巴マミは暗殺者   作:百乃綾香

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ミラーズの使い魔の設定大好きなんです

殺せんせーがこないからといって必ずしもこうなるとは限りません。
限りませんから(保険をかけるチキン)
あと、作中での理事長の対応が効果を持つのかわかりません。書いてる人は頭が足りないのでもっと別の対応するかもしれません。・・・そもそも原作の方向に行くのがおかしいと言われたらそうだけど。


三日月が生まれなかったとある時間軸の話【グロ・胸糞注意】

満月が輝く春の夜空

その下で椚ヶ丘の野球部員が鍛錬を終えて帰路に立っていた。鍛錬終わりの部員の表情は晴れやかなものではなかった。

 

3月のある日、椚ヶ丘中学3年E組が集団自殺事件を起こした。

3年E組は校内における被差別クラスだ。

椚ヶ丘の学力についていけなかった者が落ちる落ちこぼれの掃きだめ。本校舎生徒に悪影響を及ば差ぬよう山の上にある旧校舎に隔離される。そこに落ちればクズ扱いも当然。

そんなE組が集団自殺事件を起こした。

最初は謎の集団失踪事件と春休みが始まったばかりの生徒内で少しだけ話題になっていた。グループラインや友達の集まりで好き勝手話していた人もいたとか。急展開したのは数日後だった。

 

校内の裏山でE組生徒が死体となって発見された。

 

見つけた人が警察に通報してそこからマスコミだのなんだのが大騒ぎ。連日学校に取材陣が押しかけ、どの部活も活動がままらなかった。当然、野球部の試合にも影響され、高校の野球部は春の選抜試合への棄権を勧告されたとかどうとか。

今、マスコミがいないのは合同葬儀の場でE組遺族に対して浅野理事長が長い事土下座姿を見せたからバッシングも収まったからだ。ついでに死亡後にある費用諸々を学校が負担したことで逆に椚ヶ丘学園を擁護する声が増えだした。

主にだが、理事長の対応力のおかげで今こうして進藤たち本校舎生徒が平穏に暮らせている。理事長には感謝しなければ。

 

自殺した生徒の中に元野球部員もいた。彼はピッチャーポジションであったが鈍速の球であったため戦力外通告をされ、成績も落ちてE組へいってしまった。

E組には部活をする権利もない。肩を落として荷物を引き取る杉野。へらへらと嘲笑い笑いながら杉野に形だけの励ましの言葉を投げかけたような気がする。いや、野球の才能のない無能が去るんだと誰もが思って大した言葉もかけなかった気がする。覚えているのは暗い顔で笑う杉野の姿。

進藤たち野球部が最後に見たのがそれだった。

 

春休みの練習中に杉野たちの失踪を半笑いで噂しているときだった。顧問の寺井が電話を取って慌ただしくグラウンドを去って行くのを見て、何か異変を感じた。

緊急の集会で語られたE組の自殺。それを聞いた進藤の心中は「俺のせいじゃない」と唱え続けていた。そもそも杉野と会ったのは野球部に去った時が最後だ。そのあと杉野たちには話しかけるどころか姿も見てない。自分は関係ない、自分たちが原因じゃない。

 

「落ち着きましょう。今回の件はE組(かれら)を監督しきれなかった私の責任だ。君たちが責任を感じる必要はない。

それに君たちは選ばれた人間だ。かつての旧友の死でさえも糧に出来る。いい勉強と思いなさい。人間いつ死ぬかは分からない。この出来事を踏まえて君たちも明日死ぬつもりで生き続けなさい」

 

理事長の言葉の通りだと、進藤たちは思った。それに詳しい話は聞いてないが、E組の自殺理由は実のところはっきりとしていない。24人誰も遺書の一つ残していなかった。なら・・・自分たちが責められるいわれもないと納得することができた。

とはいえ元とはいえ身内の死はあまりいいものではなく、晴れやかな心持ではなかった。

合同葬儀に出席した者も少なく、目を反らしたい出来事には変わりない。

野球部では杉野の話はなんとなく禁句になっていた。・・・別に祟られる心配はしていない。

というかE組の奴らは理事長に感謝すべきだ。あんな豪華な合同葬儀をしてくれ、頭まで下げられたのだ。これで祟りまで起こすのならどうかしてる。と進藤たち本校舎生徒の大半はそう思い込んでいた。

 

