ハイスクールD×D 幻想で生きる者 《凍結》 作:寂しい幻想の刀鍛冶
あれから暫く経ったわね。
それにしても・・・
「相変わらず可愛いわね、貴方達!」
「くぅ~ん」「わぅ~」
私の左にはスコル、右にはハティがいる。
力の差が分かっているのか私を主人と認めているみたい。
その時、壁に掛けられていた一面真っ黒の大きな絵画が波紋の様に揺れ始めた。
すると、その中から声が聞こえてきた。
『久しぶりだな、佐久良よ』
「あら、ゲルテナじゃない。久しぶりね」
『それで、あの子達は役に立ったかい?』
ここで言うあの子達とはロキとの戦いの時の石造と絵画達の事である。
「えぇ、役に立ったわよ。それにしてすごいわね、あの子達。物凄く頑丈じゃない」
『当然じゃないか。あの子達は私が一つ一つ魂を込めて作りあげたのだから』
「なるほどね~。やっぱり、一つの事にこだわる人の心は良くわからないわ」
『私に言わせれば君の方がよく分からないな。何故見返りもなく生きているものを助ける?』
「それは、楽しいからよ」
『楽しいからだと?』
「そうよ。この幻想郷で皆が建物を作り、笑い、怒り、悲しみ、戦う。その過程を得て成長していく様子を見るのが私は楽しいのよ」
『なるほど、狂っているな』
「此処にいるものは皆、狂っているわ。性格、心、体質、過去。その全てが正常なものはいないと思うわよ」
『はは、確かにな。その通りだったな。此処では常識が通用しないのだったな』
「ふふふ、そう言う事ですわ」
『それじゃあ、私はここ等で失礼するよ。あの子達をよろしくな、佐久良よ』
「えぇ、任して置きなさい。ゲルテナ。またね」
そして、絵画の波紋は納まった。
「さて、二人とも留守番よろしくね」
「「ワン!」」
その返事を聞いて、私はスキマを潜った。
今、私は駒王町の夜の空に浮かんでいる。
この町は、この頃英雄派の子達が来てリアスちゃん達と戦っているらしい。
だったらこうしていれば・・・おや、どうやら来たようね。
「出て来たらどうですの。英雄の血を受け継ぐ者よ・・・」
『気付かれましたか』
その言葉が聞こえると周りが霧に包まれ、目の前には一人の男が立って居た。
「どうも、俺は――」
「三国志で有名な曹操の子孫ね」
「っ!?・・・知って居られましか。その通りです。曹操と名乗っている」
「それで、英雄派のリーダーが私に何か用かしら?」
「簡単な事です。俺達と共に――」
「断るわ」
曹操のセリフを遮る様に佐久良は力強く即答した。
「な、なぜです?」
「簡単よ、私はどの種や組織とは中立の立場だからよ」
「は?」
「まぁ、分かりやすく言うと幻想郷はどの組織にも属さないと言う事よ」
「ですが――」
「後は、私の正義に反するからよ」
「正義・・・ですか?」
「そう、貴方が掲げる正義と私が掲げる正義は違う。そう言う事よ」
「そうですか・・・」
すると霧が濃くなり始める。
そして、曹操の姿が見えなくなる。
『今回はこれで引かせて頂きます。今度会う時は敵として――』
そう言葉を残して霧は晴れた。
「あっ、あの子に忠告するのを忘れてたわ」
まぁ、京都で会う事になるだろうけどね・・・
さて、今回は終わりです。
誤字などありましたら教えてください。
それでは、次回もよろしくお願いします!