ダーマ地方
青い木の近くに降り立つと、近くには大きな神殿のようなものがたっている。長い階段と白い神殿のような建物が綺麗である。転職のために世界各地から多くの旅人が集まる場所
サンディ「とーちゃーく!地上ではこの青い木のところにしか天の箱舟を停められないみたい。ここからは箱舟を降りて歩かなきゃ。また箱舟に乗りたくなったら青い木の前まできて」
ナイン「夜だからよく見えないけど、大きな神殿みたいなのがあるね」
サンディ「ここって多分ダーマ神殿ってトコだよ。そこでは転職ができるんだとか。きっと人間もたーくさん集まってるはずだから行ってみてソンはないと思うんですケド!」
ナイン「なるほど、転職。というかさ......僕、気になってる事があるんだよね」
サンディ「なに?」
ナイン「ソール達ってどうしてるかな......。何も言わずにこんな所まで来ちゃった」
サンディ「.........ヤバ、すっかり忘れてたんですケド」
ナイン「えっと、世界地図......。ダーマ神殿は.....ここか。んー、セントシュタインからそれなりに近いけど、来れるのかな」
サンディ「手紙出してみたら?」
ナイン「あ、そうしよう。来てもらえるかも」
サンディ「よーし、そうしよ!まずはダーマ神殿に行ってみよー」
その頃、セントシュタイン城下町
リッカの宿屋
ロード「あの馬鹿はいつになったら戻ってくるんだ!!!ああ!!?」
ロードがまさに怒り心頭といった顔でテーブルをバンと強く叩いた。ナインが帰ってくると言った日から二日が経過していた
エイリーク「こういう事前もあったの?流石に心配なんだけど」
ソール「いや、なかったですね。何かに巻き込まれた可能性も出てきましたね」
ロード「どうする?探しに行くか?」
ソール「そうですね。今日はもう夜なので明日少し情報を集めてみましょう」
エイリーク「ウォルロ村だっけ?そこに行ったんだよね」
ロード「多分そこは関係ないと思うぜ。前に一度、用事って言ってギャル妖精と二人でどこかに行った事がある。それと同じだとするなら、方角的にウォルロ村とセントシュタインの間、峠の道の可能性が高い」
ソール「峠の道......あの、黄金の汽車が出た場所ですね」
エイリーク「まさかソールとロードも見てたなんてね。でも、周りの人見えてなかったよね」
ロード「俺達にしか見えないってのもよくわからないよな。幽霊の時みたいだな」
ソール「よくわからない事ばかりですよね。何かおころうとしてるんでしょうか」
エイリーク「とりあえず、また宿屋借りよっか。リッカも少し心配してたし」
ロード「そうだな。あのクソガキは見つけ次第絶対ボコボコにする」
ソール「仕方ない事かもしれませんから、そんな怒らずに」
次の日、昼間
ソール「じゃあ予定通り峠の道に行ってみましょうか」
ロード「そうだな。なんか見つかるといいが」
エイリーク「ねえ!今、リッカがナインからの手紙届いたって!」
エイリークが封筒を持って走ってきた
ソール「本当ですか!よかったー!!」
ロード「いや、無事とは限らねえぞ。罠の可能性もあるし、捕まってる可能性だって」
ビリビリ
ロードの話を遮ってエイリークは封筒を破って中を読んだ
エイリーク「あ!ナインの字だよ!」
ロード「だから聞けよ!!まあ、よかった」
エイリーク「えっとねー、ダーマ神殿にいるんだって」
三人「ダーマ神殿!?」
ソール「あの転職する場所ですか!」
エイリーク「えー、凄い、ナイン!いいなー、あ!私達にも来て欲しいってさ」
ロード「なんでそんな所にいんだよ!意味わっかんねえな!」
ソール「確か、ここから海を挟んで大きめの孤島でしたっけ」
ロード「一応この前行ったブールシーから船が出てる。俺達も急いで行くぞ。あいつを締めあげなきゃならねえからなぁ。人を散々待たせといた挙句、俺達に来させるとは随分といい度胸してるもんだなあ」
ロードは悪い顔で指をポキポキ鳴らしている
エイリーク「じゃあブールシーにまた行こっか」
ソール「なんか、合流したらまた一波乱ありそうですけど向かいましょうか」
夕方、ダーマ地方
船着場
ダーマ神殿近くの船着場にソール達は到着した
ソール「船って意外と早いんですね」
エイリーク「ねー!私、初めて船に乗った!楽しいねー!」
