ドラクエIX 地上で輝く星空に   作:サムハル

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30.夢をおいかけて

 

エイリークの部屋

 

 

ルーフィン「.....エイリークさん、もう、大丈夫ですか?」

 

 

 

エイリーク「うん。まだつらいし悲しいけど、ロードの言う通りってわかった。このままの私じゃ、確かにお母さんもお父さんも悲しむだけ。私、お母さんとお父さんにもっと笑顔でいてもらいたい。もう大丈夫だよって言いたい。だから、立ち上がるわ」

 

 

エイリークが笑ってルーフィンさんに返すと、部屋の扉が開いた

 

 

そこにはダリアさんとビークさんが立っていた

 

 

ナイン「ダリアさん、ビークさん」

 

 

 

エイリーク「え.....お母さん、お父さん!!」

 

 

エイリークは驚いた顔で固まった後、二人に駆け出した

 

 

ダリア「エイリーク」

 

 

 

ビーク「よく、立ち直ってくれたな。嬉しいぞ」

 

 

二人も優しく笑って抱きとめようと腕を広げた

 

 

しかし

 

 

すっ

 

 

ガン!

 

 

エイリークは二人をつきぬけて壁に当たってしまった

 

 

エイリーク「いったーい.....。やっぱり、お化けなの?」

 

 

 

ソール「エイリークさんにもお二人が見えてるんですね」

 

 

 

ロード「一体どうなってんだ。こんなに皆でいきなり幽霊が見えることあんのか?」

 

 

 

エイリーク「初めてだけど、今はそれでいい。だって、これでお母さんとお父さんと話せる!お母さんお父さん、ごめんね。私、なんもわかってなかった。無理させてたかもしれないし、苦しいのも気づいてあげられなかった。あの咳だって気づいてたのに休ませてあげられなかった。ごめんね」

 

 

エイリークの目からはまたポロポロと涙がこぼれてきた

 

 

ダリア「いいのよ、エイリーク。私達こそ黙っててごめんね。あなたが頑張って明るくしてくれてたのに、それを邪魔しちゃいけないと思ってたの。私達は、あなたが笑ってくれていたからつらくても苦しくても頑張れたの。力がわいてきたの」

 

 

 

ビーク「そういう事だ。お前は何も悪くなんかない。それに、もう謝らなくていい。お前は立派にナインさん達やルーフィン先生と一緒にはやり病を止めてくれた。こんな立派な娘がいてくれて俺は幸せだ。エイリーク、お前は俺達の宝物だぞ」

 

 

ダリアとビークからも涙がこぼれている

 

 

エイリーク「お母さん、お父さん......」

 

 

 

ナイン「エイリーク、きっとこういう時はね、ごめんじゃないんだと思うよ。ありがとうって言うと皆喜ぶと思うよ」

 

 

 

ロード「そうだな。こんな機会もうないだろうぜ。最後くらい、感謝を伝えてやろうぜ」

 

 

 

エイリーク「......うん!」

 

 

エイリークは涙をぬぐって二人の前に立った

 

 

エイリーク「今までありがとう、お母さん、お父さん。私、きっと何やるにも勢いばっかりで、不器用で、乱雑で、大変だったと思う。でも、お母さん達が笑ってくれたから、私は幸せだったよ」

 

 

 

ビーク「エイリーク、お前が生まれてきてから俺達はずっと幸せだった。愛する妻と娘が笑って幸せそうにこの食堂で過ごしてくれる。こんな幸せな事はきっと他にない。エイリーク、お前の笑顔に俺はずっと助けられてた。ありがとう」

 

 

 

ダリア「そうね。エイリークは何をやるにも優しくて、積極的で、なんでも楽しそうにしてて、私はこんなに可愛い娘が生まれてきてくれてとっても嬉しかった。本当にありがとう、エイリーク。大好きよ」

 

 

 

エイリーク「うん.....うん.....私も.....お父さんとお母さんが大好き.....世界中で一番大好きだよ!私、お母さん達の娘で本当によかった!産んでくれて、どうもありがとう」

 

 

 

二人「「生まれてきてくれてありがとう。エイリークの父/母親で、本当に幸せだった/わ」」

 

 

 

