次回からは不定期です
が、暗殺教室の一巻までにあたる話はすぐにでも投稿したい・・・
まだ原稿ではカルマがでてきてませんが・・・(泣)
「はぁ~今日は大変だったな。渚」
「うん・・・」
杉野と共に下校する僕は、今日あった自爆テロの事で励まされていた。
「にしてもあのタコ。表札奪っておいて返す時には物凄くペコペコしていたよな」
「うん・・・。窃盗で訴えないでくださいって言っていたよね」
「訴訟が怖いのなら奪うなっての。てか怪物をどうやって訴えんだよ…」
殺せたものから帰って良し!とは言われたものの、誰一人殺せずコレ帰れなくね?という空気が教室を満たしたとき先生が申し訳なさそうに僕ら一人一人に表札を手渡しで返していった。名指しで叱った寺坂君たちにも同じ態度で返していたけど、彼らはどういうリアクションしたらいいのかわからない、という感じがした。
「ま、こうなったのもあいつらが悪いんだよな。渚にひでぇことしやがって・・・」
「・・・あんまり強く言わなくていいよ。なんか中村さんに蹴られてたし」
「あいつらがやったことはともかく、なんで中村が蹴るんだ・・・?」
「それに・・・彼らも彼らで何かつらいことがあったと思うよ。・・・でないと」
「でないと・・・?」
次の言葉が出にくい。僕らの共通の、暗殺以外での誰にも言えない秘密。…でも杉野に秘密にしても仕方ないか。
「一緒に飛び降り自殺なんて・・・しないから」
「・・・まぁ・・・な」
杉野は気まずそうに視線を落とした。
三月のある日の放課後のこと
「もうダメだ・・・。死ぬしかない・・・」
誰かがそう言った。僕らは・・・少なくとも僕はその言葉に賛同した。進学校の勉強についていけなかった落ちこぼれが集められたクラス、通称“エンドのE組”となってしまった僕らは未来に期待が持てず、この世の全てに絶望していた。それは他のみんなも同じだった。
「・・・いこうか。俺たちの“本当の居場所”へ」
磯貝君は先導するかのようにフラフラと教室を出て行った。僕らはそうするのが当たり前かのようにゾロゾロとあとをついて行った。その中には寺坂君たちもいたし、杉野もいた。当然その集団のなかに僕もいた。クラスのほぼ全員が磯貝君の後を追って…
たどり着いたのは断崖絶壁の崖の上。僕らはただ、“本当の居場所”を求めて飛び降り・・・・・・・・
気が付くと崖の下で寝ていた。体は誰一人傷一つついておらず、何が起きたのか誰にもさっぱりわからなかった。ただ、死んでいない・・・そのことしか把握できなかった。呆然とする中、一人が大きな声で謝罪した。
「みんなすまなかった!!俺の勝手に付き合わせてしまって、こんな危険な目に・・・」
磯貝君がその場で土下座していた。
「お前のせいじゃねぇって!!俺らが勝手についていっただけだから。むしろ自分のことばかりでお前の辛さわかんなかったのが悪いんだからさ」
前原君のフォローにより、誰も磯貝君を責めるものはいなかった。誰もケガしていない、ということで大事にはせずに僕らだけの秘密にすることにした。このことは今まで誰にもバレていない。
けれど・・・
「なんであの時・・・俺ら飛び降り自殺しようだなんて思ったんだろうな」
杉野の疑問は僕にもわからない。ただ一つ言えるのは、あの時は死ぬことしか急に考えられなくなったこと。何者かに囁かれて、な気もするし、違う気もする。寺坂君たちも同じなのだろう。
『いい子ぶってんじゃねーよ。俺らはE組だぜ?落ちこぼれの俺らが百億円稼ぐチャンスなんてこの先一生回ってこねぇぞ』
『そんな事言ったって・・・』
『どうせ死んだようなもんだろうが。今更怖気づいてんじゃねーよ』
『それを言ったら寺坂君たちだって同じ・・・』
『いちいち口答えすんじゃねーよ!!!少なくとも俺はそんなつもりなかったんだよ!!なんか…ああなっちまっただけで!・・・とにかく!抜け出すんだよ。このクソみてぇな状況から。例え、どんな手を使ってもな』
あの話し方だと少なくとも寺坂君個人はあの時死ぬつもりはなかった、ということらしい。けど、あの飛び降りの集団の中に寺坂君はいた。本人にもわからない心境の変化でもあったのか
けど、去り際に吉田君と村松君が
『渚の奴・・・あのことを引き合いに出しやがって・・・』
『俺だって死ぬつもりなかったんだよ。なんかあの時、急に死にたくなって・・・』
『あんときの俺ら、どうかしてたっていうか・・・なんか操られていたみてーな・・・』
“操られていた”なんとなくだけど、その言葉がしっくりくるような気がした。でも誰が?あの場にはクラスの人しかいなかった。そんなことできる人がクラスにいるのか?それとも外部の人間?まさかお化けとか?
