セントシュタイン城 玉座の間
玉座の間に向かうと、フィオーネ姫が王様とお妃様と話をしていた
フィオーネ「お父様、お母様。やはり私があの騎士の元へ....」
お妃「うっ、ううっ、フィオーネ....」
王様「ばかもん、泣くやつがあるか。あの黒騎士の元へ行く事など断じてわしが許さんわ!何度も言っておるだろう!まったく」
ソール「失礼します、王様、お妃様、フィオーネ姫様!ナイン、ソール、ロード、黒騎士退治より帰還いたしました」
三人「!」
王様「おお!待ちわびたぞ!よくぞ戻った。黒騎士の件、どうであった」
ソールはレオコーンの事や人違いの事、ルディアノの事など全てを話した。しかし、王様は険しい表情をしている
王様「.....なるほど。お主達は黒騎士の言葉をそっくり信じて帰ってきたのか。そんなもの、口から出まかせに決まっておろう!」
ソール「え....」
フィオーネ姫「お父様!?なぜ、なぜそこまであの騎士の事を悪く言うのですか!?」
王様「ふん!ルディアノという国などわしは聞いた事がない。やつはデタラメを言っているんじゃ!よいか、ソール、ナイン、ロード。やつはフィオーネを狙っていずれまたこの城にやってくる腹づもりよ。黒騎士の息の根を止めるまではお主らへの褒美もお預けじゃ!」
ロード「おいおい、王様。そりゃいくらなんでも」
フィオーネ姫「なぜ.....信じてあげられないの?もしかしたら、本当に国に帰れずに困っているかもしれないのに.....」
王様「フィオーネ....。全てお前の事を想って言っている事だ、聞き分けなさい」
フィオーネ「私の気持ちにも寄り添わずに.....。そ、そういえば!」
フィオーネは悲しそうな顔をしたと思えば何か思い出したような顔をして玉座の間を出ていった
王様「フィオーネ!」
ナイン「追ってみようか。失礼します」
展望デッキ
フィオーネ姫を追うと外にある景色を眺められる場所で立っていた
フィオーネ姫「あ、ナイン様、ソールさん、ロードさん。突然すいません。あまり大きな声では言えませんので、こちらにある私の部屋まできてください。ルディアノ王国の事です、私に心当たりがあります」
フィオーネ姫はそう言うと部屋に向かっていった
ロード「あの姫さん、ルディアノ王国を知ってんのか?俺でも聞いた事なかったのに」
ソール「フィオーネ姫様は、どうして黒騎士にあそこまで肩入れできるのでしょうか。俺達と違って直接話をしたわけではないというのに」
ナイン「とにかく行ってみようか」
フィオーネ姫の部屋
フィオーネ姫「お呼びたてして申し訳ありません。この話を父に聞かれるとまた反対されるだけですから」
ロード「ま、あの王様ならそうだろうな。頑固オヤジって感じだ」
ソール「ちょ、ちょっとロードさん、無礼ですよ」
ナイン「頑固親父?なんか硬そうだね」
ロード「.....わり、話続けてくれ」
なぜかロードは呆れたような顔をした後申し訳なさそうに頭をかいている
フィオーネ姫「構いませんわ。先程も少し申しましたが、私ルディアノ王国の事を耳にした事があります。昔、ばあやが歌ってくれた童歌の中にルディアノという国の名前が出てきたのです。もしかしたら、その歌が何か手がかりになるかもしれません!」
ソール「童歌、ですか。そんな所にヒントがあったなんて」
ナイン「そのおばあちゃんはどこにいるの?」
