ごちゃまぜ習作集   作:お否さま

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【稲光とガムシロップと窓ガラス】

カメラのフラッシュより強い白が、 薄暗い部屋の全貌を一瞬だけ浮かび上がらせる。カーテン、窓近くのダンボールと小さなテーブル、2人用の椅子、向かいのテレビ。

そして、数秒を置いてどこかで腹に響く重低音が唸った。

 

不定期に照らされる暗い部屋の中で、私はベッドに埋もれていた。うつ伏せで、体が腐り落ちたかのようなおぞましい声を漏らしながら。気合いが足りないと誰かになじられようと、仕方の無いことなのだ。ご立派な低気圧のおかげで脳の内側から金槌をぶつけられているようでとても気分が悪いのだから。そりゃもう容赦なくガンガンと。気力なんて起ころうはずもなく、結果目が覚めても倒れ込んだままなのだった。どこの世界に頭を金槌で殴られた後に起き上がる人がいるってんだ。現実で見かけたらただの化け物だよ。

 

ただ、一日何もしないまま過ごすのも癪だ。

そう考えてせめてもの抵抗として腕を伸ばして掴んだ携帯はしかし、無情にも1時間後の勤務を伝えてきた。

現実と眩しさから目を逸らそうにも反対側は、窓ガラスと雨粒が見えて、携帯よりもさらに激しい光をお見舞いしてきた。ますます外に出るのが憂鬱に感じてきた。

 

あいつも同じ気持ちだと胸が空くんだが。

いつも座っていたソファと置いていったダンボールを見る。いくら眺めたところであいつは帰ってこない。しかも、いくらそんなこと考えてても結局知る方法も無いし、つまりは意味が無い。あいつが残した大量のガムシロの消費方法を考えるくらいに。

 

ひとつ掴んでペリペリと蓋を開ける。

直接口に流し込むと退廃的な味がした。死ぬほど甘ったるくて健康に悪いと思う味で、これ一個で充分だなと思わせる、そんな感じ。

 

でもきっと「まだあるのか」と明日も1つ消費するだろう。

いつなくなるのかとウンザリしながら、それでも一つ一つ着実に、それこそ意味も無く。いっそすべて持っていってくれたら良かったのに、とずっと思っている。

どうせ全部無くなっても、いつか思い出してダンボールの中身を補充している私が見えるけれど。

 

「あー」

 

ベッドに何もせず横たわってるより嫌な想像だ。

立ち上がり、風呂に入る。べっとりと頭の片隅にいつまでも残り続けるそれを汚れごと洗い流すために。不愉快な湿気を少しでも軽減するために除湿機も回しておこう。風呂から上がった時は多少マシにはなっている……ハズだ。

現実逃避気味に、何となくテレビをつけると「明日も今日と同じぐらいの雷雨でしょう」なんて追い打ちをかけられたので、鬱。ため息と同時に電源を消して、暗い部屋とガムシロの箱を後目に、仕事の準備を始めるのだった。

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