グレンとトツカがいる席へやってきたのは、一人の少女だった。
十代後半に見えるその少女は二人に恐る恐る会釈し、それを見たトツカは先に話しかけた。
「えっと、あなたは……」
「私、ヨハンナ・ブラウンと申します。あなたの事は父から聞いております、ミスターグレン」
グレン達に挨拶した長い黒髪の美少女……ヨハンナ・ブラウンは真っ直ぐとした瞳で自分達を見つめていた。
彼女の名前を聞いたグレンはヨハンナの苗字を口ずさむ。
「ブラウン、ブラウン……ゴドウィンの娘か?」
「そうです。ゴドウィン・ブラウンは私の父です」
「マジか。あのゴドウィンの娘なのか?」
ヨハンナの肯定によって、珍しく驚きの声を上げたグレン。
そんなにおかしい事なのか、そう不思議に思ったトツカが小声で話しかけてくる。
「グレン、そのゴドウィンさんって一体なんなの?」
「バルダーシティの警察に所属している刑事だよ。正義感は強いが、難のある性格で空回りしているオジサマだ。ついたあだ名が『シャイン・ドン・キホーテ』」
「ドンキ……なんですって?」
「ドン・キホーテ、老いた騎士が思い込みで珍道中を繰り広げる冒険小説です」
異世界出身であるトツカにとって聞きなれない創作物にデイビスが丁寧に教えてくれた。
そんな父の認識を目の前にヨハンナはすぐそばにあったカウンター席に案内されると、ため息をついた。
「そう、そんな父についてグレンさんに頼みたいことがあるんです」
「なんでも屋だけど、できないことはできないぞ」
「その、どうか父を助けてください。父は最近悪さをしている犯罪者に掴まえる躍起になっていて無鉄砲な行動に乗り出すことが多いんです」
「無鉄砲な行動だと?」
「無理矢理捜査令状をでっち上げて家宅捜索を強行したり、前科のある人を難癖つけて連行したり……とにかく血眼で、危なっかしいんです。そんな行き当たりばったりな事していたら、いつか痛い目見かねなくて」
「なるほどねぇ……お爺、ヨハンナちゃんになんか軽食奢ってくれ」
心配そうに語るヨハンナの姿を見て、眉を顰めたグレンはデイビスに料理を注文した。
デイビスは快く頷くと、すぐさまハムとキャベツを挟んだベーグルをヨハンナに差し出した。
「お召し上がりくださいませ」
「あ、ありがとうございます。お爺さん」
ヨハンナは差し出されたベーグルサンドを口にすると、ほんのり笑顔を取り戻す。
先程の心配そうにしていた表情から変わった様を見て、グレンは不敵な笑みを浮かべた。
「さーてと、依頼を頼まれたからにはまず動くか」
「ん? 動くってどこか宛てでもあるの?」
「ない。だからこれから探すんだよ」
「もう、行き当たりばったりねぇ。グレン、私も付き合うわよ」
席から立ち上がり、代金代わりの紙幣をテーブルに置くと、グレンは店内から出ていこうとする。
彼に付いていくようにトツカも店から出ていくと、残されたヨハンナは口をあんぐりと開けながら驚いていた。
「あの人、報酬の事を相談しなくてよかったのかな」
「ま、グレン坊はお金より困った人を放っておけない行動派なお方ですからね。そちらの支払う報酬はこちらできっちりかっちり請け負いますので」
「ああ、ありがとうございます」
デイビスは静かな口調でヨハンナにそう告げると、彼女に報酬の相談をし始める。
"しっかりしてらっしゃるんだな"と、ヨハンナは報酬の話に乗り出すことになった。
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バルダーシティ内の道路。
そこで2台のバイクを駆るグレン達の姿があり、とある場所へと向かっていた。
丁度赤信号になった所で止まると、グレンはヘルメットのフェイスガードを上げると、隣に並ぶトツカに話しかける。
「なぁ、本当なんだろうな?」
「うーん、ヨハンナちゃんだっけ? グレンが彼女とお話している間に調べたところにゴドウィンさんの情報をプロファイリングしたのよ」
「おいおい、なんて奴だ。あの短時間でよくもまあ」
「もう少し時間あったら精査できたんだけどね……ともかく今の方針は行動あるのみ、優先事項はゴドウィンさんの安全確認よ」
グレンとトツカが話し合ってると、目の前に光る信号が赤から青へと変わり、一斉に自動車が動き出した。
二人の操るバイクも先頭車両に続いてエンジンを吹かし、共に走り始める。
バルダーシティ内にある険しい斜度の坂を難なく上がり下りしながら進んでいると、トツカはとある考えが脳裏に浮かぶ。
(しっかし、ふと思ったけど……まさか、いきなりグレイヴクォーツ持ちにぶち当たることなんてないよね?)