フィオーネ姫「ばあやは今、ふるさとのエラフィタの村にいます」
ロード「シュタイン湖より更に北に行った麦畑やら大きな木がある小さな村の事だな」
ソール「流石ロードさん、詳しいですね」
フィオーネ姫「あの黒騎士、レオコーン様は父の言うような悪い人ではありません。そんな気がしてならないのです。皆様、どうかあの方のお力になってあげてください。よろしくお願いします」
フィオーネ姫は綺麗にお礼をしてくれた
ナイン「任せてください。レオコーンさんは、僕達も悪い人とは思えませんでした。助けてあげたいです」
ソール「そうです、フィオーネ姫様。王様は実際に見ていないから言えるだけです、あの方は優しく騎士道にあふれたよい方でした。俺達が保証します」
ロード「.......ま、途中で放り投げるのも後味悪いしな。もう少し付き合ってやるよ」
ナイン「ロード、ありがとう!」
ロード「ふん、ただの気まぐれだ。さっさとエラフィタ村に行くぞ。ついてこい」
エラフィタ村
麦畑に囲まれた小さな田舎の村。村の真ん中には巨大な桜の木があり、村全体にも多くの桜の木がある自然豊かな綺麗な村。小さな川の周辺には黄色い花も咲いており、白いちょうちょや舞うピンクの花びらがとても素敵だ
ソール「わぁ.....!なんて綺麗な村なんだ」
村に入った途端広がる光景にソールが思わず走り出してきて体いっぱいに息を吸って嬉しそうにしている
ナイン「空気も美味しい。いい村だね」
ソール「俺、こういう雰囲気大好きなんです。いいなぁ」
ロード「都会とは違ったいい雰囲気だよな」
三人で少し和んでいると、押し車を押したおばあちゃんがやってきた
おばあちゃん「おんやまあ。こんな田舎に旅人かね、珍しい。ここはエラフィタ村だよ。今は木々や草花が色付いていい時分だで、何もない所だけどよかったらゆっくりしていきなせね」
ソール「あ、こんにちは。すいません、おたずねしたいのですが、ここの童歌というのはご存知ですか?」
おばあちゃん「童歌....あー、それならソナばあちゃんの所に行ってみるといいさね。村を代表する歌の名手なのよ」
ソール「ソナおばあちゃんですか。どこにいらっしゃるんですか?」
おばあちゃん「村を道なりに進んで、神木様の裏手にある少し大きな家だよ。わからなかったら他の人にも聞いてみなさい、皆若い子に優しいからねえ」
ソール「わかりました、ありがとうございます」
ナイン「流石ソール、聞くのが上手だね」
ソール「えぇ、これくらい大したことじゃないですよ。でも、ありがとうございます。お話聞こえました?」
ロード「おう。ソナっていうばあに聞くのがいいんだな。早速行こうぜ」
ナイン「ふふふふ」
ロード「......なんだよ、ニコニコして。気色悪ぃ」
ナイン「えー、別に。ばあって言ったって思って」
ロード「だから!なんだよ!お前はぽやぽやしてねえでとっとと歩く!」
ナイン「いひゃい、いひゃいよ」
ちょっと顔を赤くしたロードに思いっきり頬を引っ張られる。ちぎれそうなくらい痛い、涙が出てくる
ソール「ナインさん、よくそんなにほっぺ伸びますね」
サンディ「いや、そうじゃないと思うんですケド。まあいいや、ルディアノ王国も気になるけどさ、アタシ的にはフィオーネ姫と黒騎士の関係も気になるのよねー。やっぱりなんか変じゃネ?フィオーネ姫、なんであんなに黒騎士を信じてるのよ。間違ってはないんだろうけど、さらわれそうになった身よね?」
