次の日
僕が朝に起きると既にオリガちゃんはいなくなっていた
ナイン「あれ.....おはよう、オリガちゃんは?」
ソール「あ、おはようございます、ナインさん。オリガさんは俺が起きた時にはいなかったんですよ」
エイリーク「起きるの早かったみたいだねー、あまり寝れなかったのかな」
ロード「朝早くにそっと出ていく気配はあったぜ。多分昨日話した通りあのクソに話に行ったんじゃねえの?」
ナイン「なるほど」
エイリーク「なんか.....浜辺の方が騒がしくない?」
ソール「そうですか?」
エイリーク「うん。なんか、ザワザワしてる」
エイリークはそのまま外に出ていった
エイリークに釣られるように僕達も外に出た
浜辺の付近では村人達が少し焦った様子でキョロキョロとしている
サンディ「なに?なんか探してるみたいじゃない?」
エイリーク「どうしたんだろ」
村人「旅人さん、オリガを見なかったかい?もういつものお祈りの時間なのに、オリガが現れないんだ」
ソール「オリガさんが?いえ、俺達も見てないです」
ロード「村長の家に向かったみたいだが?」
村人「村長もいらっしゃらないんです。一体どこに.....ああ、オリガがいないと魚はどうしたら」
エイリーク「もう!今日は漁に出ればいいでしょ!」
村人「そんな!取れるかもわからない漁なんて.....久しぶりだし.....」
ナイン「とりあえず、僕達はオリガちゃんと村長さんを探そう」
三人「うん」
村長の家
村長の家に行ってみたが、昨日家にいた人達は誰もいなくなっていた
ナイン「誰もいないね」
ソール「どうしたんでしょうか」
ロード「ん?いや、近くに人の気配......。あ、そこに昨日の村長のガキがいるぜ」
ロードがキョロキョロとすると、家の裏手に村長の息子、トト君がいた
トト「あ、旅人さん」
エイリーク「ねえ、オリガを知らない?」
トト「あのね、今朝早くにオリガがまたお父さんに話に来たの。ぬしさまを呼びたくないって。そしたらお父さん怖い顔してこの裏にある洞窟に連れて行っちゃった。なんか、嫌な予感がするの。お願い、旅人さん。オリガとお父さんを連れ戻してきて」
エイリーク「洞窟?なんでそんな所に?」
ソール「本当だ、奥に大きめな洞窟がありますね」
ナイン「待っててね、今僕達も洞窟に行ってみるよ。教えてくれてありがとう」
僕達はそのまま洞窟に向かっていった
海辺の洞窟
ツォの浜の近くにある大きな洞窟。昔は海の中にあり、海面が下がった事で洞窟となった。サンゴや真珠などが多く取れ、人もおらず、ツォの浜の隠れた財政源となっている
エイリーク「綺麗なところだね、潮の香りも強い」
ナイン「なんか神秘的だね。海の青が洞窟全体を照らしてる」
ソール「そうですね。広いですし、魔物もいますが戦いやすそうです」
ロード「んー、なんか手が加えられてる気配があるな。自然のままってよりは、人間が歩きやすいようになってるような?」
サンディ「最近海ばっかりねー。たまにだとテンションアガるケド、こうも続くと飽きてくるのよねー。髪にもダメージいくし、さっさとオリガ達見つけて帰ろ」
2階
ガマキャノン「......」
紫の大きなカエルのような魔物が道を塞いでいた
エイリーク「わ、キモ」
ロード「ガマキャノンだな、背中の大砲から玉みてえな攻撃してくるんだ。汚ねえったらありゃしねえ」
ナイン「目が可愛いね」
ソール「言うと思いましたよ。よし、職業の訓練の成果、出しましょう!」
ソールはガマキャノンにかけていく
ソール「火炎突き!」
ソールの槍に炎が纏い、そのままガマキャノンを突き刺して燃やしていく
ガマキャノン「ガギャギャギャ!」
ガマキャノンはたまらずに煙となって消えていった
ナイン「おー、れんごく斬りが火炎突きになった」
ソール「炎の感覚は同じなので、武器の違いですね」
ロード「なるほど。俺もやってみるとするか」
ロードはそのまま遠くにいるクラゲのような魔物、しびれクラゲに向かっていく
ロード「氷結拳!」
ロードの右手に氷が纏ったあと、思いっきり殴りつけた
しびれクラゲ「ピギー!」
しびれクラゲの顔が半分凍ったまま、煙となって消えていった
エイリーク「私もー!よーし、聖風斬!」
エイリークが剣に風を纏った後、針のついたタコの魔物ニードルオクトに向かっていく
ニードルオクト「ギィ!」
ニードルオクトは針を飛ばしてくる
エイリーク「やああ!!」
しかし、エイリークの纏う風で全てあらぬ方向へと逸らされ、そのまま切りつけられて消えていった
ナイン「三人ともすごーい!」
ソール「ナインさんも何かありませんか?」
ロード「そうだぜ。もったいぶってねえで出してみろよ」
エイリーク「ナインのもみたーい」
ナイン「僕......特にないなー。前はヒャドの魔法使ってたけど、今は使えないし......」
エイリーク「雷は?あの時使ってたよ?」
ナイン「雷?......ああ、ジャダーマの時だっけ」
ソール「あれ、雷の技があるわけではないんですね」
ナイン「うん。やった事ないなー、やってみようかな」
ロード「ま、使えるか使えないかはさておき適正はありそうだったぜ。やってみて損はねえんじゃねえの?」