そんな心持で野球部の練習も終わって通学路をたわいもない話を歩いていると、前の方を歩く部員が急に立ち止まった。

急に立ち止まったので進藤はそのぶつかった部員に当たってしまい、怒りを露わにした。

 

「おい、なんだ急に・・・!」

 

前の部員は信じられないものを見たように震えながら目の前を指さした。進藤は何があったんだと、部員の視線の先を見て固まった。

ウソだ、ありえない。目を疑ってしまう。

その人物はニコッと笑いながら進藤たちに話しかけた。

 

「よっ、ひさしぶり」

「すぎ・・・の?」

 

目の前に杉野が立っていた。肩にバットを肩に担ぎ、明るく笑っていた。最後に見た、あの日のままの姿で。

なぜ、杉野が自分たちの前に?

あの葬儀には杉野の遺影もあったはずだ。参加した奴がそういってた・・・はずだ。

何が何だかわからず固まる進藤たちを見て杉野は首を傾げた。

 

「なんだよ、久々の再会に言葉もでねぇってやつ?」

 

アハハと明るく笑う杉野に進藤たちは困惑しつつも、進藤達は安堵した。いらぬ罪悪感を抱いていたと、本当に責任を感じる必要などなかったと。

・・・だとしたらあの葬儀は?杉野の遺影もあったのは気のせい?

 

「い、生きてたのか、杉野」

「ああ、死んだって聞いて驚いたぞ~」

 

目の前の出来事に困惑しつつも進藤たちはその場を取り繕うように杉野に笑いかけた。杉野もそれに笑顔で返事をした。

 

「ああ、そうなんだよね。俺、死んでるんだよ

 

そう言って杉野は手に持ってたバットで前方にいた部員の頭を吹っ飛ばしてしまった。

頭上彼方に飛んでいく頭、千切れた首から吹き出る血潮。ふらりと後ろに倒れた部員だったものを見て進藤たちは今、目の前で起きていることが理解できずに固まっていた。

かつての仲間の頭を吹っ飛ばしてこちらに視線を向ける杉野。その視線が合った時、今の状況を少し理解して悲鳴を上げた。

 

「「「うわああああああああああ!!!!!!!」」」

 

逃げ出そうと後ろを振り返るとそこは見慣れた通学路ではなく森の中になっていた。ただの森じゃない、空が茶色くあたりの木は腐ったような色合いで葉は紫。足元は土砂降り後のグラウンド以上に足場が悪く、寧ろ沼地に立っているような気がした。

 

ひでぇな、また会えたってんのに逃げようだなんて

 

そう言う杉野の姿をみて進藤は悲鳴を小さく上げた。

頭は大きくへこみ、それを埋めるかのように不気味な色の苔が張り付いている。片目はつぶれ、変色した瞼から覗く目がギラギラと光が放っている。腕や脚はへし折れて関節が複数になってる。ところどころ体から骨が突き出て、頭から、体から四肢から血が溢れ出ている。足りないところを埋めるように苔が体中に点在し、そこから靄が溢れている。

こいつ・・・本当に杉野か?

 

「に、逃げろ!!」

 

部員の一人がおぼつかない足取りで走り出した。それに続くように進藤たちもその場から逃げ出す。沼地に足を取られながら遠くなる部員に杉野は苔で出来たボールを部員に向かって投げた。

そのボールはひとりの部員の背中にあたり、一気に顔色が変色し文字通り崩れて落ちてしまった。

 

遅いっていってたよなぁ、俺の球。なのに避けれないなんて・・・お前ら遅いんじゃないのか?

ひやぁぁ

 

情けない声を上げて部員たちはへたり込み、自分たちに近づいてくる杉野を見つめていた。

杉野はニコニコとしているが、変容した容姿に部員たちはただ恐怖するしかない。何人かは泡を吹いて気絶してしまっている。

まだ、意識を保っている内の一人が杉野に向かって震える声で杉野を非難した。

 

「おい、ふざけるなよ杉野!こ、こんなことして、許されるとでも思ってるのか!レギュラークビになったのもE組に落ちたのもお前の責任だろうが!俺ら関係ないだろ!逆恨みもいいところだよ!

い、いい加減成仏しろよ!だからお前はダメなんだ!だから選ばれないクズなんだよ!」

成仏?