(ディストーグの利用者達に会えるのは願ったりかなったりだけど、流石に一般人を無碍にすることはできない……)
(そんな一般人がディストーグに挑むなんてこと、ないと信じたい……)
トツカは【一般人が無謀にもディストーグに戦う】という無謀な光景を想像して一抹の不安を抱えた。
ディストーグは常人を凌駕した戦闘能力を持った怪物達であり、一般人が敵う筈のない相手……例えるなら戦車や戦闘機を武装した犯罪者に素手で立ち向かうようなものである。
そんな無謀な事をするほど、この世界の人間は愚かでない事を信じたい。
だが、この時のトツカは知らなかった。
蛮勇と無謀を行う者がこの世に、もとい子の世界にいる事に。
~~~~
バルダーシティ内、とあるマンション。
そこへ不躾に足を踏み入れた男がいた。
齢38になりながらスラリとしたスタイルを持ち、上唇には一対の髭が生えている。
その男……ゴドウィン・ブラウンはとある一室を鋭い視線を向け、速足で扉の前まで向かう。
扉の前に辿り着くと、激しいノックをしながら怒鳴り声るを上げる。
「開けろ! 警察だ! ウォーマン・シュタイナー、いるだろ! 出てこい!」
激しいノックを続けるゴドウィンは部屋の主であろうウォーマンの名を叫ぶ。
暫くすると、扉が少し開き、チェーンロック越しに一人の大柄な男が顔を覗かせる。
大柄の男……ウォーマンは不機嫌そうに顔を歪め、真似かねざる客であるゴドウィンを睨み付けた。
「警察が何の用だ? ああん?」
「ウォーマン・シュタイナー、お前さんには危険物所持の疑いが出ている。大人しく物を出せ」
「おいおい、勝手な事言わないでくれよ。そんな事できるのかよ」
「これを見ても、まだ言えるのか?」
いやらしい笑みを浮かべるウォーマンに対し、ゴドウィンはとある写真をちらつかせた。
写真に写っていたのは、暗闇の中で何者かと取引をするウォーマン。
それを見た途端、余裕なウォーマンの顔は凍り付いたのだった。
「生憎だが家宅捜索令状もすでに控えてある。お前がまったくの無実を証明したいってなら証明して見せろ」
「チッ、テメェ、ドン・キホーテじゃ……!?」
「小説を読みすぎだなお前。現実と空想の境目を見失わないようご注意ってな」
まさかここまでの証拠を持ってくるとは思ってもなかったのか、焦る様子の様子のウォーマンにゴドウィンはニヤリと不敵に笑った。
ここまで追い詰められた状況にウォーマンは焦った。
逃げるにしても誤魔化すにしても、今目の前にいる邪魔者をどうにかしないといけない……だが、相手は腐っても警察だ。腕っ節は向こうの方が上だ。
おまけに他の警察官も潜んでいるであろうことは容易に想像がつく。
このままでは八方塞がりで、捕まる事は容易だ。
そう思ったウォーマンは、密かに忍ばせていたあるものを取り出す。
それは、あの時の"謎の影"から手に入れた代物だった。
「チィ、だったら……」
「なんだ? 観念したのか」
「テメェからぶっ飛ばしてやる!」
――轟音。
謎の異変に咄嗟にその場から離れるゴドウィン。
通路の床へと滑り込みながら振り向くと、先程までウォーマンが引っ込んでいた一室から鋼鉄の巨躯が這い出てきた。
バキリバキリとマンションの一部を破壊して土煙と共に現れたのは、一体の大柄な怪人。
迷彩柄の鋼鉄のボディに、戦車の砲台部分を模した上半身、両腕には機銃を備え付けられている。
ウォーマンが変貌した『バリスタディストーグ』は、胸から伸びるその主砲の砲口を狙いへ定めると、撃ち放たんとした。
