ナインの突然の勧誘にその場にいた全員が驚く
ソール「ちょっとナインさん!?なに考えてるんですか!」
鎧の中でサンディもソールと同じ意見のようでコツコツと暴れてる気配を感じる
ロード「流石に正気を疑うぜ、ガキんちょ。わかってんのか?俺は、お前をダシにしようと財布を盗んだ男だぜ。それなのに仲間にならないかだって?」
ナイン「そんなに変かな。そもそも、盗賊とはいえ冒険者でしょ?それに、盗むのはきっとお金とか足りないからじゃないかな。それに、もしこのまま放置したらまた同じ被害者が出るはずだよ。それなら僕達の目の届く範囲に置いて見張っておけばいいと思うんだ」
ロード「.....な、なんだこいつ。マジで誘ってんのかよ」
ソール「だからといってですね.....。仲間にしても素直に従ってくれるかどうか」
ナイン「ダメかな?僕達、これから黒騎士退治をするために仲間を集めてたんだよ。ロード、君が仲間になれば報酬だって分け前としてちゃんとあげるし、同じ仲間なんだから食事もあるよ」
ロード「ふん、黒騎士退治だって?そんな面倒な事やるかよ」
ロードはぷいっと僕から顔を背けてしまった
ソール「ほら、見てくださいよ、ナインさん。忠誠のカケラも見えません」
ロード「たりめえだろ、こんなガキ共のパーティに入れるかっての」
ナイン「そっか、黒騎士怖いみたいだね。見た目も骸骨みたいだって聞くし、戦いになるから慣れてないと大変だもんね。わかったよ」
ソール「ナ、ナインさん.....?」
ロード「ちょっと待てや、クソガキ」
ナインの発言にソールが少し驚き、ロードは背けていた顔をナインに向けて青筋をたてている
ロード「今なんつった、誰が黒騎士なんざを怖がってるって?上等じゃねえか!大体、俺はてめえらなんざよりよっぽど強えんだよ!なんなら今すぐてめえをぶっ飛ばしてやろうか!?」
ナイン「あれ、なんか怒っちゃった。でも、仲間になってくれるんだよね。ありがとう!」
ロード「......おい、離せ、てめえ!!俺は今すぐこいつを切り刻まねえと気がすまねえ!!」
ソールが必死な顔でじたばたと暴れるロードを押さえつけている
ソール「すいません、すいません!多分ナインさんは純粋なんで、本当にそのまま思った事言ってるだけですので!!悪気はないはずなんで!!」
ロード「余計にタチが悪いじゃねえか!!」
ソール「で、でも!そもそもロードさんが財布盗まなきゃこうはならなかったんですから!!」
ロード「ぐぐぐぐ.....だー!!クソが!!」
ナイン「やったね、サンディ。三人目だよ」
サンディ「(マジで先行きチョー不安すぎるんですケド。本当に大丈夫なワケ?)」
しばらくして、ルイーダの酒場
ロード「......」
不満そうな顔をしたロードを中心にお互い自己紹介をしようという事になった。ロードはフードを取って深緑色のオールバックにした髪型をしており、青い目をしている
ナイン「じゃあまずは僕からね。僕はナイン、最近旅人を始めたばかりで慣れない事ばかりだからいろいろ教えてくれると嬉しいな。よろしく」
ソール「じゃ、じゃあ次は俺が。俺はソールです。セントシュタインの新人兵士で、今日からナインさんと一緒に冒険をする事になりました。職業は戦士で、俺も冒険者としては慣れてないです」
ロード「......ペーペーばかりじゃねえか、クソが。俺はロード。23で盗賊。冒険者は5.6年くらいやってる」
ソール「俺より年上だ、先輩なんですね」
ナイン「冒険者としても先輩だ。よろしくね、ロード」
ロード「よろしくなんかしねえよ、黒騎士をボコッたら終わりだからな、お前らみたいなヒヨっ子とパーティなんざ組めるか」
ナイン「うん、それでいいよ。よろしく」
僕は笑顔でロードに手を差し伸べた
ロード「本当にわかってんのかねえ、ほらよ」
ロードもそっぽを向きながら握手してくれた
ソール「さて、時間かかりましたけど武器と防具を買い揃えに行きましょう」
ナイン「そうだね。ロード、君の分もだからね」
ロード「俺の事なんざほっとけ。俺一人で平気だ」
ナイン「まあそう言わずに」
次の日、セントシュタイン周辺
武器と防具や道具を買い揃えた僕達はセントシュタイン周辺でお互いの戦闘具合を見ていた
ナイン「凄い、二人とも強いじゃん!頼りになるなあ」
ソールは慣れた手つきで数匹の魔物相手にも余裕で立ち回れるし、ロードは一瞬で距離を詰めて短剣で一掃していた
ロード「こんくらいではしゃぐな、当たり前だ」
