ごちゃまぜ習作集   作:お否さま

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※小説というか詩です。


【名無しと傘とケーキ】

ぽんぽんぽろぽろ、音跳ねる。

からころからころ、足も踊る。

あの子と指さされても。

楽しさに目を向けられても。

幾秒あとには名無き歌。

だってかろやかに心が踊る。

だって弾けた笑顔こぼれる。

好きなあの子と同じ傘、

好きなお菓子が家に待つ。

そんなわたしの午後のアメ。

雨いけいきも付けちゃえば、

くらい空も宝石が踊って見える。

あなたもおひとついかがです?

 

あなたによってひとつ。

 

とんとんとことこ、音跳ねる。

かんかんこんこん、ボウルも歌う。

あの子と指さされても

嬉しさに目を向けられても

全て忘れた浮かれ歌。

心がかろやかに明日を待つ。

笑みが弾けて明日を待つ。

好きなあの子にプレゼント

好きなお菓子でプレゼント。

そんなおかしな浮かれ気分。

ちょこっと過剰と母が言う

されど、恋する乙女は熱いもの。

あなたもおひとついかがです?

 

あなたと重ねてふたつ。

 

どんどんどろどろ、雲泣いて。

じんじんしとしと、頬濡らし。

昨日を願った灰の空、

近くて触れない過去の空。

思い出しても消える歌。

黒ずんでいく青い記憶と

晴れることない雨の記憶。

好きなあなたを忘れたい、

好き「だった」とは言いたくない。

噛んだ苦さを消すために

甘く甘く染めようと

あなたの味にしていたい。

おひとついかがとまた言いたい。

 

あなたを重ねてみっつ。

 

キラキラ雨粒の春越えて

甘く想って冬越えて

大事な苦さ連れ夏越えて

 

そうしてもう一度あなたに出会う。

 

はらひらへらり、葉が落ちる

くらりくるりと、枯れ落ちて。

遠く夏からこの街へ

忘れも飽きずあなたの街へ。

今は私が名もなく歌う。

色づき枯れた記憶が指した

見えないはずの心が呼んだ

好きなあなたにもう一度と。

好きなあなたに何度でもと。

からりとした空には似合わぬ雫

コーヒーカップにポツリと1つ

さくりと聞こえたその音に

忘れぬあなたの味を見て

あなたもおひとついかがです?

 

あなたへ あなたへ

話したいことは沢山あるけれど。

思いは溢れてやまないけれど。

それでもこれだけ言わせて欲しい。

何年たとうとあなたが大好きだよと。

 

そうして季節は巡って重ねて4つ。

あなたと巡って重ねて4つ。

全ての季節にあなたがいる。

どの季節もあなたを忘れない。

だから、どうかいつまでも、

あなたも私を想っていて。

おかしな私の甘い思いを全てあなたに捧げるから。

 

そんな私を君は笑う

春と同じように

ケーキを食べた時みたいに

 

そっと告げたその言葉は

冬の空気のように澄み切って

チョコのように甘くって

 

私に別れを告げた時のように安らいで

コーヒーが香るように中毒性がある。

 

「ぼくもきみがずっと好きだった。」

 

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