ドラゴンクエストIX 地上で輝く星空に   作:サムハル

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16.泥棒

 

セントシュタイン城下町 広場

 

 

黒騎士退治のための武器や防具を整えるため、お店が立ち並ぶエリアに向かおうとナインとソールは歩いていた

 

 

ソール「お金ありますよね。こっちです、ナインさん。先に武器と防具のどちらを見ていきますか?」

 

 

 

ナイン「財布あるよ、ほら。じゃあ先に武器を見ておこうかな。武器屋の方でお願い」

 

 

 

ソール「はい、ではこちらですね」

 

 

案内してくれるソールについて行きながら財布をポケットにしまう。すると、前の方からフードを深く被った人がこちらに歩いてきた

 

 

ナインが通り過ぎようとすると

 

 

ふらっ

 

 

ナイン「わ、大丈夫ですか?」

 

 

フードを被った人がふらついたらしく、僕の方へ少しよろめいた

 

 

???「おっと、悪いな。サンキュ」

 

 

フードの中から少しだけ青い目の色が見えた。しかし、すぐにそのまま立ち去っていった

 

 

ナイン「大丈夫かな」

 

 

 

ソール「ナインさーん、どうしました?」

 

 

 

ナイン「ごめん、なんでもないよ」

 

 

 

???「....へへっ」

 

 

武器屋

 

 

剣や盾、槍や斧、棍などたくさんの種類の武器が置いてある

 

 

店員「いらっしゃい。お?ソールじゃねえか!久しぶりだな」

 

 

 

ナイン「知り合い?」

 

 

 

ソール「そうなんです。お久しぶりです、親父さん。父の冒険者時代の知り合いだそうで、昔からよくしてくれたんです」

 

 

 

店員「ソールのその格好.....兵士はどうしたんだ?休みか?それに、連れのこいつはダチか?」

 

 

 

ソール「えっと、この人はナインさんです。旅人で黒騎士退治を引き受けてくれたんです。それで、仲間がほしいとの事だったので兵士の俺が仲間になりました」

 

 

 

店員「おお!!あの黒騎士を退治してくれるってのか!そりゃありがてえ!ソールもそれに参加するって事か?まあお前の腕ならそこら辺の魔物なら問題ねえとは思ってるが、あのいかにもなやつとやり合うってのか....。よーし、わかった!俺の店の中でも最高なやつを出してやるよ!ちょっと待ってな!」

 

 

店員さんは豪快に話した後ドタバタと下に降りていった

 

 

ナイン「な、なんかどんどん話が進んでいく」

 

 

 

ソール「あはは....すいません。元からああいう方でして。ナインさんも剣を使われるんですね」

 

 

 

ナイン「うん、一番使ったからね。武器は軒並み訓練したけど、剣がやりやすかったから」

 

 

 

ソール「訓練ですか。ナインさんにも教えてくれた方がいるんですね」

 

 

 

ナイン「あ....うん。師匠の人がいるよ」

 

 

 

ソール「今更ですけど、お互いの実力何も知らないですもんね。後で魔物相手でも対人でもいいんで、少し戦ってみましょう」

 

 

 

ナイン「確かに。仲間だもんね、それくらい把握してないと大変か」

 

 

 

ソール「そういう事です。でも、勝手な想像ですけどナインさん若いですし、俺の方が経験自体はあるかもしれませんね」

 

 

 

ナイン「(天使だからソールより百年以上は経験してるけど、黙っとこうね)」

 

 

二人で話していると、下から店員さんが戻ってきた

 

 

店員「ここら辺だな!店には並んでねえやつだぜ」

 

 

店員さんが持ってきた宝箱の中には様々な武器が入っていた

 

 

ナイン「わー、いっぱいありますね」

 

 

 

店員「おうよ!好きなもん選びな!そんで、ソール。お前にはこいつだな」

 

 

店員さんはソールに別の剣を見せた

 

 

ソール「え?俺だけ別なの?」

 

 

 

店員「こいつをよく見てみろよ」

 

 

 

ソール「えっと......。あ、これ、父さんの名前が彫られてる!?」

 

 

 

店員「お前の親父が冒険者を辞める時に俺にくれたもんだ。お前の親父の愛用してた剣だったからな。これは俺なんかより、お前が持つべきもんだと思うぜ」

 

 

 

ソール「そうだったんだ.....。ありがとう、親父さん!大切にする!」

 

