ごちゃまぜ習作集   作:お否さま

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【斜めと洗濯と鴉】

なんか窓の外がぎゃあぎゃあうるさい。

 

午後三時ぐらいのニュース見ながらポテチ食う、休日で最も心安らぐ時間だったのにやたら窓の外がうるさい。

あまりにうるさいので猛獣のような勢いと眼光でベランダに目を向ける。そこには1羽の鴉がいた。そいつは、干してたベッドシーツにしきりに嘴をつき立てようとしていたのだ。

窓から覗いた私に気がついたのか、ソイツはふいっと顔を上げる。

目がバッチリ合った状態で、こてんと首を傾ける鴉はなんともふてぶてしい。記憶の片隅から主張してくるような憎たらしさだが、端すぎて思い出せない。あと、なんか頭の毛が微妙にちょろんと立っていて寝癖のようだ。

 

ドスドス音を立てながらそいつに近づくも逃げる気配は一向にない。とりあえず、うるさい、と抗議の意を込めて窓ガラスをコツコツ叩いてみる。

するとヤツもこちらにゴムまりのようにちょんちょん跳んでくると。

コツコツ。

ちゃうねん。

遊んでるじゃないねん。

 

今度は追っ払う気持ちも封入して強めに叩いてみる。

すると、黒坊主はてけてけと離れる。

やれ、伝わったかと思えばベランダの隅にあった、どこかから飛んできた木の枝を掴んで同じ回数ゴツゴツと返してきた。

ここまで来ると逆に感心してしまう。

寝癖も相まってとぼけた面に見えるが、中々どうして賢いのかもしれない。

迷惑ではあるが。

 

先程のいらだちはどこへやら。新しいおもちゃを見つけた子供のように好奇心がムクムク湧いてきた。

どうせ、ソファに戻っても生産性のないニュースを見ているだけだし、少しこいつで遊んでみるか。

右手をカラスに出す。そして、指を三本立ててそいつに見せてみる。

すると3回窓ガラスを叩いてきた。

4本だと4回。

 

ふむ。

 

両手を出して左手は1本、右手は5本にしてみる。

さて、どうする?

 

コツコツ。2回だけ。

 

やはり計算は出来ないか、所詮カラスだもんな。

ふふん、と少しばかり優位に立った気分で次の問題に移る。

次は左手に4本、右は握りこぶしにしてやる。ゼロ本だ。

 

5回叩かれた。

 

さすがカラスだ。人間様には勝てないか。

畜生相手に大人気なくも小さな勝利感に浸っていると真後ろのテレビから「じゃんけんぽん」という声が耳に飛び込んできた。

驚いて後ろを振り返ると、芸能人がジャンケンをしていて、出している手はパーとチョキ。片方は喜んで片方は悔しがっていて。その奥に置いてある鏡には、寝癖が着いた自分とどことなく勝ち誇った顔の鴉が憎たらしく首を斜めに傾げていた。

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