ごちゃまぜ習作集   作:お否さま

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【プレゼント】

ハッピーバースデー!

 

クラッカーの音が僕にかかる。

家の中には家族4人。父、母、姉、兄。

妹は僕の手を掴んで一緒に入ってきていた。クラッカーの音にびっくりしてたけど、今はキラキラした目をしている。もちろん僕も同じ顔だろう、だって僕の誕生日だし、サプライズも嬉しいから。

みーんな笑顔で誕生日を祝ってくれるの、こんないいことも無いだろ?

 

クラッカーの雨をアタマに乗っけたまま、僕と妹は両親に突撃する。

 

「ありがとー!!」「がとー」

 

がっしりと頼れる体で受け止めてくれた父さんと、後ろから抱きしめてくれる母さん。姉さんと兄さんは2人で頭を撫でてくれる。改めて見回してみると、部屋の中は色々飾ってあるし机にはプレゼントも置いてある。美味しい料理だって!

 

それにそれに。クリスマスよりも僕の誕生日を優先してくれたのがほんとに嬉しい。兄さんや姉さんだってサンタさんからプレゼント貰いたいだろうに。

きっと明日の2人と妹の枕元にはどっさりとプレゼントが置いてあるに違いない。

おめでとうの言葉もそこそこにパーティが始まる。

もちろん、僕が特等席!妹も膝の上でバッチリだ。

 

「ほんとに生まれてきてくれてありがとうね、これプレゼントだよ」

 

席に座るとみんなから愛の言葉とプレゼントが渡される。なんだか心がとってもポカポカしてすごくいい気持ち。だからお返しをしなきゃと僕は思ってたんだ。毎年恒例だからこそ。

 

「今年は僕からもプレゼントがあるよ!」

 

サンタさんに貰う分だけじゃなくて、僕の感謝の気持ちもクリスマスの素敵な贈り物にのせてみんなに渡したい。母さんに隠しておいてもらった戸棚の中のプレゼントを出してもらう。ヒゲモジャな顔でニコニコしながら手伝ってくれる父さんはスキップでもしそうだ。

僕のお小遣いじゃ少し足りなかったから、兄さんとか姉さんとか父さん母さんにいっぱいお手伝いをして頑張って集めたプレゼント。

 

「いつもありがとう!」

 

僕を愛してくれて!

貰ったみんなはそれぞれ号泣しててさすがの僕もちょっと困った。妹はとっても喜んでいたんだけど、みんなの空気に当てられてやっぱり泣いてて、僕も泣いちゃった。でもお母さんに怒られた時とは違ってなんだかすごく安心したのがびっくりしたよ。

 

その日の夜、僕はみんなみたいにワクワクして眠ることは無い。誕生日プレゼントの中にサンタさんからのプレゼントも混じってるからみんなより先に貰えるんだ。だけど、少しだけ不満もある。こんなに楽しくて嬉しいのにそんな不満は言うべきじゃない。でも僕もみんなと同じようにサンタさんにワクワクしながら寝たいな、ってそう思う時も少しはあるのが事実。

 

けど。

 

「あのね、兄様」

 

妹がベッドの中に潜り込んできた。

 

「どうしたの?一緒に寝る?」

「うん、でもそれだけじゃなくて。」

 

いつもよりも1人多い体温が混ざり合う布団の中。さらに身を寄せてくると互いの吐息も混じり合う。思わず2人してじーっと見つめあって……。ふっとどちらからともなく笑いが漏れる。クスクスという笑い声はもしかしたら父と母に聞こえているかも。でも、そんなことはどうでも良い。可愛い妹の言うことを聞くのはお兄ちゃんの役目なんだから。

 

「あのね、クリスマスプレゼント」

 

はい、と小さな手が小さな箱を僕に渡す。けれど彼女は既に。

 

「誕生日プレゼント貰ったよ?」

「んーん、ちがうの、クリスマスのプレゼント」

 

違うらしい。よく分かっていないけど、これはこれで嬉しい。ありがとう、という気持ちを込めて頭を撫でる。

 

「うん、にいさまは誕生日プレゼント貰うけど、クリスマスは貰えないから、私がプレゼントの交換してあげよーって」

 

小さな声だった。けれどそれは僕の目の前で大きく拡がった感情の起爆剤でもあった。思わず、と手が出る。「わぷ」妹を胸に抱き寄せ可愛さに大好きと言い続ける。

 

つまりは誕生日とそのお返しはしたけど、クリスマスのプレゼント交換をしてないから、ということ。

とてもとてもいじらしくて愛らしくて心の中で嵐が渦巻くようだった。愛が爆発を起こしていた。

 

あぁ、不満なんてたれていたのがバカみたいだ。

だってこんなにこんなに可愛い妹が僕のために。

小さくてそれ以上に暖かくて。大きなプレゼントをくれるサンタさんは来なかったけど、結局僕にはもっと大きなプレゼントをくれる天使がいた訳で。

 

雪の降る聖なる夜に。

僕は何があってもこの子を守ろう、そう誓った。

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