ビタリ山 ふもとの山小屋
山のふもとにある山小屋にやってきた。石でできた彫刻や作りかけの物もあるが、肝心のラボオさんがいない
ナイン「誰もいないね」
ロード「気配も感じない。ここにはいねえみたいだな」
エイリーク「小屋の中とかに何かあるかな?」
ソール「入ってみましょうか。失礼します」
全員で小屋の中を覗くと、少し埃っぽくなっているが誰かが暮らしていた形跡が残されていた。綺麗にたたまれた毛布やベット、テーブルには使っていたであろうコップと手帳があり、植物は少し葉っぱやつるが伸びてきている
ソール「誰もいませんけど、やっぱりここで暮らしていたのは間違いないみたいですね」
ナイン「どこに行ったんだろう」
全員で部屋を散策する
ロード「この手帳.......お、日記みたいだぜ。なになに.....遠い昔、私は泣く恋人に5年で戻ると言い聞かせ、修行の旅に出た。私はひたすらに彫った。気づけば約束の5年などとうに過ぎていたが、気にもとめなかった。
けれど、ようやく故郷の村に戻った私が目にしたのは既に他の男と結婚した彼女の姿だった。......全ては過ぎ去った話。この老いぼれが若かった頃の話。だが、それでも.......。私は北のビタリ山に行く。終わりまであと少し。この山小屋にはもう戻らないだろう。
おいおい、あのおっさん、何しに山に向かったんだ?あの女神の果実については書いてねえけど、多分持ってんだろうな。良くなさそうな雰囲気がするぜ」
エイリーク「じゃあ山登りだね。私初めてなんだー」
ソール「橋を渡ればいいんですもんね」
ロード「最初は少し登るからな」
ナイン「よし、行こうか」
ビタリ山
世界でも有数の大きな山。自然豊かな山であり、紅葉や桜など季節によって表情を変える山を見に時折観光客がやってくるが、魔物や険しい山道で遭難や怪我人も多い
ナイン「うわー、大きな山と洞窟?」
巨大な洞窟となっている周囲には鬱蒼と生い茂る木々と草で覆われて緑の入口が出来上がっている。その洞窟の上には更に木々がある
ロード「この洞窟を抜けて進んでいくと少し広い場所に出る。そこに石の橋があるらしいぜ」
エイリーク「大きい洞窟だねー」
ソール「気をつけて進みましょうか」
洞窟
所々に水がしたたっていたり、デコボコした地面だったりするが広く視界もいいため進みやすい
ソール「巨大な洞窟なだけあってわりと進みやすいですね。看板もありますし」
木の看板で頂上までどのくらいか書かれている
エイリーク「わりと人が来るのかな」
ロード「物好きは来るみたいだぜ」
サンディ「ねー、いいんだろうけどさ。なんか、魔物全然いなくネ?これってフツーなの?」
サンディの発言にハッとして周りを見渡すと確かに魔物が一切見当たらない。気配も感じない
ロード「......いや、普通に生息してたはずだ。確かになんかおかしいかもな」
ソール「戦わないで進めるのは楽ですけど、ちょっと不思議ですよね」
ナイン「この先にいけばいるのかな」
エイリーク「そうかもね。とりあえず洞窟を出てから考えてみよ」
ビタリ山 ???