「くたばれ!」
「やばっ!?」
本能的に危険と悟ったゴドウィンは急いで立ち上がると、一目散にその場から逃げた。
その瞬間、バリスタディストーグの主砲から砲弾が放たれ、先程までゴドウィンが寝転がっていた場所を大きく火柱を上げた。
その瞬間、崩壊していく廊下をゴドウィンは走りぬき、地上へと降り立った。
「こんなところで戦車をぶちかましてんじゃねえぞお前!?」
「はっはっは! 逃げろ逃げろ、ぶち抜いてやるぜ!!」
「ッ!? 各員、退避だ!」
自分の周囲に展開していた仲間に退避する事を知らせると、すぐさまマンションから走って逃げるゴドウィン。
だが、それを追いかけるようにキャノンディストーグが重い足取りで迫っていく。
齢40手前にも拘らずその健脚で逃走を図るゴドウィンだが、数歩後からキャノンディストーグが放つ砲撃が地面を抉る音をして、更なる緊張感が彼を襲う。
「ぐぅ!? このままじゃ……!」
「そのままぶっ飛べ!」
狙いを定め終えたキャノンディストーグは逃げ惑う刑事の背中目掛けて砲撃を行おうとしていた。
当たればゴドウィンは一溜まりもない……そう思い、意識を集中させて砲弾を放とうとした。
――だが、突如現れた赤いバイクが勢いよく体当たりをしてきた。
突然の乱入者に想定してなかったため、射線は大きくそれてゴドウィンの左の地面へと着弾した。
いきなりの出来事に声が出ないゴドウィンが驚くと、そこへ先程のバイクとそれとは別のバイクがやってくる。
現れた2台のバイクに乗っていた二人……グレンとトツカはゴドウィンに話しかける。
「よぉ、ゴドウィン。元気にしてっか?」
「て、てんめっ!? グレンじゃねえか!? なんでテメェがここにやがるんだよ!?」
「アナタの可愛い娘さんに頼まれたんだよ。お父さんを助けてほしいって」
「あっ、ヨハンナのヤツぅ!?」
ある意味商売敵でもあるグレンの顔を見たゴドウィンは死にそうになっていた状況にも関わらず突っかかるが、グレンが口にしたヨハンナの名前に反応して驚愕の表情を浮かべた。
その横ではこちらへと近づいてくるキャノンディストーグを見て、トツカは冷静に分析していた。
「あれは、バリスタの能力を使ったディストーグね。キャノンディストーグ自体は私の世界にもいたけど、見た目と能力は異なっているわね」
「誰だよアンタ?」
「トツカ・ハーケン。それにしてもおじ様、ディストーグ相手に生身で挑むなんて無謀にもほどがあるわよ?」
「ああん!? 美人なお嬢様かと思いきやいきなり侮辱か!?」
未知の怪物を目の前にして特性を口にするトツカに、ゴドウィンは突っかかる。
迫ってくるゴドウィンを他所にトツカはグレンに叫ぶ。
「気を付けて、キャノンディストーグの特徴は火力が高い。当たれば一溜まりもないわよ」
「おう、つまり当たらなければいいんだな?」
トツカのアドバイスを噛み砕いて理解したグレンはトリニティドライバーを腰に装着した。
そして、一つずつライドクォーツをドライバーへと装填していく。
【Trinity-Driver】
【1GO・KUUGA・ZERO-ONE】
【
「変身!」
【BEGINING-STORM】
グレンが叫ぶと同時に浮かび上がった3人の仮面ライダーの鏡像が重なり、一人の仮面ライダーへと姿を変える。
その姿を仮面の戦士・仮面ライダーゼクスへと変えていく。
曲がりなりにも変身した様子に間近で見ていたゴドウィンは驚いた。
「おまっ、グレン何なんだその恰好!?」