「・・・こんなこと、えっと“殺せんせー”だっけ・・・?には言えねーよな。当然烏間さんにも」
「余計な心配かけたくないしね。茅野にも・・・言えないか。刺激が強すぎるし、当事者だけでいいよ。こんなこと知ってるの」
「そうだなって・・・噂をすれば」
話に出ていた茅野が不破さんと一緒に何かを探しているのか辺りをキョロキョロと見まわしていた。
「茅野ー。不破ー。何か探してんのかー?」
「あ、渚。杉野」
「ちょうどいいところに来たわ。二人とも巴さん見なかった?」
「巴さん?いや、別に?」
不破さんはキッとと顔を凛々しくしたと思うと衝撃的なことを言った。
「巴さんが消えたの!」
「はぁ!?巴が!??何があったんだよ」
「うん・・・巴さんの後ろ姿発見して一緒に帰ろーって声かけようとしたら曲がり角で急に姿が見えなくなったの」
茅野はそう語り、また辺りを見回している。
今さっき話していた急な自殺衝動。もし巴さんが急に自殺したくなってこの二人の前から消えたのだとしたら。もしくは吉田君が言っていたように何者かに操られていたとしたら。
「僕らも探そうよ。杉野」
「おう!」
巴さんの身に何かあっては大変だと思い、少し薄暗い道に足を踏み入れた瞬間だった。突如辺りの景色は一変した。
住宅街だった場所は海の中のようになり、頭上には魚ともいいがたい奇妙な何かが泳いでいる。まるで水面の世界にはいってしまったように道の裏側に覆いの割れた街灯が立ち並んでいた。眩暈がするような奇妙奇天烈な世界。
ただ、ここがヤバいところである、ということだけは一瞬で理解した。
「な、なんなんだよここ・・・」
「こんなの・・・異世界転生の漫画であったような・・・ああ!このシリーズの執筆者の漫画知識がないのが憎い!ジャンプにも似たような光景あったはずよ!」
「言ってる場合か!!!」
杉野と不破さんは目の前の光景に慌てふためくしかなく、ただオロオロしていた。僕は二人が言い合っているのをBGMにただ、呆然と立ち尽くしているだけだった。・・・あれ?そういえば茅野は・・・?
「二人とも・・・茅野は?」
「え・・・茅野はそこに・・・いねぇ!?」
「え、嘘・・・茅野さんは・・・?」
茅野を探そうとしたとき、足に何かが巻き付いてきた。
「・・・え?」
何が起きたのか理解する間もなく、僕の体は頭上へ引っ張られていった。上へと引っ張られているはずなのにまるで海の底へと引きずられる。そんな感覚に陥った。
「渚!!!」
杉野の叫び声が僕に届いた時、その引っ張ている主の正体を、絶望をみてしまった。
大きな口に鋭い歯がところ狭しと並べらてたアンコウのような何かが体から延びる触手を引っ張りながらその大きな口をあんぐりと開けた。ギョロリとした不気味な一つ目。お昼の先生の温かみのある触手とは違う、冷たくぬめりのある触手。そんな化け物が僕を今にも食べようとしている。
あ、終わるんだ。僕の人生。まだ何も出来ていないのに、この変な空間で変な怪物に食べられて終わるんだ・・・。散々な人生だったけど、こんな人生終わってもいいか・・・
パァン!