洞窟を出ると、わずか一瞬だけピンクの光に包まれたかと思うと目の前には小さな村があった。村の中心には周囲の木の家を覆うほど大きくそびえる巨大樹がある。木についているピンクの花びらが風で村中に舞っている
ナイン「ここは、村?」
ロード「どういう事だ?村なんてこんな場所にあるとは聞いた事ないぞ」
ソール「あの木って.....」
エイリーク「綺麗な木ねー、このピンクの花びらは桜って言うんだっけ」
サンディ「なんか、見覚えあるフンイキよね」
全員でキョロキョロしていると、巨大桜の近くにある木の家から人が出てきた
???「あ、こんにちは」
ピンクの髪を腰まで伸ばした綺麗な女の人が優しく笑って話しかけてきた
ソール「こんにちは。すいません、この村聞いた事なかったんですけど、ここは一体?」
???「こちらはブルー村ですよ。このビタリ山に昔からある小さな村なんです。この神木様を中心に人間が住んでいってできたんです。よかったら、皆さんも神木様をご覧になっていってください」
ナイン「立派な桜だよね。あなたの名前は?」
シェリー「申し遅れました。私、シェリーと申します。村の案内人なんです」
シェリーという女の人は優しく笑ってお辞儀してくれた
ロード「........」
エイリーク「シェリーさん、よろしく!ねえねえ、他の人達は?」
シェリー「すいません....。今この村には私しかいないんです.....。全員もう村から出ていかれてしまって」
サンディ「ふーん、まあこんな山の中じゃあ仕方ないですヨネ」
シェリー「まあ!可愛い精霊さん!」
シェリーさんはサンディを見て手を合わせて嬉しそうな顔をした
サンディ「キャーッ!ええ!?なんでアタシの事見えてんの!?チョービビったんですケド!」
サンディが思わず叫び声をあげながらロードの後ろに隠れた
ロード「よく見えたな」
シェリー「まあ、そうなんですか?可愛い精霊さん、シェリーといいます。よろしくお願いします」
サンディ「う、うっす.....。ヨロシク。いやー、ビビったわー」
サンディはおそるおそる手を上げながらロードの後ろから顔をのぞかせている
ナイン「サンディが見える人なんて久しぶりだね」
エイリーク「ねー、私達くらいだと思ってたのに」
僕達がシェリーさんと話している間にソールは桜の木の側に行っていた
ソール「.........」
ロード「どうした?ソール」
ソール「ああ、いえ。立派な桜の木だなって。なんだかエラフィタ村の木みたいです」
シェリー「!?エラフィタ.....?」
エイリーク「エラフィタ村って?」
ナイン「エイリークはまだいない時だもんね。セントシュタインで黒騎士事件があった時に、訳あって訪れた村の名前なんだ」
サンディ「あんまり時間たってないのに、いろいろありすぎて懐かしい感じするわよね」
ロード「言われてみれば、あそこの桜も立派だったよな」
ソール「あ、すいません、シェリーさん。関係ない話をして。俺、こういう自然に囲まれた雰囲気が好きなんです。この木に触っても大丈夫ですか?」
シェリー「はい、どうぞ」
ソールはそっと桜の木に触れた
ソール「......いい匂いですね。この匂いが桜の匂いなんですか?」
シェリー「はい。今が見頃なので、桜もきっと頑張ってるんだと思います。皆さんがきてくれてよかったです。そういえば、お名前をお聞きしてませんでした。皆様のお名前は?」
ナイン「僕はナインです」
サンディ「アタシはサンディよ」
エイリーク「私はエイリークっていいます!料理なら任せてね!」
ロード「ロードだ」
ソール「俺はソールです。こんな綺麗な桜を見られて嬉しいです」
シェリー「ナイン様、サンディ様、エイリーク様、ロード様、ソール様ですね。覚えておきます。わざわざ来てくださってありがとうございました」
ロード「きたくて来たわけじゃねえんだけどよ。なあ、ここにラボオのおっさんは来たか?」
シェリー「ラボオさん?いえ、見かけてませんね」
ロード「........そうか。この近くに石でできた大きな橋がなかったか?俺達はそこに行きたいんだ」
シェリー「石の橋、ですか。うーん......こんな所にそんなのあったかしら。すいません、お力になれず」
エイリーク「ううん、気にしないで!私達で探すから」
シェリー「すいません。もしよろしかったら、この村で休んでいってください。神木様も久しぶりの来客に喜ばれてると思いますので」
ナイン「どうする?僕はゆっくりしてもいいかなと思うけど」
ソール「そうですね。このまま行っちゃうのは寂しい気もしますし......ロードさん?」
ロード「まあ、別に構わねえよ」
ロードは少し考え込んでいる
ソール「?」
エイリーク「じゃあ!どうせなら少し宴会みたいにしようよ!神木様の周りでお昼ご飯!シェリーさんも一緒に食べましょ!」
シェリー「え.....よろしいのですか?私も」
ナイン「大丈夫ですよ。よかったらこの村について教えてください」
エイリーク「一人でも多い方がいいもん!きっと神木様もその方が嬉しいと思う!」
シェリー「ありがとうございます。では、お言葉に甘えさせてもらいますね」
エイリーク「これが桜なんだー、私初めて見た」
ロード「綺麗なもんだよな」
エイリーク「ピンクで可愛いし、春って感じがして私好きだなー」
ロード「桜はいろんな人に似合うよな。俺以外全員似合うんじゃねえの?」
エイリーク「ピンクって結構いろんな色と相性いいもんね。ロードにも似合うよ?いつもより軟らかい印象がする」
ロード「俺が?はっ、なわけねえだろ」
エイリーク「えー、本当だよー。少しかっこいいかも」
ロード「お前な.....そういうのは好きなやつにでも言えっての」
エイリーク「私、ロードは好きだよ?」
ロード「.........そうかよ、サンキュー」