セントシュタイン城門前
ロード「~♪」
ロードは今まで見た事ないような笑顔でルンルンと歩いている。さぞ宝物庫が楽しかったのだろう
ソール「まったく。ロードさんのお宝情報のおかげともいえますが、質屋に持っていくにしても相当お金余りますよ」
ロード「じゃんじゃん贅沢できるな!」
前を歩く二人を後ろから見ていると、サンディが出てきた
サンディ「ナイン、この国の人達皆あんた達に感謝してるっぽいネ!そのショーコにホラ!今この国の周りにはいっぱい星のオーラが出てんのヨ!」
ナイン「そうなんだ。ほら、僕もう星のオーラ見えなくなっちゃったから」
サンディ「あ、そういえば見えないんだっけ!チョーウケる!まあここまでやれば流石に神様もアタシらの事見つけて天使界まで帰してくれるっしょ!」
サンディに言われるまですっかり忘れていた。天使界に帰るためにこうやって人助けしていたのだと。
ナイン「サンディ、僕、天使界に帰りたくない」
サンディ「え.....?な、なんで!?」
ナイン「.....前に言ったでしょ。いじめられてたんだって。味方してくれていた天使達にも.....悪い事しちゃったから、合わせる顔がないんだ。突然、ごめん」
サンディ「そ....うなんだ。だから、なんか少し渋ってたってワケね。まあ冒険やってるナイン見てたらなんだかそんな事忘れちゃってたわ。で、でもサ!それならアタシを助けてくんない?あんたが天使界に帰るかどうかは置いておいて。わかってると思うケド、アタシ天の箱舟動かなくてチョーピンチなの!
あんたが箱舟に乗った時、うんともすんとも言わなかった箱舟から確かに音がしたの!アタシの天使を乗せれば動くかもって予測は間違ってなかったってワケ!こうやって星のオーラもじゃんじゃん出たワケだし、もう一度試してほしいの!お願い!」
ナイン「わかった。サンディにもいろいろお世話になったしね、もちろん僕なんかでよければ力になるよ」
サンディ「その"なんか"っていうの、ウザイからやめてくれない?アタシには今あんたしか頼れるのがいないの!あまり卑下すんのはキモイわよ」
ナイン「.....ご、ごめん」
サンディ「あ、本気にした?ごめんって顔チョーウケる!さ、一旦峠の道に行くわよ」
ナイン「ソール達はどうする?」
サンディ「あー.....。ちょっとだけリッカの宿屋で待っててもらいましょう」
ナイン「わかった」
ソール「ナインさーん、サンディさーん、いつまで話してるんですか?」
ロード「長話しすぎだぞー」
少し離れた所からソールとロードが待ってくれていた
ナイン「ごめん、今行く」
その後、リッカちゃんの宿屋
ソールとロードは部屋で少し待っていてもらう事にした
ソール「用事すんだら戻ってきてくださいね」
ロード「とっととすませろよ、俺達は暇じゃねえんだから」
ナイン「うん、ごめんね」
峠の道
久しぶりに戻ってきたが、峠の道も天の箱舟も何も変化は見られていなかった
サンディ「あれ?あれあれあれ?なーんも変わってなくナイ?神様がアタシらを見つけてくれたなら箱舟が光って動き出しそうなもんなのに.....。も、もしかして、アタシの予想ハズれた!?」
ナイン「乗ってみる?」
サンディ「そ、そうよネ!中に入ったらきっと動き出すわ!早く中に入るヨ!」
サンディが慌てて中に入るが、以前入った時とまるで変化は見られない
サンディ「マ、マジすか.....中もなんも変わってない。アタシら、神様に見捨てられちゃった?」
僕も乗り込もうとすると
どおん!
二人「!?」
僅かに箱舟が揺れた
サンディ「キャーッ!ちょっと、どゆコト!?今、一瞬揺れたよね!?」
ナイン「う、うん。びっくりした。僕が乗った瞬間」
サンディ「あんたが入ってきた時!?そうか!それヨ、ナイン!黒騎士事件を解決した時に出た星のオーラの力であんたに天使の力が戻ったのよ!天使が乗れば箱舟が動くっていうアタシの最初の予想やっぱ当たってたんですケド!