エイリーク「これからもずっと、ずーっと大好きだよ!それと、遅くなってごめんね。ただいま!」

 

 

 

二人「「おかえりなさい、エイリーク」」

 

 

三人の目にもう涙はなかった。優しい笑顔で向かい合う姿は、親子そのものだった

 

 

ダリアとビークが優しい光に包まれていく

 

 

ソール「あ.....」

 

 

 

ロード「消えちまう.....」

 

 

二人は手を握りながらゆっくり天へと昇っていく

 

 

ナイン「思い残す事がなくなったんだ」

 

 

 

ダリア「本当にありがとうございました、ナインさん、ソールさん、ロードさん、ルーフィン先生」

 

 

 

ビーク「エイリーク、あとは頼んだぞ。お前ならもう大丈夫だ」

 

 

 

エイリーク「うん。お母さん達の夢は私が受け継ぐよ。だからもう大丈夫。ゆっくり休んで、お母さんお父さん。ありがとう」

 

 

二人は幸せそうに笑いながら光に包まれて消えていった

 

 

ルーフィン「......消えちゃったんですか」

 

 

 

ナイン「うん、成仏したみたい。......あ、ごめん、ルーフィンさん。置いてけぼりだったよね」

 

 

 

ルーフィン「いやいや、貴重な体験ができました。ナインさん達のおかげです。ありがとうございました」

 

 

 

エイリーク「ルーフィンさんもわざわざありがとう!とっても嬉しかった!」

 

 

 

ルーフィン「僕が力になれたなら来たかいがありました。それでは僕は流石に眠たいのでここで失礼します。皆さんもゆっくり休んでください。おやすみなさい」

 

 

ルーフィンさんは部屋から出ていった

 

 

ロード「俺達も宿屋に戻るか」

 

 

 

ソール「もう朝ですもんね。また夜更かししちゃいました」

 

 

 

エイリーク「うふふ、たしかに。ナイン、ソール、ロード。本当にありがとう。三人がいてくれなかったら私.....きっとあのままだった。助けられてばかりだわ。ありがとう!」

 

 

 

ナイン「元気になってくれてよかった。じゃあ、エイリークもゆっくり休んで。僕達もこれから宿屋で休むよ」

 

 

 

エイリーク「ええ!ゆっくり眠れそうだわ」

 

 

 

ソール「それでは失礼します。おやすみなさい、エイリークさん」

 

 

 

ロード「またな」

 

 

 

ナイン「また明日ね」

 

 

 

エイリーク「おやすみ!また明日!」

 

 

 

次の日、宿屋

 

 

ソールとロードの部屋

 

 

ロードは昼前から起きて自主トレとして筋トレを行っていた

 

 

ロード「ふっ....ふっ.....ふっ」

 

 

 

ソール「ふわぁ......あれ、ロードさん。もう起きてたんですね、おはようございます」

 

 

ソールが目を覚ました。寝ぼけた様子でロードの方にやってきた

 

 

ロード「おう、おはよう」

 

 

 

ソール「早いですね。しかもまた筋トレして」

 

 

 

ロード「努力は日頃からやっておかねえとな。それに.....」

 

 

ロードは頭の中でパンデルム戦の事を思い出していた

 

 

ロード「今回、俺はあのパンデルムとかいうのになんも力になれなかったからな。その戒めだ。くそ、暑っちいな.....」

 

 

ロードは着ていた服を投げ捨てて上裸になった

 

 

ソール「それは.....俺もです。俺がパンデルムの攻撃に当たってしまってから崩れたんですから」

 

 

 

ロード「猛毒だったんだ。仕方ねえよ。まあいい、ちょっと重りになってくれね?」

 

 

 

ソール「いいですよ。終わったら俺もやります、交代でやりましょう」

 

 

 

ロード「了解」

 

 

その時

 

 

バタン!