ロード「ここが噂のダーマ神殿ねえ。随分とまあ厳かな雰囲気じゃねえか」
ソール「ナインさん、ダーマ神殿の中ですかね」
ロード「さーて、ぶっ飛ばす準備」
エイリーク「あ!あれ、ナインじゃない!?」
エイリークは船着場の入口からこちらに走ってくるナインに気がついた
ソール「ナインさん!!」
ナイン「ソール、ロード、エイリーク!」
僕はあまり時間がたってないのに、なんだか随分久しぶりな気がして思わず三人まとめて抱きしめた
ナイン「会いたかったー!」
ソール「ナインさん!?ど、どうしましたか、突然」
ロード「な、なんだよ....離せって!」
エイリーク「流石にこれは恥ずかしいよー」
ナイン「ごめんごめん。でも、もう少しだけ.....もう少しだけこうさせて」
エイリーク「ナイン.....。もちろん!だってナインのお姉ちゃんなんだから!」
ソール「ふふふ、構いませんよ。寂しかったんですか?」
ロード「ったく.....」
三人がいると、天使界で傷付いた心が回復していくような感じがする。ここにいるととても嬉しいし、落ち着く
ナイン「........よし。ありがとう、三人とも」
1分ほどそのまま抱きしめた後、三人を解放した
ナイン「なんか、三人と偶然離れて遠くまで行っちゃったんだけど.....ちょっと、つらい事があってね。ソールもロードもエイリークもいなくて、僕一人だけなのが、すごく苦しかったんだ。だから早く三人に会いたかったんだ。来てくれてありがとう」
笑って三人にお礼を言うと、三人は少しキョトンとした顔をした後、優しそうに笑ってくれた
ソール「そうなんですね。少しでも今ので癒されたならよかったです」
エイリーク「やだー、ナイン可愛いー!もっとお姉ちゃんに甘えていいんだからね!え、ちょっと待って、ナインの頭触り心地最高なんだけど!」
ソールとエイリークは優しそうな顔で頭を撫でてくれた
ロード「ふん!元はと言えば何も言わずに勝手に消えたお前のせいだろ!......まあ、二度目はねえからな」
ロードはそっぽを向いた後、最後にボソリと呟いた
ナイン「うん」
ソール「まあまあ。心配したのは本当ですけど、とにかくナインさんもサンディさんも何もないようで安心しました」
サンディ「まあね。とにかく、ダーマ神殿の中にいきましょ」
ダーマ神殿
エイリーク「ここがダーマ神殿かー。話ではよく聞いてたけど、綺麗なんだね。私も転職してみようかなー」
サンディ「それが、なんかだいしんかん?とかいうおっさんがいないみたいで、転職できないみたいよ」
二人「ええ!?」
サンディの話にソールとエイリークが悲しそうな表情になった。転職、したかったのかな
ソール「いないって、なんでですか?大神官さんがいないなんて大丈夫なんですか?」
サンディ「んーとね」
サンディはソール達を待っている間に集めた情報をソール達に話した。大神官は突然いなくなった事、戻ってきてない事、そして
サンディ「大神官はいなくなる前日に、黄金の果実を食べたらしいの」
ロード「!?」
二人「黄金の果実?」
サンディ「うん。あまり詳しくは言えないけど、その黄金の果実ってのは人間が食べたり願ったりするとマジヤバな事がおこるのよ。その大神官が何をしたのかは知らないケド、きっとロクでもない事じゃない?」
エイリーク「じゃあ、それが原因でいなくなったって事なんだ」
ソール「どこに行ったとかは知らないんですか?」
ナイン「なんかここより東に大きな塔があるみたいだけど、そこに向かったんじゃないかって」
ロード「なるほど。とりあえず塔に行けばいいんだな。んで?ギャル妖精はなんで黄金の果実を知ってんだ?」
サンディ「......妖精だから?」
ロード「妖精じゃねえんじゃなかったのか?まあいいけどよ」
ナイン「ただ、一度塔にも行ったんだけど扉が開かなかったんだよね。鍵もないし」
エイリーク「私がゴリ押ししてみようか?」
ソール「もしかしたら仕掛けがあるのかもしれませんね」
ロード「ほーん.....って、お前はそうやってまた一人でホイホイと!!俺達を待ってるくらいできねえのか?ああ!?マジで縄で縛り付けて動けなくさせてやろうか」
ロードが怒った顔で僕の頬を思いっきり伸ばしてくる、ちぎれる....
