゲットである先生からのアドバイスです」

 

私はその言葉にある人の面影を重ねた。

 

『よくわからないけど・・・、巴さんはみんなを助けてくれたんだよね?ならもっと胸を張ってもいいのよ?巴さんはすごい力を持ったヒーローなんだから』

 

雪村先生、一体どうしちゃったんだろう?急に私たちの前から姿を消しちゃって・・・。もしかして魔女の犠牲に・・・?

 

「さて問題です渚君。先生は殺される気などみじんもない。皆さんと3月までエンジョイして地球を爆破です。それが嫌なら君たちはどうしますか?」

 

先生の問いかけ。出された渚君は真っすぐに先生を見つめ

 

「その前に殺します」

 

しっかりと言い放った。渚君変わったなあ。前は沈んだ目をしていたのに。先生は嬉しそうに顔色を緑のしましま模様に変えた。

 

「なら今殺ってみなさい。殺せたものから今日は帰って良し!」

 

先生はそういうと椅子に座って表札の手入れを始めた。みんな仕方なく銃やナイフを手にするけど・・・とてもじゃないけど殺せそうな雰囲気ではない。

 

「殺せない・・・先生・・・あ、“殺せんせー”は?」

 

こっそりと先生改め“殺せんせー”と私たちの不思議な教室。暗殺教室。

・・・面白いわ。この1年の間に仕留めて見せるわ。よろしくね“殺せんせー”

 

 

 

その暗殺教室を木の上から観察する一つの影。白いネコのような姿のそれはただ、じっくりとその教室をみていた。

 

『ねぇキュゥべえ』

 

テレパシーで呼ぶ声がし、それにキュゥべえは応じた

 

『どうしたんだい、あ『この教室、他に魔法少女っているの?』

『ああ、いるさ。紹介しようか?』

『ううん、逆。私の事は黙っといて。でないと…アイツは殺せないから』

 




いきなりー!
おしえてくぬどん!

「やあ、みんな。僕くぬどんだよ」

くぬどんだー!

「きょうは椚ヶ丘のクラスについて話すよ」

「椚ヶ丘中学校では一二年時はクラスに差はない!AからDまでみんな平等!」

格差のない素敵な世界ー!

「けれど3年からは違う。優秀な生徒はA組に、落ちこぼれたクズはE組に編成されるんだ!ちなみにBCDに差はないよ!これは原作設定だから勘違いしないように!」

実力社会ー!

「ちなみにAからDの面汚し・・・つまりはE組が元いたクラスを紹介しようじゃないか」

八割捏造ー!


A組 磯貝 前原 三村 竹林 奥田 寺坂

B組 巴 菅谷 片岡 木村 原 矢田 

C組 杉野 中村 速水 不破 村松 吉田

D組 潮田 赤羽 岡島 神崎 倉橋 狭間 岡野 千葉


「一番E組行きになった生徒が多い担当教師は評価が下がるよ!」

引率者責任ー!

「さあ、みんなも自分の先生に恥をかかせないように頑張ろうじゃないか!」

E組にならないように頑張ろうー!わー!!!
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