ドラゴンクエストIX 地上で輝く星空に   作:サムハル

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13.セントシュタインへ

 

リッカの家

 

 

家の前では準備を済ませたリッカちゃんがおじいちゃんと旅立ちの挨拶をしていた

 

 

リッカ「はなればなれになっちゃうけど元気でね、おじいちゃん」

 

 

 

おじいちゃん「お前も慣れない都会暮らしで苦労も多かろうが、くれぐれも体を壊さぬようにな」

 

 

 

ルイーダ「お孫さんの事、心配でしょうけど私も出来る限りサポートしますからどうかご安心ください」

 

 

 

おじいちゃん「はい、ルイーダさん。どうか孫をよろしくお願いします」

 

 

その近くでは僕とニードとナブが話していた

 

 

ニード「あーあ、結局リッカもセントシュタイン行っちまうし、ナインは当たり前だけど行っちまうもんな。少し寂しいぜ」

 

 

 

ナブ「リッカまでいなくなっちまうのは悲しいですね、ニードさん」

 

 

 

ナイン「そうだね。でも、ニードの腕前だったらセントシュタインまで来れるんじゃないかな。遊びに行きなよ」

 

 

 

ニード「へへ、そりゃ確かに。名案だな、ナイン」

 

 

 

リッカ「ねえ、ニード。ちょっといいかな?」

 

 

リッカちゃんが優しくこちらに笑ってニードに手招きしている

 

 

ニード「へ....?」

 

 

おやおや?

 

 

まさかの展開にナブと少し顔を合わせてニヤニヤする

 

 

ニード「な、なんだよ!」

 

 

意地を張り始めたニードの背中をナブと一緒に押し出していく

 

 

ナブ「まあまあニードさん、こんな時くらい素直になりましょ」

 

 

 

ナイン「そうそう、大事な話だと思うな」

 

 

 

ニード「な!お、お前ら何勝手に!やめろ!!お前ら後で覚悟してろよ!」

 

 

リッカの家の裏手

 

 

リッカ「ごめんね、突然」

 

 

 

ニード「ふ、ふん!村を出ていっちまうやつが何の用だよ」

 

 

 

リッカ「ニードには、この村に来てからいっぱいお世話になったからどうしてもお礼を言っておきたくて」

 

 

リッカはニードの両手を優しく包み込んだ

 

 

リッカ「私、ニードがいてくれて凄くよかった。楽しかったよ、ニード。一緒に遊んだ事も、たくさんお話した事も、ちょっと....泣いちゃう所見せちゃった事も、全部忘れない。大切な思い出だよ」

 

 

 

ニード「.......そ、そう....か。そ、それならよかった.....ぜ。あ、あ、あのよ、リ、リッカ.....。お、俺は、ずっと前から......お前の事が!」

 

 

顔を真っ赤にして視線をあちらこちらにやりながらしどろもどろで話すニードの視線にある物がうつった

 

 

ナブ「あ」

 

 

 

ナイン「ありゃ」

 

 

 

ニード「な、なに覗いてんだお前らー!!!!」

 

 

真っ赤にしたニードがこちらへ一目散に駆けてくる。わいわいと賑やかになっていくのを、その場に立ち尽くしていたリッカは

 

 

リッカ「.......ふふふ、うん。私もだよ、ニード」

 

 

優しい微笑みでニード達を見ていた

 

 

しばらくして、ウォルロ村 入口

 

 

あれから顔がパンパンに腫れ上がった僕と一緒に、リッカちゃんとルイーダさんは村の人達に見送られて村を出た

 

 

なんで僕も一緒かというと、リッカちゃんとルイーダさんをセントシュタインまでの護衛も兼ねている。ルイーダさんも戦い慣れていそうだが、念の為である

 

 

リッカ「それにしても、ナインにもたくさんお世話になったね。たった数日だったのにいろんな事があったよね」

 

 

 

ナイン「そうだね。でも、最初はリッカちゃんが僕を助けてくれたんだからその恩返しだよ。こちらこそお世話になりました」

 

 

 

リッカ「ありがとう、ナイン。でも、父さんが隠していたトロフィーをどこからか見つけてきちゃうなんて凄いよね。本当に不思議な人、もしかして本当に守護天使様だったりして.....。なーんてね、ナインはセントシュタインまで行ったらどうするの?」

 

 

 

ナイン「僕はまた旅をしようかなって考えてるよ」

 

 

 

リッカ「そっか、そうだよね。じゃあその時にセントシュタインに立ち寄ることがあったら絶対宿屋に泊まっていってね!」

 

 

 

ルイーダ「私の酒場にもよろしくね。というより、セントシュタインに着いたらそのまま一度酒場まで来たらどう?前にも話したけど、情報も集まるし仲間もいるわ」

 

 

 

ナイン「確かに。じゃあセントシュタインまで護衛して、やる事あるのでそれが終わったら行きますね」

 

 

 

ルイーダ「ふふ、わかったわ。リッカと一緒に待ってるわ」

 

