巴マミは暗殺者   作:百乃綾香

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鷹岡回です
まどドラもうすぐ配信ですね!私のスマホは中古のオンボロスマホなのでプレイできません(;ω;)
パソコン版待ちます・・・


39時間目 評価の時間

6時間目の体育の時間

本日の体育の課題はナイフ術の基礎、烏間先生にいかにゴムナイフを魔法なしで当てられるか、といったものだ。一人でもいいし、組んで向かっても良し。烏間先生に向かわない間は2人一組でナイフを当てながら訓練することになっている。

 

「どーよ巴ちゃん、巴ちゃんから見たうち等の実力?」

 

一緒にナイフの当てあいをしている莉桜さんにそう聞かれ、私は当てあいを一旦やめた。

 

「どーよってどういうこと?」

「この暗殺教室が始まって四か月になろうとしてるじゃん。魔法少女の事が判明してからそれなりに立ってるし、ここらでベテランの巴ちゃんにうち等の事評価してもらおうかなって」

「べつにいいけど、今じゃなくてもいいんじゃないの?」

「この間に聞いておきたいなってね」

「今原作通りなら烏間先生がモノローグで私たち評価中だしね」

「不破さん?」

 

不破さんのよくわからない発言に呆れつつも、私は辺りを見回してみんなの様子をみた。

 

「例えば今、烏間先生相手している磯貝君と前原君。2人とも元々運動神経よくて反射神経がいいから魔女の動きに対応が早くなっているわね。2人で組めば烏間先生にナイフが当てれるようになってきたし、2人だけで魔女退治まかせてもいいかもって思うわ。

 

カルマ君は効率がいいというか・・・いかに少ない手で自分が優位なまま戦えるかを判断する速度が速いわ。多分、カルマ君の保有魔力割と少ないわよ」

「ええ!?普段鼻歌交じりに魔女退治してるのに!?」

「なんとなくだけどね。私は高火力と手数でねじ伏せる方法取っているけど、カルマ君は急所を的確に狙って倒してるわ。多分本人の天性の勘で」

「喧嘩しまくってるだけはあるね。で、他は?」

 

「岡野さんは元体操部なだけはあって柔軟な動きを用いた攻撃が得意でしょ。

片岡さんは男子並みに背が高くてリーチが高いから水場がない結界であっても十分に戦えてると思う。この2人も任せられるわね」

 

「磯貝に前原、ひなたにメグね・・・この組み合わせは面白いんじゃない?」

 

「タブルデートとか言わないの。それと莉桜さん」

「お、私?」

「固有魔法で使い魔も用いた攻撃がだいぶ安定してきたけど、前も言ったけどレベルアップとかできないかしら?魔女操ったりとか使い魔倒さずに操るとか」

「あー・・・そうね。他に任せられるのいるの?」

 

「杉野君は戦闘力は申し分ないんだけど、本人のやりたいことと固有魔法が思ったよりあってなくて苦労してる気がするわ。ガンガン前に進みたいけど杉野君の魔法は受け身で本領発揮するからね。

 

木村君はスピードは問題ないけど戦闘のセンスが少し不安ね。ヒット&アウェイ戦法やってるうちは問題ないだろうけど。

 

矢田さんは元テニス部だからか意外と腕力があるけど戦闘センスは並みね。固有魔法のおかげで反撃されなくなるのはかなり強いしもっと生かせたらいいわね。

 

三村君は戦闘ができないわけじゃないけどまだ魔法だよりって感じ。スニーキングの技術あげれば割と化けれそうだけど。

 

奥田さんは独自の戦法を生み出したのはいいけどまだまだ危なかっしいわね。だれかが一緒じゃないとかなり危険だわ」

 

私の一人一人の評価に莉桜さんは興味ぶかそうに、うんうんと相槌をうちながら聞いていた。

 

「それと、見学組は魔法を付与したモデルガンやゴムナイフがあれば、使い魔の一匹や二匹ぐらいは処理できるようになったわね。烏間先生は最初は見学にいい顔しなかったけど、ナイフや銃の成績が上がっていくから黙認はしてくれたわ。たまに殺せんせーがマッハで侵入してのぞき見してるしね・・・。

