巴マミは暗殺者   作:百乃綾香

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暗殺教室後半再放送!!
間に合った!!!


49時間目 透明な時間

終業のチャイムがなり、殺せんせーが号令をかけた。

 

「はい、本日の授業はここまで」

 

ありがとうございましたー。と挨拶をしてみな帰る支度を始めた時だった。廊下から烏間が手招きをしていた。

 

「巴さん、ちょっといいか?」

「烏間先生・・・どうかされましたか?」

「いや、君にする話ではないのだがな・・・こっちに来てくれないか?」

 

特別教室に呼び出されマミは少し緊張の面持ちだった。烏間からの呼び出しとなればよっぽどなにか悪い事をしたとかでないと起こりえない。しかしマミにはそんなことをした心当たりはない。一体なんなんだろうかと不安に思っていると烏間から切り出してきた。

 

「申し訳ないのだがな・・・同い年で尚且つある程度経験のある魔法少女はいないかと上から尋ねられたんだ」

「は、はぁ!!??」

 

思いがけない話にマミは耳を疑った。しかし、烏間も烏間で心苦しい顔をしていたので自分が知らない所で色々とあったのだと察せられる。

 

「一体なんでそんな話に」

「まず、前提として防衛省で魔法少女のことを知っているのは俺の直接の上司一人と部下3人、つまりは俺含めて5人だけだ。その上司から言われたんだ。「バケモノ退治専門だっていうならもっと人材を増やせ」とな」

 

防衛省からしたら一刻も早く殺せんせーを殺さないとと焦っているのだろう。なりふり構わずに殺し屋を雇っているのだから魔法少女だなんてファンタジーなものにも縋りたいのも頷ける。そもそもマッハ20のタコ型怪物がいる時点で魔法少女など自然な存在なのかもしれない。

 

「非人道的な判断をするのであれば、誰か一人に奴を消せと願わせるのが一番手っ取り早い。しかし、そんな手は俺は使いたくないし、君たちに無理やり願わせたくない」

「・・・上司の方は魔法少女のことをどこまで知ってるのですか?」

「バケモノを独自に倒す任務を担っていることと、魔法が使えることしか伝えていない。願いを叶えてもらうことで魔法少女になれることは伏せている。そんなことが伝わりでもしたら腹に諸々抱えた大人にいいように使われるのは目に見えているからな。・・・俺の立場では表立っていえることではないが・・・。魔法少女が増える理由は不明とさせている」

「そうなんですね・・・」

 

ここ数日烏間が教室に不在だったのは魔法少女がらみのことがあったのかもしれない。烏間の立場で上に隠し事させてもらい心苦しい。

 

「そこで問題なのが新たに迎える魔法少女のことなんだが、上司としてはE組の転校生暗殺者として迎えたいらしいんだ」

「既に律がいますけど」

「律の管轄はノルウェーの軍事機関だ。我が政府は基本的な管理のみしか関われない。律が担当者を色々誤魔化してるそうだが。イトナ君はシロが独自で面倒みているらしく細かいことまでは把握していない。だから防衛省としては防衛省で管理できる暗殺者が必要となるんだ。そこで上司が新たな魔法少女を送ることを検討したんだ」

「なんだか滅茶苦茶な話ですね」

「そこで問題になるのがその送り込む魔法少女の条件なんだ。転校生として送り込む以上は君たちと同い年でないと話にならない。この国の大半は戸籍があるから年齢は誤魔化しずらい、なによりあの理事長を説得しないといけないのでな」

「それこそ律はどうしたんですか?」

「15歳の少女の設定と言ったら半笑いで認めてくださった。言ってはなんだがあの時点では最新鋭とはいえただのプログラムだからな。設計者がそうだといえばそうかと受け取るほかない。しかし、君たち魔法少女は違う。君たちがいくら裏でバケモノ退治していようが書類上は普通の学生だ。暗殺のことがあっても認められなかった」

「・・・既にやってみたんですか?」

「魔法少女ではなく少し年上の暗殺者を何人かな。そういうことがあるので同い年の魔法少女が適任なんだが、魔法少女に人脈がありそうなのは君しか考えられない。しかも学校を急に転校しても不自然でなく、保護者を誤魔化しやすい魔法少女がいいと」

 

烏間が眉間に手を当て歯ぎしりをしながら条件を述べマミは顔を引きつらせるしかなかった。そんな秘密の任務に都合のいい魔法少女の知り合いなど・・・一応一人はいるが

 

「・・・しいて言えば佐倉さんだけど」

「彼女の身辺は調査済みだ。佐倉さんは満14歳。条件に当てはまらない」

 

ちょこちょこ絡みに来ているのだから政府の人が調べてても不思議ではないか。となると紹介できるような子はマミにはいない。

 