 

 

セントシュタイン

 

 

広い城下町とその奥に大きな白い城が目立つ街。旅人達もよく出入りしており、街だけでなく世界中の情報も集まる

 

 

城下町の所にはかなり大きい立派な宿屋が立っている。酒場や銀行なども兼ねたそこは常に冒険者が集う場所となっている

 

 

その宿屋の前でリッカちゃんが足を止めた

 

 

ルイーダ「大丈夫?リッカ。緊張してきた?」

 

 

 

リッカ「は、はい。今更ですけど、こんな小娘がいきなりやってきてでしゃはらないかなって」

 

 

 

ルイーダ「それはそうかもね。でも、私は人の才能を見抜く自分の眼力を信じてるわ。心配いらないって!」

 

 

 

リッカ「は、はい」

 

 

 

ルイーダ「それじゃ一緒に働く仲間を紹介するわ」

 

 

ルイーダさんはそう言うと中に入っていく

 

 

ルイーダ「ただいまー!私達の希望の星を連れてきたわよー!」

 

 

 

リッカ「ちょ、ちょっとルイーダさん....」

 

 

リッカちゃんもオロオロしながらルイーダさんの後ろについて入っていった

 

 

ナイン「大丈夫かな、ちょっと様子見るだけいい?」

 

 

 

サンディ「ええ、アタシも面白そうだから見てみよーっと」

 

 

宿屋

 

 

???「ちょっとルイーダ、何考えてんのよ?」

 

 

二人で中を覗くと、他の従業員?のような人とルイーダさんがぶつかっていた

 

 

???「この子に宿屋をまかせる?ただでさえ今危ないってのに、あんたここを潰すつもり!?」

 

 

 

ルイーダ「まあまあ落ち着いてよ、レナ。私がただの女の子を連れてくると思う?こう見えてもリッカはすごい才能の持ち主なのよ。きっとこの宿を救ってくれるわ!」

 

 

 

レナ「あんた、私を誘った時もそんな事言ってなかったっけ?私に金庫番の才能があるとか。自信満々にこの宿の救い主を連れてくるっていうから期待してたのに.....それがこんな小娘。アテにしたのが間違いだったわ」

 

 

中々な言われように割って入ろうとすると

 

 

リッカ「ちょっと待ってください!」

 

 

今まで黙っていたリッカちゃんが声を出した

 

 

リッカ「私、頑張りますから!宿屋の事は父からもいろいろ教わっていますから」

 

 

 

レナ「ふーん、あなたのお父さんも宿屋人だったの?父親の夢を娘が継ごうってわけね。その心意気は買うけどさ、宿屋をやるって事はそんなに甘いものじゃないのよ。大体、あなたに教えたというお父さんがどれ程の人だったか」

 

 

 

ルイーダ「その言葉を待ってたわ!さあ、リッカ。今こそあれを見せるときよ!」

 

 

 

リッカ「あ、あれ....?あっ、わかりました!これですね!?」

 

 

リッカちゃんは宿王のトロフィーを見せた

 

 

レナ「そ、そのトロフィーは!?」

 

 

 

ルイーダ「ええ、そうよ!セントシュタイン王から伝説の宿王に贈られた記念のトロフィー!これこそ宿王の実力と彼女がその血を引く者であることの紛うことなき証よ!」

 

 

 

レナ「で、伝説の宿王の娘!?は、ははーーーっ!!」

 

 

レナ達従業員がひれ伏した

 

 

リッカ「あ、あの、そんなみんなひれ伏さなくっても」

 

 

 

ナイン「面白いね、あのトロフィーそんなに凄いんだ」

 

 

 

サンディ「あの言いたい放題だったおばさんがひれ伏してんのは見てて気持ちいいわね。さて、大丈夫みたいだしさっさと峠の道に行きましょう」

 

 

 

ナイン「う、うん」

 

 

 

峠の道

 

 

僕達は天の箱舟が落ちている場所まで戻ってきた

 

 

サンディ「それじゃ開けるよー」

 

 

サンディが扉の前に立つと扉が光って中に入れるようになった。自動で開くドアなんて凄いな

 

 

中に入ると、少し薄暗いが周り一面が金の装飾が施されている。これが動けば、確かにあの時のように綺麗に美しい輝きを放つ列車になっているだろう

 

 

サンディ「これが天の箱舟の中よ。どう?中々イケてんでしょ。でも、出来ることならもっと可愛くしたいのよねー。まだちょっと地味じゃない?」

 

 

 

ナイン「ここも飾ろうとしてるのか」

 

 

 

サンディ「もち!ゴールドの中にきらきらピンクのラインストーンも並べてさ、アタシ色に染めたいワケよ」

 

 

 

ナイン「な、何言ってるのかよくわからないけどさ、とりあえず本当に動くの?これ」

 

 

 

サンディ「まあそれもそうね。う、動くかしら。やってやるしかないわね、やってやりマスよ!!」

 