 

 

店員「おう!その剣で黒騎士なんてけちょんけちょんにしてやんな!」

 

 

 

ナイン「じゃあ、僕はこのレイピアにします」

 

 

 

店員「お、いいねえ。そいつは聖銀のレイピア。まあまあな価格だが、ソールの連れなんだしまけてやるよ。1200ゴールドでどうだ」

 

 

 

ナイン「はい、あるはずです。えっと......」

 

 

あれ?ズボンのポケットに入れてあるはずの財布がない

 

 

カバンを見てみるもない。おかしいな

 

 

ソール「どうしました?ナインさん。さっきあったお財布落としましたか?」

 

 

 

ナイン「ちょ、ちょっと待ってて」

 

 

さっきまであったはずのポケットに手を入れて集中する。過去を見てみよう。そっと目を閉じた

 

 

頭の中に映像が視えてくる。僕が財布をこのポケットに入れている。そのすぐ後に誰かの手が入り込んできて財布を取っていった。誰の手だ、これ。まさか、あの時寄りかかった人か!

 

 

そこで目を開けた

 

 

ナイン「ソール、大変だ。僕、財布取られちゃったみたい」

 

 

 

ソール「ええ!?いつのまに!?」

 

 

 

店員「そりゃあ大変だ!急いで探した方がいい!」

 

 

 

ソール「もしかして、あの時のフード被った人?」

 

 

 

ナイン「うん、その人しか有り得ないみたい。見た事ない手が僕の財布を取っていったから」

 

 

 

ソール「え....なんでそんな事....ま、まあいいか。親父さん、すいません。ちょっとまた後できますので!」

 

 

僕とソールは急いで店を後にした

 

 

広場

 

 

サンディ「あんた本当に何やってんのよ!」

 

 

 

ナイン「ごめん、まさかあんな一瞬で取られるなんて」

 

 

 

ソール「旅人狙いの盗賊ですかね。とにかく、あのフード被った人を探しましょう」

 

 

 

サンディ「というか、あんたあの力で財布の未来とか変えちゃえばよくない?今こそ使い時だって」

 

 

 

ナイン「ちょっと手元にないと難しいけど、やってみるか。ずっと使ってたやつだから遠隔でもなんとかなるといいけど」

 

 

財布の形、色、手触りなどを鮮明に思い出しながら手を開いて集中しながら周囲を探す

 

 

ソール「さ、さっきから、なんなんです?力っていったい」

 

 

 

サンディ「後で説明するからちょっと待ってなさい」

 

 

 

ソール「は、はい」

 

 

 

ナイン「......あった。よし.......うん。未来を変えたよ」

 

 

 

サンディ「やったわね!流石便利ね!」

 

 

 

ナイン「未来を変えて、必ずこのセントシュタインの入口を通るようにした。入口で待ってれば必ずあのフードを被った人は来てくれるよ」

 

 

 

サンディ「よし、じゃあ入口に急ぐわよ!」

 

 

入口

 

 

様々な人が行き交う入り口の近く。商人や兵士、冒険者など常に多くの人が通っている

 

 

ソール「で、ここで待ってればいいんですね。すぐ来るんですか?」

 

 

 

ナイン「ううん」

 

 

 

サンディ「じゃあいつ来るのよ」

 

 

 

ナイン「わかんない」

 

 

 

二人「ええ/はあ!?」

 

 

 

ナイン「未来を変えるといっても大きくは変えられないんだ。僕がやったのはあの人がここを通る未来に変えただけ。時間指定なんてできないんだよ」

 

 

 

ソール「えええ.....」

 

 

 

サンディ「じゃ、じゃあ!今すぐ来るかもしれないし、夜になるかもしれないし、酷い時は何日もかかるって事!?」

 

 

 

ナイン「そうなるね。もしかしたら年単位かも」

 

 

 

サンディ「前言撤回なんですケド!!!マジふざけんなだし!ぜっんぜん便利じゃないわね、その力!大体あんたがぽやーっとしてなきゃこんな事にならなかったんですケド!!」

 

 

 

ナイン「そ、そんな怒らないでよ、サンディ。気長に待とう」

 

 

 

サンディ「あんたわかってんの!?アタシ達にあまり時間はないの!とっとと黒騎士退治もしないといけないの!こんな事してる場合じゃないっての!」

 

 