「申し訳ないのですが・・・私自身多くの魔法少女と顔を合わせたりしましたけど、紹介できるような子はいません。というか連絡先を知らないです」

「そうか、悪かったな。この話はなかったことにしてくれ」

「わかりました。では、失礼します」

 

マミは一礼をして特別教室をあとにした。烏間も期待はしていなかった。上司からの命令で一応は聞いてはみたが案の定紹介はされなかった。それに烏間には懸念もあった。先日、E組生徒を誘拐した高校生グループが失踪したとのことだ。素行がよろしくないので単なる家出として扱われているらしいが、魔女の存在を把握している側とすればそういったものに巻き込まれた、と考えてしまう。が、本当にそんな単純なものなのだろうか?根拠はないがなんとなく胸騒ぎを覚えていた。

 

駅前の広場には既にさやかが合流していた。

 

「あ、マミさん!待ってましたよ!」

「ごめんなさいね美樹さん、昨日一緒になれなくて」

「いえ、大丈夫です。仁美とエンジョイしてきたんで!」

 

さやかのなんともなさそうな笑顔にマミは一安心した。

 

「でも・・・大変ですよねマミさんたちのクラス。花火大会を他所に勉強会だなんて」

「そうなんだよ。せっかくの花火大会だったのによ」

「え、本当にあったんですか?勉強会」

 

さやかが目を丸くして尋ねたので返答した前原は困惑した。となりにいた岡野もさやかの言葉に戸惑いを覚えた。

 

「・・・え?さやかちゃん疑ってた?」

「なんで?」

「え、いや、別に疑ってたわけじゃないんですけど・・・花火皆さんで見てたりして~なんて思っちゃったり・・・」

 

アハハとさやかが笑うと奥田があの!と声をかけた。

 

「べ、勉強会は本当ですけど、学校でやったので花火も見てました!ごめんなさい!!」

 

奥田が深々と頭を下げさやかは慌てて否定を入れた。

 

「いや、別に責めたわけじゃなくて・・・ただ、なんとなくよそよそしいからなんとなくですね・・・ははは・・・」

 

さやかの声は気まずそうに小さくなる。マミはおもった。やはり寂しい想いをさせてしまったのかと。ここはしっかりと謝罪しよう。暗殺のことは言えなくとも。

 

「ごめんなさいね。学年も校舎も違うとどうしてもね」

「そうですか・・・言えないこともあるということですか?」

「まあ、それなりには」

 

そう言われさやかはどこか納得のいかない顔をしつつもコクリと頷き

 

「わかりました・・・。でも困ったことがあったら言って下さいね。力になるんで」

「ありがとう美樹さん。じゃあ魔女退治に行きますか!」

 

おう!とはっぱをかけて一同は移動した。

 

「はい、今日は約束通りカルマ君に呼び寄せて貰うわよ」

 

駅前から少し離れた人気のない工事現場に集まり、カルマは指を鳴らした。景色は途端に薄暗い寝室のような空間へと変わる。

さて、魔女はどこかとあたりを見回すと、キン、キン、と金属が擦れる音が聞こえて来た。

 

「この音・・・何?」

 

さやかがそう呟くとオギャァァァァァァァと身の毛がよだつような重低音の泣き声がこちらまで響いてきた。おどろおどろしい声に縮こまる者もいる中、マミは冷静に金属音と鳴き声がする方向を探った。その辺を飛んでいる赤血球のような使い魔からは聞こえてこない。

耳をすまし、金属音の方向を見極めそちらに指を指す。

 

「・・・あそこだわ」

 

マミは皆を先導してその音がする方へ慎重に歩を進めた。少し開けたところに出て、マミは後ろを静止させた。

 

「何か、様子がおかしいわ」

 

開けた部屋の中央部には柔らかそうな果実のようなものが鎮座し、それは胎動するかのように膨らんだり縮んだりする。その魔女から金属音が聞こえてくる。が、肝心の魔女に金属のようなものは見受けられない。何かおかしいと様子を見てみると、金属音から少し重い音が聞こえた瞬間

 

オギャァァァァァァと重低音が部屋中に響き渡った。

 

「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。ここでくるかあ・・・」

 

それに交じり女の子の声が聞こえた。その声の主はマミたちの誰にも当てはまらない。誰か結界に巻き込まれた?あるいはそう思わせての・・・

 

「聞いてみんな。さっき女の子の声が聞こえて来たの。もしかしたら誰か巻き込まれたかも。でも、魔女の罠って可能性もあるわ。私がリボンで魔女の動きを制限するからみんなはその間に巻き込まれた人を探して。魔女から聞こえるのであれば容赦なくぶったたくわ」

 