ソール「ありがとうございます、ナインさん。ナインさんも最近始めたばかりとは思えないくらいですよ」
ロード「あとほらよ、これ。さっきの魔物からくすねといたぜ、好きに使えよ」
ロードは魔物が持っていた薬草を渡してくれた
ナイン「おー、流石泥棒。手が早い」
ロード「おーおー、喧嘩か?やってやろうじゃねえか」
ソール「ちょ、ちょっと!ナインさんも普通にありがとうでいいんですって!」
ロード「ちっ!大体、お前兵士なのかよ。面倒くせえな、まったく」
ソール「そうですよ、だからあまり変な事してるとすぐに取り押さえにきてもらいますからね」
ロード「ふん、できるならな。で、黒騎士がやってくる場所は?あと時間!」
ナイン「えっと、どこだったっけ」
ロード「てめえがリーダーなんじゃねえのかよ、頭すっからかんなのか?」
ナイン「いろいろあって忘れちゃってさ」
ロード「忘れちゃってさ、じゃねえよ、馬鹿。おい、お前は覚えてんだろうな」
ソール「はい、場所はここから北に行ったシュタイン湖です。時間は指定されていないそうなので、とにかくシュタイン湖に行くのがまずは第一目標です」
ロード「おー、お前はまともだな。あと、隠してんなら別に構わねえけどもう一人、仲間いるだろ?」
二人「!!」
ナイン「あれ、言ったっけ」
ロード「実は昨日からお前を標的にしててな、そん時にもう一人お前らと話すやつがいたはずだよなと思ってよ」
ソール「(この男、やはり油断できないな)」
ナイン「どうする?」
少しして、ふよふよと怖がるようにナインの近くにサンディが現れた
サンディ「......ども、サンディです。よろしく」
ロード「.......よ、妖精!?いんのか!」
サンディ「や、別に妖精ってワケじゃないですケド。ってゆーか、昨日から見られてたなんて気づかなかったんですケド」
ロード「なんか.....ギャルいな、お前。まあいいや、お前1回気づいただろ」
サンディ「マジ?」
ナイン「えー.....。あ!あん時?宿屋に向かおうとした時の視線!」
ロード「なんだよ、忘れてたのか。なら掘り返す必要なかったな」
サンディ「あー!あん時か!うげ、じゃあ隠れてんの意味なかったってワケ?」
ロード「別にいいんじゃね、まさか妖精なんて思ってなかったしよ」
サンディ「ま、アタシからはナインはポヤポヤしてるし、ワケわかんない事いっぱいするからよく見張っときなさいってくらいかしら」
ロード「おー、訳わかんない事なら散々されたからよーく身に染みたわ。変人だってな」
ナイン「シュタイン湖ってこんなに遠いの?」
ソール「おかしいな、なんでこんなに離れてんだろ」
サンディと話す横で僕とソールが世界地図を見ながらシュタイン湖の場所を見ようとするが、現在地からかなり離れておりどうやって行くのかわからなくなっていた
ロード「あ?そんな訳ねえだろ、シュタイン湖は........てめえら....それ地図逆だろうが!ボケ!!」
ナイン「え、そうなの!?」
ソール「あ、そ、そっか!!気づかなかった!」
ロード「........マジで.....俺は子守りしにきたんじゃねえんだぞ....」
サンディ「....ど、どんまい」
青筋を浮かべて拳をにぎりしめるロードにサンディはそっと肩に手を置いた
ロード「.......部屋間違えたわ」
ロードが扉を開けた後、すごく嫌そうな顔をして扉を閉じた
ナイン「待って待って、合ってるよ!?」
ロード「嫌だね、なんでこんなキラキラした女みてえな部屋に入らなきゃなんねえんだ!」
ナイン「サンディの趣味だから!我慢して!」
ロード「あのギャル妖精かよ!お前もお前で馴染んでんじゃねえよ!」
なんやかんやでロードも部屋に入ってくれた
ロード「で?俺はお前と話すことなんて別にねえんだけど」
ナイン「そんなツンツンしないでよ。僕はロードに聞きたいことあるからさ。楽しくお喋りしよう」
ロード「俺が疲れるだけな気がする。んで?なんだよ」
ナイン「野宿ってどうやるのかなと思って」
ロード「これだからペーペーはよぅ....」
ナイン「そのペーペーってなに?魔物?」
ロード「.....ガキにはわからねえか。新米って事だよ!ガキって事だ!!んで、野宿は基本薪木を集めて火を起こすんだ。その火を明かりにしたり、料理にしたり、魔物避けにしたりするんだ。テントとか、寝袋とか持ってんだろうな」
ナイン「その辺はあるよー、ふーん。火を起こすんだ。楽しそう」
ロード「俺の苦労がたえなさそうだな.....」