ナイン「いひゃい、いひゃい。ごめんなびゃい」
ソール「ロードさんずっとイライラしてるんで、あまり刺激しない方が身のためですよ....」
サンディ「とゆーワケで、また情報集めたいのヨネ。なーんか塔の開け方知ってる人いないかなー」
エイリーク「わかった。少し聞いて回ってみよっか」
その後、それぞれ聞いて回っているとロードが大臣さんを連れてきた。僕達はこの大臣さんから大神官さんの事についていろいろ聞いていたのだ
大臣「旅のお方、申し訳ございません。あのダーマの塔を開けるには作法が必要なのです。綺麗にお辞儀を1回すれば開きます。しっかりとしたお辞儀でお願いします、このようにですな」
大臣さんは綺麗にお辞儀をしてみせてくれた
ナイン「なるほど、わかりました。ありがとうございます」
大臣「いえいえ、お仲間様もお手数かけさせてすみません。どうか大神官様をよろしくお願いします」
ロード「よし、じゃあとっととそのダーマの塔に向かうか」
ソール「東、でしたっけ」
ナイン「うん、こっちー」
僕が先導しようとすると
サンディ「違うってば、東はあっち。本当にもう!何回言ったらわかんのよ、あんた!」
ナイン「あはは、ごめん」
エイリーク「ナインには先頭任せられない気がする」
二人「同感」
サンディの案内でダーマの塔へとやってきた
ダーマの塔
ダーマ神殿から東にある大きな高い塔。昔はここで転職の儀式を行っていた場所だが、今は魔物の巣と化している。そのため、今では誰も寄り付かない
エイリーク「高い塔だねー」
ソール「ここを登るのも中々大変そうですね」
ロード「んー......六階だな。宝箱の匂いもするし、まあいいんじゃね」
ナイン「じゃあ、お辞儀してっと」
僕は先程うんともすんともしなかった扉の前で綺麗にお辞儀をした
ガタン
扉はそのまま開いた
ナイン「おー、本当だ。こうすればよかったんだ」
サンディ「どういう仕組みなのかしらねー」
全員で塔に入ろうとすると
エイリーク「あ!ちょっと待って!」
エイリークが立ち止まって声を出した
ナイン「どうしたの?エイリーク」
エイリーク「あのさ、ここって時間かかるよね。もう夜遅いし、塔の中って魔物だらけなんでしょ?休めないのつらくないかな」
ソール「あー、確かに。戻って明日明るい時に来ましょうか」
ロード「まあ夜は魔物も元気だしな。俺も賛成」
サンディ「またダーマ神殿に戻る?行ったり来たりで大変なんですケド」
ナイン「あ!僕ね、ちょうどいい魔法覚えたんだ。ルーラっていうこれまでに行った事ある町に転移する魔法」
エイリーク「え、そんなのあるんだ!ナイン凄いじゃん!」
ソール「かなり難度高い魔法と聞きますが、凄いですね、ナインさん」
ロード「ほー、ガキにしては有用な呪文を........ん?.......おい待て、クソガキ。じゃあ最初から俺達を呼ばずに、お前がセントシュタインに来ればよかったんじゃねえのか?」
四人「あ」
ロードの指摘に全員ではっとする。嫌な予感をロードから感じて思わずその場から逃げ出した
ロード「待てや、クソガキ!!てめえのすっからかんな頭に叩き込んでやるよ!!」
ナイン「ごめんってばー!!」
サンディ「ヤレヤレって感じなんですケド」
ソール「はははは....。まあ、とりあえず戻りましょうか」
エイリーク「どうせならリッカの宿がいいなー。広いし!」
ナイン「ソール、転職ってどういうのをするの?」
ソール「そうですね。俺達ってそれぞれ職業があるじゃないですか。ナインさんなら旅芸人、俺なら戦士ですね。これは基本変えられません。ここは大丈夫ですよね」
ナイン「うん」
ソール「ですが、転職をする事で好きな職業になる事ができるんです。例えば、ナインさんも俺と同じ戦士になる事だって出来ますし、ロードさんと同じ盗賊やエイリークさんと同じ僧侶にもなれます。それが転職です」
ナイン「へー!転職って便利なんだね。他にはどんな職業があるの?」
ソール「いろいろありますよ。魔法使いや武闘家、果てには商人や船乗り、農家や教師、いろいろです。転職する事で様々な知識や力を教えてもらうこともできます」
ナイン「じゃあいっぱい転職すればいいんだね」
ソール「あまりやりすぎると器用貧乏みたいになるので気をつけてください。それに、極めようとすると一生レベルの時間がかかるともいいますし。あとこれは聞いた話でしかないのですが、なにやら特定の職業にはそれぞれマスターと呼べる人が存在するらしく、その人に教えをもらったりすると秘密の職業が存在するとか」
ナイン「凄い!そんな人がいるんだ!じゃあ戦士マスターとかがいるんだ!」
ソール「わかりませんよ?ただの噂話の可能性もありますから。でもなんだか夢がありますよね。俺も会って教えてもらいたいなー」