エイリーク「あの、オリガのお父さん!部外者ですけど、ちょっと失礼します!オリガはまだ小さいし、お父さんの大切な娘さんです。お父さんにとってオリガがなにより大切で、心配なのはわかります。
でも!そうやってなんでも面倒を見ないとオリガは生きていけないと思い込んでませんか!ずっとオリガを見てたんですよね。なら、わかるんじゃないですか?オリガはまだこんなに小さいのに、一人でいろいろ頑張っていました!考えていました!村の事や周りがおかしい事を村長に何回も話したり、生活や料理だって頑張ってました!オリガは大変かもしれないけど、一人でも立派に生きていけると思います!
お父さんと一緒にいたい気持ちもあるはず、だよね?オリガ。でも、オリガはちゃんとわかってるよね。オリガはどう思う?私、間違ってるかな」
オリガ「エイリークさん........。うん、わかってます」
オリガちゃんはそっと涙を拭うとまっすぐお父さんを見つめた
オリガの父「オリガ.....」
オリガ「こんなのダメだよ、お父さん。あたしね、一人でもやっていけるよ。心配しなくて大丈夫だよ。あたし、浜で漁を手伝うよ。自分でちゃんと働くの。お父さんの仕事、ずっと見てきたもの。全部覚えてるもの」
オリガちゃんの目からまたポロポロと涙が溢れていく。だんだんと声も震えていく
それでもオリガちゃんは涙を拭わず、まっすぐお父さんを見ている
オリガ「あたしは、お父さんの娘。村一番の、漁師の娘。あたしは......一人でやってけるようにならなくちゃ」
オリガの父「オリガ......。そうか.......。いつの間に、そんなに大きくなっていたのだろうな」
オリガ「お父さん、ぬしさまになってこれまで助けてくれてたんだね。ありがとう。でも、もう大丈夫だよ」
オリガの父「ああ......。すまない、オリガ。私はいつまでもお前を子どもだと思っていた。だが、お前は私の思うよりずっと大人になっていたのだな。私のしていた事は全て余計な事だったようだ。旅人よ、私のせいで巻き込んだだけでなく、世話にもなってしまったな。ありがとう」
エイリーク「全然大丈夫です。思い違いしたままじゃなくて、本当によかったです!」
オリガの父「ああ。オリガ、私はお前の言葉を信じよう」
オリガちゃんのお父さんが優しい光に包まれて天に昇っていく
オリガの父「自分の力で生きるお前を見守り続けよう」
小さな淡い光がオリガちゃんの周りを回る
オリガの父「オリガ、私はいつでもお前のそばに」
パァァァ!
最後に眩い光を放って消えていった。光がなくなると、ぬしさまの姿もなくなっていた
オリガ「お父さん.....」
ぬしさまのいた場所には女神の果実が落ちていた
サンディ「ナイン、さっさとあれ集めちゃお!」
ナイン「うん」
僕はさっと女神の果実を鞄にしまった
ロード「.......」
トト「オリガーーー!!」
後ろからトト君が走ってきた
トト「よかった、皆無事だ!ありがとう、旅人さん達!オリガ......帰ろう?」
オリガ「.......うん」
しばらく空を眺めていたオリガちゃんもトト君の声でこちらは振り向いて、トト君と一緒に帰っていった
ソール「俺達も戻りましょう」
ナイン「うん、そうだね」
村に戻ってからオリガちゃん達と共にゆっくりと休んで次の日
浜辺
全員で外に出ると浜辺には少し忙しそうに船を出そうとする村人達で賑わっていた
その村人達の中にオリガちゃんとトト君もいた
オリガ「あ、ナインさん達。おはようございます。本当にありがとうございました」
ナイン「おはよう、オリガちゃん。もうお手伝いしてるの?」
オリガ「はい。あたしもお仕事頑張っていくんです。今日から皆もまた漁に出るみたいです」
トト「ありがとね、旅人さん達!お父さんはまだお家で唸ってるけど.....僕もオリガに負けずにお仕事手伝うんだ!皆でやれば早いよね」
エイリーク「うん、皆でまた頑張っていこう!きっといい事あるよ」
ソール「偉いですね、村の皆もきっと喜びます」
トト「あ!旅人さん達も船に乗る?東の大陸に行くんだって!」
オリガ「魚が取れやすい場所に向かうそうで、東にある大陸に寄るそうなんです。旅人さんもどうですか?」