皆頷きある程度散った、まずマミが行動を起こす。魔女の周りに銃弾を撃ち込みリボンを噴き出し魔女を捕らえた。ついでに他の者も捕らえたようだった。

 

「うぎゃあああああああ!なになになに!急な拘束攻撃!?」

 

その捕らえた者はマミより少し背の低い緑のくせっ毛の女の子だった。しかも格好からして魔法少女だといえる。さっきまで姿がみえなかったのに。

 

「あ、あなたは・・・?」

「お、お助けっ・・・ってあなたこそ・・・誰ですか?」

 

緑の髪の少女はビビったようにこちらに助けを乞うたところでマミに気付き素っ頓狂な声を出した。その変な事態に回りもそちらに目を向けた。幸い魔女からアクションは感じられない。

マミは首を傾げながら記憶の中を探った。どこかであったことがある顔だ。でもどこで・・・?向こうもなぜだか同じような反応をしている。

 

「あなた、どこかであったことある?」

「お、同じく・・・。でもどこだか」

「なあ、君って「レコンパンス」の店員さんだろ?」

「ああ!この間いった!」

 

前原が出した店名にマミはすぐにピンときた。レコンパンスはつい先日鷹岡事件解決のご褒美にクラスみんなでいったお店だ。一人置いてけぼりのさやかは近くにいた岡野に尋ねた。

 

「えっと、どういうことですか?」

「あー、えっとね。この前みんなでケーキ屋いったんだ。その時の店員さんみたい。というかそうじゃん。あの緑色の髪の人!」

「仲いいですね」

「うち等色々特殊だから、ほら男の魔法少女とかいるわけだし」

「ああ・・・なるほど・・・」

 

そんな会話をよそにマミはその店員に声をかけた。

 

「・・・あなたってレコンパンスの店員さん?」

「え・・・お客さんですか!?こんなところで会うだなんてキグーですねはははー・・・」

 

なんとなく気まずい雰囲気が流れる中、マミはレコンパンスの店員を解放した。ちなみに魔女はまだ動く気配はない。一先ずは落ち着いて会話することにした。

 

「ごめんなさいね巻き込んでしまって」

「いえ、平気です」

「ここで会ったのも何かの縁だし、一緒に戦いましょ」

「あ、お願いします!なんか魔女に攻撃しても効いてない感じがして困っていたんですよ」

 

その店員はさっきまでの魔女との闘いを説明した。魔女にハサミでいくら攻撃しても皮が厚いのか攻撃が届いている感触がなく、たまに不快な叫び声が聞こえるだけだと。

 

「皮?が柔らかくて攻撃を吸収しているのね。・・・カルマ君どう思う?」

「うーん・・・ここになんか出口っぽいのがあるの気になるね。空気が出入りしているんだ」

「うん、いいわ・・・あ、あなたの名前は?」

「あ、えっと、まばゆです愛生(あき)まばゆ」

「愛生さんね。じゃあ作戦説明するわね」

 

作戦を一通り説明され、皆一斉に持ち場に散った。

マミは魔女の口のようなものの反対側に回り、大きな大砲を用意する。

 

『何が出るかわからないから前原君、岡野さんしっかりね』

『『了解』』

『愛生さん、出口は広げられた?』

『あ、はい!ばっちりです!』

 

マミは大きく吸い呼吸を整える。

 

「ティロ・フィナーレ!!!」

 

その掛け声と共に大砲が発射され砲弾が魔女を直撃、その勢いに押され魔女の中からブリュと何かが吐き出された。岡野が大きな壁を展開し前原と共に魔女の前から離脱、その魔女の中身は壁に激突し

 

オギャァァァァァァと先程とは比べ物にならないくらいの雄叫びをあげた。吐き出された者はドレスを着た大きな女の子みたいなものだった。しかし顔はケロイドのようにドロドロのグシャグシャ、目は潰したようにへこんでいる。そこにある口裂け女のような大きな歯のない口から低いくぐもった悲鳴が吐かれ続ける。手足は赤ん坊のように太く短い、そして胸がそれなりにあるという、年頃の女の子をむりやり赤ん坊にしたような矛盾した奇妙なものだ。それから声こそ低いもののまさに赤ん坊が泣き喚くように泣き叫び続ける。

直接的な攻撃ではないもののマミたちに確実にダメージが入り続ける。鼓膜が破れそうで耳を塞いでしまい、両手が使えない。

 

『テレパシーは聞こえるわよね?』

『うん、こっちは無事』

『この雄叫び何とかしないと・・・声を防ぐことできないかしら?』

『!じゃあ私に任せてください』

 

奥田が名乗りでて、魔女の前にテレポートした。そしてなんらかの薬品を魔女の口に投げ込みマミの元に退避する。すると、魔女の様子になんらかの変化があった。魔女の口からケムリが溢れ雄叫びが掠れていく。