「新しいスーツだ。生かしてるだろ!」
ゴドウィンの問いかけに気さくに答えると、すぐさまキャノンディストーグへと走っていくゼクス。
謎の戦士の登場に驚きながらもキャノンディストーグは再び主砲を向けた。
「誰だお前は! とっととくたばれ!」
「やなこった、――タイタントラスト!!」
発射された砲弾を見て、すぐさま紫の重い斬撃・タイタントラストを出現させて、手刀の要領で振り下ろす。
砲弾は真っ二つに斬れて、地面へと叩き落とされてしまう。
キャノンディストーグは目の前で起きた出来事に驚き、隙を見せてしまい、そこへゼクスが迫る。
「おらよっ!」
「ぐぅ!?」
「オラオラオラオラオラァ!!」
キャノンディストーグに接敵したゼクスの素早い連続パンチが炸裂していく。
元になった大砲や戦車譲りの硬い装甲を以てしても鋭い一撃がキャノンディストーグへ何回も響き渡る。
やがて気合を込めた一撃が鳩尾へ叩き込まれた。
「とぉりゃああ!!」
「グワァァァァーッ!?」
ゼクスの一撃が炸裂したキャノンディストーグはその重厚な巨躯を地面へと舞い上がらせて、地面へと叩きつけられる。
ただでさえキャノンディストーグでも手を焼いているのに、怪人を蹴散らすほどほどの圧倒的な戦闘力を有するゼクスを見て、ゴドウィンは驚くしかなかった。
「おいおい、なんなんだよあれ!? 圧倒的だろ……!」
「……! 気を付けてグレン!」
何かに気づいたトツカは咄嗟に叫んだ。
彼女の様子に気づいたゼクスはキャノンディストーグへ注意を向けると、こちらへ両腕の機銃を向ける光景が目に飛び込んできた。
その瞬間放たれた銃弾が炸裂し、火花を散らしながらゼクスを吹き飛ばした。
「ぐあっ!?」
「グレン!」
「平気だ! それよりも……なんなんだアレ!」
トツカの叫びに答えると、ゼクスは振り向くと、そこには先程とは異なる姿になったキャノンディストーグの姿があった。
人間の両足を持った下半身は戦車の無限軌道のついた車体に変わり、両腕は機銃そのものに変わっていた。
その姿はまるでこの世界を代表する兵器・戦車。
戦車形態"キャノンディストーグ・タンク"へと変貌したそれは3つの銃口を向けた。
「蜂の巣にしてやらぁぁ!!」
瞬間、キャノンディストーグ・タンクから放たれた砲撃の嵐がゼクスへ襲い掛かった。
ゼクスは咄嗟にビギニングストームの能力の一つ・ライダージャンプを駆使して避けるが、迫りくる銃弾の嵐に近づけない。
持前の飛び道具と言えばペガサスフィンガーの射撃しかないが、効くかどうか怪しい……どうにかして目にも止まらぬ速さで重たい一撃を近づかなければ。
そう思った矢先、トツカが叫んだ。
「グレン、私のマシンゼロエクステンダー使いなさい!」
「なっ、なんだって!?」
「私が乗ってるいつものバイクを使えってこと! マシンゼロエクステンダーは元々仮面ライダー専用に作っていた相棒よ!」
聞きなれない名称を耳にして聞き返してきたゼクスにトツカは苛立ちながら教えた。
トツカが腕のスマートウォッチを操作すると、同時に彼女の持っていた赤いバイク――『マシンゼロエクステンダー』がライトを灯し、無人のまま動き出す。
こちらへと向かってくるマシンゼロエクステンダーを見て、ゼクスは無言で頷くと地面を蹴り上げて大きくジャンプ。
キャノンディストーグ・タンクの攻撃を避けながら空中で1回転すると、マシンゼロエクステンダーの座席に座ってハンドルを握る。
「んじゃあ、いくぜ!! Let`s rock 'n' roll!」
