新キャラ続々ですよね。眼鏡の子きになる~
推しのさやかちゃんは一体どうなるんだ!!!
登校していると後ろから杉野から声をかけられた。
「おはよー渚」
「おはよう杉野。昨日はどうだった?魔女退治見学」
すると、杉野は少しだけ眉間にしわを寄せた。
「あー・・・昨日ちょっとなー・・・邪魔が入ってよ」
「邪魔?」
「おう。巴だけって思いたくねーよな、正義の魔法少女やってんの」
昨日の魔女退治体験ツアーで他所の魔法少女と出会ってしまったのだろうか。けれど杉野はあまり詳しい事話したくなさそうだから聞き出せそうにない。岡島君とか岡野さんあたりに聞けそうなら聞いてみようかな・・・。
そう考えているうちに教室についてガラッと扉を開けると
「なんじゃありゃ」
教卓の上に赤々としたタコがナイフで串刺しにされていた。
「なんでこんなところにタコが・・・?」
「俺だよー」
声のした方を振り向くとカルマ君がニヤニヤしながら手を挙げていた。
「カルマ・・・」
杉野がカルマ君を睨みつけている。杉野だけじゃない、他の教室にいる何人か・・・昨日のツアーに言った人たちの空気があまりよくない。
・・・まさかカルマ君が魔法少女?・・・少年か。キュゥべえの話に耳を傾けるかというと・・・どっちもありそうだからわからない。でも今のカルマ君にはちょっと話しかけずらい・・・。なんとなく僕はカルマ君に何も聞かずに席についた。
HRの時間になり殺せんせーが入ってきて教卓上のタコを発見した。その後どうなったかというと・・・。
「今日一日本気で殺しに来るがいい。そのたびに先生は君を手入れする。放課後までに君の心と身体をピカピカに磨いてあげよう」
殺せんせーからの宣戦布告をカルマ君に告げられた
・・・こうしてカルマ君と殺せんせーの攻防の一日が始まった。
一時間目、数学
殺せんせーが板書中、僕はカルマ君の方をそっと見ていた。一応授業中の暗殺は禁止されてはいる。けれど昨日彼は関係ないと言っていた。それに先生は今日一日殺しに来いと言った以上、授業中の暗殺を想定していないはずがない。カルマ君に動きがあった。
「ああ、カルマ君。銃を抜いて撃つまでが遅すぎますよ。ヒマだったのでネイルアートを入れときました。そのシルバーの指輪にピッタリの・・・ね」
カルマ君の出していた左手にかすかにきらめくものがあるような気がする。僕の席からはよく見えないけれど。たぶん、ネイルされたのだろう。
その後、二時間目、三時間目とカルマ君は暗殺を仕掛けたがうまくはいかなかった。
そして四時間目、技術家庭科
「さて、今日はスクランブルエッグとトマトスープを作りましょう。・・・おや?カルマ君はどうしましたか?」
殺せんせーがカルマ君の行方を尋ねると同じ調理班である千葉君が首を振った。
「なんかどっか行きました。理由もよくわかりません」
「・・・そうですか」
殺せんせーは何の追及もせずに授業を始めた。
ある程度授業が進み、スープが完成しそうな頃だった。
「不破さんの班は出来ましたか?」
隣に班に先生が様子を見回ってきた。そこにカルマ君が教室に入ってきたのが見えた。
「なんか味がトゲトゲしてんだよね」
「どれどれ・・・」
先生が不破さんの脇に寄ると同時にカルマ君も近づいてくる。
「へぇ、じゃあ作り直したら?一回捨ててさ」
カルマ君が鍋の柄を叩きつけてスープの中身をひっくり返した。そのさ中にナイフを振りかざそうとしたのが見えた。
けれど、次の瞬間にはカルマ君の姿はフリフリエプロンに着替えさせられていた。
「エプロンを忘れてますよカルマ君。スープならご心配なく。全部空中でスポイトで吸っておきました。ついでに砂糖も加えてね」
「あ!マイルドになってる!」
カルマ君のフリフリ姿に「かわいー」だのなんだのとクスクス笑いが起きていた。カルマ君は悔しそうに頭につけられた三角巾を外して教室を出て行ってしまった。
「なんかいー気味」
「ちょっと!そういう事いわないの!昨日のアレは関係ないでしょ!」
「いや、けどよ・・・」
片岡さんと前原君が小声で何かひそひそと話していたのが聞こえた。
「何だろ・・・カルマ君って嫌われてるの?」
「敬遠されがちではあるけど・・・嫌われるほどではないはずなんだけどね・・・」
カルマ君の事をよく知らない茅野がそう思ってしまうのも無理はない。やっぱり昨日が何か絡んでいていそうだよな。魔法少女?になっているにしてもそうでなくても何かしら関わっているのは確かだろう。