 

謎の意気込みをしているが、そんなに不安なのだろうか。見ているこっちも少し不安になってきた

 

 

サンディは少し脅えた様子で運転席へ向かう

 

 

サンディ「そ、それじゃあいくよ。ス、ス、スウィッチ、オンヌ!!」

 

 

へっぴり腰でなにかのボタンを押す

 

 

ぷしゅー

 

 

どこか気が抜けたような音がしたのみで動き出す様子はない

 

 

サンディ「......あーあ。やっぱりダメなんですケド。アタシ的には天使を乗せれば動き出すって思ったのに。なんでかなあ」

 

 

 

ナイン「.....あ、あのさ、サンディ。僕も話したい事が」

 

 

 

サンディ「あ!ナイン、あんたあの時天使のくせに星のオーラ見えなかったよネ?それってやばくネ?きっとそのせいなんですケド。大体さあ、天使のくせに翼も輪っかも失うとかありえなくネ?」

 

 

 

ナイン「.....人の話を少しは聞いてよ。僕はもう、天使じゃないのかもしれないよ。それこそ、今サンディが言ったみたいに翼も輪っかもない、星のオーラを見る力もない。空間に物をしまう力も、人間を見つめれば心が読める力もない。残ったのは霊が見える力と、この天の箱舟が見えるだけ。

 

 

こんな僕をアテにしてくれたのは嬉しいけど、期待はずれだったでしょ。ごめんね、サンディ。別をあたってよ」

 

 

 

サンディ「.....別にまだ期待はずれってワケじゃないし。そもそも!アタシは他の天使全然見つけられなくてチョー焦ってたから、希望が見えただけマジ助かったから!こー見えてアタシもあんまりヒマこいてると神様に怒られるっぽいしネ。

 

 

っていうか、そう!神様よ!神様神様!!こんな事になってるのにどうして助けてくれないワケ?ナインは天使界から落っこちて力もなくなって大変な目にあってるし、アタシもこうやって天の箱舟動かせないで困ってるのにさ!おかしいんですケド....。もしかして、見つけられてない?」

 

 

 

ナイン「サンディ、神様って本当にいるの?」

 

 

 

サンディ「え?そりゃいるに決まってんでしょ。ってゆーか、マブダチみたいな?」

 

 

 

ナイン「え?サンディ、君って一体」

 

 

 

サンディ「目印があれば見つけてくれるかな。いっぱい人助けして星のオーラじゃんじゃん出せば、それが目印で神様に見つけてもらえるんじゃね?」

 

 

 

ナイン「そ、そうなのかな」

 

 

 

サンディ「え、なにその疑ってる顔。チョーウケる!まあとにかく、動いていきましょ!まずはセントシュタインから!さあ、いくヨーーー!!」

 

 

 

ナイン「お、おー?」

 

 

 

 





ナイン「わ、わ〜。なんか目を離した間に凄いことに」


ナインがやってくると部屋はピンクの壁紙やリボン、きらきらの宝石のような物でたくさん飾られていた


サンディ「これくらいフツーフツー。そういえばさ、ナイン。あんたにもう一つ気になる事あったのよね」


ナイン「なに?」


サンディ「リッカの時のトロフィーよ。あん時、あんたなんで知らないはずの昔の事ベラベラ話してたワケ?意味わかんないんですケド」


ナイン「あー.....。それね。実は僕だけなぜか持ってる力があるんだよね」


ナインは物を触ると過去と未来が視える力を話した


サンディ「へー。なにその力、やばくネ?なんでもやりたい放題じゃん」


ナイン「そんな簡単じゃないけどね」


サンディ「でも、だからかー。少し理解できたわ、あんたがなんでそんな自信ないヤツなのか。どーせアレでしょ?あのやたら面倒な天使達の事だから、周りからイジめられてたんでしょ」


ナイン「凄い、合ってるよ」


サンディ「はーあ、これだから天使は。そんな力あったってナインなら大丈夫ってわかるでしょ、こーんなぽやっとしてるんだからさ!」


ナイン「サンディは天使嫌いなの?」


サンディ「んー、まああまり好きではないわね。陰気臭くて面倒なのよ、あいつらは基本的に。だからナインは天使っぽくはないわよね、気楽でいいわ」


ナイン「ふふふ、それは嬉しいな。ありがとう」


サンディ「素直ねー、あんたのいいトコだと思うわ。じゃああんた、仲間の天使はいなかったワケ?」


ナイン「一応いたよ。師匠である天使と、僕のこの力を制御できるようにしてくれた天使と、僕達天使の長老ぐらいかな。後はあまり関わろうとはしてこなかったから」


サンディ「ふーん、そ。少しでもいたならよかった、落っこちたあんたを探してくれてるんじゃない?」


ナイン「......どう、だろうね。ちょっと考えられないかな」


サンディ「......そ。まあいいわ、とりあえず、またドンドン人助けしていくわよ!」


ナイン「うん」

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