ぎゃるげー・ざ・ろっく!   作:ドラクマzeq

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気が向いたら書きます。
基本原作準拠だと思います。


♪1 ギャルゲー的選択肢に振り回される日々

 

 俺には前世の記憶がある。何を言っているんだと思われるだろうがこれは本当の話で、俺自身何故前世の記憶を持って新たにこの世界に生を得たのか全くもって分からない。

 前世の記憶といっても大したものではなく、ごく一般的な普通の高校生として日常を送り、何故か唐突にトラックにひき殺されただけというものだ。

 今時流行りの異世界転生……という訳ではなく、俺はまたしもここ日本という何の変哲もない平和な国に生み出された。

 だが、そんな普通の世界に二度目の生を得た俺には、普通ではない特別な能力が備わっていた。

 それは――

 

 瞬間、ダイエーで今日の夜ご飯の材料を買い出し中だった俺の目に、ある光景が目に入った。

 かごにいっぱいに入れたりんごを大量に落としたお婆さん……と、これまた同じく大量のりんごを落としたガタイの良いお兄さんの姿。

 拾ってあげようとしたその刹那、世界は暗転し、まるで時が止まったかのように周囲の人々の動きは硬直する。

 否、止まったかのようではない。実際、俺以外の時は止まっているのだ。

 冷や汗が止まらない。見上げるな、それは駄目だと俺の魂が告げている。

 だが、見上げざるを得ない。まるでゲームのテキストのように俺の頭上に表示されている二つの選択肢。

 

 【お婆さんを助ける】熟れた果実のワンナイト√へ。

 【お兄さんを助ける】超危険! ウホッ! 男カーニバル√へ。

 

 終わった。俺の人生は今ここで詰んだ。さよなら二度目の生。てかいきなり√分岐系かよこいつら。

 

 『ギャルゲー的選択肢』

 俺が勝手に名付けたこの異能は日常生活の中で事あるごとに出現し、俺の頭を悩ませる。この選択肢が出現している間は文字通り世界の時が止まり、出現した選択肢の中から一つ選ばなければ一生この静止した世界から抜け出せなくなってしまうのだ。

 

 基本的に今回のような頭のおかしい……いわゆる外れの選択肢が出ることはないのだが、それでもやはり事故というものは存在する。前世も事故で死んだしね。くだらねぇ人生だ。

 

 真面目な話どうしようか。まさか一生この静止した世界に幽閉されるわけにもいかない。前に一度いつまでこの状態が続くのか試してみたことがあるが、いくら待っても時が動き出すことはなく俺の精神が崩壊寸前になって諦めたのだ。

 

 …………仕方ない。お婆さんを助けた後は全力で逃げよう。√を打ち切るんだ。俺なら出来る。出来る。出来るぞ俺ぇ!

 

「大丈夫ですかっ! お婆さん!」

 

 意を決してお婆さんの落としたりんごを全速力で拾い集め――どっちだ?

 

 俺が今、かき集めているこのりんご……どちらが落としたモノだ?

 よく見ていなかったからお婆さんに声をかけたものの、両者共にかごから落としたのはりんごだったと記憶している。まさか……

 全身が怖気立ち、噴出された手汗のせいで拾い集めたりんごが俺の手から滑り落ちる。

 

「助かったよ、少年。それにしても、いいケツをしているな。良かったらこの後どうだい」

 

 りんごを取るためにしゃがみこんだ俺のケツを更に下から眺めるような体勢で俺に、否俺のケツに語り掛けてくるガチムチ。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 俺は走った。何も考えずに走った。恐怖で後ろを振り返ることも出来ず、追ってきているかも分からないガチムチから逃げた。今日ほどこの異能を恨めしく思ったことはないかもしれない。家についてからも体中の不快感は消えず、何も考えずに風呂に入って寝た。これからは二度とあの店は使わねぇ。

 

 

 

 ▽

 

 

 

「喜多ちゃん? どしたのー? 早く行かなきゃ限定クレープなくなっちゃうよー」

 

「え? ええ、あれ……星君、よね?」

 

 喜多ちゃんと呼ばれた明るい髪をした快活そうな少女は、ふと目に入った見覚えのある少年に目が奪われていた。

 

「え? 奇行残念イケメン君~? どれどれー」

 

「あれ……ってもういなくなっちゃったわ」

 

 喜多は周囲をきょろきょろと見渡しながら、先ほど見かけた少年の姿を探し続けたが、彼はすでに人混みに紛れてしまったようで、どこにも見当たらなかった。

 

「今日は何してたの?」

 

「さぁ、全力で走っているように見えたけど……」

 

「ランニングでもしてたんじゃね」

 

 喜多の友人である佐々木は興味なさげにスマホをいじりながらぽつりと話を続けた。

 

「まあ、そんなに気にすることもないでしょ。いつも変なことしてるし」

 

「それにしてはすごい鬼気迫る感じだったけど」

 

「変人の考えることは私たちみたいな一般ピーポーには分かんないってぇ」

 

「それもそうね」

 

 喜多の頭の中には、まるで何かから逃げるかのように全力で駆けていた少年よりも、期間限定映え苺デラックスクレープのことしかなかった。

 




本編一切入ってないね……!?
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