ドラゴンクエストIX 地上で輝く星空に   作:サムハル

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43.新たな場所で

 

アサ「兄ちゃん、ナインさん、大丈夫か!」

 

 

ソールに回復してもらってすっかり元気になったアサ君が駆け寄ってきた

 

 

ロード「おう。アサ、無事で本当によかった」

 

 

 

ナイン「ありがとう、アサ君。僕は大丈夫だよ」

 

 

 

アサ「あいつら倒してくれてマジで助かった!ありがとう!」

 

 

 

ロード「俺からも礼を言わせてくれ、ナイン、ソール、エイリーク。アサを助けてくれて本当にありがとう」

 

 

アサ君とロードが深々と頭を下げた

 

 

ナイン「うん!」

 

 

 

ソール「はい!って.....あれ、ロードさんに名前呼ばれるのって、もしかして初めてですか?」

 

 

 

エイリーク「あ!そうかも!」

 

 

 

アサ「え!?兄ちゃん、名前呼んだ事なかったの!?」

 

 

アサ君は驚きながらも呆れたような顔でロードを見た

 

 

ロード「ぐっ.....べ、別にいいだろ!呼ぶ機会がなかっただけだ!これからは.......ちゃんと呼ぶ」

 

 

ロードは苦虫を噛み潰したような顔をした後、そっぽを向きながら恥ずかしそうにしている

 

 

ナイン「ロードの好きでいいんだよ?」

 

 

 

ロード「.....仲間、だしな。ちゃんと名前で呼ばねえとふさわしくねえだろ。それに!お前とかで呼ぶのもめんどくさかったんだ、ちょうどいい」

 

 

 

ナイン「ふふふ、そっか」

 

 

 

サンディ「ロードからずっとギャル妖精とか呼ばれるのちょっと困ってたのよねー。これからはアタシもサンディって呼んでよね」

 

 

 

ロード「お、おう....」

 

 

 

ソール「それにしても.....」

 

 

ソールは周りを見渡した。大きく傾いた橋や大きな亀裂、崩れた石や破片があちこちに飛び散っていて、元々綺麗ではなかった場所だが更に酷い光景になってしまった

 

 

ソール「あれだけの攻撃ができて、知性もある。そしてなによりもまるで誰かに指示されていたような言い方。言いたくなければいいんですが、アサさんやロードさんは何かに狙われているんですか?」

 

 

 

サンディ「なんかヤバそうなやつらだったよねー。煙で消えたって事は魔物なんでしょ?アイツらチョーヤバくね?」

 

 

 

エイリーク「鎧には見た事なかったけど、どこかの国の紋章みたいなのもあったよねー」

 

 

 

アサ「........えっと」

 

 

 

ロード「........悪い、知らないわけじゃねえが詳しくは言えねえ。あと、多分だがあいつらの目的はアサだったんだろうが、真の目的は俺だ。アサがあいつらといると俺は迂闊に動けなくなるからな、俺をいいようにしたかったんだろ。そのためにアサを利用しようとした......あまり言えなくて悪い」

 

 

ロードは下を向いたまま、少し小さな声で話している。言いにくそうだな

 

 

アサ「兄ちゃん......」

 

 

 

ナイン「そっか。もしロードが話したくなったら話してくれていいし、話したくなかったらこのままでもいいよ」

 

 

 

エイリーク「でも、これからもアサ君はあいつらみたいなのに狙われ続けるって事?」

 

 

 

サンディ「えー、それはちょっとヨくなくね?アサがピンチになりまくりじゃん」

 

 

 

ソール「そうなりますね。流石に.....まずいんじゃないですか?」

 

 

 

ナイン「僕達と来る?」

 

 

 

ロード「それこそ危ないだろ。わかってるとは思うが、俺達が追ってる女神の果実ってのはやべえ代物だろ。魔物ですらない姿と圧倒的な力。普通の魔物以上に苦戦する戦いばかりだ。アサを守ってやれる余裕は、ない。だが.......アサを保護してくれるような場所なんて」

 

 

 

アサ「兄ちゃん、心配してくれるのは嬉しいけど俺は別に一人でも」

 

 

 

エイリーク「だーめ、アサ君。私達が心配なの。こんなやつら相手にしてたらいつか大変な事になるかもしれないよ」

 

 

 

アサ「そっか.....」

 

 

 

サンディ「でもどうするつもりー?誰かにお願いして匿ってもらうとか?」

 

 

 

ソール「....出来たら目立たない場所.....あ!そういえばアサさん、情報収集が得意なんでしたっけ」

 

 

ソールは少し考えるような素振りをした後、閃いたように顔を上げた

 

 

アサ「え?うん、得意だよ」

 

 

 

ソール「ナインさん、ロードさん。リッカさんの宿屋やルイーダさんの酒場でアルバイトとして、なんてのはどうでしょう。もちろんお二人に聞く必要はありますけど。人を隠すなら人の中とも言いますし」

 

 

 

ナイン「なるほど。僕はいいと思うな」

 

 

 

ロード「ふむ.....。セントシュタインなら人も多いもんな、あの酒場でなら情報を欲しがる冒険者や旅人も大勢いるしありだな」

 

 

 

サンディ「リッカ達の場所ならアタシ達もチョー利用するんだしいいじゃん!そうしよ!」

 

 

 

