【トランプと温泉とコンカフェ】
「はい、いっち抜ーけた」
ハートの女王様が私の所から奪われ別の女と添い遂げるのと同時に、友人がゴールインを決めた。
きー!っだれよその女!
「なーんでだよぉ〜……」
「ひっひっひ、悪いねぇ」
いかにも悪役です!みたいな乙女がしちゃいけない程度に悪どい顔した彼女は、私に残された手の中のジョーカーにとても似ている。
性格悪いし似てるかとか思いながら、へっと笑っていると鼻を摘まれた。エスパーかこいつ。
「あんたも大概同じ顔してたから」
「はいはい、夫婦漫才終わったなら早くあたしんとこから抜いてくれ」
なんて失礼なやつ。
だけど、嘆いていたって仕方ない。
「覚悟はいいかい、私はできてる」
「まぁさすがに三連敗すれば覚悟も決まるだろ」
黙ってろい。
今回こそビリ回避して、罰ゲームを押し付けるんだよ! 女には負けられない時がある!
そんなこんなで熱戦の末、湯けむりコンカフェトランプ対決〜リーダーがごねるから4回目〜は相手にジョーカーが渡り、私が当たりを引けば終わるくらいにまで進んだ。
「なかなかにねばるじゃないか」
「こっちもお土産代がかかってるんでね……!」
「がーんばれー」
気の抜けた声援を横に私たちは互いを観察する。
ふむ……。肩より長くて光に反射するくらい綺麗に染めた金髪、切れ長でクールな目。ウチの店に来る虐められたい側の変態さんたちからはありがたがられる、キツめだけど心を撃ち抜かれる女神みたいに美人顔。
スタイルは細身だし、私より胸ないけどそこがいい。身長もそんなにない、可愛い。
「んーーーーよしよしよし」
「おい、勝負はどうした」
気づいたら撫でまくっていた。
だって綺麗で性格キツそうなのに撫でても振りほどかないし小動物っぽいんだよ?可愛くない?誘惑に抗うの無理だろ。撫でながら目の前に出されたカードをつい受け取ってしまうと燦然と輝くジョーカーの笑顔。
ハッとした時にはもう私のカードは取られて……
「よっし、温泉上がりのコーヒー牛乳はまたあんたもちだな」
「謀ったな、下郎がぁ!!」
「勝手に堕ちたんだよなぁ……」
「すげぇ言葉遣い」
呆れながら私を見下ろす超美人と、ケラケラ笑いながらお菓子を頬張るロリから片足抜け出せてない1位の悪人をよそに、畳に拳を叩きつける。
力が足りずに鳴ったポンっという音は、まるで盛者必衰の理を現しているかのようだった……。
「いや、盛者もなにもあんた1回も勝ってないからな?」
4連敗した私は美人とロリの裸相手に風呂場で一悶着起こしながら、みんなにコーヒー牛乳を奢った。もちろん、お土産代は足りなくなったので、追加で下ろしたし財布も寒くなった。
まぁ、美少女と戯れたのでプラマイプラスかな!よし!