その時、どこからか、なんとなく聞きなじみ始めた甲高い音が響き、僕は足を引っ張る触手から解放された。解放されたということは僕の体は頭上から下へ落下するということで・・・。
「うわあああああああ!!!!!」
「渚ぁ!!今受け止めるからあ!!」
杉野が落ちていく僕を助けようと駆け出す。落ちていく体を受け止めようと杉野が腕を伸ばした時、僕の体を包み込むように黄色いリボンが僕の体を受け止めた。そのリボンはゆっくりと僕を地面に降ろし、僕は落下でけがすることなく杉野の元へ帰ることができた。
「大丈夫か渚」
「にしても今のは・・・」
不破さんが疑問を口にしたとき
「今日は大変な目に合うわね渚くん」
聞いたことのある声がした。
「でも、もう大丈夫」
その声の主はゆっくりと僕らの元へ歩き微笑んだ。彼女は見たことないキャラのコスプレ?のような服に身を包み、ライフルのような銃を肩に掲げていた。彼女の正体は僕らはよく知っている。だって彼女は僕らがさっきまで探していた・・・
「巴!?なんなんだよその
杉野の目ん玉ひん剥くようなツッコミに巴さんは困ったように笑っていた。
「巴さん・・・そのカッコ・・・ダメだわ!!これはどっちか言うと竹林君の管轄よ!!」
「不破さん?」
不破さんの言っていることを無視して巴さんは僕の無事を確認した。
「よかった。ケガはないみたいね」
「巴さん・・・いったいこれは・・・」
僕が聞こうとしたら巴さんは目を鋭くし、あのアンコウもどきの怪物を睨みつけた。
「あれが親玉ね。私のクラスメイトを襲おうとしたこと、後悔しなさい!」
巴さんは胸元に結わえてある黄色いリボンをほどくと僕らの方へ投げた。そのリボンはまるで意思があるかのように縦横無尽に広がりドーム状になって僕らを守るように形成された。
「あ!そうだ巴!茅野がさっきから見当たらないんだ。あの怪物に襲われる前にみつけねぇと」
「なんですって!?」
杉野の頼みに巴さんは少し動揺したような顔をしたけど、すぐに冷静さを取り戻して怪物に向き合った。
「なら、さっさとアイツを倒さないとね!」
巴さんはライフルのような銃を変化させ、大きな大砲にした。怪物に照準を合わせ、狙いを定めている。怪物は巴さんの殺気に気が付いたのか、奇声をあげながら彼女のほうへ一直線に泳ぎだした
「一気に決めるわ・・・!ティロ・フィナーレ!!!」
その必殺技?を叫んだと同時に大砲から眩い閃光が発射され怪物に直撃した。
ギャァァァァァァ!!!!!!
