ほろびの森
暗く荒れ果てた大地に覆われ、毒の沼地が至る所に点在する場所。物悲しい雰囲気と共に魔物も非常に多くいる
レオコーン「.....なんだ、ここは。私がいた時とはまるで違う」
ソール「.....酷い場所だ」
ロード「本当にこの先に、ルディアノ王国があんのか」
ナイン「とりあえず進んでみようかー」
ロード「お前、もう少し怖がれよ。ガキには中々キツイだろ」
ナイン「まあね、でも立ち止まってても仕方ないよ」
ロード「.....まあそうだな」
ルディアノ王国 跡地
黒い雲に覆われた大きな城の跡地。過去の栄光虚しく廃墟と成り果てており、毒沼だけでなく穴やボロボロになった家具や瓦礫などがそこら中にある
レオコーン「.....これが.....ルディアノ城だというのか......。私は、城がこのようになるまで.....一体、何を.....」
惨状を目の当たりにしたレオコーンさんは絶望漂うようなか細い声をだした
ソール「.....レオコーンさん.....」
レオコーン「メリア姫は....?メリア姫、姫ー!!」
レオコーンさんはそのまま一目散に廃墟に進んでいった
ソール「あ!レオコーンさん!」
ロード「.....一人にしておいてやろうぜ。気がすむまでな」
ナイン「でも、なんだか嫌な気配がする。強い魔物がいるのかもしれない」
ロード「たしかにそうだな。魔物同士なんだし、レオコーンも強いし大丈夫だろうが少し心配か」
ソール「俺達も行きましょう!」
その後、中をいろいろ探索してボロボロになった本や掠れて読めない手紙などをなんとか一部だけでも読み解きながら進んだ
ソール「昔に、セントシュタインから交流として兵士がやってきた」
ナイン「そして、レオコーンさんは魔女討伐の任務で出かけて帰ってこなかった」
ロード「そしてこのしらゆり姫、いんや、メリア姫の日記だとメリア姫は異国の地へ血を残すために旅立った、と。繋げて考えられそうだな」
ソール「そうですね。繋げるなら、セントシュタインの兵士の元へ嫁いだメリア姫は、セントシュタインで子を作った。そして、ソナおばあちゃんが歌ったあの童歌を知っていて、ソナおばあちゃんに教えた人がいるというのも鍵になりそうですね」
ナイン「じゃあ、もしかして.....フィオーネ姫様って」
ロード「ああ、レオコーンが間違えたのも無理はない。同じ血筋を持って、まるでほぼ同じ見た目で産まれてきたんだからな」
僕達の目の前にある肖像画はしらゆり姫と書かれているが、フィオーネ姫と瓜二つだった
ソール「血がきっと言っていたんですよ、フィオーネ姫様に。刻まれていたんです、メリア姫様のレオコーンさんを想う気持ちが」
ナイン「そっか。そんな事が、あるんだ」
ロード「レオコーンに話に行こう。まだこの奥なんて見てねえよな」
ソール「はい!フィオーネ姫様にもその後お話しなければ」
玉座の間
ボロボロの扉には無理やり開かれた跡がある。そこに入ると、玉座に座る謎の魔物と対峙するレオコーンの姿があった
三人「!?」
ソール「レオコーンさん!」
レオコーン「む、ソール達。すまない、こんな奥にまで」
ロード「なんだ、あいつ。あいつがおっさんの話してた魔物なのか」
???「ククク、お帰りなさい、レオコーン。随分探したけれどやはりここに来たのね。なにやら他のお客もいるみたいだけど」
ナイン「レオコーンさん、あいつはなんですか」
レオコーン「こいつはイシュダル。こいつの姿を見てようやく、私は全てを思い出した。私はこいつを伐つべくこのルディアノ城を飛び出し......」