昼休みになって僕は巴さんの元に行ってみるとちょうど彼女も僕に話があったらしく、僕らは人目のつかないところで話すことにした。ちなみに殺せんせーはお昼を食べながらカルマ君の暗殺をかわし切っていた。
「ね、渚君。岡島君から聞いたんだけどカルマ君と仲がいいって本当?」
「う、うん。一年二年と同じクラスだったから・・・。とはいってもここしばらくは疎遠ぎみだったけどね・・・。でもなんで?」
巴さんは少し困った顔をしていた。
「もしかして・・・カルマ君魔法少女?になってたとか?」
巴さんはため息をついて
「“魔法少年”でいいらしいわ。昨日魔女退治の場に現れてなぜかケンカ売られたのよ。よくケンカしているとは聞いていたけど・・・あんな感じなの?カルマ君って」
少し耳を疑う言葉に僕は少し戸惑ってしまった。
「え?いや・・・よくケンカはしているけど自分から吹っ掛けることは・・・多分・・・しない・・・はず・・・だけ、ど?」
「自分からケンカは売らない、とは言い切れないのね?」
「う・・・」
巴さんの少し冷たい視線に耐え切れずにちょっと顔を背けると巴さんはまたため息をついた。
「まあいいわ。カルマ君のこともあるけど、他にも困ったことがあるのよ」
「困ったこと・・・?」
「聞いてみたら、神崎さんだけじゃなくて千葉君と速水さんまでもキュゥべえが見えてるらしいの」
さっきとは比べ物にならないくらいのため息をついて頭を抱えていた。
「本当にどうなっているのよ、このクラス・・・。もう全員見えてても驚かないかもしれないけどねぇ・・・」
「全員って・・・もしかして殺せんせーとか烏間先生も?」
「そっちは大丈夫。二人とも見えてなかったわ。・・・なんで大人にまで範囲が広がっていると思ったのかしら・・・」
というか殺せんせーって大人でいいの?と、なんだか巴さんの思考が脱線しそうになっていた。僕はとりあえず巴さんに昨日の事を詳しく聞くために呼びかけた。
「巴さん!巴さん!昨日の話詳しく聞かせてくれない?」
「え?ああ、そうね。わかったわ。昨日魔女退治のときなんだけど・・・」
すると巴さんの話を遮るように昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
「あ・・・ごめんなさい。続きは・・・どうする?」
「また次の機会でいいよ。カルマ君にも話聞きたいし」
「そうね。一方だけの話ではいけないものね。じゃ、戻りましょう」
五時間目の国語。殺せんせーが教科書を読んでいる最中にカルマ君の額を抑えて動きを止めてしまった。何かの技術なのか、ただカルマ君が先生の圧におされてしまったかなのかはわからない。今カルマ君は殺せんせーのされるがままに髪を中分けに整えられている。
今日一日の様子を通してこれだけはいえる。今のカルマ君には無理だ。殺せんせーは結構弱点が多い。ちょいちょいドジ踏むし、慌てたときは反応速度が人並みに落ちる。だけどどんなのカルマ君が不意打ちに長けていてもガチで警戒している先生の前ではこの暗殺は無理ゲーだ。
巴さんがいってたっけ
『暗殺が始まって数日が立った時、私一人で暗殺にいったのよ。ダメージを与えるスレスレのところまでいったんだけど、それが原因でしばらく個人マークされて・・・あのときは魔法少女のこと誰にも明かしてなかったから精神的撤退を余儀なくされたわ。もちろん今でも諦めてない。だけどマークされたソロって動きが制限されるの。あの先生の前での目立った行為は自分の首を絞めることになるのよ」
あのおそろしい魔女を一瞬で倒してしまう巴さんでさえ殺せんせー相手は苦労しているらしい。カルマ君の魔法少年の実力がどれほどかわからないけれど、一人で倒すのは不可能なのだろう。
授業がおわり放課後、カルマ君は苛立って教室を出て行ってしまった。
「ねぇ渚君、お昼の話なんだけど・・・」
「ごめん巴さん。僕カルマ君の様子みてくるから!」
「あら、そう・・・。昨日のリベンジを兼ねて渚君も見学に行かない?っておもったんだけど・・・」
「うーん・・・行けるかどうかわからないし、何かあったら連絡するね」
「わかったわ。じゃあね渚君」
「じゃあ、また」
「・・・今日も大所帯だし、いっか」
くもり空の下、カルマ君の行方を捜してやってきたのは太めの木が一本水平に突き出した崖・・・。僕らが投身自殺を図った例の場所だ。・・・自殺の原因が魔女の仕業だと知らなかったら近づけなかっただろうし、正直なところ今でもカルマ君がここにいなかったら近づこうとすら思わない。カルマ君がここにいるのは僕らの集団自殺未遂を知らないからだ。知っていたとしても僕らが近づかないという理由でここいるのかもしれない。
