そのため、いきなり急展開!という場合もありますので、読みたくなくなった方は、すぐおやめになられてください。
今後もよろしくお願いします。
ファイズ・The final accel
いつ頃だったか、自分に夢が無くなったのは。
青い空を見ながら、拓真は思った。澄んだ空には、何羽もの鳥が飛ぶ。行く場所など無いものの。
きっと「彼ら」にも夢はあるのだろう。人類が飛ぶことを夢見るように、鳥達にも何かしらの夢がいくつもあるのだ。
「待ってろよ。俺もそこに行くからな。」
拓真は叫んでいた。飛ぶ術などどこにも無かったのだが。その時、妙な違和感を感じられた。
何者かがこちらを向き、微笑んでいる。拓真は身の危険を感じすぐさま河川敷の草原を離れ、ビル街に出た。街はもうすっかり夜の空気に押しつぶされていた。店の看板が光を放ち始め、若者がそこら中で騒いでいる。
「いいなぁ、みんな夢があって。」
よく見る光景なのだが、拓真には程遠く感じられるのであった。と、突然携帯が鳴り始めた。
「もしもし、西岡君??大変なの!すぐ大原高校まで来て!!!」
「わ、分かりました!すぐ向かいます!」
拓真は携帯をポケットに滑らせると、弾かれたように走り出した。
気が付くと教室のドアを開けていた。ガランと音を立てドアを開けると、数名のクラスメイトと見たことの無いロゴの付いたアタッシュケースが置かれている。
「どうしたんですか??」
慌てた声で拓真が聞く。
「西岡君!」
名前を呼んだのは先ほど電話を掛けてきた張本人、片崎 朱美。
彼女は高校の先輩で、クラスの世話をしてくれている。大手企業の娘で、かなりの美女。
「見て。これ、分かる?」
「スマート・ブレイン?って、朱美さんのお父さんの会社じゃないですか。でも、開発エンジニアとして働いてるんですよね?なぜこんなものが・・・。」
「実はね、最近パパが行方不明になったの。それで、警察とか、パパの同僚に聞いてみたりしたんだけど、なかなか見つからなくって。ママも心配してるところなの。そんな時、これが届いたってわけ。」
朱美は拓真のところにアタッシュケースをパスした。少し重く、確かに「SMART BLAIN」のロゴが貼られている。
「何が入ってるんですか?」
朱美はすぐ答えようとした。
「それは・・・っ」
が先に聞こえてきたのは悲鳴だった。ドアは壊され、煙が立ち上っている。そしてそこには、いつかみたであろう男が立っていた。
「お前は!」
拓真はとっさに跳ね起きた。そう、そこに居たのは先ほど河川敷の向こう側にいたあの男だった。
「やはり、あなた達が持っていましたか、「それ」。」
男は壁にもたれかかり、タブレットを取り出す。そして、何かを打ち、こちらを向いた。黒いスーツが
目立つ。
「あんた、何者?ここら辺の人じゃないわよね。どちらにしろこの子達に手出しはさせないはわ!」
朱美が言うと、教室にいたクラスメイト達は全員、朱美の後ろに隠れた。
「ケースを渡しなさい。でなければ、あなたをデリートしましょう。」
そう言ったかと思うと、男の顔に不気味な紋章が浮かび上がった。そして、奇妙な音と共に男は灰色のサソリのような怪人に変化した。教室中に悲鳴が響き渡る。朱美は目を点にしてその男、いや「怪人」を恐る恐るにらんでいる。拓真はふいを突き、机の下に隠れた。男は近づいて来る。
「あなたの父親は何を企んでいるのやら。」
「パパを知っているの?」
朱美が震えた声で聞いた。
「ええ、知っていますとも。深いかかわりはありませんがね。」
「ならどこにいるか知っているんでしょ?教えてよ!お願い!」
朱美は怪人の太ももを掴みながら叫んだ。すると、怪人は朱美を突き飛ばし、辺りを見回し始めた。
「そういえば、アタッシュケースがありませんね。どこにいったのやら。」