 

あ、見学で気になることがあったんだけど」

「何かあったの?」

「昨日ね、駅前の広場で集合してたら吉田君と村松君がやってきたの。冷やかしなら帰ってって言ったらちょっと気まずそうに帰って行ったんだけど・・・何かあったのかしら」

「さぁ、仲間割れしたんじゃない?最近寺坂が1人でいるとこよく見るし」

「それはそれで心配だけど・・・そろそろ私たちもいかない?烏間先生のところ」

「そうね、いきますか」

 

莉桜さんに声をかけて移動しようとしたときだった。ザっと何かが私たちの横を跳ねていき、その跳ねたものの様子を見ると、それはいたたと言いながら体を起こした。

 

「すまん渚君。ちょっと強く防ぎすぎた。立てるか?」

「へ、へーきです」

「バッカでー。ちゃんと見てないからだ」

 

跳ねていったのは渚君だった。特に大丈夫そうだったので安心しつつ、杉野君にそうからかわれしょぼくれて離れる渚君を見送って順番を待つことにした。

 

「渚ってば烏間先生に派手に弾かれてたね。大丈夫かな?」

「力加減がしっかりしてる烏間先生にしては珍しいわね。何があったのかしら?」

 

チャイムが鳴り、体育の授業もとい訓練も終わって私たちは挨拶をした。

 

「今日の体育は終了!」

「「「ありがとうございましたー!」」」

「いやー、しかし当たらん!」

「スキなさすぎだぜ烏間先生!」

「んしても魔法少女や魔法少年の攻撃捌ききれるのマジで意味わからん・・・」

「あの人本当に普通の人間だよね?」

 

烏間先生の超人っぷりに引きつつ話していると倉橋さんがにこやかに烏間先生に声をかけた。

 

「せんせー!放課後街で皆でお茶してこーよ!」

 

だけれども誘われた烏間先生は

 

「・・・ああ、誘いは嬉しいが、この後は防衛省からの連絡待ちでな」

 

と言って断ってしまった。そしてこちらを振り返ることもなく校舎へど戻って行った。

 

「・・・私生活もスキがねーな」

「・・・っていうより・・・私たちとの間に壁っていうか、一定の距離保ってるような」

「厳しいけど優しくて、私たちのこと大切にしてくれてるけど、でもそれってやっぱり・・・ただに任務だからに過ぎないのかな」

 

烏間先生が冷たい人ではない。そんなことはわかっているけど素っ気無い態度を取られ続けられると不安になってしまう。私が言えた話ではないけれど、そんな話になって私たちの間に暗雲が広がっていった。すると、殺せんせーがいつのまにか私たちの傍らにあらわれた。

 

「そんな事ありません。確かにあの人は・・・先生暗殺のために送り込まれた工作員ですが、彼にもちゃんと素晴らしい教師の血が流れていますよ。で、なければ予想外の出来事にも冷静に対処してませんよ?」

 

殺せんせーに言われて思った。

並みの人間なら、魔法少女なんて非現実的な物なんて受け入れられるわけがない。それなのに烏間先生はそれを受け入れ、予定にはなかったという防御の訓練も取り入れるようになった。

堅物だなんだ言われてるけど、その場の出来事には柔軟に対応してくれている。・・・そうせざるを得ない場合が多い気がするけど。

・・・そういえば烏間先生って魔法少女のこと、政府の人にどう伝えているんだろう?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数日前の防衛省にて烏間は本部長である尾長に呼び出されていた。

 

「烏間、わざわざ(・・・・)山奥の校舎まで呼び出しといて見せてくれたあの“極秘資料”。

信じる信じないは置いといて、なぜ我々にまで秘匿する?生徒の意思と尊厳を尊重したいという気持ちは理解するがな、秘密兵器の転校生暗殺者ですら活かしきれなかった現状を見ればわがままを言ってはられないんだ。

魔法とやらの力を借りてもなお暗殺の糸口もつかめていない。今もこうして奴に平然と窓の手入れをされている。ナメなれとるんだ我々は!!現状を打破するためもう一名人員を増やす。適任の男がひとりいるんだ」

 