初めて乗ったにも拘らず、馴染むように握ると、勢いよくアクセルを吹かす。
けたたましい轟音と共に、マシンゼロエクステンダーはキャノンディストーグ・タンクへと向かっていく。
キャノンディストーグ・タンクは両腕の機銃の掃射で何とか迫る事を邪魔しようとするが、赤い粒子を纏ったゼクスの駆るマシンゼロエクステンダーは銃撃を掻い潜り、迫っていく。
これではまずいと思ったキャノンディストーグ・タンクは
「ぐぅ、このぉ! 来るんじゃねえ!!」
何も恐れもせずにこちらへ向かってくる人機一体の存在に恐れ戦きながら、キャノンディストーグ・タンクは主砲を向け、一心不乱に砲弾を放つ。
だが、それらを上手く回避しながら走るマシンゼロエクステンダー、それを駆るゼクスには何の意味もなかった。
キャノンディストーグ・タンクとの距離が目前まで迫ったとき、ゼクスは咄嗟にベルトを操作する。
「いくぞ、逆転劇の始まりだぁ!」
【BEGINING-STORM……VORTEX-POWER】
ドライバーから発せられた電子音声と共に、ゼクスの乗るマシンゼロエクステンダーは赤い粒子に包まれる。
その異様な光景にキャノンディストーグ・タンクは咄嗟に砲弾を放った……だが、砲弾は赤い粒子を潜り抜けて飛んでいき、ゼクスは赤い粒子となって消えていく。
異様な光景を見て驚くキャノンディストーグ・タンクの上空からマシンゼロエクステンダーによる鋭い一撃が控えてきた。
「バーストライダーブレイク! どりゃああああ!!」
「なっ、嘘だろ……ぐあああああああっ!?」
上空に現れたマシンゼロエクステンダーによる必殺の突撃『バーストライダーブレイク』により、キャノンディストーグ・タンクはその硬い車体ごと貫かれて爆発。
爆炎の中からマシンゼロエクステンダーに載ったゼクスが現れて、爆発の背姿に佇んでいた。
~~~~
グレイヴクォーツは粉々に砕け散り、残されたウォーマンは銃や爆弾といった危険物所持で逮捕されることになった。
まさか捕まえようとした容疑者がディストーグなる怪人に変身するとは思ってもなかったゴドウィンは、今から去ろうとするグレン達に声をかけていた。
「たっく、礼は言わんからな。グレン。お前のせいでこっちはどんだけ迷惑かけてるんだって思ってんだ」
「俺も好き勝手やってるわけじゃないんだけどなぁ。まあ俺はともかく、娘さんに顔出しなよ? 彼女のおかげで」
「ふん、言われなくてもわかってらぁ」
グレンに対してぶっきらぼうに言葉を告げた後、ゴドウィンは規制線を超えて戦いの場であった場所へと赴く。
それぞれの愛機のバイクを手で押しながら、ふと先程の戦いを思い出す
「ああ、しっかしまさか出向いた先にディストーグがいるなんてなぁ」
「うん、どうやら思ったよりこの街に蔓延ってるようなものね」
「へーへ、ライダーになれたのはいいけどコイツは骨が折れそうだな」
「あら、私はそうでもないわよ?」
「えぇっ、どうして?」
このバルダーシティの街に流通しているであろうディストーグチャージャーの事を想像して苦笑いを浮かべるグレンに対し、ケロッとした表情をしているトツカ。
彼女に対して問いかけると、トツカは満面の笑みで答えた。
「だって、自称不死身の男がいるんだもの」
「……たっく、こりゃそう簡単にやられるわけにもいかなくなったな」
万人が見たら惚れそうな素敵な笑顔を目の前にして、口角を吊り上げた。
そうして二人は他愛無い会話をしながらデイビスへの帰路へと向かっていった。