 

それを聞いた杉野は発言した部員の首を握り締め、軽々と持ち上げた。杉野も鍛えてたとはいえ、持ち上げられている部員よりは体重はない。異常だ、なにもかも。

 

もう俺ら成仏とかないんだよね。わかるだろ?俺らはもう死んでるんだ。人間じゃねぇんだ。身も心も

お前らに野球を奪われて、平穏を奪われて、クズ扱いされ、その上命もないんだ。俺らには何もない。だから何をしたっていい。そんな俺らに説教とはいい度胸だな

 

握りしめられた首に杉野の手から不気味な靄が注がれていき、部員はまるで樹木が腐るかのように指先から茶色くなっていき水気がなくなるように枯れていく。

完全にバケモノとなった杉野に腰が抜けた進藤は震えてなにもできなかった。

振るえる声で進藤は杉野に向かって叫んだ。

 

「す、すまなかった杉野!あ、謝るから許してくれ!だから、だから、命だけは・・・」

 

杉野は進藤に顔を向け、部員だったものを投げ捨て、進藤に歩み寄った。

向ける笑顔はかつて、まだ野球部で奮闘していた頃の笑顔とかわりないのに、

なのにその笑顔に生気も人間性も感じない。

こいつは本当に杉野なのか、

怨念に、バケモノになってしまったのか、

せめて偽物であってくれ、

そう願ったところで己の無事が約束されるわけではないが、進藤はそう思うことでしか己を保てなかった。

 

じゃあさ進藤

 

杉野は張り付いた笑顔のまま進藤の肩をつかんだ。

進藤はその手を振り払おうとしたがびくとも動かない。ガタガタと歯を震わせることしかできず、ただ杉野の顔を見つめるしかできない。

 

SHINDEKUREYOしんでくれよ

 

進藤の網膜に映ったのは人とは思えない虚無の顔でバットを掲げる杉野の姿だった。進藤は己の頭に強い衝撃を感じて意識を失った。

 

 

 

 

 

 

「ねえ、聞いた椚ヶ丘のこと」

「聞いた聞いた、野球部の人が惨殺死体で発見されたって」

「え?野球部だっけ?女の子が水死体になったとか聞いたけど?」

「違う違う、性別がわからないくらいの焼死体だよ」

「轢死体じゃなかったけ?」

「私が聞いたのは首を掻き切られた男子二人組って」

「なんかアート作品みたいになった女性の死体があるって聞いたけど」

「怖っ」

「なんにせよさ、椚ヶ丘の生徒や教師が沢山不審死してるんだってさ」

「E組いじめてたってあったしさ、やっぱり・・・アレじゃない?呪いってやつ?」

「うん、一クラス集団自殺とかどう考えても異常だよ異常」

「自殺とかいってるけど本当はいじめ殺したのを隠蔽とか?」

「うわっ、ありえそー!」

「いやいや、30人皆殺しってヤバくない??」

「OBの暴露話聞く限りなくはなさそうだけどね」

「なんの関係もないとかなさそうだしね。自業自得じゃない?」

 

数々起こる椚ヶ丘関係者の不審死。噂が噂を呼び、椚ヶ丘へ向けられる疑惑の眼差しは浅野理事長の制御できる範囲を超え、マスコミは例の件ほどではないが数名ウロチョロし、野次馬感覚動画投稿者や正義感に酔った自称ジャーナリストから生徒たちを守るため、現在休校状態が続いている。

職員室ではひっきりなしに電話が鳴り続き、職員たちは辟易していた。

E組生徒が勝手に自殺しないよう、監視システムや強い規制を設けようと整備していたところに届いた本校生徒の惨殺死体のニュース。それが一件や二件ではなく何件も届き、流石に保護者も黙っていなかった。おまけにヒマな無関係な人からも例の件の数倍も批難の電話を入れてくる。E組の件をこじつけるのも少なくない。

そんな人らに警察や弁護士などで対応したがあまりに数が多すぎて何の対策にもならなかった。

 

「理事長、もう無理です!我々の手ではどうしようもありません!」

 

校長が更に減った髪を晒して浅野理事長に泣きついた。校長は正直白旗を上げたかった。今すぐにでも退職届を出し、どこかの学校に逃げたかった。曰く付きの学校出身の教員などだれが採るのかという疑問は校長の剝げた頭にはなかったが。