(それが来るのが今日だというが・・・)

 

烏間の目の前の扉がガラリと開かれ、大量の荷物を抱えた大男が現れた。

 

「よっ!烏間!」

 

現れたのは烏間の同僚である鷹岡だった。鷹岡は烏間を通り過ぎ、生徒達の元へと歩み寄って行った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

烏間先生と入れ違いに知らない男の人が私たちの元へやってきた。その人は大きな荷物を抱えて私たちの前で降ろして自己紹介をした。

 

「やっ!俺の名前は鷹岡明!今日から烏間を補佐してここで働く!よろしくなE組の皆!」

 

そう言って鷹岡さんが差し出したのは沢山のケーキや飲み物だった。そのあまりのおいしそうな見た目によりついてしまう。

 

「これ『ラ・ヘルメス』のエクレアじゃん!」

「こっちは『モンチチ』のロールケーキ!」

 

よく聞くブランドのケーキの中に懐かしい店のケーキの箱を見つけた。私はそのお店の名前が書いてある箱を手にした。

 

「これ、『レコンパンス』のフルーツタルト!」

「知ってんのか?最近できた店なんだってさ」

 

そういえば新しいケーキ屋ができたとは聞いていたけど・・・まさかレコンパンスとは思わなかった。見滝原にいたとき、お母さんのお気に入りでよく買ってきてくれたお店だ。多分災害で避難してきたのだろうけど・・・ちょっと不気味なくらい運命感じちゃうな。

 

「いいんですか?こんな高いの・・・」

「おう食え食え!俺の財布食うつもりで遠慮なくな。モノで釣ってるなんて思わないでくれよ。おまえらと仲良くなりたいんだ。それには皆で囲ってメシ食うのが一番だろ?」

「でもえーと鷹岡先生。よくこんな甘いものブランド知ってますね」

「ま、ぶっちゃけラブなんだ、砂糖がよ。甘いものアンテナ常に張ってるから新出店の情報はすぐにキャッチできるんだよ」

 

ああ、それでレコンパンスのケーキもあるのね。甘いものにつられて殺せんせーもよだれを垂らしなが寄ってきた。

 

「お~~~殺せんせーも食え食え!まぁいずれ殺すけどな。はっはっはっ」

「同僚なのに烏間先生と随分違うスね」

「なんか近所の父ちゃんみたいですよ」

「ははは、いいじゃねーか父ちゃんで。同じ教室にいるからには・・・俺達家族みたいなもんだろ?」

 

鷹岡さん改め鷹岡先生と出会った初日はサッカーをして過ごした。鷹岡先生との交流は意外と楽しくて何となくなくなった父を思い出してしまった。ちっとも似てはないんだけど。

交流も終わり、校舎に戻りながら鷹岡先生について話していた。

 

「どう思う?」

「えー、私は烏間先生の方がいいなー」

「でもよ、実際のとこ烏間先生何考えてるかわかんないとこあるよな。いつも厳しい顔してるし、メシとか軽い遊びも誘えばたまに付き合ってくれる程度で、その点あの鷹岡先生って根からフレンドリーじゃん。案外ずっと楽しい訓練かもよ」

「ずっと楽しい訓練なんてないわよ岡島君。でもなんとなくいいな、とは思ってはいるけどね」

 

なんとなくだけど、ちょっと父性に飢えているのかもしれないわね。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

鷹岡が生徒たちと親し気にしているのを眺める烏間の元に部下である園川が話しかけた。

 

「烏間さん。本部長から通達です。あなたには外部からの暗殺者の手引きに専念してほしいと。生徒の訓練は・・・今後全て鷹岡さんが行うそうです」

 

その通告に烏間は目を丸くする。事実上の解任。しかし、園川としてはその通達に異議申したいのかこう進言した。

 

「同じ防衛省の者としては生徒達が心配です。あの人は極めて異常者ですから。それに園川雀個人として申し上げますが、私としては彼に魔法少女の事を伝えるべきではない、そう判断しています」

 

園川から話される鷹岡の教官としての実態に少し嫌な予感を感じていると鷹岡は教員室へと入ってきた。

 