 

 

エイリーク「ナイン!!いる!?って、キャーーーッ!」

 

 

ドアが突然開いてエイリークが入ってきた。しかし、中の光景を見たエイリークが叫び声をあげてしまった

 

 

ソール「わあ!?エイリークさん!?」

 

 

 

ロード「何勝手に入ってきてんだよ、うるせえな」

 

 

 

ナイン「なになに、なんの騒ぎ」

 

 

突然の悲鳴に隣の部屋にいた僕は走ってきた

 

 

ナイン「エイリークがいる。おはよう。なんかあったの?ソールとロードはいつも通りだけど」

 

 

 

エイリーク「ちょ、ちょっとびっくりしただけ。だって上着てないんだもん!」

 

 

 

ロード「ノックもなしに入ってきといてよく言うぜ」

 

 

 

サンディ「あ!ロード、あんたまた服着てないのね!女の子いるんだからやめなさいヨネ!」

 

 

 

ロード「へいへい、わるうござんした」

 

 

 

ソール「あははは....で、エイリークさん。どうされました?」

 

 

 

エイリーク「そ、そうだった!あのね、私もナイン達と一緒に行く!」

 

 

 

四人「ええ!?」

 

 

 

ナイン「いいの!?」

 

 

 

ソール「食堂は?」

 

 

 

エイリーク「それがね、そもそも私ってまだ料理はお父さんほど出来ないのよ。ゆっくり覚えていこうとしてたから。だから作れるものもお店のメニューほど多くないの。それに、お父さんとお母さんは昔世界中旅行したからいろんな料理に詳しかったの。私もそれに習おうと思ってね。

 

 

ナイン達なら旅人だから世界中行くでしょ?ちょうどいいなって!だから私もナイン達と一緒に行くわ、料理修行よ!」

 

 

 

サンディ「へー、ナルホド。しっかり考えてんのね」

 

 

 

ロード「その間店はどうすんだ?」

 

 

 

エイリーク「今町長さんとお話してきたの。長い間おやすみするけど、できたらお掃除くらいはやってほしいって。そしたら快くオーケーしてくれたの。だから大丈夫よ」

 

 

 

ロード「そうか。決めたんなら俺はいいぜ」

 

 

 

ナイン「大歓迎だよ、エイリークは強いししっかりしてるから頼りになるなー」

 

 

 

ソール「僧侶さんですからいざという時とても助かります。よろしくお願いします、エイリークさん」

 

 

 

エイリーク「任せて!ナインとソールはお姉ちゃんみたいに思ってくれていいからね!」

 

 

 

ソール「えっと、エイリークさんはおいくつですか?」

 

 

 

エイリーク「20よ!」

 

 

 

ソール「じゃあ俺とは同い年ですね」

 

 

 

エイリーク「あ、そうなんだ。でも頼っていいからね、ソール!」

 

 

 

ソール「ふふふ、はい。頼らせてもらいます」

 

 

 

ナイン「じゃあエイリークはお姉ちゃんだね、よろしく」

 

 

 

エイリーク「えへへー、よろしく、ナイン!そういえばナインっていくつ?若そうだけど」

 

 

 

ロード「そういやお前の年齢聞いた事ねえな」

 

 

 

ソール「そういえば....聞いても大丈夫ですか?」

 

 

 

ナイン「ふふふふ、何歳に見える?」

 

 

 

ソール「そう聞いてきますか」

 

 

 

ロード「15とかだろ、ガキだガキ」

 

 

 

エイリーク「流石にもっといってるってー。18とか!」

 

 

 

ナイン「........皆の想像におまかせしようかな」

 

 

ナインの後ろでサンディはくすくすと笑っていた

 

 

エイリーク「えー、ずるいー!」

 

 

 

ナイン「ふふふふ」

 

 

 

 





エイリーク「みてみて、サンディ。このヘアゴムめっちゃ可愛いでしょ!」


サンディ「ヤバ!可愛い!!エイリークあんたセンスあるわ!アタシもほしい」


ロード「.....余計にここにいづらくなった気がするんだが」


ソール「あははは....まあ、女性はこういう部屋とかああいうお話好きですから」


ナイン「サンディとエイリーク仲良しでいいねー。微笑ましい」


ロード「やっとこのゴリゴリの部屋に慣れてきたってのにもっとキャピキャピされんのかよ」


ソール「賑やかでいいじゃないですか」


エイリーク「ねー、三人もこっちで話しましょー」


ナイン「うん、行く行く」


ソール「ほら、ナインさん行っちゃいましたよ。ロードさんも行きましょう」


ロード「.....やれやれ」

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