ロード「へえ、そうなのか。それなら少し違和感だな、もう少し恐れてもいいと思うぜ。あの見た目だし、頑固王の反応の方が正常だな」
サンディ「でしょ!アタシもなーんか引っかかるのよネ。まあいいわ、とにかく歌?っての聞きに行くわよ」
ナイン「うぅ、うん」
赤くなった頬をソールが苦笑いしながら持っていた冷たいタオルで冷やしてくれた
神木
この村で一番大きな木。神木と呼ばれ、村を見守っている。綺麗な桜が咲き誇っており、近くでみると幹や枝もとても太く生命力を感じられる
ソール「大きいな〜、昔からある木なんでしょうね」
ロード「ここまで近くで見るのも乙なもんだな」
サンディ「)こそっ ナイン、人間ってどうしてたまに自然とかを崇めるのかしらね」
ナイン「不思議だよね、ただそこにあるだけなのに人間が集まるんだもんね」
少し大きな家
中からは誰かの話し声が聞こえてくる。少し賑やかな雰囲気が外から感じられる
こんこん
クロエおばあちゃん「おや?お客さんかね」
ソール「突然すいません。あの、こちらにソナおばあちゃんという方はいらっしゃいますか?」
クロエおばあちゃん「あらあら、ソナちゃんならいますよ。入って」
ソール「失礼します」
ソナおばあちゃん「おやおや、旅人さんかい?」
ナイン「ソナおばあちゃんで間違いないかな」
ロード「セントシュタインにいるフィオーネっていう姫さんのばあと聞いたんだが」
ソナおばあちゃん「ええ、そうですよ。あたしがフィオーネ姫様のばあやをしてた者ですじゃ。いったい何用ですかな」
僕達は童歌の話をした
ソナおばあちゃん「はあ、あの童歌ですかね。もちろんいいですとも、いくらでも歌いますよ。クロエちゃん、合いの手をお願いしていいかの?」
クロエおばあちゃん「黒薔薇童歌だね?お安い御用だよ、それじゃあいくよ。よいよいよいとな♪」
ソナおばあちゃん「闇に潜んだ魔物を狩りに黒薔薇の〜騎士立ち上がる。見事魔物を打ち滅ぼせばしらゆり姫と結ばれる〜♪」
クロエおばあちゃんの手拍子に合わせてソナおばあちゃんが独特なメロディを歌い出す
ソナおばあちゃん「騎士の帰りを待ちかねて城中皆で宴の準備♪」
クロエおばあちゃん「あソーレ♪それから騎士様どうなった?♪」
ソナおばあちゃん「北ゆく鳥よ伝えておくれ、ルディアノで〜待つしらゆり姫に♪黒薔薇散ったと伝えておくれ♪」
クロエおばあちゃん「北ゆく鳥よ、伝えておくれ♪黒騎士散ったと伝えておくれ♪」
ソナ「.....と、こんな感じじゃが、満足してもらえましたかねえ。ところで、どうしてこの歌を聞きに?」
ソール「俺達、ルディアノ王国という場所を探してまして。その歌がヒントになると思いまして」
ソナおばあちゃん「ほうほう、なるほど。それならば、ポイントは北ゆく鳥よのフレーズですね。歌に出てくる鳥と同じように、北に向かってみてはどうでしょう」
ソール「なるほど。あの.....黒薔薇散ったと言いましたけど、その歌の元ってどういうものなんですか」
クロエおばあちゃん「この歌はね、魔物を倒すべく城を出た騎士とその帰りを待つ姫様のお話が元になっているのよ。結局騎士は帰らず、二人は永遠に結ばれなかったんだけど、切ない話よね」
その話に三人で顔を合わせる。その話が本当だとするなら.....メリア姫ってのはもう.....