「あー、疲れた。おお烏間、さっきおまえの訓練風景をみてたがな。三か月であれじゃ遅すぎる。軍隊じゃ一か月であのレベルになってるぞ」

「職業軍人と一緒にするな。あくまで彼らの本職は中学生だ。あれ以上は学業に支障が出る」

「かぁ~地球の未来がかかってるのに呑気だな。いいか烏間、必要なのは熱意なんだ。教官自ら体当たりで教え子に熱く接する!多少過酷な訓練でも・・・その熱意に生徒は応えてくれるもんさ。

・・・ところでこの校舎だけで公開している“極秘資料”があるって耳にしたんだけどよ」

 

烏間は首を振って“極秘資料”の公開を断った。園川の意見を取り入れた、というわけでもないが見せることで生徒たちに利があるのか疑問に思ったからだ。

 

「あれは、おまえの訓練風景を見せてもらってからだ」

「つれねぇなあ。明日から俺が生徒をみることになっているんだぞ。何を未練がましく隠すんだよ。ま、俺には必要ない事だけどな。“生徒のプライベート”とかよ。

首洗って待っとけよ殺せんせー!烏間より全然早く生徒を一流の殺し屋に仕上げるぜ」

 

鷹岡はそう言って殺せんせーに菓子類をバラまいて教員室を後にした。

 

「ヌルフフフ。考えの甘い先生ですねぇ。体育に関しては防衛省(あなたがた)に任せていますが、E組の体育教師は烏間先生しかいないと思うんですがねぇ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

次の日。鷹岡先生初の体育の授業。ちなみにカルマ君は鷹岡先生が気に入らないとバックレてどこかへと行ってしまってる。

 

「では今日から新しい体育を始めよう!ちょっと厳しくなると思うが・・・終わればウマいモン食わしてやるからな!」

「そんなこと言って自分が食いたいだけじゃないの?」

「まーな。おかげでこの横幅だ」

 

そんな冗談めいたやりとりに笑いが出てきてしまう。

 

「さて!訓練内容の一新に伴ってE組の時間割も変更になった。これを皆に回してくれ」

 

鷹岡先生が渡してくれた時間割を手にして私たちは目を疑ってしまった。

 

月曜から金曜まで枠が10時間目まであってお昼の12時から夜の9時まで訓練。あまりに非常識すぎる時間割。

 

「このぐらいは当然さ。理事長にも承認してもらった。“地球の危機ならしょうがない”と言ってたぜ。この時間割についてこれればおまえらの能力は飛躍的に上がる。では早速・・・「ちょっと待ってくれよ!」

 

その異常な時間割に抗議したのは前原君だった。

 

「無理だぜこんなの!勉強の時間これだけじゃ成績落ちるよ!理事長もわかってて承認してんだ!遊んでる時間ねーし、やること(・・・・)あるし!!できるわけねーよこんなの!」

 

鷹岡先生は前原君の髪を掴むと膝蹴りを入れられてきた。まともに膝蹴りをくらい、前原君は嘔吐をして投げ捨てられてしまった。何がなんだかわからず私たちは前原君と鷹岡先生を交互に見つめた。

 

「「できない」じゃない、「やる」んだよ。言ったろ?俺たちは「家族」で俺は「父親」だ。世の中に父親の命令を聞かない家族がどこにいる?」

 

そういう鷹岡先生の目は狂気に満ちていて、口をにやりと気持ち悪く開いて笑っている。その姿を見て思わず身震いをした。一瞬でもこの人に心を開いてしまったのが恥ずかしい。

 

「さぁ、スクワット100回かける3セットだ。抜けたい奴は抜けてもいいぞ。その時は俺の権限で新しい生徒を補充する。俺が手塩にかけて育てた屈強な兵士は何人もいる。一人や二人入れ替わってもあのタコは逃げ出すまい」

 

前原君への暴力をなかったかのようにニコニコしながら私たちに訓練を促している、けれども動こうともしない私たちに化けの皮を表した鷹岡先生は話を続ける。

 

「けどな、俺はそういうことしたくないんだ。おまえらは大事な家族なんだから。父親としてひとりでも欠けてほしくない!家族みんなで地球の危機を救おうぜ!」

 