ロード「東の大陸......。行こうぜ」
ナイン「行く先もないし、ちょうどいいかも。ありがとう、そうしてみるね」
オリガ「またよかったら来てください。お待ちしてます」
トト「また来てねー、バイバーイ」
船着場
オリガちゃん達に言われた通り、村人達の出す船が東の大陸に行くという事で四人で船に乗り込んだ。出発すると、爽やかな風とともに船のゆっくりとした揺れがやってくる
ナイン「僕、船に初めて乗るよ」
エイリーク「私もダーマ神殿に行く時が初めてだった」
ソール「俺もですよ。結構早くて風が気持ちいいですよ」
ロード「船旅もいいもんだぜ。風や空を眺めるのが一番気持ちいいんだ」
サンディ「へー、ナインアタシ達も船持ったりしない?」
ナイン「いいね、船ほしいなー」
ロード「金持ちにならねえとな」
村人「なんだい、旅人さん。船が欲しいのかい?それなら花の街サンマロウに行ってみな。なんでもお金持ちがいるんだとか」
ナイン「花の街?」
ロード「サンマロウか。あそこも結構都会だぜ」
エイリーク「花の街だって、サンディ!綺麗な雰囲気がする!」
サンディ「ふーん、中々ヨさそうじゃない?次はそこにする?」
ソール「じゃあ目的地にしましょうか」
船着場
ダーマ地方から東にある大きな大陸にある船着場。近くには綺麗な滝と川がある
ソール「それではサンマロウ目指しながら情報集めましょうか」
ナイン「うん。女神の果実の情報もほしいし」
ロード「........なあ、ちょっといいか?」
ソールとエイリークとサンディと共に進もうとすると、ロードが少し立ちどまり、言いにくそうにしながら声をかけた
ナイン「どうしたの?ロード」
ロード「ちょっと寄りてえ所があるんだ。いいか?」
ソール「構いませんよ。珍しいですね、ロードさんがわざわざなんて」
エイリーク「どこに行くの?」
ロード「この先だ。滝から流れてくる大きな川のほとりに大きな橋がかかってる小さな町みてえなもんがある。そこで用事があるんだ」
ナイン「なるほど。僕達もいいの?」
ロード「構わねえよ。ただ.....ちょっと治安が悪い。俺みてえな盗賊やゴロツキが大勢いる場所だ。あまりいい場所ではねえんだ」
ソール「あ。もしかして、カラコタ橋ですかね」
エイリーク「カラコタ橋?」
ロード「知ってたか。そこで合ってるぜ、ならず者の住処カラコタ橋だ」
ナイン「ならず者の住処」
ロード「これまで行ったような場所とはまた違った意味の刺激が強い町だ。手早く終わらせるが、金目のもんはずっと警戒しておけよ。あっという間に取られるからな」
ナイン「ロードみたいに?」
ロード「そうそう、俺みたいに......って!うるせえよ!ガキはウロウロしたりすんなよ!俺から離れるなよ、お前はポヤポヤしてんだからあそこからしたら格好の餌だぜ!わかったな!」
ナイン「ふふふ、心配してくれてる。ありがとう、ロード」
エイリーク「私達も気をつけとこっか、ソール」
ソール「そうですね。エイリークさん、あまり離れないようにしておきましょうね」
ソール「おおー、ここの滝は大きくて迫力凄いですね」
ロード「まあな。水も綺麗だし体洗うのにもいいんだぜ」
エイリーク「え、こんな所で洗うの?」
ロード「旅してると風呂になんて入れないのが普通だからな。こういう時にさっと洗うと気持ちいいんだ」
ナイン「へー、やってみよー」
エイリーク「じゃあ男だけで行ってきなよ、私達は荷物見てるから」
ソール「じゃあ行きましょうか」
ロード「うし、飛び込め!」
ナイン「わー、ロードいいなー。僕も行こうかな」
ソール「ナインさんはあそこまで泳げないんですから濡らす程度にしておきましょう」
ナイン「はーい」
サンディ「ねー、エイリーク。後でアタシ達も行かない?ちょっと気持ちよさそうなんですケド」
エイリーク「そうね、はしゃいでるの見てたら少し羨ましくなってきたかも。サンディもさっぱりしたいよね」
サンディ「たまにはねー、羽も綺麗にしておきたいし」
エイリーク「じゃあ男達が戻ってきたらだね」
サンディ「ナイーン、とっとと戻ってきてねー」