校長の嘆きを無視するかのように浅野理事長はタブレットで何かの資料を読み込んでいた。画面に映っているのは今代のE組ではなく、2年前E組だった女生徒の資料。彼女はE組から本校舎へと返り咲いたが高校から学力が追いつかず不登校になり、中退。そもそも返り咲いた理由もギリギリ50位になったからでしかない。彼女が付いていけなくなるのも納得だ。しかし、つい最近知ったことだが、3月に彼女が行方不明になっていることがわかった。

 

行方不明になった元E組の女生徒、同時期のE組集団自殺。頻発する学校関係者の不審死。

無関係とは言い難い。

 

もしや

 

「・・・この騒動は彼女が起こしたことか?」

 

浅野理事長が何かに気がついたその時、何かに持ち上げられるような感覚に陥った。

それはまるで、天国へと、昇っ、て、行くよ、うな、か、ん、か、く、D E______

 

 

 

 

 

 

同時刻、見滝原

 

人が住んでたとは思えないくらいに崩壊し、人の気配を感じられない一帯に一匹の小動物、キュゥべえと黒髪の少女、ほむらがいた。

乾いた風が吹き荒れ、ほむらの髪はかき乱されるように巻き上げられていた。

 

「本当にものすごかったねぇ、変身したまどかは」

 

突き出た瓦礫に座り、キュゥべえはそう語った。

まどか、なぜか(・・・)途方もない因果を併せ持つ少女。彼女はワルプルギスの夜に相対し、一方的にやられるほむらの姿を見て契約をした。

まどかの希望の、契約のひかりはほむらにとって絶望そのものだった。

 

「彼女なら最強の魔法少女になるだろうとと予測していたけれど、まさかあのワルプルギスの夜を一撃で倒すとはね」

「その結果どうなるかも見越した上だったの?」

 

キュゥべえが見上げる先には黒く大きくそびえ立つ山のような何かがいた。そのてっぺんは雲を突き抜け、どこまでも大きかった。

キュゥべえには感じ取れる、彼女(・・)によって数多の生命が吸い上げられていくのを。

彼女、まどかのソウルジェムから生まれた魔女はワルプルギスの夜をはるかに超えた巨体になった。これに敵うものなどいるのだろうか。

 

「彼女は最強の魔法少女として最大の敵を倒してしまったんだ。当然最悪の魔女になるしかない。遅かれ早かれ結果は同じだよ。今のまどかなら10日かそこいらでこの星を壊滅させてしまうんじゃないかな?」

 

まるで他人事のように、実際よその宇宙からきたキュゥべえ、もといインキュベーターにとっては、魔女となったまどかがどれだけの人間を殺そうが関係などなかった。彼らにとって人類は家畜にすぎないのだから。

役割を果たしてくれてむしろ感謝もしていた。言葉に出すつもりもないが。

 

「まあ、僕らのエネルギーノルマは概ね達成できた。あとは君たち人類の問題だ。戦わないのかい?」

 

ほむらは立ち上がり、魔女となったまどかに背を向けた。その瞳に冷たくも熱いものを宿して。その正体を誰もほむらも知らずに。

 

「いいえ、私の戦場は・・・ここじゃない」

 

ほむらは腕に付いた円盤に手を掛けグルリと回転させた。

 

 

 

 

魔女図鑑

 

Exileder

 

糸状の魔女の使い魔 役割は噴霧器

 

魔女に魅入られた人間の姿を模られた使い魔

椚ヶ丘の人間を優先的に残虐に殺し、怨念をまき散らす。

主である魔女は椚ヶ丘の滅亡を望んでいるが彼らは知り合いでもない魔女の野望にはさほど興味はない。

彼らはただ、意思もなく犠牲者を出し続ける。使い魔に残るのは元になった人間の未練のみ。

椚ヶ丘ではない者であれば刺激しないかぎりは穏便に返してくれる。




魔女図鑑


Kriemhild_Gretchen

救済の魔女 性質は慈悲



出典 魔法少女まどか☆マギカ 10話他


生態的な説明は本家を(ry
本編では故人なのでまともな出番がないまどかさん(まどか先輩は別個体だし)
だから出したってわけではないのですが・・・こんなに展開がひどくなるとは・・・あれぇ?
まどかさんは慈悲深いのでみんな平等に天国(仮)につれてってくれるよ!だれも損することないね!やったね!
ちなみにこの魔女は他の魔女や使い魔ははどうするんでしょうか・・・?
昔の二次創作みたいに魔女同士でキャキャしてたりするのかな?ないかな。



糸状の魔女の話が出来るまで連載頑張りたいです。
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