鷹岡先生は馴れ馴れしく肩を回してきた。ニコニコとしているけど逆らえばどうなるかは前原君で証明されている。

 

「な?おまえは父ちゃんについてきてくれるよな?」

 

そういいながら鷹岡先生は神崎さんに頭を撫でながら問いかけた。神崎さんはガタガタと震えている。こんな非道としか思えない鷹岡先生の授業は選びたくない。だけど、選ばなかったらどうなるか・・・。

神崎さんは顔を伏せて唇を震わせて答えを述べた。

 

「・・・は、はいあの・・・私・・・

私は嫌です。烏間先生の授業を希望します」

 

神崎さんはしっかりとそう返事をした。その答えに私たちはほっとしたのだけど、鷹岡先生の返答は平手打ちだった。神崎さんの体は吹っ飛ばされ地に伏せてしまった。

 

「神崎さん!」

 

私と杉野君と茅野さんが神崎さんにかけより、彼女に治癒魔法をかけた。頬の痣が少し薄まったところで私は鷹岡先生を睨みつけた。

 

「おまえらわかってないようだな。「はい」以外はないんだよ。文句があるなら拳と拳で語り合おうか?そっちのほうが父ちゃん得意だぞ!」

 

見た目だけは爽やか笑顔で拳をぶん回す鷹岡先生に私は我慢ならなかった。神崎さんを茅野さんと杉野君にまかせて鷹岡先生の前に出た。

 

「お、なんだおまえ」

 

私はお返しとばかりに鷹岡先生に強めに平手打ちをした。わざと食らったように思うけれど、彼が想定してたより強めだったのか意外そうな顔をしていた。

 

「謝って下さい、前原君と神崎さんに。こんなことして許されると思っているんですか!」

 

頬をさすりながら私を睨みつけて近寄って来る。みんなを傷つけようだと思うなら私がやってやる。鷹岡先生を否定してくれた神崎さんのためにも引くわけにはいかない。

その様子を見ていた烏間先生は見てられなかったのか止めにやってきた。

 

「やめろ鷹岡!」

「なんだよ烏間。せっかく生徒がやる気になってるんだから邪魔するなよ」

 

私は烏間先生に目線で大丈夫と伝えた。できれば変身して戦いたいけど、この人に魔法少女の事を知られたらみんなに何をされるかわかったものじゃない。魔法(コレ)は最終手段だ。

私は鷹岡先生を睨みつけながら、一歩前に踏み出した。拳を顎に向かって突き上げたがそれをかわされる。左手を手刀にして首に向かって振るけど、弾かれる。人間同士の戦いは初めてじゃないけど、こんな大男と戦ったことない。けど、みんなのためにも引くわけにはいかない。

いくらか私に攻撃させたところで鷹岡先生が攻撃に移った。拳を私の顔面にパンチしてくる。それを見切って左腕でガードして指輪から殺せんせーぐらいにしか見えない速度のリボンで刺突する。鷹岡先生はわけもわからない攻撃をくらって一瞬よろめいた。攻撃は入れられたけど、私の左腕はまともに軍人のパンチをくらって少しピリピリしている。まさかここまでなんて・・・。

 

「・・・ほお、これが“極秘資料”のことだな。そりゃ烏間も隠すわな」

 

鷹岡先生から身の毛もよだつ空気が放たれた。掌を私の顔面にむけて突き出し、それを避けたと思ったら、掴んだのは私の髪だった。ロールに巻いた髪を汗でじめっとした手でしっかりとつかまれてひっぱられて首が引きちぎれるように痛い。生温い息を私の顔にかけながら鷹岡先生はニヤニヤして尋ねて来た。

 

「急に聞きたくなったなぁ。なぁ、教えてくれるだろ?おまえらの“プライベート”ってやつを。なにせ俺たちは「家族」なんだから」

 

その声を聞いて、全身の毛が逆立った。どうにか手首に攻撃を入れて一瞬緩んだ隙に髪が手から抜けたけど、ロールに巻いた髪は崩れて垂れ下がった。

どんな魔女にも感じたことのない生理的嫌悪。私は目の前にいる大男に謂れもない恐怖を抱いていた。

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