じたばたと僕の胸やお腹をヤケクソ気味にポコポコと殴っているサンディをなんとか宥めようとするも、あまり効果がない

 

 

ソール「と、とりあえずしばらくはここであの人が来ないか見張ってましょう。それと、そろそろいいですか?その力ってのを教えてもらっても」

 

 

 

ナイン「そ、そうだね。ソールとはこれから仲間なんだし言わなきゃだね」

 

 

ナインは物に触ると過去と未来が視える力の事を話した

 

 

ソール「す、凄いですね、そんな力があるなんて。確かに便利そう」

 

 

 

サンディ「それがこの有様!ほんっと信じられないんですケド!」

 

 

サンディはすっかり拗ねてしまい、顔を合わせてもくれなくなってしまった。合わせようとするとプイっと反対を向いてしまう

 

 

ソール「あははは....。まあでも、ナインさんの力のおかげで探すにも骨が折れる事を、ここまで絞り込めたんですからそこはよかったですよ」

 

 

 

ナイン「フォローありがとう、ソール....」

 

 

 

サンディ「甘やかさないで。しっかり反省してもらわなきゃなんだから!」

 

 

 

ソール「未来なんて確かにそうそう簡単には変えられないですよね、それは想像つきます。仕方ないですよ」

 

 

 

サンディ「......ん?ね、ねえ!ちょっと!アレ!!」

 

 

拗ねていたサンディが人混みの中を指さす

 

 

二人でそこを見ると、フードを深く被った人がこちらにやってきていた

 

 

サンディ「アイツでしょ!フードの色も一緒!」

 

 

 

ソール「お手柄です、サンディさん!」

 

 

 

ナイン「ありがとう、サンディ!行こう、ソール!」

 

 

二人で急いでその人に駆け寄る

 

 

サンディ「ま、待ちなさいよ、置いていくなっての!」

 

 

 

???「げ」

 

 

正面から走ってくる僕とソールにフードの人も気づいた様子だが逃げる様子はない

 

 

ナイン「あの!さっき僕の財布取りましたよね。返してください」

 

 

ソールと一緒にその人の手を持って隅に連れていく

 

 

???「はー、やれやれ。のほほんとしたガキだったから狙ったのに、わりと早くにバレちまったな」

 

 

 

ソール「盗みは犯罪ですよ。兵士に通報します」

 

 

 

???「ちょちょちょ、ちょーっと待とうか、お兄さん。それは見逃してくれね?」

 

 

 

ソール「ダメです。そもそも早くナインさんのお財布を返してあげてください」

 

 

 

???「あーそうだな。ほらよ、中はまだ使ってねえから確認しな」

 

 

泥棒の懐から見覚えのある財布が僕に投げ渡された

 

 

ナイン「.....うん、全部ある。ありがとう」

 

 

 

???「どういたしまして。えっと、ナイン?このお仲間の人に通報は勘弁してくれって言ってくんねえ?」

 

 

 

ナイン「.....なんで盗みなんてするの?君は冒険者とかではないの?」

 

 

 

???「俺か?まあ冒険者でもあるがな、見ての通り盗賊だ。まあ旅先だと度々こうやって金を貰う事もあるぜ」

 

 

 

ソール「貰うって....盗んでるんだろう!」

 

 

 

ナイン「ソール、落ち着いて。なるほどね。君の名前は?」

 

 

 

ロード「俺は.......ロードだ」

 

 

 

ナイン「ふーん、ロードね。ねえ、僕達の仲間にならない?」

 

 

 

三人「ええええ!?」

 

 

 

 





ソール「泥棒ですか。初めて会いましたね」


サンディ「人のモン狙うなっての。性格ワルーイ」


ソール「そうですね、俺もあまり好きじゃないです。兵士の時にも聞きました。こういう大きな街だとそういう被害も多いんだって」


サンディ「へー、でも大きな街ならそれこそ困ってる人間も多いでしょ。そいつら助けた方がよくネ?お金もらえるし」


ソール「その方が助かりますよね。でも、困ってる人にたかる冒険者もいるみたいです。ぼったくりのお金要求したりして」


サンディ「うーわ、サイテー。マジ人間意味わかんないわー」


ソール「サンディさんは優しいですね。素敵だと思いますよ」


サンディ「マジ?そうでしょ!ありがと、ソール。あんた見る目あんじゃん!見直したわ」


ソール「それならよかったです」


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