 

「奥田さん・・・何投げたの?」

「はい、水酸化セシウムを投げ入れました!独自に調合したものを対魔女用に魔力を少しこめて」

「なんでそんな危険そうな薬品調合してるんですか!!」

 

さやかから強めのツッコミが入ったが岡野がフォローを入れる。

 

「ほら、奥田さん科学得意だからそっちメインウエポンで使ってるんだよ。実際の武器はただのこん棒だから使いやすいのを使ってるんだ」

「そういうもんすか?」

「そういうもんだよ」

「その話は置いといて、奥田さんが雄叫びを防いでくれたことだし、ここで畳みかけるわよ」

 

魔女は口から煙を出し短い手足をバタつかせている。その手足に向かっていくつもの斬撃や射撃が繰り出され魔女の四肢は千切れてしまう。

 

「いいわ、美樹さんやっちゃって!!あの技を!」

「えっと、ハイ!スクワルタトーレ!」

 

さやかの斬撃が魔女の首を飛ばし魔女は黒い霧を出して散って行った。景色は元の工事現場へと戻る。

 

「はぁ~いや、助かりました。いい連携でしたね」

「いいえ。困ったらお互い様よ」

「そうそう、愛生さんだっけ?ちょっとお話しない?」

 

前原が馴れ馴れしくまばゆに近づいた。まばゆはビクッとなり目線をあちこちに向けやはり自分に対していってるものだと理解しておそるおそるコクリを頷いた。

 

「ちょっと!アンタ何してるのよ!怯えさせてるじゃない!」

「いいだろ別に。変なことしねーし。誰かさんのせいで女の子と遊びづれーんだしよ。で、君っていくつなの?」

「全く己を顧みようともしてない!!」

 

まばゆは目を泳がせつつ言葉につまりながらも前原の質問に答えていった。

 

「えっと・・・15です・・・」

「へー、俺らとタメじゃん!学校は?」

「学校は、その、あの、えっと・・・その、行ってないです。色々あって休学中で・・・」

「あ、そうなの?聞いて悪かったよ。それでだけど」

「あの!!」

 

まばゆは怯えながら前原から距離を取ると

 

「えっと・・・私、お店の手伝いがあるので失礼します!」

 

そう言ってまばゆは目の前でスッといなくなり、足音だけが遠くへと言ってしまった。

 

「ちぇ、別にナンパのつもりなかったんだけどな。逃げなくてもいいのに」

「アンタの態度が問題なのよ!って、今気づいたけど知らない女の子って私基準か前原基準かわかってないかも・・・」

「今の感じだと岡野さん基準ぽいけどね。よかったな前原。抜け道見つけられて」

「流石に嫌味ていってるのはわかるぞカルマ」

 

アハハと笑う中、さやかが声をかけた。

 

「あの、アタシもこの辺で失礼しますね」

「あら、今日はありがとうね。じゃあまたね」

「はい、ではまた」

 

そういってマミたちと別れ、見えなくなったところでため息をついた。

 

「なんか、疎外感感じる・・・」

 

さやかはここ最近一人で過ごすことが多くなっていた。

実のところバイオリン練習にかまけている恭介に加え、仁美とも一緒に過ごせていない。理由はわからない。顔を合わせれば会話ぐらいはするがクラスが違うからかあるいは成績の差があまりにあるせいなのか・・・。その原因をさやかは突き止めようともしなかった。したくなかった。

恐いからだ。理由を知るのが。

クラスメイトは次のE組候補だとひそひそ話をしている。それでも表面上は仲良くはやってはいるが、そうそうに見下されているのはわかっていた。

だからこそマミに電話をしたのだが、マミはクラスの方を優先した。仕方ない。それはさやかも理解している。自分は途中からやってきた一つ下の転校生。付き合いの差が全然違う。決して意地悪ではないのはわかっている。それでも、寂しい気持ちにはかわりない。そんな寂しさをマミたちには見せたくはなかった。寂しいという気持ちを認めたくなくて。

そんな気持ちでグルグルしているさやかを屋根から殺せんせーが見ていた。浮かない顔をするさやかをみて黙り込みながら頬を触手でポリポリと掻いていたのだった。




魔女図鑑

Aurore

寝具の魔女  性質は隠遁


眠りから覚めたくなく狭い寝具に篭り続ける魔女。叩き起こそうものなら喚き散らして起こそうとするものを追い払う。無理やり引きずりだせば駄々をこねるだけこねてまた寝具に引きこもろうとする。本当は起きなければいけないと分かっているが魔女は現実を拒否し夢の世界に居続けることをただ願うのみ



Stephen

寝具の魔女の使い魔 役割はお膳立て

魔女が自らでてくれるよういろいろ準備を進めている。しかし魔女は見向きもしない。
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