だったら話は早くネ?ナインがもっともーっと人助けをして、いっぱい天使の力を取り戻せば今度こそ箱舟は動いちゃうんですケド!」
ナイン「なるほど。天使の力、何か戻ってきたのかな。今のところ実感ないけど」
サンディ「天使の力が戻る事はあんたにとっても悪い話じゃないハズだし、とにかく新しい町に行ってみよーヨ!誰か困ってるかもしんないしネ!よーし、なんか希望が見えてきた!人助けの旅に出発シンコー!」
サンディは嬉しそうに手を挙げている。僕もそれに釣られて手を挙げた
ナイン「おー!」
その後、セントシュタイン城下町 レストラン
ソールおすすめのレストランでお昼ご飯を食べていた。個室でありながらも、高くなく美味しい料理がたくさん出てくる
ナイン「次の町ってどんな所なの?」
ソール「関所を超えた先にある町の名前はベクセリア。それなりに大きな町ですよ。しばらく封鎖してたので大地震でどうなってるかはわかりませんが」
ロード「紅葉っていう黄色や赤い葉っぱがついた木々に囲まれた高台のある町だな。ここほど都会ってわけじゃねえが村よりは大きいぜ」
ナイン「あ、そうだ。ロード、黒騎士の件も終わったし、約束通りお礼のお金とか渡さないとね」
ソール「あ.....そういえばそういう約束でしたね」
サンディ「えー、本気だったの?ソレ。あんた、仲間にしといた方がいいって。しっかりしてるし、三人の方が安定するって」
ナイン「そうだけどさ、わりと無理やりだったし」
ロード「ほう、無理やりの自覚があったとは驚いた。まあペーペー共の仲間なんざごめんだとは思ってたが、お前らまあまあ強さはあるし、今回みたいに金になる事もやりそうじゃねえか。だから俺も仲間になってやるよ」
三人「え!?」
ナイン「本当に!?ありがとう!」
ソール「よかったー、ロードさんがいなくなると少し寂しいし不安だしって思ってたんです」
サンディ「やった!頼りになる仲間がきたじゃない!」
ロード「歓迎ムードだな、ありがとよ。それに、なにより俺はお前に興味がわいた。ガキみてえだが、本質はちげえよな。おもしれえじゃん」
ロードは僕を指さしてきた
ナイン「え?僕?そうかな?」
ロード「ま、そういう事で、よろしく頼むわ。次はベクセリアなんだろ?お宝またゲット出来るといいな」
ソール「お金そんなにいらないですって」
ロード「あるに越した事ねえだろ」
ナイン「ふふふ、うん。またいろいろ楽しそう」
笑う僕をロードは見つめていた
ロードはルディアノ王国での事を思い出していた
イシュダル「な、なぜ....なぜ私の呪いが効かない!お前は何者だ!人ならば私の呪いにかかるはず.....」
ロード「(あの魔物の呪いの攻撃が、このガキには効いていなかった。魔物の言う事を信じるならば.....こいつ、人間じゃねえのか?だとするなら......見張っておく必要があるな。厄介な芽なら、早いうちに潰しておかねえと)」
ロード「お前ら、用事ってなんだったんだ?」
ソール「確かに」
ナイン「うーんと、時間がたたないとどうしようもない事があって。それの様子を見に行ってたんだけど、どうやらまだまだ時間かかるみたいだったから戻ってきたの」
サンディ「そうそう。あいにく1週間くらいじゃちょびっとしか解決しなかったの」
ソール「そうなんですか、大変ですね。俺もなにか力になれますか?」
サンディ「大丈夫よ、アタシとナインの問題だから」
ソール「そうですか」
ロード「んじゃあ、今度からはその間自由行動でもいいか?一々宿屋で待ってんのも退屈だしよ」
ナイン「別にいいけど.....また盗みを働くのはダメだからね?」
ソール「あ、そうですよ、ロードさん。俺がそん時は見張りますからね」
ロード「こんだけ金もお宝もあるんだし、わざわざそんなみみっちい事しねえって」
ナイン「それならいいけど」
ソール「みみっちいって....ナインさんの財布取ったの忘れたんですか」
ロード「金がなかったからしかたねえな」
ソール「全然反省してないし」