エイリーク「その方がここよりずっといいよ!あ、でもアサ君、ここにずっといたい?」

 

 

 

アサ「え。いや、別にそこまで思い入れがあるわけじゃないよ。離れなきゃいけないのはわかるし、大丈夫」

 

 

 

ナイン「じゃあ僕達の意見は決まりだね。リッカちゃんとルイーダさんに話に行こうか」

 

 

 

ロード「何から何まで悪いな、恩に着る」

 

 

 

ソール「気にしないでください。俺達もアサさんには危険な目にあってほしくないので」

 

 

セントシュタイン城下町

 

 

僕は先にリッカちゃんとルイーダさんに事情を説明するために一人で中に入っていった

 

 

アサ「ここが、噂のセントシュタイン.....」

 

 

アサ君はキョロキョロと周りを見渡している。夜だからいつもより人は少ないがそれでもカラコタ橋よりは多い

 

 

アサ「なんか、視線を感じない。悪意も感じないよ」

 

 

 

ロード「わかるぜ、その感覚。アサ、他の街や国だと相当警戒心が薄いんだぜ」

 

 

 

アサ「え!盗み放題じゃん!」

 

 

アサ君の反応に全員が苦笑いした

 

 

ロード「おーおー、流石俺の弟だ。発想が同じ」

 

 

 

ソール「アサさん、他の街でそれをやると犯罪なんですよ。すぐ捕まって牢屋に入れられますよ」

 

 

 

アサ「うげ、牢屋かー.....。そこで飯は出るの?」

 

 

 

ソール「え?そりゃあ、出ますけど」

 

 

 

アサ「ならー、別にー」

 

 

ゴツン!

 

 

ロード「ダメに決まってんだろうが、バカ!」

 

 

ロードがアサ君の頭を殴りつけた

 

 

アサ「いったー!兄ちゃん、何すんだよ!ほんの冗談じゃん!」

 

 

 

ロード「タチ悪い冗談なんか言うんじゃねえ!」

 

 

そんな会話をしていると、宿屋からリッカちゃんとルイーダさんを僕が連れてきた

 

 

リッカ「ナイン、この子がアサ君?」

 

 

 

ルイーダ「へー、君にそっくりだね」

 

 

 

アサ「おわ、綺麗なお姉ちゃん達だ」

 

 

アサ君はリッカちゃんとルイーダさんにびっくりしている

 

 

ルイーダ「ふふふ、ありがとう。君よりよっぽど口が上手そうね」

 

 

 

ロード「うるせえよ。で、どうなんだ?アサの事、頼まれてくれるか?」

 

 

 

リッカ「ええ、大丈夫ですよ。人手はあるに越した事はないので」

 

 

 

ルイーダ「.......ふーん、なるほど。君、中々いい素質してるね。流石、この子の弟かな」

 

 

 

アサ「えっと.....俺はアサといいます。13歳です、情報集めるのが得意だけど基本なんでも出来るのでよろしくお願いします!」

 

 

アサ君は深々とお辞儀をした

 

 

ルイーダ「よーし、オッケー。じゃあアサ、君は今日からここの従業員だからね。仕事、どんどん覚えていってもらうからね。頑張んなさい」

 

 

 

リッカ「アサ君、私もまだ入ったばかりだから一緒に頑張ろ」

 

 

 

アサ「うっす!ありがとうございます!」

 

 

 

ロード「サンキュー、助かるぜ」

 

 

 

ナイン「よかったー。ありがとう、リッカちゃん、ルイーダさん」

 

 

 

リッカ「気にしないで。それにもうこんな夜遅くだよ。ナイン達もまた泊まっていって」

 

 

 

エイリーク「うん、そうする!いいよね、ナイン!」

 

 

 

ナイン「うん、流石に疲れたからね」

 

 

 

ルイーダ「アサの服はボロボロになってるけど、捨ててもいい?」

 

 

 

ロード「構わねえよ。なんか適当に服買ってこようか?」

 

 

 

ルイーダ「大丈夫よ、貸出の服あるから。とりあえず綺麗にするところからね」

 

 

その後、僕達もいつも通りリッカちゃんの宿屋でゆっくり休んだ

 

 

 




アサ「おー、すっげー、なにこの部屋」


ロード「凄いよな。この部屋に慣れた自分が俺は怖えよ」


アサ「でもいいんじゃない?俺はこういうの好きだよ」


ロード「マジか....」


アサ「だってこれ、偽物だとしても宝石だろ?へへへ、なんか価値ありそうな部屋!」


ロード「あー、なるほどな。まあ売ればいい金にはなると思うぜ」


ロードの視界の隅ではめちゃくちゃサンディが怒っており、ロードをポコポコ叩いている


アサ「この椅子座り心地わりといいじゃん!へへ、ふかふかー」


ロード「菓子とか茶とか自由に取っていけよ」


アサ「いいの!?やったねー!俺、甘いもの貴重だから好きだぜ」


ロード「ちゃんと飯食えてんのか?」


アサ「ん?うん!最近はいっぱい食べれてるよ!魚とかも自分で取れるし、たまに旅人から情報料としてゴールド貰ってんだ!」


ロード「よし、そういう風にしていけよ。あまり盗んだりすんなよな」


アサ「兄ちゃんがそれ言うの....?」


ロード「俺みたいにはなるなって事だよ」

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