ナイン「なるほど、練習してみよー」
それからしばらくして洞窟の奥、海が見えるビーチのような場所にやってきた
そこには村長とオリガちゃんがいた
村長「どうだ、綺麗な場所だろう?ここならお前も落ち着いて話ができると思ってな」
オリガ「.........」
オリガちゃんは不安そうな顔で村長を見ている
村長「お前はこのところ祈ってばかりで疲れてしまったんだな。うん、うん。仕方がない、浜でお祈りするのはもうやめよう。村人にはワシから言っておいてやろう。ぬしさまをお呼びするお前の力は消えたと」
オリガ「村長さま」
村長はオリガちゃんの肩に手を当てて、微笑んでいる
オリガちゃんは安心したようにみえるが、僕にはその村長の笑顔がどうにも悪意を感じてならなかった
ナイン「(天使界でもよくみたような、なにか企んでる時の顔と似てる)」
嫌な予感が僕の中で駆け巡る
エイリーク「......なんか、あのおっさん嘘っぽい」
ソール「え、そうなんですか?やっとオリガさんの事わかってくれたみたいですけど」
ロード「まあ見てな、すぐにわかるぜ」
村長「それでだな、オリガ。これからお祈りはこの岩場でこっそりとしようではないか。海の底にはまだまだサンゴや真珠、沈んだ船の財宝もあるだろう?お前ならばそれをぬしさまに持ってきてもらう事もできるのではないか?」
村長の顔が悪意に満ちた嫌な顔になる、にたりと笑ったその気持ち悪い顔が僕はとても嫌いだ
オリガ「村長さま....?財宝.....?一体、何を仰っているんですか」
オリガちゃんが村長の発言に驚いて、肩におかれた手を振り払って村長を見た。その顔は怯えきっていた
村長「おお、オリガ。慌てるでない。たまにでいいのだ、お前が気が向いた時でいい。そうしてくれれば、ワシらは豊かで幸せに暮らすことができる」
オリガ「豊かで.....幸せ?」
村長「そうだ、約束しよう。だからもう帰ってこない父を待ち続けるのはやめなさい。これからはワシがお前の父親になろう」
村長はゆっくりと逃げるオリガちゃんに近づいていく
オリガ「違う....!やめて、あなたはあたしのお父さんなんかじゃない!あたしのお父さんは.....!」
流石にまずいと思って四人でオリガちゃんに向かっていくその時
グラグラグラグラ
大きな揺れと共に海から大きな影がこちらへ向かってくる
あの、ぬしさまの気配がやってきた
サンディ「皆!来るよ!」
ザバァァァン!!
大きな水しぶきをあげながら、オリガを村長から守るようにぬしさまが立ちはだかった
巨大なクジラの魔物で、大きな口と無数の牙、黄色い目に赤と青の皮、2つ生えた翼のようなものがなんとも恐ろしい魔物ではない姿をしている
ソール「あれが、ぬしさま」
サンディ「うわ、グロ」
ナイン「お、おっきい.....」
ロード「この魔物ですらない姿、こりゃあ本当にあの女神の果実のせいだな!」
エイリーク「くっさーい!!いくらなんでも臭すぎる!」
村長「おお、ぬ、ぬしさま!!よくぞいらっしゃいました!」
村長は腰を抜かしながらも慌てて土下座をしている
村長「ほら、早く祈りなさい!ぬしさまに財宝を持ってきていただくんだ」
村長がオリガちゃんに慌ててそう言うと
ぬしさま「グオオオオォォ!!」
ぬしさまは怒ったように大きな咆哮をあげた
村長「ヒッ!!」
村長が腰を抜かしたまま後ずさりすると
バクン!!
全員「!!!」
ぬしさまの近くにいたオリガちゃんが食べらてしまった
村長「わわわわ....」
ナイン「な!!!」
サンディ「ちょっと!ヤバくない!?」
エイリーク「オリガ!!」
ソール「急いで助け出さないと!」
ロード「あの野郎、なんて事してやがる!食べるんならあのクソの方食べやがれよ!!」
サンディ「ぬしさまの見た目ヤバすぎるんですケドー、匂いもかなりクサくてマジサイアク」
ロード「腐った魚みてえな匂いだったな。慣れてねえとキツイよな」
サンディ「ロードってなんでも慣れてそうね、なに?いろいろ経験してきたりするワケ?」
ロード「まあ世界各地は冒険したしな」
サンディ「え!そうなんだ!じゃあやたらと町や魔物に詳しいと思ってたケド、マジでチョー優秀な冒険者だったんじゃん!」
ロード「へっ、だろ?本当ならこんな初心者共のパーティにはいねえんだからな」
サンディ「ふーん、ロード的にはどんな感じ?今のところ」
ロード「んー、まあいいんじゃね?悪くはないだろ。ちょっと行く先々で戦闘ばっかりな気はするがな。ま、強くなれるしいいだろ」
サンディ「そこはナインがお人好しなトコのせいもありそうですケド」
ロード「はは、違いねえ。面倒事は嫌いなんだが、感謝されるってのも悪くねえからな。たまにはセントシュタインみたいに、報酬としてお宝ザックザク貰えれば文句ねえんだけどよ」
サンディ「わかるー、感謝もいいけどあそこの宝石チョー綺麗だったし。まあでもあのレベルの大国じゃないとムズいよね。他に大国はないの?」
ロード「いくつかあるぜ。いつか行く事あるだろうから、そん時は期待しておこうぜ」
サンディ「マジ?やったね!じゃあまたエイリークと欲しいものリスト作っとこーっと」