ソール「.....ありがとう、ございました。失礼します」
ソナおばあちゃん「いつでもまた来てくださいねー」
村の入口
三人とも静かにここまで歩いてきた。考えてる事はおそらく同じだろう
ソール「レオコーンさんに、なんて伝えましょうか」
ロード「ま、よくよく考えてみればドクロだぜ、あいつ。そりゃ姫様もそうなってるか」
ナイン「......あれ?なんか誰か走ってきてるよ」
ソール「ん?本当だ」
木こり「だ、誰か助けてくれぇーーっ!」
三人「!?」
少し太った男性が怯えながらこちらに走ってくる。その背中を追う者がいた
レオコーン「待つのだ、なぜ逃げる!」
おばあちゃん「ギャーーッ!!お助けー!!」
その姿を見たおばあちゃんもたまらず大慌てで逃げていく
ナイン「あ、レオコーンさんだ」
タイミングいいなと思うと、ソールとロードは空に顔を見上げて口を少し開けている。ロードは顔に手も当てている、なにしてるんだろ
ロード「あいつ......なにしてんだよ」
木こり「ひいいっ!あんたら、助けてくれ!」
木こりはソールの背中に隠れた
レオコーン「む?ソール達ではないか。こんな所で何をしているのだ」
ソール「えーっと.....レオコーンさんは逆に何をされてるんですか?」
レオコーン「私は話を聞きたいだけだ。その者には何もしない、安心しろ」
ソール「自分の見た目考えてくださいよ.....」
木こり「う、嘘こくでねえ!オラ、森の中であんたの事を探してる女の魔物に出会っただ!真っ赤な目を光らせながらわがしもべ、黒い騎士を見なかったかってよ!あんた、あの魔物のしもべなんだろ!?」
三人「!?」
レオコーン「この私が.....魔物のしもべだと!?何を馬鹿なことを!」
ロード「ちょ、ちょっと待て、おっさん!その魔物、どこで見た!」
木こり「え?ここより更に北に言った森の中だ。オラ、怖くて震え上がる所だったべ」
ナイン「わかった。足も震えてるし、ここは任せて一旦遠くに行ってて。大丈夫だから」
木こり「助かるだ、じゃ!」
木こりは慌てて遠くに逃げていった
ロード「歌の通りだ、ここより北に行けば.....レオコーン。俺達は今、ルディアノ王国について手がかりを掴んだから調べに来てたんだ」
レオコーン「そうなのか、こんな私のためにすまない。それで何かわかったのか?」
ロード「......ああ。あんた、黒薔薇の騎士と呼ばれていた、んだよな」
レオコーン「うむ、確かにルディアノではそう呼ばれていたが、そなたがなぜそれを」
ソール「レオコーンさん、落ち着いて聞いてください。あなたの事やルディアノ王国は、童歌としてこの地に残されていました。ずっと、遠い昔の話のようでした」
レオコーン「なに!?私の事やルディアノ王国が.....童歌になっていた、だと!?どういう事だ、私がおとぎの国の住人だとでも言うのか.....」
ソール「......童歌には、北ゆく鳥よという言葉が出てきました。一緒に北に向かいましょう。........きっと、ルディアノ王国は.......そこにあります。真実を、見に行きましょう!」
レオコーン「うむ、よかろう。ならば、私も同行させてもらう。共にルディアノ王国に行こう」
ロード「.......お前、いいのかよ。そんな風に言って」
ソール「......これ以上、他の人達を巻き込むのもよくないですよ。せめて、レオコーンさんはルディアノ王国に帰るべきです。それが、きっと彼のためにもなります」
サンディ「ってゆーか、もしかしてなんだけどさ、黒騎士って自分があの激ヤバな見た目してるのわかってないっぽくネ?迷惑なんですケド」
ナイン「あはは、みたいだねー。そりゃ勘違いされるよね」
サンディ「なんてゆーか、ちょっと自分で首絞めてる所あるわよね。鏡でも見せてあげたら?」
ナイン「さっきソールにそれ言ったら絶対めんどくさくなるからやめてくださいって言われちゃったんだ」
サンディ「えー、別によくネ?ハッキリ伝えてあげればいいじゃん。なんでソールもロードも渋ってるワケ?」
ナイン「何か考えがあるんだよ。二人とも優しいからさ」
サンディ「ってゆーか、ロードもなんやかんやで付き合いいいわよね。最初はどーなるかと思ってたケド、意外と大丈夫そう」
ナイン「そうだよね。このまま本当に仲間になってくれないかな」
サンディ「あんた次第な所ありそうよ。本当に仲間にしたいんなら頑張んなさい、誰よりもしっかりしてるしアタシ的にも安心だわ」
ナイン「喧嘩っぱやい所あるけどね」
サンディ「あんたがポケっとしてる分それくらいがちょうどいいわよ」