イシュダル「私に敗れ、永遠のくちづけを交わした。アナタと私は数百年もの間闇の世界でふたりきり。アナタは私のしもべ、そうでしょ?レオコーン」
レオコーン「だまれ!!キサマのせいで......メリアは.....」
ソール「........」
ソールは静かに二人を見ているが、固く握りしめた剣の柄がカタカタと音をたてている
レオコーン「はあああ!!」
レオコーンが走っていき、雷を纏った槍をイシュダルにむける
イシュダル「ふふふ」
しかし、イシュダルは目から闇の光線を放った。その光線はレオコーンの鎧を貫いた
三人「!?」
レオコーン「ぐわぁぁぁーーーっ!!!」
レオコーンさんが僕達のそばまで飛ばされてくる。鎧や体全体から煙が出ている
イシュダル「ククク、馬鹿な男。あの大地震のせいで私の呪いは解けてしまったけど、いいわ。もう一度かけてあげる、二人きりの闇の世界にいざなうあの呪いをね」
イシュダルがレオコーンへと歩いてくる
三人で何も言わずにレオコーンの前に並び立った
レオコーン「やめるのだ.....ソール達....」
イシュダル「あら、なにあなた達。まさかレオコーンを助けようってんじゃないだろうね」
ナイン「そのまさかに決まってるだろう!レオコーンさんはお前なんかと一緒にいるような人じゃない!」
ロード「ケバいババアがよ、執着する女はブスって相場が決まってんだ。モテねえ女は引っ込んでな」
ソール「レオコーンさんは、メリア姫様をずっと想っていました。メリア姫様も、レオコーンさんの帰りをずっと、ずっとずっと待ってたんです!二人の幸せをこんなにも引き裂いたあんたを、俺は絶対に許さない!!!」
イシュダル「いいわ.....そんなに言うならあなた達にも私の呪いをかけさせてあげる!」
イシュダルの目から先程と同じ光線が僕達に向かってくる
二人「!!」
盾を持ったり避ける構えに入った二人を止めるように僕はゆっくりと前に出た
ソール「ナインさん!?」
ロード「馬鹿、避けろ!!」
どおおん!!
ソール「ナインさん!!」
レオコーンさんと同じく、煙のようなものが体から出てくる
イシュダル「ふふふふ」
ロード「ちっ、薬草の準備!早く!」
ナイン「大丈夫だよ、ロード、ソール。ありがとう」
二人「え!?」
ナイン「ふっ!」
僕は思いっきり煙を振り払った
イシュダル「な、なぜ....なぜ私の呪いが効かない!お前は何者だ!人ならば私の呪いにかかるはず.....。まさか.....くっ、こうなったらズタズタに切り裂いてあの世へ葬り去ってやる!死ねえええい!」
ナイン「いくよ、ソール、ロード!」
ソール「はい!」
ロード「.....おう」
イシュダル「ヴァンパイアエッジ!」
イシュダルの持っている短剣が赤黒く光出して僕を切り裂こうとしてくる
ナイン「は!」
ガン!
僕は盾で攻撃を防いだ
ナイン「シールドアタック!」
ガアン!
そのまま盾でイシュダルの顔に向かって体当たりをかます
イシュダル「ぐう!」
ロード「こっちからもいくぜ!」
後ろから回り込んだロードが短剣で攻撃をする
イシュダル「効かぬ!」
イシュダルはヘビのような脚をうにょうにょと動かして奇妙な動きで素早く避けていく
ロード「うわ、キモイな、こいつ」
ソール「はあ!」
ソールがそのままイシュダルに走り込んで飛び上がる
イシュダル「はあ!」
イシュダルも短剣で迎え撃つ
ガキン!
イシュダル「ぐう!」
しかし、力負けしてイシュダルの体に大きな斜めの切り傷が入る
イシュダル「お前は人間だな!ならば食らえ!」
ソール「わ!」
イシュダルが僕に向けた光線を今度はソールに向けてきた
ナイン「はあ!」
急いでソールを突き飛ばして代わりに受け止める
どおおん!