身の危険を感じたのは、その時だった。怪人は拓真の隠れている「はず」の机を真っ二つに切り裂いた。しかし、そこには誰も居なかったのだ。拓真はドア付近の教卓の下に隠れていた。あの時動いていなければどうなっていただろう。拓真はふと思った。逃げ出せるのか、無理だろう。自分は今、この狭い教卓に閉じ込められているのだから。
「キャアアアアアア!!」
という悲鳴と共に、拓真は朱美の事を思い出した。隙間からのぞいてみると、朱美が後ずさり、怪人が追い詰めていくという状況である。動きたい、でも動けない。心の不安が自分を包み込んでいるかに思えてきた、朱美の涙を見るまでは。その時拓真は確信した。これは不安なんかじゃない、誰かを助けたい、そんな思いであると。本能に導かれ、拓真はアタッシュケースを開けた。そして、説明書を読み終えたかと思うと、ベルトのようなものを出し、握り締めた。
「時間切れです。デリートを行う・・・。」
「待て!!!」
咄嗟に声が出ていた。そして教卓を蹴り上げ、拓真はベルトを腰に巻きつけた。
「西岡君?!私のことはいいから、早くそれを持って逃げて!」
朱美が叫ぶと、割り込むようにして怪人が出てきた。
「待ちなさい!あなたに使えるようなものでは無い!さあ、それを私に!」
しかし拓真はそれを無視し、携帯のようなものを取り出した。そしてそれを開き、「5、5、5、Enter]の順に押す、そして、
「Stunding By」
の電子音声が鳴り響いた。そして、携帯のようなものを上にかざした。
「変身!」
次の瞬間、拓真は携帯のようなものを下に振り下ろし、ベルトのバックル部分に挿し、横に勢い良く倒した。
「Complete」
の電子音声と共に、拓真の体に赤いラインが走り始めた。そして瞬く間に拓真の体は黒と赤のスーツに包まれ、黄色の複眼のマスクを形成し変身した。朱美は輝いた目でこちらを見つめ、怪人は焦っているようだった。
「ファイズ、あなたが変身できるとは・・・。」
「ファイズ?」
拓真が自分の手を見ながら聞いた。
「我々オルフェノクを倒すための戦闘スーツ。しかし元々はオルフェノクの王を守るために作られたものなのです。ですから、オルフェノクや、オルフェノクの記号を埋め込まれた者にしか使えない、並の人間には変身できないはず。もしやあなたも・・・?」
「待ってくれ、お前らはオルフェノクって言うのか?」
「ええ。一応人間なんですがね。」
怪人の影に怪人になる前の「男」の姿が映った。
「おっと、しゃべりすぎましたね。さあ、ファイズギアを返して貰おうか!」
「オルフェノク」はそう言うとものすごいスピードで突進してきた。拓真はぎりぎりでよけ、相手の胸を一発殴った。するとオルフェノクは教室の壁を粉砕し、廊下に飛ばされた。すると拓真はベルトの横からポインターのようなものを取り出した。そして携帯のようなもの、ファイズフォンからメモリーを取り、ポインターにつける。するとポインターの先端が少し伸び、
「Ready?」
の電子音声が聞こえた。オルフェノクはよろけながらも向かってくる。拓真はポインターを右足に付け、走ってきたオルフェノクの腹に右足の裏を押し付けた。そして、ファイズフォンを開き、「Enter」のボタンを押す、すると
「Exeed charge」
の電子音声が響き、ベルトの辺りから赤いラインが右足のポインターめがけて発光し始めた。そしてポインターから「キュイイイイイン!」という音とともに赤い円錐型のようなものが放出され、先端がオルフェノクの腹を押した。拓真は勢い良くジャンプし、空中で一回転をした。
「ハアアアア!」
拓真はコーンの先端のオルフェノク目掛けて飛び蹴りをする。足がオルフェノクを貫通させたかと思うと、拓真はすばやくオルフェノクの後ろにワープする。そしてオルフェノクは、青い炎と共に灰になり、その上には赤いギリシャ文字のΦが浮かび上がっていた。
序盤ではファイズが登場しました。これからもライダーズギアの所持者変更、どんどん行なって行きたいと思いますwww
読み終えてくださってありがとうございました。