カルマ君は突き出た幹に腰かけてカリカリと爪を噛んでいた。今日一日カルマ君の暗殺は何一つうまくいかず、赤子扱いの一日だった。
「カルマ君、焦らないで皆と一緒に殺ってこうよ。殺せんせーに個人マークされちゃったらどんな手を使っても一人で殺せない。普通の先生とは違うんだから」
カルマ君は何も喋らない。
「それに巴さんから聞いたよ。ケンカ一方的に売ったり杉野たちにケガさせようとしたり・・・。らしくないよ。ねえ、カルマ君に何があったの・・・?」
カルマ君は爪を齧るのをやめて振り向いた。
「渚君さぁ、上杉って一つ上の先輩知らない?」
突然出された名前に聞き覚えがなく、僕は首をひねっていた。
「上杉・・・?いや・・・誰だっけ?」
「・・・渚君でさえもそういう認識なんだね。別にいいけど。関係のない先輩後輩なんてそんなものだし」
カルマ君は鼻で一笑するとこちらにまた背を向けた。
「それにあの先生は俺がやりたいんだ。変なところで死なれんのがムカつく」
僕は何もいえなかった。彼に何がそこまでして突き動かされるのか・・・。
「さて、カルマ君。今日は沢山先生に手入れされましたね」
殺せんせーが背後から僕らの元にやってきた。
「まだまだ殺しに来てもいいですよ?もっとピカピカに磨いてあげます」
縞々のナメた顔でニヤニヤと挑発してくる。カルマ君はそれには乗らず黙って先生を見つめていた。ふいにカルマ君が口を開く。
「確認したいんだけど、殺せんせーって先生だよね?」
その質問に殺せんせーは首を傾げながらもこくりと頷いた。
「先生ってさ、命をかけて先生を守ってくれる人?」
「もちろん。先生ですから」
「そっかよかった」
カルマ君は笑いながら幹の上に器用に立ち上がった。
「なら殺せるよ。確実に」
突如景色が曇り空から雲一つない快晴へと変わった。あたりは多数の洗濯物が干されたロープが張り巡らされている。
「ここは一体・・・」
カルマ君の方を見ると、彼の背後には首のないセーラー服を着た殺せんせーの2,3
倍の大きさの怪物・・・魔女が立っていた。
「ティロ・フィナーレ!」
マミの放った光線は使い魔の集団を包み込み爆散させた。それと同時に異次元のような景色は町はずれの高架下へと戻っていった。
「すっげぇ!かっこいいな巴!」
「本物の魔法少女みたーい!」
「もう、見世物じゃないのよ」
周りの声援に少し恥じらいながらもマミは嬉しく思っていた。
「にしてもさっきのはグリーフシード落とさなかったね」
「さっきのは使い魔の結界よ。使い魔はグリーフシード落とさないの」
「ようはただ働きってやつ?」
「その言い方はよくないわ。これも大事な仕事よ」
すると、今日初めて魔女退治に連れてこられた千葉がマミに質問をした。
「なんか、違いとかあるのか?その魔女と使い魔って」
「魔女も使い魔も同じく人を襲うわ。使い魔は魔女からの分身で生まれたものなの。その使い魔が人間を食べて成長して魔女になるの。だからほっとかずに退治しなきゃいけないのよ」
それを聞いた一同はヤバと口々に話しているなか、磯貝が一人真剣な顔でマミに質問を投げかけた。
「なあ巴。キュゥべえと契約する奴が増えるのってあんまり好ましくないのか?」
その問いにマミは首を傾げた。
「え?そんなことはないけど?仲間が増えるのはいいとこよ。けどなんで?」
いや・・・と磯貝は口を濁しかけながらも話を続けた。
「前に巴が言っていただろ。『成果の取り合いが原因で争いが発生することもある』って。その成果ってグリーフシードのことだろ。そのグリーフシードも毎回落とすわけじゃない。となると成果は限られているってことになる。そうなると魔法少女とか魔法少年が増えすぎるのはよくない事かもしれないって。ただでさえカルマも魔法少年になっているわけだし」
「そうね・・・」
磯貝の迷いを聞いてマミは考え込んだ。ここ最近の頭痛の種の要因はこの魔法少女候補の多さにあるわけだ。仲間はほしいが内輪揉めが目に見えるので両手を挙げて喜ぶわけにもいかない。
「こういっちゃあれだけど・・・魔女の数だって限られているしね・・・」
「そうも言ってられなくなったんだ」
急にキュゥべえが現れ、みな一斉に振り向いた。
「キュゥべえ、それってどういうこと?」
マミはしゃがんでキュゥべえに話を聞いた
「赤羽カルマの祈りの影響で今、この椚ヶ丘に魔女が多く集まっているんだ」
続きます
2,3話ほど書き溜めるので次回更新は遅くなると思います・・・