イシュダル「ぬう、またしても!」
ナイン「僕の、僕の大切な仲間に手は出させない!!」
イシュダル「やはりお前からだ!ヴァンパイアエッジ!」
ロード「ババア、短剣使い慣れてなさすぎだぜ」
今度はロードが僕の前に立ち、イシュダルの攻撃を軽く受け止める
ロード「短剣ってのはこうやるんだ、ぜ!」
ロードが一瞬の手つきで短剣を持っていたイシュダルの腕を一気に切り刻んだ
イシュダル「ぬあああ!!」
ソール「はあ!!」
ズバン!
痛みで仰け反るイシュダルの後ろからソールが再び大きく切り裂き、イシュダルの変な髪を乱雑に切り落とした
イシュダル「あ....あああ....私の、私の髪が.....キ、キサマーーーー!!!!」
ソール「!」
イシュダルは髪を切り裂かれたショックで顔を赤くして、ソールへ一直線に向かう
イシュダル「ぬああああああ!!!」
イシュダルのヘビのような無数の脚が伸び、その脚に全て短剣を持ってソールに突撃する
ソール「くっ」
イシュダルの圧倒的ともいえる手数の猛攻にソールも防ぎきれず、顔や足、腹などにどんどん切り傷が出来ていく
ロード「おい、やべえぞ!助けねえと!」
ナイン「うん!」
イシュダル「させぬ!!」
二人「!!」
上半身のみが勢いよく反り返り、目が光り出すとあの光線をこちらに向けてきた
どおおん!!
ロード「ちっ!」
ナイン「ふん!」
ロードはなんとか避けて、僕はそのまま受け止めるが
イシュダル「ヒャド!」
ナイン「な!?ぐわ!!」
予想通りだったのか、煙の中から鋭い氷の刃が僕に突き刺さり、僕は壁に打ち付けられる
その間もソールへの猛攻は止まない
ロード「ちっ.....これは、まずいな」
ソール「ぐっ....」
切り傷だらけになったソールがついに膝をついた
イシュダル「キサマだけは殺す!!悔やみながら死ぬといい!!」
ソール「......悔やみながら死んだのは......レオコーンさん達だ!!お前なんかと何百年も地獄の日々を過ごして、メリア姫にも会えず.....どれだけ悔しかったか!!今、ようやくお前の呪いから解けて自由になれたんだ!!もう一度そんな地獄の日々なんて、俺が絶対にさせない!!」
ソールが涙を流しながら叫ぶ。その声は玉座の間に大きく響いた
レオコーン「ソール.....」
イシュダル「死ねええ!!!」
ソール「お前なんかに俺は負けない!!負けたくない!!」
ソールの持つ剣に力が宿り出す
ソール「れんごく斬り!」
ソールの剣から放たれる赤い炎がイシュダルの脚を全て切り裂き、そのまま本体も切り裂いた
イシュダル「ぎゃあああああーーーっ!!」
赤い炎は一瞬でイシュダルを包み込み、焼き尽くしていった
イシュダルが煙となって炎とともに消えていくと、レオコーンの体から出ていた煙もなくなった
ロード「おーい、ここにも宝箱あったぜ。もらってこーぜ」
ナイン「本当だ、凄いね、ロード。よく見つけられるね」
ロード「そりゃ盗賊として長いからな。鼻がきくのよ」
ソール「でも....これ元はお城ですよね。取っていいんですかね」
ロード「んな固い事言うなって。廃墟なんだし誰もこんなところ来ねえって」
ソール「まあそうですけど」
ナイン「旅のお金にもなりそうだよ」
ソール「ナインさんまで」
ロード「お、わかってんじゃねえか。そうそう、そういう使い道もあるよな」
ナイン「お金に余裕出来たら美味しいものも食べようね。セントシュタインにもいろんなお店あったしさ」
ロード「食いもんに使うかー、まあいいんじゃね」
ソール「セントシュタインなら俺おすすめのレストランとかありますよ。これ終わったら行きましょうか」
ナイン「え、本当!?行きたい!」
ロード「お子様用の飯があるといいな?」
ナイン「ロード、そんなの食べたいの?」
ロード「俺じゃねえよ!!!てめえだ、ガキ!!」