怪物は甲高い悲鳴をあげて消滅した。主がいなくなったからなのか周りの風景は見慣れた住宅街になり、元の世界に戻ったと安堵した。
「さて、茅野さんは・・・」
「呼んだ?」
いつの間にか茅野が巴さんの後ろに立ち、何ともなさそうな顔で笑っていた。
「茅野さん!大丈夫だった?はぐれたって聞いたから・・・」
「あー・・・。ちょっと怖くなって一人で逃げちゃったんだよね・・・。ゴメンね渚。見捨てる形になっちゃって。無事でよかったよ」
「ううん。茅野が無事でよかったよ。気にしなくていいから」
茅野は申し訳なさそうに笑い、僕もそれに安心する。
「にしても何なんだよ巴!説明してくれや!!」
「そうよ!この世界一応魔法もバグもない世界なんだから!世界観合わせてくれないと困るのよ!」
「不破さん?」
不破さんの迷い事はさておき、巴さんはどう説明すべきか悩んでいるように見えた。すると・・・
「彼女は魔法少女。魔女を狩る者さ」
そういって現れたのは白い耳から変な毛?が垂れた奇妙なネコだった。あれ?このネコ見たことあるような・・・
「猫が喋ったぁ!!?」
「喋る動物・・・。大方ヒトヒトの実の能力かそういう“個性”を持っている、といったところかしら?あるいは・・・」
「そんな設定はないよ。不破優月」
「名乗ってないのになんで私の名前を!?まさしくプロローグに相応しい始まり方ね。でも私、キャラ的にここにいてよかったのかな・・・」
「不破さん。プロローグって何?てかなんで変なところで自身喪失してるの?」
「私は3巻あたりで個性開花していくポジションなのよ」
「3巻って何言ってるの?」
「話をしてもいいかな?」
「・・・どうぞ」
その白いネコは不破さんの勢いに圧倒されそうになりつつも何を考えているかわからないすました顔をしていた。一方で巴さんは少し意外そうな顔でネコと僕らを見ていた。
「初めまして。僕の名前はキュゥべえ。君たちのクラスメイトである巴マミを魔法少女にしたものさ」
マホウショウジョ・・・魔法少女?アニメでしか聞いたことのない単語に頭の理解が追っつかない。いや、僕らの現担任もその類だけれども・・・
「マホウショウジョ・・・そんなのがいるのかよ・・・」
「本格的に竹林君の管轄ね」
「不破さんは少し黙ろうか」
巴さんはなにやらひそひそとその白いネコ、キュゥべえに話していた。
「ねぇ。貴方の姿が見えているってことは・・・」
「ああ、マミ。君が思っている通りだ」
さてと、とキュゥべえは僕らに向き合うと
「本題に移ろうか。僕は君たちにお願いがあるんだ」
「お願い・・・?」
「僕と契約して魔法少女になってよ!」
あまりに唐突で現実味のないお願い。いくら月を破壊した触手まみれの怪物の暗殺依頼されているからって・・・。そんな魔法少女になれだなんて・・・それに
「あのー・・・それって俺らにも言ってる?」
そもそも僕も杉野も男だ。魔法少女になれるはずがない。
「もちろん。杉野友人。潮田渚」
「マジでいってんのか・・・」
巴さんはというと少し困った顔をしていた。
「私、男の子の魔法少女なんて初めてなの。だから驚くのも無理はないわ、杉野君」
「なんで僕をナチュラルに外したの?」
巴さんはあら、ゴメンなさいと少しいたずら気味に笑った。
「そもそも“魔法少女”という名称自体、少女の割合が高いからそう呼んでいるだけであって少年だって対象になりうるさ。前例もあるしね」
「・・・そういうものなのか?」
「そういうものさ。別に“魔法少年”と呼んだって差支えない」
杉野と顔を見あって汗を流した。こんなこと受け入れてもいいのか?
「まあこのシリーズ。没シリーズから流用してるからねー。魔法少年も執筆者の趣味みたいなものだし」
「不破さん?」
・・・ともかく、暗殺に続いて魔法少女。僕らE組を取り巻く環境はますます異常になっていくのを感じていくのであった・・
魔女図鑑
Drizella
深海の魔女 性質は阻害
逆さの海の結界に身を潜めるせこい魔女。迷い込んだ人間の足に触手を絡ませ海の奥深くに引きずり込んでしまう。
本人は海の底を頂点の素晴らしいところと信じ込んでいるが、引きずるのは善意とかでは全くなく、むしろ嫉妬や憎しみといった醜い感情からである
この魔女から逃げ出したくば、その魔女を褒めたたえれば、魔女は歓喜となり足を引っ張ることはやめる・・・はず